外伝09♪~θ(^6^ )第六次香港(広州編)
第三天あの清[日]軍苑へ帰れよ~!とぞ広州旋回す

[前期累計]
消費1800/収入2100
負債 300/
[前期累計]
    /負債2505
§
5月4日(月)
0800美心線路快餐廳
8号(粥炒麺餐,[女乃]茶)34HK$,370
1330 清[日]軍苑
ポーレイ
鶏湯小龍包
高湯浸牛筋丸 300
1730 長楽餅屋
鶏尾飽?
魔法蛋[米ソ/王/心]
老婆餅450
1740 銀記
猪肉腸
及弟粥 400
1800達楊原味[火敦]品
純水鴨200
1900重慶人
紹版酸辣粉200
[前期累計]
消費1800/収入1920
負債 120/
[前期累計]
    /負債2385
§
5月5日(火)
▲美心線路快餐廳の8号(粥炒麺餐,[女乃]茶)

 朝から尖沙咀に動く。尖東,紅フイとの動き方は大分手慣れてきたと思う。
 チケット購入。少し時間があるんで,あまり行ったことなかった構内2階をブラブラしてるとマキシムがあった。この最も知られたと言ってもいいチェーン店に,そういえば入ったことがなかったよな。
0800美心線路快餐廳
8号(粥炒麺餐,[女乃]茶)34HK$,370
 値段は高いし,まるでベルトコンベアで作られてるみたく期待し難い雰囲気ながら…さすがに美心,まあまあ食わせてくれるのでした。
 粥は海苔と花生,肉団子というそれなりに豪華版。米の香りも豊かに留める確かに広東粥という内容。ついでに炭水化物まみれという点でも広東風です。
 マキシムは,このモーニングセットの9バージョン中6つが欧米系であるように洋食中心のスタンスなんだろけどキチンと地モノも食わせるみたい。
 麺はバン麺。焼きそばじゃなくハッキリと卵細麺のバン麺してました。調味はXO醤か?粥と合わせる炭水化物地獄的というか,典型的な広東メシですが,やっぱり典型的なほどパクパクイケてしまうのであります。
 [女乃]茶も,まあ,ほどほどには良い。木目は細かいと感じた。特徴的な点はあまりなく,苦味もコクも突出ぜず時間差も作らない,いつもの味めいた[女乃]茶というべきか。

 列車は0924発Z820往広州東。
「貴広高鉄」というポスターが出てた。広州-広西-貴州を結ぶと書いてあるけど,いつ出来るとか出来たとかの補足情報が一切ない──から分からん。どの位の時間で行けるんだろ?  →実際行った際の記録:二次貴州及び同写真集参照
 車内は広州の準備だな。全く予定が作れてないからなあ…。
 でも目標は明瞭。2泊予定で青軍と仏山狙い。欲を張り過ぎではあるけども帰りの票は6日朝便を,広州着後にすぐ取るつもり。
 11時35分,広州東着。さて…ギリギリだけど,清[日軍]飲茶に間に合うかな?
(メモ:その後の経験上言えば,2時までに入れば何とか食わせてくれるっぽい。)

