外伝09♪~θ(^7^ )第三日日_順徳釜飯にフラレ続けて担々麺@第7次香港(第二次順徳)

[前日日計]
支出1500/収入1650
     /負債 150
[前日累計]
     /負債 426
§
5月1日(日)
1315[ロ馬]家麺舘
雲呑牛[月南]麺300
1435老四川坦々麺(新佳北路)
坦々麺300
1505常在心茶餐(新佳北路)
特色印尼炒飯650×0.9=585
1620鮮茶檸檬宝貝
[サ/波][サ/四/多][サ/波][サ/四/多]夢[ン氷]沙150
1851蔵
意式特濃珈琲
[前日日計]
支出1500/収入1335
     /負債 165
[前日累計]
     /負債 591
§
▲実は香港ミッドエリアからの朝焼けを見下ろしつつ食したる潮食坊の芒果糯米

[参照]順徳港公式HP

 6時半。
 まだ人影もないホテル前のバス停に滑り込んだ40番バスに乗る。ミッドレベルを離脱。過ごし易かったような無意味だったような…微妙な一泊でしたけれども。
 地下鉄への接続は順調でした。16時45分には九龍・尖沙咀の階段を上がる。海防道から中港城に着くと,暇そうにしてる案内員のおばちゃんが嬉しそうに案内してくれました。
 一楼(イギリス式だから2階)へ。
 列もないカウンターでチケット購入。「順徳?」(シュンデ?)と訝しそうにされたけど無事確保。240HK$(人民元で179)。
 税関もX線チェックもイミグレもまるでノーチェック。検疫は…あったのか?──まあこの船をシージャックしても国際政治に与える影響はほぼゼロだし。
 で。7時15分,待合室に座ってる。ゲートはバース(泊位)10。船は珠江船務企業集団有限公司。便のコードは…どこにも書いてないんですけど?
 まあ海外では少し待つ位の心得は必要でしょうけど…にしても早すぎたのかな?
 7時21分,俄に賑わってきた。5~10番バースの客はここで待てとインフォメで言われたんだけど…私らはどこから船に乗るのでしょうか?
まあ宜し。まだ1時間はある。
 …てかまだ1時間もあるぞ?

 5~10バース組は15分前のアナウンスで一階へ降りて乗船するよう案内された。電光表示板(漢語:電子顕示板)上で自分の便が「登機」表示になったら出ればいいみたい。
 …なのでさらにまったりと,椅子の上で溶けてしまってる7時45分。
 珠海と蓮華山行きの船が出ると,また待合室はガラガラに戻ってしまいました。人気ないのかこの航路?
 暇なので──そう言えばというお話ですが,昨日深水ポの屋台で,忘れて来てたスマホケースを購入。サイズに合うのが少なくて,何となく意地になったらしきオッサンがやや無理矢理に押し込んだのが山吹色と毒々しいピンクのハデハデなケース。
 ──普通,旅行で派手で立派なのは盗人の目を引いて危険,というのがセオリーなんですが…けれどここまでギラギラにハデハデだと,下品で安そうに見えるかもという姑息な読みもまた真なるかな。 盗人の皆様からのご意見をお待ちしております。

New World hotel Shunde
順德新世界酒店
150 Qinghui Road, Daliang, Shunde , Chan Cheng District, Foshan, China 528300
中国广東省佛山順德区大良清[日軍]路150号, 禅城区, 佛山, 中国

 労働節連休の中,香港ほどじゃなくても混んでるホテル事情で,むしろ中流をと探していくと見つけたのがここ。初回,歩きに歩いてたどり着いた順徳中心部の交差点近くにどどんと立つお宿。おおっ!ゴージャスじゃないか!
 わざわざここまで書いたのは,結果的にこの建物で悪魔の体験を味わったからなんですが。
 ま,それは置いといて──上陸しました順徳港には,やっぱり公共バスは見当たらない。早々にタクシーを捕まえて市内へ。
 場所が中心部なんですんなり到着,すんなりチェックイン。ミッドレベルからここまで,ウソみたいな順調さで運ばれて行きました。と,それで運を使い果たしてしまった感があります。
 まず向かった 陸記は閉まってた。 ああ~釜飯い~!
 いやいや今回の滞在は長いのじゃ。折角食いそびれたなら,バスで少し遠出して土地勘を掴んでおこうではないか!
 今回はスマホデビュー後です。中国のGoogleマップでバス停をダブルクリックすると,そこに停まるバス路線番号が分かります。つまり昔の安いバス路線地図を常に手中に出来てる…わはははは!昔の苦労を思うと意味もなく笑いがこみ上げて来るぞ!
 運はないけど意欲だけはまんまん。こういう状況の旅行は,実りはともかく,どさ回りぶりが面白くなっていく。

