外伝17-024 あかあかと冥海に彼の息づかい/Happy Happy Hanjoong Ferry

論として,仁川-中国間の国際フェリーには乗らない事をお薦めします。
 かなりディープな世界です。管理も怖い。それに独特な感性で動いてます。あえて使うなら,2人で2人部屋を丸々予約すべきです。
 以下は結果的に,当日飛び込みで夜行フェリーに乗船し,仁川から烟台に移動できました,という記録です。
 ワシ自身二度と使わないであろう,という意味では,おそらく得難い利用体験でした。いやはや。

仁川・第一ターミナルへの迷走行

ウル駅のコインロッカーから荷を回収したのが1455。
 指紋認証だけでちゃんと開きました。追加料金なし。
 1号線で西へ。
 車両はすぐに地上へ出る。今回は仁川行きか水原行きかを確認できずに飛び乗ったので,九老まで気を付けないと。
 1523,間違えてたことに気づく。えっと?地下鉄路線図を睨みながら,行程を修復する。加山デジタル団地から7号線に乗り換える,これかな?
 1535,温水「ONSU」という妙に頭に残る音の駅で,1号仁川行きに復帰できました。
 ──結局,アナウンスもなかったから,乗る時に何らかの方法で仁川行きかどうか確認しないといけないんだけど…でもどうやって?モニターとかには書いてあるんだろけど…一両目の頭に書いてあるのを見る以外には,誰かに訊くしかないんだろか?

川が近づく中,情報を再整理する。
 仁川の港から中国への国際フェリーの路線は多い。けれど当面,山東を目指すなら,烟台か威海へ渡ることになる。
 この日はたまたま土曜日で,どちらもへ便がありました。烟台へは仁川港第1国際旅客ターミナルから1830発,威海へは同第2国際旅客ターミナル1900発。
 当面の問題はこの2つのターミナルが全然別の場所で,地下鉄最寄りの東仁川駅からも相当遠いこと。ただ,バス路線はある。
「第2国際旅客ターミナル(別称:旧ターミナル)はKORAIL水仁線の新浦駅を下車してすぐのところにあります。第1国際旅客ターミナル(新ターミナル)・第2ターミナル共に,ソウル地下鉄1号線(KORAIL京仁線)の東仁川駅から路線バス24番でアクセスできます。」
 烟台便のチケットが買えなかった時の事には,威海便を狙ってバスで移動する想定にした。──どうもこのターミナルの場所も最近変更したものらしく,他にも色んな情報がある。現地で判断するしかなさそうでした。
※ byferryfrom2japan.com/韓国-中国航路


▲東仁川駅前のターミナル1行きバス乗り場。調べとかないと少し戸惑う。
 南側の地下街のある駅前三叉路を南に潜った先,右手西側にあるマックの前。その手前のロッテリアではない。

ず第1ターミナルという場所に行かなきゃならない。
 発車地点は東仁川駅。ちょうど一度だけ歩いたことはある。
・東仁川駅の南側にあるバス停から、第1・第2ターミナルへ向かう路線バスの24番が出発。駅から第2ターミナルの駐車場まで約1,200m。駅前から延びる道路の突き当たりを左に200m進んだところが第2ターミナルの入口。
・24番バスが発着するバス停は、東仁川駅から約100mほど南にあるマクドナルドの前。駅前すぐのロッテリア前のバス停ではないので注意。電車から乗り継ぐ場合は駅の改札口から左側の地下通路と商店街を通って、15番出口を上った付近にバス停有。
・24番バスに乗って3つめのバス停が「第2国際旅客ターミナル(제2국제여객터미널)」。終点が「第1国際旅客ターミナル(제1국제여객터미널)」。所要時間は第2ターミナルまで約5~10分、第1ターミナルまで約30〜40分。
・マクドナルドの前のバス停からは、24番バスの他に第1ターミナルへは12番バス、第2ターミナルへは3-1番、17-1番、23番が利用可。

──と色んな情報がある。ここの駅はそんなに複雑な場所じゃない印象なんですけど。これも実地で判断するっきゃないか。
 とりあえず2つの目的地のピンイン(読み方)を押さえとく。
煙台 yan1tai2
威海 wei1hai3

の南口から出て地下へ潜ると,ここ地味な地下街があったんですね。
 目測で地上に上がるとマック前のバス停でした。1629。
 24番のバスも発見。路線図を見ると終点は「クジェヨケクタミネル」と読めるハングルです。これが第一ターミナルの現名称なんでしょう。12番にはこの名は見つからないけれど,路線設定上,24番が別の場所へは行かないだろう。
 かなりバス待ち客はいる。
 空には雲,時々暗くなってる。
 1633,24番来る。乗車。

