ずるずるずると,確実に茶に引きずり込まれてる。
体重半減の過程でお茶を飲みまくって,京都で玉露にハマり,高知で薬草茶にハマって――これでトドメに台湾はヤバイな…っていう危機意識とともに,やって来ました台湾旅行でした。
実は,3月の大陸中国ではあんまりその手の感動体験はなかったんよ。大陸と台湾島とは,似てるよーで食文化の立ち位置みたいなのが全く違ってる気がしまんなあ。
1日目,「茶裏王 阿里山烏龍茶」。コンビニでとりあえず買ってみたペットボトル。主原料:清香烏龍茶,阿里山烏龍茶。
前回までにもコレは何度も飲んできたけど。あらら?かなり…美味いじゃん!
今回,訓練された舌がどう感覚するか楽しみだったけど…かなり満足できる滑り出しやど!!
2日目,セブンイレブンで買った「冷山玉露」。
維他露食品公司って会社が作ってるペットボトル。でも,何で手が出たかってえと――デカデカとこんな表示がされてたから!
「農林水産大臣賞最高受賞」
▲日本最高受賞「冷山玉露」
えっ?
だって「冷山玉露」なんて聞いたこともないし。
不審に思って裏の解説をチェックすると。「京都名店《西村幸太郎商店》技術合作
百年秘蔵製茶技術
再現玉露細緻風味
茶香清揚・喉韻層次豊富・真正極致好茶之選!」だってさ…
何か分からんがスゴいことになってる。でも…どうひいき目に見ても明らかに伊●衛門のパクリなんですけど。
さらにネットで「西村幸太郎商店」を調べてみたら――いつの時点かは知らんけども,確かに(株)西村幸太郎商店は煎茶(松)の部で一位(優勝)に輝き,農林水産大臣賞と京都府知事賞と宇治市長賞をゲットしてました。
う~ん。なら…あながち完全な嘘っぱちでもないんだなあ!?何かすんごく紛らわしい一品。ちなみに味は…大したことなかったなあ…
大陸にもあるんだろか?
少なし台湾には,茶葉料理って分野の料理が存在する。茶醤なる調味料があって,それで料理しちゃうらしい。茶葉を中華スパイスとして使うわけね。
歩き方なんかにも複数の店が載ってる。
でもこいつは,結局食べれんかった…。
市内南の楽利路にある「茶遊」って店をかなり期待してたんだけど。独自の茶醤を開発してる中華の前衛ってのよ。どんなんか食いたかったけど…。
月曜日が休みと載ってたから日曜日にはるばる出向いたら,がっつり閉まってるシャッターに「星期日公休」って?休みは日曜日じゃねえか!
楽利路18号って住所頼りに是非とも行ってみてね。
▲西門街 県茶の店構え
3日目,鼎茶。
「精緻茶飲専売店」って売りのチェーン店。日本にも最近進出したQuicklyの形式の街頭売り場の飲料ショップ。台湾総公司は台中市にあり,支部(分部)は上海と蘇州にあるようです。
Quicklyと違うのは伝統茶中心のコンセプト。台湾では最近この路線のチェーンが売れ筋になってきてるみたい。
砂糖の入れ方が普通のものから4段階で減らせるシステム。少糖(2/3)・半糖(1/2)・微糖(1/3)・無糖のランク付けで,これは他の店でも一般に通じた。
要は健康志向。ミルクはたっぷり入ったのが多いからカロリー的にはどうかと思うけど,台湾の感覚はどーも低糖=健康食らしい。
▲地下鉄のホームで見かけた「低糖宣言」。売ってんのはどうも甘モノが多くて食う気になれんかった…。
しかし…Quickly系統以上に想像もできん名前だらけ!これはチャレンジしがいがある!!
一番訳の分からん「仙草凍掌[繊-糸+金]」ってのを無糖で頼んでみました。
宿に持ち帰って,ストローを吸ってみる。黒い物体が登ってくるぞ~。ゼリー状?ほのかに複雑な甘味がある。十分飲める!いや…美味い!飲んだことのない味だけどイケるぞ!イケるんだけど考えようによってはスゴく嫌な味…この味って…何て表現すりゃいいんだ??
