朝はやや遅くなってしまいました。
8時にホテルTirgartenをチェックアウト…しようとして,遅くなってるっちゅうのに朝食バイキングのパンにちょっと惹かれ,少しだけ摘み食い。
ブロート(大きいパン)をスライスしたライ麦パン。お味は日本のに似てました。あと,麦焦がしみたいなパンもかじってみた。面白かったが,まあ普通か。
これになすって食ったバター…チェコからずっとだけど,爆発的な爽やかさ。あと蜂蜜も意外なほどイケることに気付く。
付け合わせでは,やはりハムが美味いみたい。チーズは日本の高級ものと同じ位で,これはこれですごい。
昨日予約したFIJORD HOTELに荷を預ける。ルームナンバー502。ここが本日から2泊,根城になる。
スタッフの教育も完璧らしい。丁寧なだけじゃなく対応に隙がない。値段以上に小綺麗でクオリティは高そう。
隣に小さな公園。ここを抜けて消防署脇の路地を進むとメンデルスゾーン駅に出られた。来た道をぐるりと迂回する必要はないようです。
路地裏の場末みたいなのに高級感はある,そんな奇妙な宿でした。
メンデルスゾーン駅からU2乗車。南へ,つまりポツダマープラッツと逆方向に1駅,Gleisdreieckへ。
最初ホームを間違えてた。アレキサンダープラッツに向かうお姉さんに道を聞かれて逆方向を示してしまい,慌てて入れ替わる醜態を晒す。つーか…どー見てもストレンジャーなわしに道を聞くのが間違ってるぞ。
U1乗り換えでMockernbrucke…と思ったが,どうもU12ってラインに乗ったらしい。ダメじゃん!慌てて1駅で降り,また乗り換える。すると今度はU7でした。さらにダメじゃん!
そんなことしつつ,ここからGneisenaustraBeまで2駅。ジグザグに南に動いてく。
車体の窓に何か書いてあって邪魔だなあ…コップを伏したよなマーク?あ,ブランデンブルク門の図柄なのか?なるほど,統合新首都のシンボルってわけね。
GneisenaustraBeで下車,地上に出る。
ここにも市場があった。体育館並みの平屋建て。小綺麗な建物です。ちょっと立ち寄る。
まずパン屋が目に入る。
marheineke markthalle
というブロートフェンを購入。
ちなみに,昨日の種だらけ三角パン,あれはSteineckchenというらしい。
朝からだけど,さらにお土産を購入。
肉屋さん。ガラスケースの中にごろんと転がったハムの中から,一番小さいブロックの余りを指差し購入。
Sachsishe Schinkenrotwurst 100g1.45ε 計3.2ε位
総菜屋。パスタサラダみたいなケースを指差して「フンデルト(百)グラム」と言ってみたら買えた。
Thunfischpaste 100g1.50ε
でも「大体100でいーんだろ?」みたいな感じで,ちょっと多い量だけど。
パン屋。…まだ行くか!?てゆーかパンはさっきも買ったじゃん!?――いや仕方ないんよ。「3vollkorn brotchenε1」って安売りしてたんで。買いやすそうだったし。
Sonnenblumenkern Brotchen(種一種)
Mohn Brotchen(ゴマ)
Nackte Brotbhen(茶色種なし)
アメリカ編でグリーンマーケットした時を思い出すよな…トートバックの重さです。
トリに,市場の野外カフェみたいなとこで,エスプレッソを頂く。いや何か…美味そうだったもんで。
で,朝飯である。――朝飯はホテルで済ませたような記憶もあるが,過去にはこだわらず逞しく生きていきたい。
とゆーか,色々な障害や誘惑もあったけれど元々これを食いに来たんでした。初志貫徹をモットーに逞しく生きていきたい。
そんな前向き思考でたどり着いたお店はBergmann str.(最後の「str.」がシュトラッセ=通りの略らしい)の小さな構え。オシャレとゆーよりハイセンスな店。小汚い(失礼)八百屋の隣でコントラスト的にさらにグレードアップ。
そう言えば,そもそもベルリンの最大標的はカフェ。てゆーかドイツに来るきっかけは,ドイツパンとこのベルリンのカフェを回るため…だったことを思い出しました。初心に帰ることゆめ忘るることなく逞しく生きていきたい。
つまり当初の目標的には始まりの店に,ついに,ついにやってきたんである!!おおっ!?俄かに感動してきたぞ!!その記念すべき第一店,その名もBarcomi’s Kaffee!!!