▲5[ロ馬]家麺舘の雲呑牛[月南]麺

 13時15分。ずっと北の方まで来た(30点)。[ロ馬]家麺舘。
雲呑牛[月南]麺300
 小さな店です。一昔前の共産主義華やかなりし頃の人民食堂とさえ見紛う簡素な間取りで,一杯の碗を啜る。
 これ,腹減ってたからだろか…。滅茶苦茶旨かった。
 何もかもが素直。
 これが香港と大陸広東の大きな差だという再認識を新たにします。大陸の麺って何でこう,平らかに香る粉もんなんだろう?同じ広東でも,この素材に対する率直さには違いがあって,それがもっとも顕著なのがここ順徳と感じているけれど,まさにまさにという味。(広東料理は広州,順徳,客家,潮州に四細分される。)
 これが,具に使われてる牛[月南]になると,ゴツゴツした味気なさを感じる。けれど肉そのものの味,という意味では順徳的なアプローチではあるんでしょう。得意不得意というより味覚を描くタッチの差です。
 極めつけは,海老のワンタンの美しいシンプルさ。広東を代表すると言ってもいいこの味覚ですが,香港のように薄過ぎる技巧に走ることなく,かといって加減を知る濃さ。出汁も日本のより下層,香港より上層を安定して飛行する。ひねりを入れずにすうっと飛んで,味覚の地平に没していく。
 口中の美形に順徳を感じる。

▲老四川坦々麺(新佳北路)の坦々麺

 [ロ馬]家のすぐ隣辺りだったんですが…腹が減ってたのと,先の麺の感動から続投することになりました。老四川坦々麺(新佳北路)。14時35分。
坦々麺300
「要辣」と答えたのに甘い!いや辛いんだけど,それ以上に柔らかい!
 その中で唯一いやに硬いのが豆。何だろうかと思ったらこれ──ピーナッツじゃないか?硬いとは言え日本の炒りピーナッツの硬さじゃない。柔らかく煮てあるらしく,やたらに香ばしくなってて,ここは四川本場の中華スパイス使いからすれば明らかに味覚の邪魔になってる。
 しかし──昨日の芋粉の激辛の記憶を交えて言えば──これは…本場的かどうかが問題なんじゃない。これは広東四川という別世界の料理です。いや,それ以上に順徳四川と言うべきか?
 麻も辣も十分に効いてる。それがピーナッツ,そして同様にアサツキのような香料の高貴な香りと,いわば美しい軌跡ですれ違っていく。いやもう一つ,麺そのものの甘みもまた──。
 こうした異なる味覚の筆が,軽々しい体を装いながら,さも当たり前そうな顔をして交錯した後。そこに出来上がる美しい味覚の風致に魅了されていく。
 麻辣でありながら広東の甘さを保つ。未だそれは謎の一角でしかないのですが──そんな広東四川の不思議さを実感させる好い一碗です。

▲常在心(新佳北路)の特色印尼炒飯

「菊園面荘」という店があると聞いて探したんですが,該当の場所にはここしかない。おそらくチェーン化されたその店だと信じて入店したのでした。
 15時を少し回った。店名・常在心(新佳北路)。
特色印尼炒飯550×0.8=440
 普通のドライカレーじゃん?
 と最初は思った。けれど徐々に違和感を覚えていきました。
 カリーの香りが薄い?いや薄いというより妙な深さから顔を出す。スパイスは十分に効いてるのです。しかし…多分炒めの時間によるのでしょう。スパイスを焦がして深い層に封じてある。あるいは香りに転じさせてる。
 これがインディカ米と微妙な繋がり方をする。その繋がり方が,何とも魔術的なのです。
 老四川の麻辣の位置と同じところを,おそらくインドネシア風のスパイスが占めてます。広東の滋味は,なぜこんな風に,他でメインをなすような激味までをも織り込んでしまえるんでしょうか?
 香港の包容力は,そのスタンスゆえのみならず,その味覚構造にもあるということか?

 301路で帰路につく。
 新佳中路から雲良路へ右折。雲路市場。この辺りも繁華街です。この道が,どうもまっすぐ鐘楼に繋がってくらしい。
 16時20分。鮮茶檸檬宝貝という店に入る。
[サ/波][サ/四/多][サ/波][サ/四/多]夢[ン氷]沙100
 変な店を見つけたんで,発作的に入ってしまう。どうも明らかに土地独自の店らしい。
 結局パイナップルだったんだけど,その酸味が無茶苦茶に柔らかい。ぬるりと喉を滑るパイン…と書くと不気味だけど,そんな感じです。
 撹拌によるものでしょうか?パインの爽やかな酸味をそのままにとどめながらもその角角しさをコーティングしてある。
 ちなみにパイナップルは漢語で[サ/波][サ/四/多]。「パロパロミー」という表記は歌の名前らしい。──と見つけたネット記事を紹介しようといたけれど,題字からして外字だらけになります。うまく表示できたらお慰み。

歌曲名:菠萝菠萝蜜专辑
菠萝菠萝蜜演唱:谢娜
带我到漫漫长夜无心睡眠的那晚去
约会青春姑娘不要改变形象
她最爱你那粗犷的男人模样
带我到东龙时还没有关闭的山洞去…

 チベット風カフェ「蔵」も無事再発見する。
 いや発見するも──俄にダイアレア姫の行啓を賜る。どうも腹の調子が絶不調の上にシャーベットでだめ押ししてしまったらしい。
 一度ホテルに帰ってしゃがむ。うーん,なかなか絶不調に拍車がかかってまいりました。蔵でゆっくりして明日に備えましょう。

▲蔵の意式特濃珈琲

 19時前に蔵に入る。
意式特濃珈琲
 というわけでゆったりと暮れゆく順徳の夜景に酔いしれました。ここの空間は,どこまで偶然でどこまで人為か分かりませんが…唖然とするほど美しいのでした。