台湾ゲテモノ茶ってかなり奥が深いかも?
▲西門街 県茶カップと三素黒米餅
4日目,こんどは「鼎清茶」ってのをやっぱり無糖で飲んでみた。
粉モノではあるけど茶としてはかなり美味い。これはゲテモノチックじゃなく正統派のお茶。でも何のお茶だろ?分からんなあ!?けど,露天のファーストフード形式でここまで出せるのか?ってレベルだぞ?
そもそも…茶の文化圏と言われながら,大陸でも日本でも茶碗でズズッて形式を抜けられずにいる。東南アジアの茶房でもそう。アジア一円で,普通の茶をポップな感覚でカップ売りするビジネスが成立してんのは,この台湾だけなんじゃない?
もっとも――今の台湾人に聞いたらキョトンとされるかもしれんけど。その位フツーにある文化なの。「えっ?日本にはないの?」
5日目,復興北路。天仁[サ/名]茶喫茶趣。
まだ朝8時。この店は7時半開店で早餐をサーブすると聞いたんで来て見ました。
既に数組の客がある。かなり流行ってるみたい。
点心とお茶のセットが130元ほどと完全に日本並みの価格。だけど,日本で400円でこのクオリティのモーニングは食えない。
点心は素食の海老シューマイを頼んだつもりが――ソーメンみたいのが来た。ここはあんま飯には期待できないみたいね。
しかし,お茶は凄かった。リュウガン入りのプーアル茶を頼んでみたら,白い磁器のポットで来ました。オレンジがかった琥珀の液体がカップに注がれる。ジャムのような香り。微かな沈澱がある。一口。フルーティーな甘酸っぱさが通り過ぎた後に,お茶の安定感が来る。
「茶選」というランチを11時から386元でやってるらしい。点心3点とケーキにお茶。やっぱり馬鹿高い。食い物がもーちょっとイケたら来るんだけど…
ここのお茶売り場は台湾各地にセブンイレブン並みにある。そこのレストラン部門なわけだから,やっぱりお茶は素晴らしい。
また飲みに来るとしよう。
▲天仁名茶6種のお茶セット
台湾で飲めるお茶を勉強したくなってきた。
街中の天仁[サ/名]茶で天仁名茶6種のお茶セットを買ってみた。緑茶,烏龍茶,バラ茶,花茶(ジャスミン),プアール茶,紅茶が各5パック程。
台湾滞在中,ガンガン飲みまくり。ホテルのグラスを3つ龍に並べて違うお茶をグイグイいってました。昼間歩きまくってるから入る入る!
そしたら何とか,舌が学習してきてくれました。
そのしてると――この6種中,どっちかってえとキライな方だったプアール茶。プアールがあるから買うのを戸惑った位だったんだけど…何かコレはコレで美味くね?
って感じになってきてしまってました。
幾つかの茶房でプアール茶を買ってみる。お茶を発酵させてカビの匂いをつけた,チーズで言うとブルーチーズ系なのね。黒い丸薬みたいな茶葉で,見た目のヤバさは緑茶の比じゃないけど飲んでみると…これ最高!発酵の深さで種類はかなりあるらしく,未だにどっぷり浸かっちゃってます。
「珍珠[女乃]茶」(タピオカ入りミルクティー)の爆発的人気以来,台湾を席巻しつくし,Quicklyみたいに日本にまで押し寄せてるのもある飲料専売店文化。
けど台湾では,伝統茶の専売店が新勢力として繁殖しつつある。
ただ――何か凄いチェーンが多くて…カロリー的にも低そうだし(ホントは何飲んだか分からん場合が多いから計算不可能なだけだけど)とっても楽しく遊べます。
4日目,南晶街で発見した「黒面祭」――何と…これが店の名前。
マイナーなチェーン店で,この南晶街店も今年になってオープンしたみたい。
店名通りにメニューも不気味。さすがに尻込みしてオーソドックスそうな奴から注文。
黒面祭楊桃醸飲 40元
これだって何が何だか分からんけど,日に千杯限定の売り切れ御免を宣言してるメニュー。この不気味さで?そんなに出るの?
