[和訳]「気まずい」「恥ずかしい」「困る」を足して3で割ったくらいの意味(byヒガリノ)
大晦日。風強し。
目をつけてた美栄橋のレンタルサイクル屋,開く気配なし。結局,滞在中は開店しませんでした。那覇自転車走りたくりプラン,企画倒れ。
西へ。と言っても西遊記ではなく,旭橋近くの地名の西。
ジャッキーステーキハウスを再訪。
テンダーロインステーキ(S)1700円
と朝から豪華に(でも気弱にS)がっつり!
改めて見ると,ホントに完全なアメリカン・ダイナー形式。作られた雰囲気じゃない老舗ダイナー。街中のものとしては沖縄にしかありえないかも。
テンダーロインはやっぱり赤身で食わせる肉思想。肉自体が良質ってより,肉の真味を熟知してる。「ニューヨークステーキ」という少し安いメニューもあって,こっちは脂の乗った肉らしい。けど他のブースの客の注文聞いてると,テンダーロインが断然出てる。赤身主体のメニューの方が高くて,しかも売れてるところが沖縄の肉思想なわけさあ。
▲ジャッキーステーキハウス店内の風情とテンダーロインステーキ
辻の名喫茶店Nico-specialは既に年末休みで閉まってた。
まあ…そんなとこかな今日は。最後のカードを出すか。
首里のあやぐにまずは電話してみたら「今日は3時に閉めるよー」とのこと。
旭町から「ゆいレール」で首里へ。ついでに車窓を描写してみよう。
県庁前。ビル群の間を縫って蛇行。
美栄橋。アパートが増える。この辺,意外に生活感あんだよな。左に前島小学校,右にマックスバリューを見て,国際通りをまたいだら牧志。サキシマ上。左手にダイワ・ロイヤルホテルが新築されてた。
安里。ひめゆり通りの高架上を北に向かって進む。下は市場のはず。
おもろ町。昨日来たパン屋3軒の辺りだけど改めて思う。ここ,来る度に開けてくなあ。2年前と比べても全く違う。5年ほど前には空き地だらけだったのに。この不景気だから国庫なんだろけど,にしてもすさまじい。
古島。新都心はこの方向,北へ向かって伸び広がってる。新興の町はほぼ内地と変わらない風情だけど,既にこのエリアまでが間違いなく那覇都市圏になってる。
東の丘陵地へ転進。傾斜を遡る住宅の連なり。山手には亀甲墓も多数確認できる。原チャで何度か迷い抜いた迷路みたいな区画のエリアです。王国期には那覇港から首里城へのメインストリートがこの地域だったわけで,古い居住エリアだと思うが,新しい建築も相当数。
市立病院。
一瞬,北西の丘の向こう遥かに海が顔を出す。白波連なる冬の東シナ海。水面にギラリと映える陽光。
儀保。愛子さんは一体どこへ行かれたのか…はともかく,道はますますメチャクチャ度を増してるのが上からもハッキリ分かる。城の防御策としての区画かもしれない。原チャでも,この辺りは無事に(迷わずに)通れたことがない。
丘陵の最高部に至る。左手に貫禄ある首里中学校が見える。車内に首里城公園の案内放送。首里着。
地上に降りて戸惑った。
かなり再開発が進んでる。あやぐは3回ほど来てるから安心してたが…見当もつかんぞ?ケータイで確認したら,あやぐ食堂自体も新しい店舗になってた。幸い北への太い道沿いだったんですぐ分かったけど…どーもベットタウンとして開発しまくってるみたい。
観光地首里城そばの分かりやすい店として名前が売れたのか,スゴい客足で最初は入れなかった。以前は,どっちかってえと売れてない町食堂で,量の多さだけが売りっぽい店だったのに…。
しばらく周辺を散歩して時間を潰す。
首里りうぼうに寄ってみた。確か以前のあやぐの前にもあって,いつも原チャを停めてたような記憶があるが,構造が全く違うから移転か増築したんだろう。ただ入居店舗はマックとか,全然面白みはない。
入り口の店頭売りでブルーベリーを売ってた。千円のかなりでかい袋入り。買ってみる。支払いながら「沖縄のどこで作ってるんですか?」と尋ねてみたら「いえ,これはカリフォルニアので…」とか。全然面白みがない。
道路を隔ててジミーの店があったんで寄ってみる。なぜか2年前に一世を風靡してたシフォンクッキーが姿を消してた。客もいない。そう言えば国際通りの店は閉鎖したみたい。他のを買ってみたけど,特筆し難い。うーん,面白み無。
そろそろか?と「あやぐ」に引き返す。全然空いてきてないけど,偶然席が空いたんでやっと腰を下ろす。
さて。何にするかな?ここはメニューが死ぬほどある。壁一面がメニューの短冊だらけ。
目を泳がせてたら,沖縄ホリック初期症状の頃にハマって,自分でも何度も作ってきたメニューが気になった。
そーみんちゃんぷるー定食 570円
こんなに絶妙な味覚だったっけ?
