日本行きのフライトまで,残り2日半となりました。
昨日と同じく06時30分。
宿出発。
空港近くのセブンイレブンが今日も目に止まる。さすがに買いに行く気はしないが,あのネオンにノスタルジックなものを感じてる自分が笑える。ヨーロッパと同じく,アメリカにはコンビニ文化はアジアほどはない。っつーか,結局あれは東アジア特有の消費文化なんだよな。
06時44分には空港駅着。
今日はちゃんと往復チケットを買っとこ。自販機は「Round Trip」ってのを選択すればいいみたい。出てきた2枚のうち,NYP発でEWR着と書いてあるチケットが帰りだろう。NYPはNew York PENN駅ってことみたい。
0704発,New York-SEC-EWR(Train7808)ってのに乗ることに。Line名はNorth corrdrとなってる。何だかニュージャージーのずっと南の海岸辺りらしい。
ちなみに,昨日乗った0715発の便はNew York-SEC(Train7208)。Line名はNo Jersey Coast。ともにプラットフォームAから出る。
昨日の夕方もだったけど,15分前位にならんと列車の着くホームが決まらないってのは普通のことらしい。半分位の列車に「**Mins Late」の表示が出てるから,それが原因だろう。こんな状況下でホーム管理をするんだから,その方がよくやってるなと思う。技術はあるんだろうから,鉄道運行に対する几帳面さの違いだろう。アメリカの鉄道マンに言わせれば,日本の方が神経質に時間を守り過ぎ,鉄道ってのはもっと大らかな門だぜベイベー!ーってことになるんでしょう。
曙光差す。
薄青い霞みの中に地平からゆっくりと浮上するドス橙の球体。何度か見るに…アメリカの日照がえらく幻想的に思えるのは気のせいだろか。
07時10分,Newark PENN駅着。よく見たら,確かに緑地に白で小さく駅名表示も見つけました。もっと目立たせてくれえ!
PENNを出ると,すぐやや広い川を渡る。南側にドーム型の大球場。
07時16分,も一つ,今度は貨物船の行き交うもっと大きい川を渡る。
07時18分。この列車もSecaucusって駅には止まった。車内をよく見ると,前方の電光表示に次の駅名が出てる。アナウンスも,聞き取れるようになってみればちゃんと告げてくれてはる。
その代わり,それ以外の要らんアナウンスはない。電光表示で「Be coosiderate Speak softly」「Please keep feet off seats」の2つの注意は出ますけど,それだけ。
検察時には,やはり今日も車掌がチケットを取り上げて行った。NYP駅だけは降車駅で改札しないってシステムらしい。高知駅みたいだ。
07時27分,NY-PENN着。宿を出てから正味1時間かからなかった…。
着いてすぐ尿意ドンになった…利用者の多い時間のPENNに関する限り,トイレにすら危険は感じられない。待合室の中だし,利用者多数,ポリスの見回りも頻繁。
08時52分,2番トレインで北へ。72st.まで。
地上に出てから,Verdy squ.ってとこのグリマを目指すつもりだったけど,発作的に浮気。
朝飯じゃ!先に79st.H&Hのベーグルをゲットする。
卸しとしてはかなり有名な店ですが,この本店はごくちっちゃな佇まい。入って正面にいきなり各種ベーグルのショーケースとキャッシャーがあるだけ。
それでもぽつぽつと客足の途絶えることはない気配。こーゆーパン屋,当たりの確率高いんよね。
Plane,everything 計2.98
道端のベンチでおもむろにほうばる。
昨日と違って挟みものなし。ただの焼きたてベーグルです。
けど…一口で呆気に取られる。
あり得るのか?こーゆー食感覚が,アメリカでちゃんとウケるなんて…あり得るのか?
端正なのじゃ!
口に入れた途端にヌワッと鼻孔をくすぐる焼き小麦の香のシンプルさ,そして豊かさ!程よく固く,程よく甘い。後味もふっくらしてたおやかなんだけど,ストンと綺麗に消えて行く。腹にしゅっと収まる,当たり前に毎日食える丁度よさのベーグル。
対してエブリティングズの方は意外にガッカリ。塩とガーリックが効き過ぎて,絶妙な生地の焼き香をかき消してる。セサミも強過ぎて,まったりした元の味を殺しちゃってるし…けど,つまりこっちが,アメリカのマジョリティにウケる迎合タイプってこと?
アメリカの食風景が,この辺でどうもスッキリ頭に浮かばない。
グリマでも見るように,この農業大国にはいい舌は歴然と残ってる。なのに,マジョリティは明らかにベトベトテイスト好き。
この両側面は何だ?
そのシチュエーション自体は日本にももちろん共通すんだが,何かそれが…妙に極端に感じるんだけど?