らく南行してる。
 第二ターミナルらしきバス停はなかった。第一と同じく名前が変わってるのか?
 日中の東仁川は結構華やいでる。前回は朝早くだったから寂しいイメージだった。意外な印象です。
 1652,市場。乗客は3人を残し全員がここで下車。
 かなり大きい市場です。
 海にぶつかるT字。ここらしい。

▲仁川港第一ターミナルの建物上から周囲を一望。港湾施設一色です。

乗船:引越でもするのか,その荷物?

ャスト17時にカウンターへ。
 客が全然いない。でも全然大丈夫っぽい。98千w。特にチケットを選ぶ段階もなかった。会話は全て中国語。
 けど親切な表示も読むべき人の流れもない。どうすればいいの?とカウンターで訊くと,3階へ行けと指示。ここでいきなり「快走!」と急かされた。
 ──どうやら遅すぎたらしい。3階へ上がるともう検札が始まってて,わしはほぼ最後でした。チケットなしなら出港3時間前にカウンター,2時間前検札という辺りがベターらしい。

▲検札の行列

ミグレとかの手続きは極めてルーズで,いつ抜けたのかもよく分からん。
 それより…とにかく皆さん,物凄い量の荷物なんである。
 ほとんどの人は退税何とか窓口で還金手続きの列に並んでます。では今のうちに彼らを追い越そう。
 そのまま建物を出る。船まではバスで移動するらしい。

▲出国カウンター建物の出口で船へのバスを待つ,物凄い荷物を携えた中国人

725,船へ移動するバスの中にいます。
 追い越してよかった。ほとんど引っ越しの作業みたいな調子でバスでに荷物が運び込まれてます。今,還税手続きをしてる人たちの引っ越しに巻き込まれたらとんでもないことになるとこでした。

▲バスの中も当然荷物だらけに

素敵な船内:ワシの部屋…だよね?

りこんだのは超巨大客船でした。
 というより,集合住宅をそのまま船に乗せた安宅船,という感じ?
 1752。ずらりと並ぶ客室のフロアが5層になってる。覗くと,各部屋が4人から2人の部屋になってる。何人乗せるつもりなんだ?
 付属設備は枕以外ない。シャワーは部屋で共同,トイレは階に4箇所。部屋内に窓はない。テーブルは部屋に一つ。ベッドに仕切りやカーテンはない。
 日本人的に見ると難民船みたいなもんだけど…中国人的にはこんなもんなんだろか?列車の硬臥並みといえばそうなんだけど…。

▲殺風景な廊下に部屋がずらり。

っと部屋を見つけるともうオバハンが2人,荷物を広げておられました。
 部屋ナンバーを示して「ここ,ワシの部屋…だよね?」とおずおず切り出したのが失敗だったのか?
「ああ,部屋を変わってくれ」
ってオバハン,おんたもう荷物を全開で店開きしとるじゃないか!
 オバハン,ペンを取り出してワシの切符の部屋ナンバーに「412」と書き足す。おい,お前が割り振るのか?
 ほとんど呆然としてあてがわれた412へ行くと──4人部屋。室内にシャワーもあるけど,まあドミです。
 これでFIRSTクラスって…。ちなみに見る限り一級上も似たようなものでした。
 はいはい。ここで寝ればいーんでしょ,寝れば。…と思ったんだけど,そう甘いもんでもなかったんだなこれが。

▲とても快適なお部屋

餐開始六点」
と同室の任侠的な男が言う。
 後から考えると山東人の一般的なタイプでした。荷を置くや洗濯を開始,共用のシャワー室のあちこちを物干しにしてしまってます。
 夜行フェリーで毎度楽しみなのは船内探索。男に応じるふりをして,早速,船内の散歩に出かける。
 確かに一階下に宴会場みたいな部屋がある。一人客も団体客も食事を始めてる。

▲食堂。結局,食べなかった。

▲最上階には麻雀台付きのバーみたいなフロアも

上階には談話室兼喫煙室となぜかバー兼麻雀室のような場所。ここから屋外に出られる。この階からは屋上に出られて,海を360度一望に見ることができます。
  おそらくは中国人にとって一番大切な開水(湯沸し器)は,部屋から5mのところにありました。既に列が出来てました。
 恐ろしいことに,自販機は,ない。売店はあるけど売ってるのは高い土産物か水程度,全部持ち込みが前提です。
 同室のメガネ男は,さっき早速開水を注いでカップラーメンを作り,がつがつと喰らっておりました。