ソーミン(硬めの沖縄素麺)にもやし,ネギ,人参,スパム,ベーコンまで各ごく少量ずつ。具が淡くソーミンに絡まってる。基本はカツオってのは変わらないけど,特に人参とベーコンが複雑さを増すいい触媒になってる。
かなり久しぶりだ。初回のウチナーの頃の記憶では,もっと強い味。こんな優しい味だったんやね。
正月は3日から営業とのこと。
料理写真を丹念に撮ってる観光客がちらほら。この方々は皆さんソーキそば。ガイドブックではそっちが有名らしい。
「何がお勧めですか?」とマニュアル通りに尋ねてる律儀な観光客には,店のおばちゃん,そばとゆし豆腐を勧めてました。
あやぐに行ったら,やはりルビーには行っとくか?って気になってきた。
牧志駅から歩く。「とまりん」を経ておもろまち方向へ,軽食の店ルビーに至る。
自販機前で悩む。定食屋の自販機ってのも沖縄独特だけど,これが30近くボタンがあって,しかも同じチケットでどちらか選べるメニューもある。ならチケットも何もないようなもんだが――とにかくすぐ後ろが来るんで時間もかけれん。
ベーコンのおかず 580円
いよいよ訳の分からんもんを頼んでしまった。何だそりゃ?最初の頃はどでかさで有名なAランチばっか注文してたこのルビー,マイナーメニューがかなり楽しい。他に「豚肉のおかず」「牛肉のおかず」ってのもあんぞ?…分からんだろこれじゃ!食材だけ挙げてどーするよ?
沖縄の「おかず」って内地のと全く語感が違う。「定食」に近いようだが特定の料理や形式でもない。もっと「てーげー」(いい加減)なイメージ。
けど食ってみて唸る。かなりイケる!ベーコン入りの野菜炒めってだけで,沖縄料理です!的な色彩は全然ないんだけど,ベーコンの旨味がカツオだしに染み出て最高!簡単だからこそモロに,率直に沖縄。
こりゃあ…古い大衆食堂では最も沖縄が味覚できる選択かもよ?
恐るべし,ウチナワンおかず!
おもろまちへの斜面はキツかあ!
ほんでもって,おもろまちって,歩くと…とっても広かあ!
おもろまちの東半分は,まだまだ内地の埋め立て地みたいに閑散としてる。一気に歩き切って公園を横切り小店天久一丁目の角地,宮里屋へ。
自家焙煎珈琲の店で豆売りがメインでイートインもあるよって風情の小さなお店。満席近い。
オリジナルブレンド 500円
うーん。微妙だ…。
味は確か。近畿圏の尺度ならかなり評価されるブレンド。酸味はないから豆質もいいはず。
沖縄らしいあのスープ感が薄いんである。――大阪的な渋みを感じるが,沖縄的なコクはその一つ下に隠れて息づく。
常連らしきかなりの客が,ひっきりなしに豆を買ってくから,市民の支持も相当ある。
那覇でこれがウケるとは…あのコク丸出し珈琲を卒業する潜在的なインセンティブがあるんだろか!?このエリアで作られつつある沖縄の新しい味覚――そんなイメージを感じました。
メインプレイス横のTSUTAYAで,とうとうCDを手に入れる。
栄養失調で入院してたCocooの3年ぶりのCD,エメラルド。
大体この類の触れ込みのは権威だけでロクなもんじゃないことが多いが…Cocooがどう再起動したのかを聴きたい。それだけです。
聴くと。
Cocooの視界に映るウチナーは,わしらナイチャーが見るより遥かに地獄絵図らしい。当たり前と言えば当たり前だが――。
「エメラルド」1曲目の三村エレジーは,2010年時点でのCocooのウチナー風景のスケッチのような曲。
和訳はなく,英訳しか付いてない。Cocooは内地を相手にせずと,まず明言するのだ。だから,わしも和訳しない。
その上で,ウチナーをかくも嘆いてる。特に「ねつ造やし」のくだりは強烈。
小禄(うるく) 豊見城(とみぐしく) 垣花(かちぬはな) 三村
三村の婦女達(あがた)が揃って(それとうて)布織り話
夢の間に乗っちゃいな
先に倒れた阿呆の勝ち
正常な脳に麻酔銃
据えた炎(やっちゅー) 熱々(あちこーこー)
