(@_80_@) 第四日@台湾／再六訪　艋舺妖艶／祖師廟から(@_80_@)

～(m–)m 本編の行程 m(–m)～
Googleマップ(経路)

目録

清水祖師廟は無人
水仙宮舊に禹王無く
入植当初の無縁仏が眠る地蔵廟
■小レポ：清水祖師は誰なんだ？
■小レポ：撤去後60年を経た艋舺水仙宮

清水祖師廟は無人

▲祖師廟から西への参道

祖師廟参道は無人です。
　台北有数の繁華街・西門近隣の，これだけの広さの空間に人の姿がない。
　朝ではありますけど，地元民的にも観光客的にもややマイナー。そういう空隙のような時空だったのでしょう。
　とか誤魔化しモードで書いてますけれど，ここはホントによく分からん。調べてもほぼ太刀打ちできませんでした。
　ただ，あんまりこういうの書きたくないけれど──明瞭な静寂のオーラがある場所だったのです。→巻末小レポ：清水祖師の謎

▲祖師廟から康定路に出た交差点

ここが本日の萬華歩きのスタート地点のつもりで設定してた場所でした。スタート地点なんだけど…
　既に何となく気圧されてました。
　0852，廟を西へ出た康定路を南行。西門と同じ名が出る違和感を覚える。あの気だるい西門の雑踏から0.5kmちょい，成都路からは南に200mほどの場所とはとても思えない。それほど雰囲気を異にしてます。

水仙宮舊に禹王無く

▲市場看板を発見

「公有直興市場」と看板。西行して抜けよう。
　…と入るけれど，どうにも活気がない。この日は月曜日，なぜだったのか分かりません。
　とにかく抜けて西昌街へ出る。再び南行。

▲市場の中

「０901交差点。清水仙宮■址の石碑。」とメモってます。
　Googleマップには，桂林路との交点に「水仙宮舊址碑」とある。このことでしょう。西門の天后宮になれなかったもう一つの神が，ここにいたようです。→■小レポ：艋舺水仙宮小史

入植当初の無縁仏が眠る地蔵廟

▲西昌街

南に西昌街観光夜市のゲートが見えた。
　潜る。
　さらに南行。既に艋舺の空気に酔っている。誘われるままに，南へ歩く。

▲桂林路を過ぎてからの西昌街

清茶館と看板を掲げる，茶店かカラオケ屋か分からない店が並ぶ。
　明らかにオーラが他の数倍高い。こんな通りが，こんな所にあったのか。

西昌街東側に，0908，参拝客が入り乱れるひなびた廟が現れました。
　地蔵王廟とあります。
　観光客ではなく地場の人たちが多い。土地に根付いた，観光的には二流の廟らしい。

▲地蔵王廟

「地蔵王廟の側には大衆廟があり，主神は大衆爺ですが，この神様は無縁仏を祀ったもので，そのほとんどは，早期に単身で台湾にやってきて開墾をしたが，不幸にも亡くなった移民だといいます。」
　台湾北部の移民の最初の拠点だった艋舺の，少なくとも伝えられる根源地なのでしょう。
※ 台北観光サイト/艋舺地蔵庵
「本来，府城隍廟は台北城にありましたが，日本統治時代に壊されたため，この地蔵王廟に移されました。」

▲昼飯時に向け西昌街に並び始めた屋台

０911，観光客がにわかに増える。西行。
　──の前にトイレを借りねばならぬ。公園内に入るとどこもクローズとか「还没開」とかで，結局龍山寺の中にしかないことが分かった。それもなぜか今は西側一ヶ所しかないという。そんなこんなで，結果的にしっかり観光してしまった龍山寺。
　おまけに，お目当てだった四方の魯肉飯は「11点開」と看板が出てる。困った，あと２時間近くあるなあ。

▲龍山寺の庇と北背後に迫るビルディング

■小レポ：清水祖師は誰なんだ？

　西門３大祠の一にして，台湾３大祖師廟の一，と決して無名とは言えないのに，ここはホントにマイナーらしい。
　写真でも写るとおり，バラックと言ってもいい民家のような建物がパティオに並んでる。日帝時代にはここに中学校が仮入居したとあるのと関係する…のかどうかすら不明。
　清水祖師というこの神すら諸説あるらしい。おそらく，何が正しいというのではなく，幾つもの実体のイメージが重なり合ってるのでしょう。ただ，由来の源はいずれも福建にある。
①北宋・仁宗代，福建省永春県の生。本名・陳昭応。出家。法名・普足。土木工事や雨請いに尽力。蓬莱山清水巌に定住。死後，広恵慈済善和大師に封ぜらる。
②南宋・開封の生。文天祥に与力し挙兵，元に抵抗。福建省安渓清水巌に隠居。明代，太祖から「護国公」を追贈。
　あと，落鼻(鼻が落ちている)，烏面(顔が黒い)という特徴があって，これにもまた由緒があって，もうイメージ重なり過ぎて訳わかんない。
　共通する地名がある。安渓清水巌ですけど，泉州から西北80kmほどの山中の場所です。
　──点は現れてくるけれど，全然結びつかない。降参です。
※ wiki/モウコウ清水巌
「1787年に創建された。日本統治時代の1922年に当寺を仮校舎として、台北州立第二中学校（現・成功高級中学）を創立開校した。」
※ 歴史の源/清水祖師の源流
「三峡の祖師廟に祀られている清水祖師は、「麻章上人」とも呼ばれており、福建南部では多く「烏面祖師」と、台湾の民間では多く「祖師公」と呼ばれています。清水祖師の分身は、蓬莱大祖、顕応祖師、輝応祖師、普庵祖師または落鼻祖師と呼ばれています。」
※ 道教観の世界/艋舺清水巌祖師廟
「出処がよくわかっていない神様は、その地域で道教という宗教が誕生する以前から信仰されていた神様に由来が後付される場合が多いです。」
※ wiki/Qingshui
「Qingshui is also known by the following nicknames:
Dropping Nose Ancestor (Chinese: 落鼻祖師公; Pe̍h-ōe-jī: La̍k-phīⁿ chó͘-su-kong), known for the prominent nose featured in Qingshui’s effigies
Black Faced Ancestor (Chinese: 烏面祖師公; Pe̍h-ōe-jī: o͘-bīn-chó͘-su-kong)」

