外伝09♪~θ(^4^ )遠征編
♯廈門編第三日@禁断の厦門SMに驚嘆す

[今期首]
積立 944/負債 944
[今期首]
消費1800/収益
0920四里沙茶面(湖浜四里市場)/300
1100曽華益青香食坊(SM5階)
滷面10元
金牌海蠣煎15元/550(850)
1135満記[舌甘]品(SM5階)
雪山紅豆涼粉/150(1000)
1350佳味再添小[口乞]店
[魚下]面(小)8元
芋包3元/400(1400)
1420月華沙茶面(鎮邦路)13元/300(1700)
1645Take away Cafe(老塞行動珈琲)(廈大)
エスプレッソ(義式珈琲)10元
1745向陽坊(世貿1階)
北海道戚風蛋餅13元/150
1800依[サ/夫]蕾鮮[女乃]酪布丁(世貿5階)
原来[女乃]酸布丁10元/100
[今期末]
消費1800/収益1950
利益 150/
引当 794/負債 794

ハイ没有 中国らしき 一幕じゃ
 些細ながら,今回,最も中国を感じた一事かもしれません。
 昨日の朝,ズボンを1本だけ洗濯に出した。夜に「出来たか?」とホテルのロビーに尋ねたら「まだだ。自分で確認してみろ」とのこと。どう確認するんだ?てゆーか,何で客が?とか考えつつ,結局,今朝再度ロビーで尋ねてみる。
 怪訝そうに服務員間での会話がなされた後,それでも気の効いた一人が「ああ,これかあ?」と摘み上げたのは──カウンターの隅に放り投げてあった我がズボン。ズサンだなあ…と持ち去ろうとして,まさかと思い確認すると。
 洗った形跡がない。つまり,丸一日,ロビーに置いてあっただけ。
 さすがに謝るだろ?と予想された服務員の口から出た一言は,予想を超えてファンタスティックでした。
「自分で洗濯係に出せ」
 それなら預かるな!!──と突っ込んでも事はややこしくなるだけ。怒りを抑えて指示された内線に電話する。
 すると,ありがちな中国語の早口まくし立てで意思疎通不能。…いや,単なるクリーニングなんだけど?「直線行く。114だな」と部屋を探してたら,何がどう回ったのか,結局ロビーから電話指示あり。「部屋で待て」とのこと。
 それで今。再三部屋に帰って15分以上待ってるんだけど…誰も来ないんですけど?最初にロビーに行ってからだと…1時間は経ってますけど?
 この国のこういう場面では,カフカの世界にでも入ったような気分になることがある。
 こりゃダメだ。
 諦めて洗面所で自分で洗う。カフカ的不条理感に泣きたくなってくるけど,もう時間が惜しい。
 30分後,すっかり意気消沈した気分で出かける。…いや出かけようとしたら,オッサンとすれ違う。
「あ,洗濯屋でーす」
 夜8時までにロビーに預けるという。コワいので「8時だな?」「ロビーに来るんだな?」と何度となく確認し,オッサンの名刺も徴した上で──をもらってベチョベチョのズボンを渡す。
 9時近い。所要一時間半。
 いや本当にいい中国体験でした。…さすがに過去形で記録してたんですが。(続く)


▲四里沙茶面(湖浜四里市場)

はや9時半 湖浜四里の 市を踏む
 市場があるらしい湖浜四里を,まず目指す。地図を睨んで駅前から徒歩にて出ました。
 路地裏の両側に軒を連ねた店舗型の市でした。直線形で長さは300mほどか。
 探したのは沙茶面のお店。日本でネット検索にヒットした店です。やはりこじんまりした小店,とゆーか正直汚い店ですが,地元客が30人ほどギュウギュウ詰め。
 で注文はもちろん
四里沙茶面(湖浜四里市場)/300
 ど…?どこに沙茶が入ってるのか分からんのですけど?さては何か間違えたか?
 それはまあカフカだから諦めるとして──出汁はいい。淡い海鮮風の白濁スープ。それ以上は何がどう入ってるのか皆目見当がつかない複雑味。
 麺も中華的にいい。コシはないんだけども,のど越しがいい博多うどんタイプの柔らか面が,この海鮮スープとベストな絡まりを見せる。
 味わいは最高。うん,いい。
 …カフカな翻弄からの癒やしもありましてか,なかなか満足な朝飯だったんでした。