冷や汗がてら,チビっと飲みこんでみる。
――微妙な漢方臭と微妙な酸っぱさ,微妙な桃の香り。味覚野の記憶を総検索しても全く類似の味がない。敢えて言えば,A&Wのルートビアの薬臭いあの味かな…。一瞬もう二度と飲みたくないと思わせる嫌~な味にも思える。でも病み付きになりそうに脳髄に染み付く,他に絶対ない妙ちくりんな味だぞ!!
▲黒面祭楊桃醸飲
結構ハマっちゃって,結局3回戦まで戦いました。
2回戦:経典黒面祭楊桃汁――きょッ…「経典」??後で単に「伝統的」って意味だと知ったけど…怖かったデス。味は…黒面祭楊桃醸飲と同じ位の不可解な…。
3回戦:Q仙草冬瓜露――突然のアルファベット!?3杯中一番飲み易かったけど…だからQは何だったんだあ?
ちなみに挑戦してないその他のドリンク。
檸檬C冬瓜露:だからそのアルファベットは何なんだ!?
老[擁-テヘン/且]酸梅汁:謎だらけ
阿甘仙草蜜:甘い語感に騙されて酷い目に遭いそうで魅力的
にしても。とにかく…その不気味な店名とロゴ,何とかしろお!!ってゆーか,最高だぞ!台湾を席巻するのじゃ謎の黒面祭よ!
7日目,凝りもせずに「両葉一心」とゆー禅語みたいな飲料専売店でトライアルしたのは――
沖縄黒糖[サ/田/一/田/一]母茶35元
「養生飲品」ってカテゴリーに入った品。熱くて舌を焼きそだったんで,夜まで放っといた。
で,歩き疲れて帰った勢いで,うかつにグビグビ~と飲んだら。
うッ…うおお!
何じゃあ!?この世にないよな凄まじい苦さはアッ!!!
漢方薬の二乗以上。どーやったら一杯の液体をここまで苦くできるんだよおお?
品名は「沖縄黒糖」まではまともなんだから,犯人は「?母」なのか?そりゃ何だ?ば…バケモンみたいな不味さだぞ~!!
なおこの店,ほのぼのメニューも有。
檸檬可爾必思
柳橙可爾必思
百香可爾必思
最後の4文字で「カルピス」と読みます。
しょーこりもなく,「奉茶」って飲料専売店でさらにチャレンジ!
今度は「桂園棗茶」。レッツ・グビグビグビ~!!
お?おおおお~!?
この夜にルー味スパイスを勉強して知ったけど,「桂」はクローブなわけで,何も知らずにクローブ入り棗汁をガブ飲みしたわけで――死ぬ気で飲み干した…苦さはないけどこの世にあるまじき珍味…
ちなみにこのチェーンも謎のメニュー多数。
十八歳青茶:年齢あんの!?
忍耐玄米[女乃]茶:忍耐入りとは!?
梅龍鎮的月光:月の光を!?もー何が何だか…
▲鮮剖純椰汁の缶
最後にまたコンビニもの。半天水事業股[イ分]有限公司の鮮剖純椰汁。英訳:Pure Coconut Juice
100g当たり20kcalしかない。成分:100%純椰子汁,不加糖,純天然椰子汁直接由高温殺菌包装亦成。
会社のロゴとして「椰子的専家」と書いてある。
その実体は,読んで字のごとくの椰子の実の果汁。台湾ではなぜか,健康飲料として定着してて朝飯屋台でも定番。
これは試さねば!!ってことで買ってみたんだけど…
飲む。つーんと鼻孔に満ちる青臭さ!そんでもって,それをフォローしてくれる味なし!逃げ場がない椰子の汁直球勝負!
この青臭さにハマればハマっちゃうんだろけど…ちょっと無理…さすがに降参。
何より!何だあの不気味な爺さんマーク!夢に出そ!!
▲笑う純椰汁じじいアップ