外伝09♪~θ(^5^ )第五次香港
第五天(復)

[今期累計]
    /負債 192

0830 陸羽茶室
ポーレイ茶
肉餃子
ごま豆腐136HK$ 300
1100 三多麺食([石本]典乍街)
菜肉雲呑麺(湯麺) 28HK$ 400
1720 生記清湯牛[月南]麺家
牛[月南]隻併[テヘン+労]麺 400
1830(謝[非/文]道506-508)連成商業中心F21 三思堂
重い鉄観音
フルーティー水仙
1845蛇王二
菊花五蛇羹 62HK$ 200
[今期計]
費用1800/収益1650
/負債 150
[今期累計]
/負債 342

足 急ぐ コーズウェイ端 岩[サ/非](がんぴ)咲く
 月曜日。また地下鉄は満員です。
 通勤者は大抵電子機器をいじってるのは日本と同じ。しかしながら,よく見ればその機種は,皆さん大小,機能ともかなり個性的なラインナップ。掛け値なしの国際市場,香港での生々しいシェア争いが,彼らの掌中で火花を散らします。

▲陸羽茶室のポーレイ茶と肉餃子

 8時半,陸羽茶室。いつもの二階席につく。
ポーレイ茶
肉餃子
ごま豆腐 136HK$
 …と書くと,いかにもつまんないもの頼んだみたいですね。
 しかしながらそこは陸羽!
 餃子は,日本的な味覚で捉えると,ホントに普通。ごま豆腐に至ってはゼリーかと思えるほどに「味がない」。
 けれども,広東の一つ下の味わいで捉えると,これがとんでもない味覚になってるのです。
 餃子は,肉の後味の引き方のもの凄い違和感として,まず味覚されました。例えれば,普通に歩いてる足の跡に次から次に花が咲いていくような,肉味の尾の引き方に震撼する。脂というより赤身の肉香なんですが,韓国みたいなストイックに削ぎ落とした肉香でもなく,素晴らしく自然で茫洋とした,しかも重い香。これどうやったら出来る味なんだ?
 ごま豆腐は,白黒の層を成す。驚くべきことに,このいずれもに砂糖めいた味がない。白は白ごまだろうが,ほのかにミルキーな香を留める。黒も黒ごまのはずだけど,砂糖を交えない小豆の自然な甘味を帯びてる。
 黒白のごま味とその各々の隠し味が,いずれも滋味のレベルで和をなし合う。いずれもが端正な静寂の味わいの尾を引きつつ,その時々に絡まり合って宙を行く。 そんな幻視を描いてしまうほどに美しい味覚──こういう美に出会えるのも,ここ陸羽ならではなのでした。

▲陸羽茶室のポーレイ茶とごま豆腐

 パン・ホーチョンの「ビヨンド・アワ・ケン」で,ファドめいた重いBGMわをバックに,傷心のジリアン・チョンが坂道をよろつき歩む場面がありますが,あれはここなんじゃないか?
──と思わせるように湾曲する坂の細道の途中に一軒,地元客がふらりふらりと立ち寄ってく店がありました。
 何となく惹かれて入ったのですが…。
 11時,三多麺食([石本]典乍街)。
菜肉雲呑麺(湯麺) 28HK$ 400

▲三多麺食([石本]典乍街)の菜肉雲呑麺(湯麺)

 いい麺でした。
 卵の香も控え目でかつ薄く上品なふくよかさを保ち,小麦の歯応えも味わいも十分です。
 菜雲呑も豊かな味わい。控え目に加えられた肉とその汁気が白菜の滋味にじんわりと染み入ってます。
 湯にも驚いた。これも日本的には味がないと感じられるほど。化調もほとんど使ってないみたい。台湾のワンタンに似た感じですが,味の深みには静やかな…これは粉を湯がいた後の滋味みたいなのが極めて豊穣にあふれてる!XO醤もアクセントだと思う。
 すっかり満足しながらも,よろめくジリアン・チョンがいないか気をつけながら帰路についたのでした。

▲深井発記甜品の養顔栗子茸

 有名店です。本店は香港の深井青山公路深井村。
 深井は[サ+全]湾のさらに西にある街。地下鉄が通ってないのでまだ未踏の地なんですが,最近注目されつつあるエリアです。──いかにも玄人ならではのチョイスです。さすがワシだ。
 香港ナビ曰く,
・知る人ぞ知るグルメの街
・燒鵝(ガチョウのロースト)で有名
・小さな通りに燒鵝のお店や中華,イタリアン,インド料理など様々なレストランが軒を連ねる。
と,そそられる美句が続く。
・旺角や佐敦からミニバスあり
・海に面した小ぢんまりとした住宅地
・深井村の低層住宅とオーシャンビューが売りの高層マンションが立ち並ぶベッドタウン
と地勢的にもツーリストを魅了する。これは確かに一度おもむかねば!
 と書きながら,この店がはたしてどこの街だったのか思い出そうと努力してみました。努力は認めて欲しい。努力を認めてこそ人は伸びるというものです。
 しかしながら,残念なことに…思い出せません。どこだったか思い出せないので,もちろんお味のほうもちょっと…。
 18時40分, 深井発記甜品のどこかの支店にて。
養顔栗子茸23HK$ 150
 以上,レポートを終わります。

▲蛇王二(銅鑼湾)の菊花五蛇羹
※後日の喝:おい!この画像は絶対に蛇羹じゃねえだろ!!

 18時45分,蛇王二。
菊花五蛇羹 62HK$ 200
 改めて食って思うが…何ちゅう不思議な肉だろう?
 割と柔らかい肉質なのに,変にゴツゴツとした歯触りかある。鶏肉みたいな軽快で淡い味なのに,何かしら嫌~な苦みがこみ上げて来る。菊花でそれを和らげてるつもりが,これまた「お薬ですよ」みたいなツラ~い香になっちゃってる。
 これを有り難く頂く皆さん,とにかく気が知れない。 …てゆーかワシもか?グルメな感覚で頂くんじゃなくて,薬物として食す心構えが求められる一品なのであろうか?