99路 長春路口へ 北行す
 バス路線図はなかったけども,昔とは比較にならない親切な路線表示があるんで,バスで北東へ進んでみました。
 下車したのは,昨夕に渡った東西の河が東側で暗渠に潜る辺り。下町らしい緑多き落ち着きの湖光路,浜[木朗]新村。
 ここからは32路が第一馬頭まで行くらしい。
 すぐ先に市場の入口を見つけました。ブロックの中に入り込んでく配置の,おそらく公設崩れの市でしょう。それなりに楽しんだけど,食べる場所は見つからなかったんで,ここはそれだけやっただけでした。
 ここまで来たんだから,と40路でついに(?)SM城市広場へ乗り込みます。東西運河の袋小路から北へ少し行ったとこ。
 地図で道を追ってたけど…うーん。くねくね曲がるから現在位置が全く分からんぞ。アナウンスも不明。今なんか,ユーホー便利じゃん!と聞こえたが…嶋后北里[立占]。どこだそれ?
 10時35分到着。
 ちなみに…道を隔てた向こう隣には「SM新生活」というエリア。果たしてどんな淫靡かつ刺激的な生活が待っているのか!?

▲曽華益青香食坊(SM5階)
滷面と金牌海蠣煎

党政府 には内緒だよ SM城
 という何分か怪しさか笑えるとこかを,あんまり期待してもなかったけども…何てことないショッピングモールでした。…てゆーか,共産中国にそんな(どんな?)ヤバいとこあるわけないけど。
 とにかくフードコートで一休み。
曽華益青香食坊(SM5階)
滷面
金牌海蠣煎
 まず滷面。日本で出してる「ダル麺」と最初似てるような気もしたけど──微妙さと深みがまるで別物。
 なかなかに太平燕スープとの対比が面白い。海鮮でなくはないんだけど,山菜めいた香りも確かにあり,台湾滷味と似てないかと言えばその疑いもありと思える…何とも微妙極まりない味わいです。
「滷」という味わいの奥行きは,本来それほどに深いということなんだろか?
 金牌海蠣煎。頼むつもりなかったんだけど,鉄板の上に舞うおばちゃんの手付きと「金牌だよ!!」との掛け声に転んでしまう。
 いい!昨日よりハッキリと美味い。牡蠣や卵というより,間に入った粉や葱が効いてる。
 台湾との違いもクッキリ。あの餅みたいな粉が出汁を吸っている感じは,お好み焼きに似た台湾のそれとは決定的に違う。

▲満記[舌甘]品(SM5階)の雪山紅豆涼粉

厦門でも 満記[舌甘]品 舌を打つ
雪山紅豆涼粉
 同じフードコートにあったんで,久しぶりに入ってしまう。香港スイーツは帰路の香港で食えるのに…。
 でもさすがに,です。小豆の底に効いたかすかなシナモンみたいな香りが,軽みを加えてる絶妙な甘味。
 ただ,昼飯時真っ只中なのに客足は非常に少ない。福建との味覚差って,そんなにあるんだろか!?そう考えると…確かにこういう軽みのあるシンプルな深みは,淡く淀んだ幽玄感を感じさせる福建のとは微妙かつ決定的に筋が違う気もする。
 この紀行を香港の章に併せていいのか,少し自信がなくなってきました。

954(ジュウウースー) 路で馬頭へ 午睡かな
 SMから終点第一馬頭までバスで動く。
 少し眠気が出てきた。かなりラッキーに座れたし,しばし川風に涼みながら休もう。
 仙岳路という道を西へ進んでるらしい。昨夕の湖浜北路よりさらに北側の道。おそらく西岸にぶつかって一気に南行するつもりだろう。
 ほとんど公園のような住居区を行く。最近造成した埋立エリアだろうか。
 T字路で左折,東渡路を予想通り南行し始めた。「[金/金金]海」という,何となくえげつない地名がこの辺りらしい。西岸はコンテナ積載場が連なってるエリアのはず。
 湖浜を渡る橋…の手前まで行って,あら?渡らない?いや,バス停を経由して下側の小さい橋を渡って,湖浜の西端を辿ってるみたいです。つまり湖浜西路に入ってるらしい。
 高層のアパートが幾重にも連なってます。思北路口で半数客が降りた。もう大同区です。
 13時05分,第一馬頭到了(到着)。