▲開水のお部屋

出港:がぶ飲み親分から競歩おばはんまで多彩なラインナップ

間の疲れで早くもベッドでうとうとしてたけど──
 いかん!任侠男の親みたいなのがやってきてる(以下「親分」と略)。この親分,物凄い勢いでまくし立てながら酒盛り始めやがった。卓上には,任侠男がお膳立てしたらしきツマミ類がたんまり。とても終わりそうにない勢いです。
 1858,もう一度散歩に出る。
 まだ出港してない。なのに──中国人には修学旅行みたいなもんなのか?
 屋上甲板に出る。一団のおばはんがダンスをしてるぞ?何のお祭り気分なんだ?
 これは異様です。
 この殺風景な難民船が,異様なまでに中国化しとる。いや殺風景だからこそ,最も中国的な中国が現出してる。今の半分アメリカ化した中国の新市街では見えなくなってるものが,こんな形で表出してくるものなのか?

▲仁川の灯を見ながら出港

000──いつの間にやら出港しとるがな?
 日本の船でよくある「出港します。よろしくお願いいたします」みたいなアナウンスなんてない。船上生活が始まってしまえば,出港がいつかなんて関係ないらしい,彼らには。
 北に仁川空港の島が見えてる。段々高度を下げて着陸していく機体が見えた。前方に灯台の島。仁川空港島ははるかに大きく,こちらからは光の線に見えている。
 着陸したらしい。夜風が心地よい。


▲仁川空港のある永宗島の埋め立て構造図

ぜかあまり考えたことがなかったけれど,この仁川国際空港のある島は永宗島Yeongjong-doという名です。
 異様なまでに人工的かつ巨大な四角形。
 ただし,純粋な埋立地にしては不整型で大きすぎる。灯の動きを見てると,空港のある西半分に対し東半分は普通の町みたい。
 地図を確認してみる。位置的には,仁川の駅のある中心街から見ると東の沖に当たる。仁川上陸作戦の前哨戦のあった月尾島が,永宗島の四角形の東端の対岸に当たるわけです。
 Wikiによると──前掲図のうちA:旧永宗島 B:三木島 C:薪仏島 D:龍遊島 E:蚕津島の5島の間の浅瀬を埋める形で出来たのがこの空港らしい。日本なら漁業権うんぬんで絶対無理っぽい企画です。

▲救命艇らしい洗面器みたいな設備。この方々と救命艇に押し込まれたら──てゆーか,こいつらと乗り込み争奪戦やって勝てる気がしまへん。沈まないでね,お願いだから。

ンチで本読んでるうちに,親分の酒の勢いもようやく止まったらしく,意外にぐっすり眠れてしまった。
 翌0638。海静か。
 でも…静かじゃないのは屋内。てゆーか既に危険な状況。何かと言えば,競歩なのか?廊下をズタズタ歩いてる一群がある。振り向いてないと後ろから,小突かれる位ならともかく容赦なく追突される。
 逃げるように屋外へ戻る。
 南には幾らか島陰が見えてる。でもまだ山ではない。
 船の数は明らかに増えてる。南が多い。
 既に百度地図もGoogleマップも位置情報が効かない。既に金盾の支配域に入ったらしい。
 au-SIMのままのスマホは日本時間のまま,自動補正ができてない。手動で時計を1時間戻す。7時のアラームを二度聞いた。

SIMフリーのロックが解けない!

▲航跡。既に北に島陰はない。

から陸地が見えている。
 0813,気負い過ぎだけど荷をまとめる。
 0827,ついでに財布とSIMを中国のに詰め替える。
 スマホのデスクトップには「SIMツール」というアイコンが出来てて開くと「USIM卡应用」というウィンドウになった。初期設定みたいなものか?
 既に中国語で電話してる人の声が聞こえる。もう中国の電波が使えるらしい。