 12時ジャスト,6日8時過ぎの直通票入手。150元。RMB底つく。
 12時20分。1号線乗車。公園前まで7駅。RMB未だ未入手,JCB対応ATMが見つからず。
 12時35分。公園前到達。
 13時40分。今や定宿・如家酒店(支店名が必要以上にえらく長くて『広州解放中路公園前地鉄[立占]店』)に2泊確保。
 13時05分。2号線乗車。タクシーも考え,少し探すも満車だらけ。
 13時10分。広州火車[立占]で5号線乗り換え。
 13時15分。5号で一駅,小北着。落ち着いてる場合ちゃうけど広州電子台とかもここにあるのね。
 13時23分。亜州国際大飯店のエレベーターに乗る。
 13時29分。清[日]軍苑の客となる。→写真集
ポーレイ
鶏湯小龍包
高湯浸牛筋丸 300
 広州電視台がすぐ隣に見下ろせる。40階,窓際席。曇天ながら眺めは最高。ビル・ブライソン「人類が知っていることすべての短い歴史」を傍らに…。
 ──うん。
 至福の時間ですね,やはりこれは。
 と幸福感だけで終わってしまいたい気分ですが…それじゃ筆が進まん。記録に移ろう。
 ポーレイ──ここはポットは出さず,広東本来の茶碗で淹れる方法を取らせる。しかもかなり小振りの碗です。その代わり,湯だけはたっぷりと,ロウソクで常に適温にして供される。入り口に「茶道」とでっかい看板が出されてるだけあって,この辺りの基本を失わせないところはまさに本物です。当然お味は…止まらない上質な茶。
 鶏湯小龍包──豚ではなく鶏で,あの包の中の肉汁を作り出してるわけですが,十分にコクを醸す汁ながら,包に開けた穴から吸い上げた瞬間,極めて柔らかな味覚が舌を絡めとって鼻孔に抜けていく,このたおやかさは見事としか言いようがない。
 鶏肉でここまで重い汁を作り出していけるとは,この具は一体何なんだろう?生姜,ニンニク,シャンツァイは感じとれますが,それだけなら,鶏以外は普通の餃子と同じじゃないか?微妙な何かが加えてあるか,もしくは単に調理かバランスかの妙なんだろうか?
 この具て汁を包み込む皮,これも明らかに勝手が違うっぽい。それ自体が饂飩と言ってもいい分厚い東北餃子とかとは全く趣を異にしてるけれど,博多餃子の薄く小振りな皮とも違う。皮で食わせる十分な主役の存在感はあるんである。何より博多餃子みたいな小振りなものじゃなく,この包子はそれなりに大きく具もたっぷりしてるんだから。
 その薄くてかつ存在感を保つ秘策は,おそらく,この弾力ある,ほとんどヌメるように舌に絡みついてくる造り方にありそうです。
 味わってくと鶏特有のあの黄色じみた脂とこの皮が境界面で一部融合してるみたいな気配が感じられます。ちょっと例を思いつけませんが,あえて言えばペキンダックを食べる時のあの皮の使い方。
 とすると──?鶏肉以外はさして特殊なものは使わずにこの逸品を成立させてるのは,やはり技術とセンスとしか言いようがないのでしょうか?
 てっぺんに光る紅の粒はイクラでした。味わいに影響はなさそうですから,これは官能的な味にちょっと紅を差したという所なんでしょう。
高湯浸牛筋丸──これこそ本当に「???」な品でした。まあ肉団子なんですね。つけダレも何もない。一緒に付いてた油菜は湯の通し方,調味とも素晴らしかったけれど,併せて食べるとかそういう類のものではないようです。
 一噛みした感じは,まさに何のてらいもない肉団子。普通これにXO醤とか麻辣とか被せたくなるだろ?しかしそれどころか胡椒も塩気もわずかにしか感じられない。男気があるというか,非常に無骨な舌当たりなわけで。
 けれどもこの団子の個性は,そういうシブい間口から入りながら,突き当たりの見えない無限回廊とも言ってよい底知れぬ奥行きに至るところにある。
 すぐに湧き出て来るのは赤身のギラギラした味覚。ハンバーグです。それもつなぎを入れない,アメリカンなタイプのガツンと来るハンバーグ。
 それが隠れてるだけなら「何だハンバーグだったのか」で済むんですが,このアメリカンハンバーグの味覚を咀嚼して行った先,ゆっくりとこのギラギラの赤身味が喉に落ちて行き,やがてほとんど落ち切っても…まだ残って溶けて行かないものがある。
 何とも玄妙な,固い味覚です。本物の,永く置いた鰹節みたいな硬質かつ深みある…魚の乾物の味わい?ここに来てそんなんを潜ませてるのか?
 いや──間違いなさそうです。赤身ハンバーグ味の背景に考えられないほど淡く,しかし実は存在感を持って,静謐な魚の乾物の味わいが効いてる。それと分かって最初から味わい直せば,この硬質さが実は主旋律になってる逸品だということが理解されてきました。
 かくもダンディーな品をお茶で頂く。日本人の「飲茶しましょ」感覚からは考えられない,実に格好良いアテでありました。
 14時40 分。地上界へ還る。

 マッサージでのんびりして16時20分。5号に乗り直して区庄へ,6号に乗り換えて団一大広場まで。(共産党初期の会議の開催場所らしい)
 17時前になった。
 越秀南路を北へ。木立の並ぶ曲がり道,いい通りです。

▲ 長楽餅屋の魔法蛋[米ソ/王/心]

 文明路の良さそうな小店にふらりと入ってみた。17時半,店名:長楽餅屋。
鶏尾飽?
魔法蛋[米ソ/王/心]
老婆餅300
 残念ながら鶏尾飽ではなく,単なるミルクパン。ただミルキーさはかなり良い。なぜだろう,スイーツと言ってもいいほど。しっかりお茶うけになりました。
 蛋ガオも,甘過ぎてもふわふわでもないのに,ただ淡々として旨い。基本,この感覚が広東だよなあ。すうっと,ひっかかりがなく抜けてく感じ。
 老婆餅。砂糖ではない。ココナッツのミルキーさが非常に低振動で後を引く。
▲銀記で猪肉腸と及弟粥

 ウーン!!広州では一度は食わんと始まらんだろ!?…ってことで定番店にも入ってみました。17時40分,銀記。いつもの店じゃなくて文明路店ですが…全部で何店あるんだ?
猪肉腸
及弟粥 300
 メニューはあえていつものメニュー。
 腸がプヨプヨなり。けどおそらくこの食感だけではない。粥と一緒に頂くのも炭水化物依存症…かもしれんけど,だけじゃなくてハラワタが喜ぶ味だからなんだと思う。
 これはお米のヨーグルト。とっぴかもしれませんが,沖縄の「みき」の感覚に案外似てるかも知れません。米のヨーグルトと米の汁を併せ頂く。米文化では最高の食法だと感じるようになってきてます。

▲達楊原味[火敦]品
純水鴨

 18時以降は何かハズレ続きでした。まず有名店の達楊原味[火敦]品。
純水鴨200
 う~ん!えっ?
 以上,有名店でした。
 ──京都には,名前だけがブランド化というか貨幣化しちゃってるけど味は全然そこらのもん,って店がたくさんあります。中国にもそういう店があると思っていいんじゃないか。そうした真実に目を見開いた得難い経験でありましたが,もう二度と見開きたくない目でもありました。
 一言だけ触れるなら,何じやそのココナッツの器は?恥ずかし~!

▲重慶人
紹版酸辣粉

 19時,重慶人。いや,これが店名です。
紹版酸辣粉200
 半分位食った段階で絶句。
 全部腹に収めた頃には,放心というか燃え付くしというか,辛くて知性を無くしてしまったというか。
 ホントにこれ,重慶の地元で食べてるのか?毎日食べたら死ぬぞこれ?

※ このメニュー,七次/深水[土歩]/紅焼芋粉でも同じ目に遭いました。お気をつけください…ってわしか,まず。