▲佳味再添小[口乞]店
[魚下]面(小)と芋包

 昼下がり 中山路の 雑踏に
 昨日と同じく中山路にたどり着いた時には13時50分になってました。昨朝同様,有名小[口乞]屋に入ってみます。昼時を僅かに過ぎて何とかすいてきてた佳味再添小[口乞]店。
[魚下]面(小)8元
芋包3元
 まず面。──なるほど!肉燕スープのあの軽い白濁にエビやイカが入って,日本人に分かりやすい出汁を僅かに出すと,途端にチャンポンや太平燕にほとんど重なる味覚になるわけね。
 同じスープに海鮮を入れただけに見えたのに…つまりこのスープはチャンポンの下味みたいな世界のままの味覚。つまり,それが福建の味わいの基調みたいなのです。
 芋包──本来の芋包というのはこういうものだったんだろう。まさにほとんど泥みたいな皮の中に,肉と根菜が慎ましく収まり,ひどく地味…というか惨めったらしい食べ物です。言うなら,生のつくねみたいな味。けどこれが口に入ると…いい。
 根菜の深みある微かな甘味の複合と芋の面的な甘味が重なり合う見事さ,これは他に類を見ないスイーツ感覚。
 この感覚は,潮州スイーツに似てるかも?福建って広域中華圏内で面白い位置を占めてる,そういう気配を感じました。

▲月華沙茶面(鎮邦路)→ドアップ写真

中山路 潜れば妖し 昼下がり
 次の目的地の月華を探してて気づきましたが,ここは結構うねうねと路地裏が広がってます。閑散とした場所,意味もなくお姉さんがたむろしてる小路と,なかなかに深いエリアみたい。
 後で中山路北突き当たりの裏道にも,迷い込んでみたけど…この辺りは本当に分からん。戻りようがなくなったんで引き返した。
 でも台湾小[口乞]だらけ。偶見(発見)!廈門という店名に「そうだよ!」とカメラを向けてしまったほど。
 福建茶の店も数店。大紅袖と福建白茶を購入。意外に飲み漏らしてた種類っぽい。
 そんなこんなで月華沙茶面(鎮邦路)にたどり着いた時には14時半近くになってました。
 角地の小狭い3階建のビルを上がって行った2階の窓際に陣取る。8畳程度の空間に椅子と机がびっちりで,食べ散らかした後からは混雑が窺い知れましたが,この時間は程良くすいてきてました。
 3杯目の沙茶面。フードコートの1杯目とはさすがにモノが違いました。

 しかしおそらくこれは…サテソースを辣子の,いや広く中華スパイスの一種と捉えてるんだと思います。もちろん間違いとは言えないし,これはこれで美味い。「沙茶醤」と銘うつ調味料があるのはそういうことだろう。
 思い出した!朝の2杯目を食った四里で,確か店のおばちゃんに「要不要辣子」と聞かれた。サテソースに唐辛子は邪魔だろ?と考えて「不要」と答えてしまったと記憶する。──なるほど。この「辣子」こそがサテソースか。それでサテがどこにもなかったわけか。
 もう一息足を延ばして厦門大学界隈にも行ってみた。16時,遅くなったけど21路で終点廈大まで。昨日の廈門航空から一駅距離程度。
 なかなかいい雰囲気の大学街。感動はしないけど落ち着ける。
 16時45分,Take away Cafe(老塞行動珈琲)。
エスプレッソ(義式珈琲)10元

48 一直去的 火車[立占](スーシーリウ イージーチウダ フオチョジャン)
 中国語で575やって川柳と言うかどうか知らんが…。
 46路のバスの行き先表示には「…(湖東)」と付してあったのが気になってるけど,一応地図上も火車[立占]に数字があるからいいはずだが!?
 なぜか,えらく何度も来ることになった思明南路を通る。
 博物館駅のすぐ西で道路をまたいでる廃線跡。あれは何だろう。
 17時になった。迷路をさまよってたような1日でしたけれども,心地良い疲れを残す迷いでした。
 定安路東入口,味干ラーメンの娘がニッコリ。こいつ最近本当に節操がないな。
「奥康」という中華ブランドがあちこちにあるけど,英語名(ピンイン)はAOKAN。日本に進出するとPTAの抗議を受けると予測される。
 お?BTRを過ぎた?デブおばさんに下車を邪魔されて嘉美花園まで来てしまう。ここはどこだ?

夜8時 クリーニングは 終わったか?
 やっとのことで帰り着いた宿で,ズボンのクリーニングの件,後編であるが…あまりに腹立たしいこともありまして場を移します(続)。