綾間違ぐなよ(あやまみぐなよ) 元かんじゅんどう
※英訳:Don’t mistake the wave or you won’t get your money’s worth
上泊 泊 元泊 三村
三村の二才達(にせた)が揃って(それとうて)塩(ます)立ち話
張り巡らされるの金網(ネット)
蓋をされるのブルーオーシャン
ねつ造やしがおもろ町
ヘソで沸かした茶も冷える
雨(あみ)降らすなよ 元(むとぅ)かんじゅんどう
行逢りば兄弟(ちょーでー)信じて開けたら
根こそぎ盗られて裸
肝(ちむ)さーに容貌買いんってたって
I can do nothing
慶良間見しがムチ毛見らん
ラインも引けずに×
首ちり友にも首斬られるから
i can do nothing
[作詞作曲:Cocoo「三村エレジー」,エメラルド,2010.08.11]
おもろまち駅でゆいレール乗車。
駅の東側,真嘉比小学校方向はまだまだ一面の空き地が広がってる。メインプレイスのある西側からの導線が出来てないから,今はあんま入居ニーズは高くないだろう。ただし,既に整地は始まってる。こちら側が開発されてくと,天久の市街はさらに広がってく。
どこまで変わり続けるのか,那覇の町!
藤原新也の一節が浮かぶ。――墓に唾をかけるのか,それとも花を盛るのか。
国際通り。大晦日,夕闇。
市場入り口南手のビルの2階に「まきし食堂」ってのがある。何度も見てたし,いつも気になってはいたけど,まあ場所だけだろ~?と侮ってたが…今回ついに行ってみて驚いた。
年中無休,24時間営業。でもって,定員のお姉さんにそのことを聞きながらチラ見する限り,やや暗がりの広いセパレート座席で居心地はよさそう。今日は元旦営業だけ確認して引き上げましたが…使える店っぽい。沖縄ではこの類の店が捨てがたいのは実感してます。
すぐ階下の「ちぐさ」へ。
㈱千草物産って会社の出店。なんぶー(本島南部)の西崎に工場と農場があるらしい。前回月桃茶にマイった店です。
今回は3袋1050円のセット買いした。ハイビスカス,カモミール,セントジョーンズズワート。アクは強いけどどれもいいお茶でした。
その後は,昨日と同じく国際市場方面へ潜りました。
ああっ,買い過ぎた!どーすんねん,こんなに!
パンパンになったトートバックの中には――
(壺屋一丁目 雪塩菓房)
マンゴージャム 900円
雪塩プリン 380円
(太平通り)
三枚肉 500円
(惣菜ストリート 丸山)
スンシー,中身汁 各200円
(新天地市場本通り まーさむん処 じーまーみどうふ・おにぎり・沖縄そばの店 商六)
ジーマミー豆腐 150円
(牧志公設市場)
スーチカー(ボイル) 500円
(国際市場の露店 中田食品)
みき 120円くらい
量もさることながら!質的にも素晴らしい大収穫だぎゃあ!どれもコテコテに沖縄で,んでもって昨日買ったパンにばっちし合う!
でもページが尽きそうなんで詳しくは写真編にて!
▲国際市場購入の肉類3種。スンシー(左上),三枚肉(右上),中身(下)
今夜は宿の対面にあるサウスウィンドウって喫茶店へ。
ホットコーヒーを注文。
自家焙煎でも何でもない,ただ時間的には一杯だてしたっぽいコーヒー。
カップに続いておっさんが皿を出す。「飴ですけど」って,まあそりゃ見たらわかるが…黒豆やら黒糖やらオレンジやら何やらの小袋が4つも付いて出して来た。何でそんなにサービスいいのか?
で,コーヒーだけど…やはりコクだ。苦味は薄く,渋みは淡く,酸味は微か。コクだけがじんわりと出てるコーヒー。沖縄だ。レベルはともかく,らしさはCozyより強いかも。
おっさんの娘らしい。生意気そうに「年越しそば早く作らんきゃ!紅白始まるさあ!」とまくしたてとる。年越しまであと6時間の那覇沖映通り。
一息つくと,風が強い中を歩き過ぎたからか,どっと疲れが来た。今夜はよく眠れそうだ。カモミールも買ったし…。