という時期でしょう?折り返し点を過ぎたからには。
ってことで,一応血液検査を受けてみたんですわ。
会社の産業医に行ったので,切り出し方が微妙でした。
9月(減量開始前)の定検で要再検査が出てはいたけど,それは11月に受診して一応OKになってた。だからこういうお願いの仕方をしました。
「ご指導により鋭意減量に取り組みましたところ,えらい勢いで痩せちゃいました。あんまり体重が暴落したんで心配で…どこか悪くなってないか検査してもらえます?」
我が社の産業医さんは,えらく男前で(女医だけど)ニヤリと笑って心よく血液検査と相成りました。
自覚症状としては,そりゃもうアンタ元気で仕方ありませんぜ!!空飛んでるみたいッス!
ただ,何と言ってもカロリーだけ見れば,1500kcalっつうのは世界トップレベルの最貧国で餓死者がゴロゴロ出てるのと同等の水準。
まだ経済成長期前の90年頃,インドの最も貧しい州ビハールを歩きました。ブッダが悟りを開いた乾いた土地。縄文式の住居に似た電気などあるはずもない家屋に素っ裸で骨と皮だけの子どもが虚ろな眼を向けてくる。戦前までは日本の東北などにもあった,歴史上人間が普遍的に経験してきた「飢え」という状態。
そういう人々とわしらニッポン人の間にある,絶望的な距離。
カロリーのレベルだけは今わしは彼らと同じ状態にある。しかし,それがどれだけのリスクを負ってるか,わしだって分かっちゃいない。
ただ,栄養失調の状態に無理解であることを,わしは身に染みてるつもり。
自覚症状としては,時折感じるめまいと頭痛。
あと,今から冷静に考えると100kg割る段階の停滞原因はこれかなと思うのが便秘。アウトプットのシステムが不調で体重が減るはずない。体重中に占めるウンコ重量が大きい(汚ねー表現だな!)だけじゃなく,減量速度自体まで鈍るはず。体内の物質循環のサイクルが鈍るってことなんだから。
これ以降,ウンコの出方と内容(汚ねーぞ!)には気を使い始めました。具体的には,便通の調子によって整腸剤とウコンの量を調整して飲むようにした。
その他はいい事ずくめ。一番良かったと思えるのはフクロハギのムクミがしぼんだこと。しぼんで始めて筋肉だと思ってた張りが実はリンパ液の溜まり=ムクミだって分かったんだけど…フクロハギは足先まで行ったリンパ液を重力に逆らって循環させるポンプの役割をしてるらしい。つまり,ここのムクミが消えて筋肉質になるってことは,リンパ系の循環が改善される=血行が良くなるってこと。
いずれも体内循環がキーワード。いくら体脂肪が減ろうとしたって,老廃物として外部に捨てる機能,つまり物質が体内を通り過ぎる量とスピードが鈍れば体重は落ちない。
そんな状況だから,血液検査の数値は全体的には良くなってるでしょう。けど,思いもしない別の数値が悪くなってんじゃない?そういう懸念はあった。
ただ,まだ旅路は半分ある。悪い数値が出れば痩せ方を変えなきゃならん。最悪,減量を断念しなきゃならん。
減量で死んだり病気になるのだけは嫌じゃ!そんなん聞いたら最貧国で飢えてる人は怒り狂うど!
血液採取はスムーズでした。
大体この場面で看護婦さんに言われてたのが──「静脈が分からん!親指をもっと握って!」…率直に脂肪が厚過ぎじゃ!って言ってくれよ。
けど,今回は久しぶりにスパッと針が入り,チュルチュル~と快調に血を取られてしまった。
結果は明日とのことで職場に帰る道すがら。
遠い快感を思い出してしまった…そういえば,かつてわしは黄金の献血マニアだったのじゃ!献血車を見る度に献血。何でって?血を抜かれた後の爽快感がタマランのよ!
けども運命の神は残酷無比!3桁超人化したある日,1通の封書が僕の幸せを奪い去って行った!その書面には──「大変申し上げにくいけど…あんたの血は汚くて使えんから要らん!今後も献血しないでね」(かなり意訳)
…この検査結果次第で,次の献血車からマニア復帰できるかも。ヨッシャア!ガンガン抜いてもらっちゃおう!
翌日。受験発表を見に行くよな緊張感で産業医に向かいました。
11時以降に来いと言われたので11時かっきりに行って,待合室にいたら,「ハヨース!」と宅急便みたいなジャンバー姿が入って来る。配達間違いかと思って見てたら,血液検査の外注先の納品でした。
配達された結果票は1通のみ。つまりわしの…
おおっ!まるでアカデミー賞の発表みたいじゃ!
「はい次,台悦人さ~ん」と呼び込みコール。入場したわしに手渡された帳票には──
(08/3/11)(07/11/5)
総蛋白 6.7 7.4
アルプミン 4.3 4.3
A/G比 1.8 1.4
総コレステロール154 169
中性脂肪 84 123
βリボ蛋白284 367
HDLコレステロール37▽ 32▽
AST(GOT) 21 50▲
ALT(GPT) 17 78▲
AL-P 203 224
LDH 170 210
Ch-E 227▽ 323
γ-GTP 18 43
血清アミラーゼ63 62
TTT 0.4 0.6
ZTT 4.6 7.2
総ビルビン 0.5 0.7
尿素 5.9 7.3▲
尿素窒素13.0 10.5
クレアチン 0.74 0.80
Na(ナトリウム)140 143
K(カリウム) 4.7 4.5
CI(クロール) 103 104
血糖(前) 91 60▽
凡例 ▽△基準範囲外
▼▲危険値
「凄く良くなってます!」ってのが産業医さんの第一声。「ここ何年も危険値だった肝機能(GOT,GPT)や尿酸が完全に安全域にダウンした一方で,下限を割ってた血糖は安全域にアップしてる。これは栄養バランスが改善してるってことです。」
…不信。半年近く1500kcal生活してて,ホントに何もデメリットなし?
食い下がると「一応HDLコレステロールとCh-Eに異常値が出てますが,HDLは回復方向ですから気にすることないです。Ch-Eは劇痩せするとこの位は下がるものです」
「Ch-Eって何もの?」…っていうか他の数値もほとんど分からんです。
「コリンエステラーゼといって肝臓で作られる酵素。通常は肝機能が落ちると下限を越えますが,痩せると肝臓にやや負担がかかるから。アナタくらい急激に体重が落ちたらこんなもんですんでるのが不思議」
後で調べたら,Ch-Eが高くなるのは脂肪肝の場合。わしの肝臓は元々フォアグラ状態だから,要するに肝臓の脂肪が落ちたんで肝臓が疲れてるんだろう。
「てことで」産業医さんは笑って結論。「全く問題なし。このままGOです!」