という感じで，再度全国１千万人(？)のメタボメンのため，敢然と筆を取る中尉なのである！
２桁メンにまだまだ理解されてない点はいくつかあります。今回はその中の一つ──即ち３桁メンの睡眠についてです。
そんなもんデブも常人も同じじゃん！…って思ってませんか？それが素人の赤坂夜は更けてなのよ！！！！
わしは故・いかりや長介さんを割と崇拝してるんだけど，彼の著作「だめだこりゃ」に高木ブーの居眠りの話が出てきます。
ブーちゃん(敬称略)は，打ち合わせでも稽古中でもすぐ居眠りしちゃう。何度注意してもダメ。あんまり責めると「だって眠いんだもん」と反論する始末。
本人も気にして病院に行くと，診断は「無呼吸症候群」。
医師の勧めで，デカい専門の機械を鼻と口に取り付けて眠ると「これまでにないほど眠れた」そうだ。夜の眠りが深い分，昼間の居眠りもなくなった。
でも，取り付けがすごく面倒なので，そのうち面倒になって止めたら元の黙阿弥。ブーちゃんだからな～てことで，メンバーもそれ以上言わなくなったんだって。
この無呼吸，最近は少し知られてきたけど，夜中に息が止まるんだから当然命も落としかねない立派な重病。イビキもひどくなる。近頃は鼻こうを広げる塗り薬やシールが薬屋でも手に入るよになった。
医者に聞くと，３桁超人たちのほとんどはこの無呼吸にかかってると思っていいそうだ。
わしも136kgの頃は完全にその１人でした。健康診断の時には毎回相談してた。どの医者の指導も同じ。「根本的には痩せなきゃ治りませんよ！」
なぜ肥満と関係あるのか？これも単純なのです。贅肉が上半身にもついてくると，気道や気管支を圧迫し始めるから。横たわった状態だと圧迫はさらに強く，場合によっては呼吸できなくなるって訳。
わしの場合，眠りが浅いだけでなく，息苦しさで目覚めたり，自分のイビキで飛び起きたりした。さらに，昼間に時々気道の激しい痛みに襲われる。
──医者曰く，これもデブにはよくある症状。窮屈な気道が通り道を確保しようとグニャリと動く時の痛みらしい。
睡眠に戻ると，元々デブは代謝が低い。というか代謝が上がらないから太ったのです。だから，ちょっと動くと脱水症状で朦朧とはなるけど，常人にとって最高の睡眠剤＝心地よい疲労感というのが少ない。その上に無呼吸です。眠りが全然浅いのじゃ！
夜の睡眠がこんなんじゃ，カラダが防御機能を発動させて当然。朝は起きれないし，昼間にも眠くなる。いや…「眠くなる」という表現じゃ２桁メンにはご理解いただけないでしょね…ブーちゃんも言ってたように，意志の力でどうにかなる眠さじゃないのよ！まさに幽体離脱！エクトプラズムが出てる状態──カラダが緊急機能を発動したら，脳の支配力なんて脆いもんなんすよ。
どうしてもって時にはカフェインの条剤やアリナミンのカプセルを馬鹿飲みしてた。飲み過ぎると，カフェインは内蔵やられるし，アリナミンは舌が痺れてくるけど，そうでもしないと幽体離脱は防げない。
ほぼ２週間ロクに寝ないで作業したことがあるけど──最後は１時間置きくらいで飲んでたら胃腸がズタズタになって血便が出始めた。
これらが３桁メン故の症状だったことが分かるのは──わしがどちらもの世界を経験して，今は完全にそういう現象がなくなったからに他ならない。
つまり，３桁メンは肥満ゆえの居眠りだって本当には理解してないし，２桁メンも「やっぱりデブは緊張感が足りん！」くらいの理解力しか持てない。悲しい断絶がそこにある。
だから痩せろ！とは言わない。STEP30や40に書いたように，デブは優性だ！何も恥じる必要はない！むしろデブを誇るべきなのです！
考えても見てくれよ──居眠りや朝の遅刻くらいでギャアギャア騒ぐ社会の側と，太っちゃったってだけの３桁超人の側と，一体どっちに非がありますか？そんだけのことで，姑息に痩せるなんてアホやと思いまへんか？
このスピードでこの社会が動く限り，まだまだデブは増え，それ以上に隠れ肥満の痩せ過ぎが増えるでしょね…それが食卓軽視という状況の根本原因なんだから！
だから，高木ブーのように「だって眠いんだもん！」ってやり過ごして，デブを誇ろうじゃないか！全国１千万のデブメンよ！
そうすりゃ，いつかはドリフ並みの寛容さをこの社会も持てるようになるんじゃない？「アイツまた離脱してんぞ」なんてさ。