「ばるこみ」である!マルコメではない!バルコニーでもない!
さて頂きましたものは――
rosterei(ブルーベリーマフィン)
エスプレッソ
▲Barcomi’s KaffeeのBarcomi’s Kaffeerostereiとエスプレッソ
いずれも本格派。
マフィンは粒々感,麦香とも程良い。アメリカンというよりヨーロッパの伝統菓子。
エスプレッソも,さっきの市場のとは全然違う。こなれた機械の味,豆もブレンドとか焙煎もだけど,それ以上に活きのいいのを使ってそう。店頭脇で麻袋をひっくり返してコーヒーを焙煎してた。今もその音が程良くさらさらと,BGMに混じって耳に流れ込んで来る。
しかし――飲み食い屋はまず味で勝負すべきと思ってる。雰囲気だけの店なんて,とそれ以外の要素は嫌ってきたんだけど――これは味以上に…いい空間です。スタッフとの程良い距離感。白い壁に渋いピンク色の植物画。水滴を形どった黄色の照明。木製の机と黒白のシンプルな椅子。少し臭う野菜屋の隣という立地をまるで忘れさせるほど,リラックスできる空間が縦に伸びて,奥には小さなパティオまである。
昨日から感じてきたものが言葉になってきた――この街のさり気ない「カッコ良さ」。…アジアでの見聞の常識からすると到底ありえない,この,一大工業国の首都に思えない居心地の良さ。これは,一体何なんだろう?
心地良さと言えば挨拶言葉。このカフェでも何度も言われたけれど「お早う」はガイドブックにある「グーテンモルゲン」じゃなく,口語的には「モルゲン!」がほとんど。サヨナラは「チュース!」。
あれらの語感の何と軽やかな響きよ。
そういう感じでこのベルグマンstr.の居心地に浸ってしまった午前中でした…ってゆーかこの街,どこもこんな感じなんだけど,どーしよう?困ったなあ。
引き続きU7に乗車。今度は4駅,Karl-Marx-str.へ。
スポーツじゃない運動家の皆様に昔は評判だった,あの髭オヤジの名を冠したこの通り。もちろん旧東独側。――そんなイデオロギー臭い呼称をあえて改称しない統一後ベルリンのセンスの柔らかさ。
エリアとしてはノイケルンと呼ばれる。トルコ系の多い土地という。
到着直前の地下鉄コーチ。前方,イヤホンのアラブ兄ちゃん。向こうのシートにアフリカ系のハゲおやじ。隣シートにはダーバン&クルタの髭面インド人。対面にはやや呆けた雰囲気の白人おばさん。イエローはわしだけ…凄まじい国際色です。
地上に出ると,出口真ん前にBrot und Brotchenって今回のテーマそのものみたいなお店を発見。もうパンは買い過ぎなんだけど…買っちゃおう。
1/2Brot(カボチャの種)0.95
そしてそして目的の店。訪れましたのは駅からすぐ,通りから回廊を入ったところに店を構えますCafe Rix。かなり有名店です。
選択メニュー。
Oliven-Ciabatta-auf Wunsch auch gebacken aus dem Ofen-
mit Mozzarella und Tomaten 3.50ε
Tasse Kaffee 1.70ε
17時までのメニュー。「Fruhstuck」というカテゴリーらしい。
簡単に言って,失敗した。パティオ席に陣取って注文したら…寒い!
ここはパティオに面した歴史的カフェらしく,タバコを我慢して室内のゴージャスな空間で食う方が断然良い…ことに,後でトイレを間違えたふりして店内に入ってから気付いた。
そんでもって,どうやら14時半までは室内でビュッフェやってるらしい。8ε。これもスルーしちまった。
食ったのはオリーブのチャパッタ,それとモッツァレラとトマトのサラダなんだが…こりゃイタリアじゃねえか!そんなん何で選んだ?
