本伝04章[Step33]怖いぞ!ローカロ食品

 151日目 
▲36.2kg(半減+31.8kg)
▲3割間近

って思いませんこと奥様?オホホホ…
 あ~笑った笑った。それはそれとして,前の章でリスク不詳として扱ったローカロ食品のことだけどさ~奥さん!オホホホ…(止めろっちゅうのに)
 『デブ』(本稿では岡田斗志男「いつまでもデブと思うなよ」の略)の影響なんだろう。最近テレビつければ──
 「このカロリーでこの美味さ!〇〇ビール」
 「トンカツ好き?」「好きや!」「でも体脂肪は気になる?」「気になるわ!」
 「何悩んでるんですか?」「ウ~ン…もう一杯!」
 こんなんばっかりや…
 あ,別に営業妨害やおまへんで!(何で関西弁?)わし自身コカコーラ・ゼロとダイエットカルピスの常飲者です。
 炭酸は大好きなのよ。
インドで砂糖なしの単なる炭酸水を飲んで以来,国内でもチューハイ用の炭酸水を買って飲んでた。ミネラルウォーターのガス入りは炭酸が弱くてピンと来ない。チャンとガツンと来る炭酸水がいい!
 コカコーラ・ゼロはそいつがやっと実現した!って味なのね。
 カルピスも昔から中毒。冬の冷たい水道水なら何杯でも飲めちゃう!けど甘ったるいのが玉に傷…水でギリギリまで薄くしたのが好きでした。
 ダイエットカルピスはその最適な味わいがついに商品化された!って奴だったのよ。
 てことで減量とは関係なく,専ら美味いから愛飲してる。
 ただ…これは他のローカロ食にも通じるけど,何でこんなに美味いのがノーカロリー?って疑問符が頭から離れないのです。

 食品偽装でかしましい昨今です。おそらく,近いうちにカロリー表示の偽装も出てくると予想されます。
 カロリーは,要するに燃やしたらどれだけの熱を発するか?っていう単純な尺度で,計測もごく客観的に行われる。けど,だから偽装はないとは思わない方がいいと思う。
 ある製品は皆同じカロリー表示です。当然だけど,わしらが買う食品そのもののカロリーじゃない。その製品のサンプルを計測したもの。
 そのサンプリングの精度は?おかずなんかだと各々のカロリーには誤差があるはず。例えば100の製品中最もカロリーの低いものを選んで計測に回してたる業者がいたとして,それは摘発されるのか?仮に摘発されても「たまたま低カロリーのが計測に行っちゃったみたいですね」と弁名されたら処罰はされないでしょね。
 低カロリー表示がマーケティング上有利と認識されてきた現在,そういうバイアスがかかりがちだと思いませんこと奥様?オホホホ…(まだやるか!)

 まあこの類いは可愛らしい部類でしょね。問題になってきたら,役所が天下り先の専門機関を1つ増やして,製品の無作為サンプリングで検査・摘発するようになるでしょう。
 欧米製品のカロリー表示を見たことがありますか?ゴチャゴチャとかなり細かい表示がある。カロリー表示法は肥満が社会問題化してるアメリカでも業界の反発から統一されてないようだけど,総じて日本のよりは精度高そう。
 日本のはバラバラで簡素。悪質なのになると,100g当たりカロリーは表示してるのにその製品のグラム数を表示してない。結局それ食ったら何カロリーなのか分からん。カロリー表示のニーズに形式だけ応じた官僚的な対応。
 話題の中鎖脂肪酸入りのオイルは,欧米の一部では脂肪分ゼロと表示可能。体内に吸収されないんだから脂肪分なしと同じでしょ?って理屈。
 それがどのくらい恣意的な理屈かって問題より,そもそも表示すべきカロリーが食品自体の熱量なのか,体内に吸収される栄養の量なのか,カロリー管理上そのどちらが適正なのか──そういう点すら世界的にグラグラの現状だって事実を押さえとこう。
 定義自体がグラグラなんだから,ノンカロリーとか脂肪分ゼロとかの表示となると,果たしてどういう定義なのか分かったもんじゃない。
 大体やね,厳密にはカロリーゼロの物質が存在する訳がない。カロリーゼロって燃やして熱を全く出さないってことでっせ?原子でできてりゃ熱したら何か変化するでしょ?水でも鉄でもカロリーはある。
 従ってノンカロリーの正確な意味は製造者がこう言ってるってこと。「毎日カロリー計算面倒でしょ?そんなあなたに朗報!この製品は我が社の解釈じゃカロリーは超低い!こりゃもうカロリー計算から除外しても間違いはありませんぜ奥さん!ヒッヒッヒ…」
 あ,食品業界を攻撃してんじゃないですよ。そんだけカロリー表示制度がグラグラだって言ってるだけ。
 なんでグラグラなのか?その位食品業界ってのは世界経済上パワフルな存在であり,それに比べて栄養学界と表示の標準化サイドは理論・政治力とも貧弱過ぎるってこと。
 繰り返すけど,そういう荒野でわしらは減量戦を戦ってるという事実を認識しとくべき。

 さて最後に,最も怖い話をしましょ。それは,低カロリーで味覚を良くするために混ぜられる代替物質のこと。
 実は今,ライラの冒険の映画見てきたとこ。映画にお茶はしっくり来ない。コカコーラゼロを飲み干してきたばかりなんだけど──
 端的に言って,安全だと思いますか?
 法律や制度上安全だとしても,長期的にカラダに害がないと確信できますか?
 これらの疑問に,今わしは確答できない。──低カロリーの調味料の使用なんてごく最近始まったばかりのはず。病気になった人の臨床データの蓄積はもちろん,栄養学的な分析は追いついてないのが現状でしょう。
 わしが唯一信用してる文化人類学の知識には,ノンカロリーの調味料やローカロリーの食材なんて当然ない。歴史上初めて,わしらがそれらを口に入れる──つまり未検証の食品なのです。
 例えばコカコーラゼロ。…甘いのです。
一世代前のダイエットコークに比べ薬臭さは薄い。飲みやすい。けど,何とも人工的で不自然な甘さ。
 砂糖の代わりに代替物質が添加されてるのは間違いない。その物質は,カロリーゼロなだけでカラダに何の影響も与えないのか?
 カラダはまだ不可知の機能を備えた複雑系。通常,いかなる意味でもカラダに影響しない物質は存在しない。業者に直接聞けば言葉を選びこう言うはず。「現在出来る分析では体内への影響は確認されておりません」
 リスク分析では,リスクを保有する場合でも,そのリスクを定期的に分析し続けるべきとされてる。確かに減量には使えるから,当面わしもコカコーラゼロを飲む。けど100%信用できるのは,少なくとも25年=1世代経ってから。

 突然だけど,今日ハッキリ思った──少なくとも映画では,ハリーポッターよりライラは上質です!
 ハリー「不死鳥の騎士団」で,ハリー達は魔法省派遣の校長に反乱を企てる。不満に感じたのはこの反乱がリアルでなく,狡猾でもなかった事。
 ライラの世界を支配する「教権」ははるかにリアル。腐敗してて冷徹で残酷。そしてライラ達もはるかに狡猾。
 減量戦にも同じイメージが不可欠でっせ奥さんオホホホ…。