▲中国時間0657,山東の山並みをついに見る。莱山である。

れからしばらく,陰鬱な気分でSIMを何度も入れ替えてました。
 SIMカードステータスで「許可されていません」が出る!?
 この表示は,昨年11月に紹興で,うかつにもauのSIMロック未介助のまま聯通SIMを入れた時と同じ。先月,ロック介助したスマホ機体を更新したんだけど,その時にSIMフリーが再ロックされたのか!?解除できるとしても,au-SIMがネット接続できない現状ではその操作が出来ない。韓国,金盾外にいるうちにSIMを入れてれば気がついたんだけど,聯通SIMを金盾外でオンにした時の不調の経験から怖くてやってなかった。
 VPNで何とか世界定額だけはオンになった。でもロックは解除できない。
 これでは聯通SIMがWifi下ですら繋がらない。百度地図すら使えん。無機能状態です。
 とにかく…未許可SIMを抱えてるよりはau-SIMの方がまだ使える…かもしれん。auを入れた状態で上陸することに意を決する。
 幸い,今回は一時的には毎回起こるこの事態に備えて何枚かマップの画像を撮ってる。ただ──それだけしか旅行の情報はない状況となる。もしSIMフリーが本当に凍ってるなら──それでどこまでやれるかやってみるしかないか。
 かなり悲愴な決意で,近づく山東を見てた朝でした。

着岸:方位磁針があれば大丈夫さ!

▲上陸口へ集合した人々。韓国人の観光客らしい若い団体も若干名いるらしい。

動が止んだ。1140,船のエンジンが停止したらしい。
 下船開始。
 入国施設までの移動はバスに乗せられる。結構遠い。
 前方,高層ビルが数本。
 ロータリーから別の門から別の港へ?古い港の施設で手続きは一括ということか?
 煙台港国際客運站へ到着。既に正午を回った。
 1212,イミグレ。自助査験と中国公民と団体人員という3列しかない。自助査験(自動検査)は出来るわけないし,中国公民は虚偽になるから,一番近そうな団体人員に並ぶ。ハングルのパスポートの人もいるからいーんだろ?
 イミグレを突破すると,身一つとリュック一個。
 とりあえず,青島行きのバスである。火車站の南西のはず。スマホが死んでる以上,手元にあるアナログの方位磁針だけが頼りですけど…まあ進むしかない道なら進むしかない。
 ほな行きまひょか!

▲烟台港の港湾設備。ここもかなり巨大な港です。

■ 目次・リンク集 ■

0914博多→ソウル(泊):1初泊


0915仁川→(泊):1 市場まで ⇒ 2 南大門 ⇒ 3 新村・仁寺洞 ⇒ 4 Happy Hanjoong Ferry


0916→烟台→青島(泊):1 烟台 2 青島初泊


0917青島(泊):1 青島駅 2 海水浴場 3 金口路 4 龍華路 5 平原路 6 黄島路 7 観海山 8 中山路 9 河北路


0918青島→青州(泊):1 青島駅へラストウォーク 2 青島駅~青州古城(7特別編) 3 夥巷街 4 東門大街 ⇒ 5 清真寺の雨 6 偶园街~帰路


0919青州→済南(泊):1 南陽河渡る 2 昭徳街目指す 3 昭徳街~青州離脱 4 济南入り東関大街行き 5 泉城まで南西行 6 世茂国際広場の造形 ⇒7 素食,济南駅帰宿


(間奏)金盾胡同


0920済南(泊):1 西門~省府 2 起風橋街~曲水亭街 3 后宰門街~県西街手前 4 県西街~省府再び 5 省府~将軍廟街 6 启明街~西城根街 7 周公祠街~楽安街 8 济南駅~j4w7 9 J4w10からの帰還


0921済南→天津(泊):1 天津ハルビン路まで ⇒ 2 ハルビン路熱干面 3 天津鼓楼 4 解放北路まで 5 解放北路から帰着


0922天津(泊):1 八里台回顧行 2 天津駅,鞍山路 3 鞍山路からハルビン路まで 4 四平東道を南行 ⇒ 5 万全路黄昏行


0923天津→北京(泊):1 天津発北京東四行 ⇒ 2 胡同1/10=瑠璃厂街へ南行 3 胡同1/10=瑠璃厂街前迷走 4 胡同1/10=瑠璃厂街を南へ 5 胡同2/10=八大胡同清真寺 6 胡同2/10=八大胡同実験小学 7 胡同3/10=西交民巷 8 胡同4/10=東交民巷と教会 9 胡同からの帰還


0924北京(泊):1 胡同5/10=烟袋斜街火神廟 2 胡同6/10=帽儿胡同 3 胡同7&8/10=南锣鼓巷&菊儿胡同() 4 胡同9/10=国子监街 ⇒ 5 胡同10/10=金魚胡同&王府井 6 胡同真=東四四条,柳芳行


0925北京→関西:帰国行

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