でも,このモッツァレラ美味い!水牛チーズの香りとオリーブオイルの芳香が夢のように混ざる。チャパッタも,イタリア系と少し違うがちゃんと深みがあって,何より最後に香るオリーブ臭が堪らない!
それにこの…チーズに見えたから最初間違えて思いっきり頬張ってしまった,バター!軽やかな芳香がスゴい!これまでのものをさらに超える。日本のバターと全くの別物なんである。
ただし…コーヒーはインスタント的だったかな?
正午の鐘が響き,にわかに客足が増えてきた。やはり人気店ではあるらしい。
雰囲気は,最高!
冷えたぞ!寒いぞ!
秋口の正午なんですけど…中庭の風に吹かれてたら震えが来るほどの寒気に襲われる。どうなってんだ,ドイツ!?暑さと寒さが極端に移行するとは聞いてたけど。
Woolworthというトルコ系らしき安値の服屋に立ち寄る。長袖シャツと,ついでに乾電池購入。初め,Damenってコーナーを探してたら,それは女物で,男は「Herren」らしい。ダメンが女で,ヘレンが男?語感から言って逆じゃん?
ちなみにレシートは
HR.T-SHIRTS 7.99ε
BATTERIEN 2.99ε
Summe 10.98ε
「ツェーン,アハト・ウント・ノインツィッヒ」って数字が初めて聞き取れた!なるほど,「10εと8プラス90セント」で10.98ε。そーゆー順番で喋ってんのか!
そりゃ分からんはずだ!
U7で一駅,Neukollnで乗り換え。
乗り換えついでに一度Neukolln駅から出た。トイレの場所を尋ると,どーも外にあるらしい。
荒んだ雰囲気の駅前です。物乞い3人,路上で寝てる御方2人,サイレンを聞くこと三度。街の空気的に…どうも長居しない方がよさそうな街って気がする。
駅前を言われた方向へ歩くと,例の円柱型自動販売トイレがあった。しかも,入ろうとしたら――ロシア人の子連れオバハンに何かスゴい勢いで怒鳴られた。ドイツ語でもない言葉で全く分からんが,自分の方が先だとのご主張をなさってるらしい。
「5分!」と怒鳴ってオバハンが入室してから,たっぷり10分は待たされた。うーん…こっちもスクランブルがかかってんだけど。でもこの街で他のトイレを借りるのもリスキーな気がするし。
ようやく出てきたから,かなりデッドラインに近づいてるわしはそそと入ろうとすると…さらにオバハンのストップがかかる。
ええい!何やねんオバハン!
イエローの血走った眼に少し引いたのか,オバハン次には電光表示を指す。と同時に,トイレの中に何やらドババッと洗い流すような物凄い音が響き始めた。
あ…自動洗浄トイレなのね!!「Frei」(空室)表示が出るまで入れないって意味らしい。
オバハン…改めロシアンレディのおば様,親切やないか!
その後も50c硬貨しか使えないとダメだと分かって困ってたら,管理者らしいおじ様が駆けつけてきて鍵で空けてくれた。だから,なぜか結局タダで使えました。…ってゆうかこのシステム,機能してなくね?
機能はしてないけど,親切やないかベルリナー!
環状線時計回りS41に乗車。
Schonbauster Alleeって環状線の最西の駅まで行く…つもりだったけど,WestkreuzでS5に乗り換えてZoologischer Gartenに向かう。ガイドブックに言うツォー駅です。
どうもベルリンの環状線ってのは,都心部の外周ってよりかなり郊外を走ってる。…ってことが実感されたからです。人も荒れてそうだし,あんまり面白そうな匂いがしなかった。中途半端な郊外は味がありそうなんだが…アジアンな水準では,中心部でもそんなに混雑してないからなあ。本当に生活感がゆったりとした首都です。
ツォーからアレキサンダープラッツまでのバスを使って中心部に戻ることに。
ターゲスカルテ(1日乗車券)大活躍です。このバスを含め,今日はまだ一銭も交通費は払ってない。ベルリン旅行者中,一番元を取ってるかもしれん。
(午後編に続く。)
§SixWord:帽子もない,シャツもない,とんでもない。それでも歌った。