▲龍山寺後殿的水仙尊王。（圖／連宜方攝）──龍山寺の後宮にある水仙尊王(連宜方さん撮影)

■小レポ：撤去後60年を経た艋舺水仙宮

「一帝二王二大夫」という言葉がある。台湾の神様の謂いという。一人の帝は中国最古の伝説上の夏朝皇帝，禹。二人の王は，奡王・寒澆と楚王・項羽。二人の大夫は伍大夫，即ち伍子胥(呉越戦時の呉の将軍)と屈大夫，即ち屈原。
　と書いたものの，寒澆はよく分からん。ただ，残る４人からして中国南部出身のスーパースターというラインアップです。
　艋舺水仙宮の主神は禹帝だという。ということは５神のトップ，本来，最重要な神のはずです。
　けれどこの神像は，日帝によって除かれる。「日本政府實施都市計畫」のため，ということは西門林默娘と同じく防空道路でしょうか。
　神像は龍山寺後宮に移され，現在もそこにある。西門林默娘と違い，日本が引き揚げた後に新たな宮に移されなかったわけです。
　ここで西門林默娘と同じイメージに帰ってくる。３百年前に西から上陸した福建神と50年前に北から来襲した大和神とが，この西門の土地で交錯した。なぜか潰されなかった龍山寺に様々な形で隠れて，大和神の暴風を生き延び，ある神は「冷凍保存」されて現在に至っている。──例えば地蔵王廟は，日帝時代まで民間私有だったけれど，誰がどう絵を描いたのか，日本側の接収を逃れ得るよう，管理権を龍山寺に譲渡したという。
　ほとんど蠱毒のイメージです。
　この小レポを論脈定かでないまま書き連ねてきましたけれど──丁度このタイミングで，なぜか酷く気に入ってる映画「来る」(原作:ほぎゃわんが来る)のyoutube版を見てて，何が書きたいのか朧に見えました。
　日本のように八百万神が共存する場所ではなく，艋舺はもっと激烈な場所である。
　大陸中国では辺境の地だった福建の超ローカル神たちが，歴史のイタズラで流れついた新天地・台湾という島で，丁度「蠱毒」のような激烈な生存競争を重ねてる。日帝による弾圧すら，その競争には一つの利用すべき「環境」だったのでしょう。そうして九十九の毒虫を咀嚼した「蠱毒」が，現代台北にポップな姿でアクティブに動いている。
──西門林默娘として。
　台湾は呪術あるいは霊的的に，日本より，まだ遥かに妖艶な流動性を残してる土地です。別にスピリッチュアルな発言をしてる訳じゃなく，住民の認知がそうなのだという意味です。
　だからこそ，次の台北行きでは，龍山寺最奥に座する艋舺水仙宮神像を見に行きたいと思いました。
※ 台北趴趴走－遺址古碑－艋舺水仙宮舊址 ※碑の大きな写真あり
※ 保庇Now/2018-11-20到名廟打卡/看不到的艋舺水仙宮　水仙尊王搬家至龍山寺
「清乾隆年間，艋舺郊商籌建艋舺水仙宮，主祀大禹（禹帝）。」
「清道光年間，艋舺水仙宮因廟舊毀損，地方人士倡議重建，不料，廟未修繕完成，即因日本政府實施都市計畫，面臨拆廟搬家的處境。」

[前日日計]
支出1500/収入1850
負債 340/
利益 10/
[前日累計]
利益 10/
§
→十月八日(一)[79祖師廟まで] ⇒[80祖師廟から]⇒ [81華西街(表)]⇒
0936名もなき屋台
牛腩湯，魯肉飯370
1101四方阿九魯肉飯
魯肉飯
排骨酥湯370 [82華西街(裏)]
1320東東牛肉麺
招牌猪脚飯＋手工ワンタン湯600(1340)
パイナップルケーキ150
[前日日計]
支出1500/収入1490
　　　　 /利益 10
[前日累計]
利益 0/
§
→十月九日(二)