本伝07章[Step65]よく噛むだけのダイエット:百日間食感完成プロジェクト(続)

 251日目 
▲55.8kg(半減+12.2kg)
残り10kgライン真近

というのがあるのをご存知ですか?
 何万とあるダイエット法。よくまあそんなにでっち上げたもんです。しかもそのほとんどは効果なしか,一旦は痩せてもリバウンドを誘発する要素を明らかに内包してる。
 しかし──おそらくこの「よく噛む」だけダイエットにはリバウンドの可能性はない。ゼロだと断言できる!まさに正攻法だから,カロリー管理なんか必要ないはず。
 何で?──次のような作用が間違いなく期待できるからです。
 一応前置きするけど,以下はわしの想像じゃない。『食過』に書かれてる医学的事実。──「よく噛んで食べましょう!」なんて小学校の掲示板に貼られてるお馴染みのコピーだけど,その訳をちゃんと教わった記憶がない。
 けども…これこそが食育の核心じゃないの??先生方!

 減量の段階別に時系列で見て行こう。
①減量開始段階
 いつもより余計に噛むことで,満腹中枢が刺激されるために同じ量でも満足でき,食べる量を抑制。確率的にだがカロリーも抑制気味になり,体重は下降を開始。
 しかしさらに根本的な作用がある。必然的に食事時間は長くなる。それによって,日常生活の中での食生活の比重が上がる。それが食事を味わう感性を高め,その質を改善するインセンティブを作るわけ。次の段階への準備運動です。
②食感革命段階
 減量が進み体質が改善されるから,脳はその過程で食べてるカロリー控え目の食事を美味と感じるようチューニングされる。
 これと平行してよく噛んで味わうのを続けることで,味覚が鋭くなる。カロリー控え目の食事に対する脳の快情動はより高まり,脳はますます強くそういう食事を美味とインプットする。つまり,食感がスパイラル的に改善される。
 これに合わせて食生活に時間をかけ,意図的に食生活を見直すと,その食生活を脳が心地よく受け入れていく。これが次の段階で新しい食生活を安定させる。
③食感安定段階
 ここまでは食事の範囲を広げる過程。
 それに対し──最後のこの段階では食事の範囲が狭まる。不味い食事が食えなくなる。どんな食事が不味くなるかってえと,その範囲は大体いわゆるジャンクフードと重なる。
 さらに噛み続けることで,食感は贅沢になっていく。食事の評価項目の中で質の比重が上がる。どんなに量が多くて,あるいはどんなに最初の口当たりが良くても,食感の深みや戻り味を含めた総合点で劣る食事がハッキリ判別できてしまう。
 その結果──大多数が食べれてるジャンクフードの多くが食えなくなる。噛めば噛むほど食感は鋭くなり,カロリーが高くて味が濃いだけの食事が食えなくなる。
 こうなると最早ダイエットどころの騒ぎじゃないわな。もう太ろうったってそりゃ無理なんですわ。だって考えてもみなはれ──筑前煮やサラダ,ミネストローネで2000kcal食うとしたらどの位の量になると思うよ?
 …さあそろそろ本題に入る!わしがこの百日でたどり着きたいゴールは,まさにこの状態っつうわけよ。

 何をすりゃいいか,具体的に整理する。
 まず,クドいけど徹底して噛む!50回噛むべきとか言われるけど,目的は食感の先鋭化。味蕾が最も高感度になる状態,つまりゲル状になるまでは噛む。
 同じ理由で,食べ物は出来るだけ温めて食べる。常温以上の方が味蕾の感度は上がる。
 飲み込んだ後も味覚が残るうちは次の一口を待つ。味蕾は喉にもあるし,次を口に入れてしまうと胃からの戻り味が薄まる。
 ゲル状になったら,飲み物を含め舌の上を満遍なく転がす。味蕾は場所によって感じる味覚が違う。こうしないと全ての場所の味蕾で十分に味わえない。
 味覚をフル稼働させても終わりじゃない。脳を集中させて味覚を評価する。これはカツオ出汁中心だなとか,歯ざわりがいいとか,あの店より美味いとか──とにかく味覚に意識を集中!食生活の比重を上げるとはそういうこと。これがないと感覚レベルの味覚情報は情動レベルの食感情報に昇華せず,脳へのインプットが違う。テキストファイルと書式情報入りのWordファイルの違いね。
 最後に,美味い飯食ったら感動すること!当たり前じゃあるけど,食生活を大事にしてないとおざなりにしちゃう点。
 味覚情報に,食べた時の表情,その時に交わした会話の楽しさ,同席した人への好感など情動の全てをプラスしたもの。それが食感です。
 言葉にしなくてもいい。「美味いッ」って猛烈に感動する!──おそらくこれが最重要事項。

おまけ上海で食った香港スイーツ
程よく甘くて腹に来る!