72st.に達するも,Verdy squ.のグリマは発見できず。
これで勝率半分,6カ所中3カ所で空振り。雰囲気から見て,どーも…行政が旗振りしたものの地域に根付かずに廃止になったグリマもあるってことか?だとすれば…グリマの発想そのものがニューヨーカー的には流行を過ぎて,少なくとも小康状態にある行政企画だったりして?
とにかく次のスタテン・アイランドを目指してみることにする。
Canbfrs st.から終点south ferryまでの1トレインはなぜかバス代行でした。ウォール街の重苦しいエリアを通過して海へ出る。
スタテンアイランド行きフェリー,30分間隔とややのんびりしてます。10時ジャストの便を待つ。しかし…切符売り場がない?警備員に聞くと…無料だって?公営ってことか?
最初まちがえて「Goverment Island」行の乗り場に行った。例の軍が払い下げて観光に売り出し中の旧要塞島らしい。グリマやってるなら行ってやってもいいが。
出航したフェリーは,自由の女神の正面200m位の海上を通過して島へ至る。
ここのグリマについては,
Borough hall,St.Marks & Hyatt Sts.,Sat,8am-2pm
って位置情報しかない。まるで暗号をとくよな気分だね。
歩いてみたら,Borough hallって建物はすぐに見つかり,その山手側の道がHyatt St.だったけど,グリマらしきもの見当たらず。3勝4敗,負けがこんできた。ちなみにSt.Marksは何のことやら。
帰る。
妙に客が多いと思ったら,みんな自由の女神目当てらしい。テロ規制で像のある島に渡りにくいから,この船から見ようってのが観光ルートになってるらしく,女神側のデッキはカメラの砲列状態です。
ところで,この女神像って…緑色だ。見ようによってはガミラス星人だ。冷徹そうな面持ちといい,デスラーが片手を挙げて歓声に応えてる姿をモデルにしてる可能性すらあながち否定できまい。(できるわ!)政治的に勇気が必要な行為ではあるが,松本零治はアメリカ政府に適切な著作権使用料を請求すべきであろう。
Rでユニオンスクエアへ,Lで1st.ave.へ。1st.ave E13th st.。
Sarita’s Mac & Cheeseという店に来た。名前通りのマカロニ&チーズの専門店です。
内装は,まるっきりマック似。簡素な丸イスと
チーズの種類が10種類以上あるし,サイズも4タイプ。Small,Midiam,Largeの他に「Nosh」ってのがあって,おそらく「極小」なんだろうと頼んだ…「極大」だったらどーしよう?
All american(Nosh)$4.75
ちゃんとちっちゃかった。
これは…確かにチーズが重層で使ってあって香り高い。特に程よくクリスピーに焼いてある表面はなかなか。胡椒や唐辛子はお好みで使ってねってことか,マカロニにもほぼ味付けはないけど,ふわっと柔らかい歯触りで,チーズの濃厚さだけでわし的には十分でした。つーか,そのまんまのクリアで力強い乳臭さと小麦臭が…今朝のH&Hと同じで,余計なもん入れんといて!
つまり――ちゃんと味覚が美しかった。
アメリカンなお手軽コテコテなテイストの筆頭に挙げられるこのマカロニ&チーズ。
でもちゃんと作ったもんは,こんな綺麗な味なんやなあ。
1番街の地下鉄駅は,進行方向別に改札もホームも分離してるタイプでした。
間違えて一度クイーンズ行きの改札をくぐったら,メトロカードが使えなくなる。インフォメで尋ねたら「18分使えへんで!」とおばはんマイクでキレた怒鳴り声。時々おられる,常に虫の居所悪いタイプの女性らしく…ひええ何でこんな叱りとばされにゃならんのん?早々に逃げ出して3番街まで歩いてから乗ることに。
Lトレイン乗り換えで終点8番街まで。
またグリマですが…W12th St.のAbingdon squ.を覗いてみる。
やってた!
4勝4敗のイーヴンであるよ!
しかも何か…公園脇の歩道にドヤっと賑わう自然な雰囲気であるよ!
やっぱ,よろしなあNYグリマ!
[購入品]
■Orive and organic onion focaccia $5.00
■Zuccini $1.80/b
■Ginger gold(Apple) $1.50
■Raspberry apple Juce $1.50
■Raspberry apple Juce $1.50
▲Abingdon squ.グリマのラズベリー&アップル・サイダー
現場で飲んだサイダー。既に飲み慣れつつあるRed Jacket Orchardsですが――
今日も同じくのつもりで,たまたまわずかに絵柄の違うRaspberry apple Juceを選んでたらしい。
…!
ぶっ飛んだ。なんちゅー柔らかい甘酸っぱさ!ノンシュガーの表示を疑いたくなるほど,口中にほんのりと豊穣な酸味が伸びてく。あくまでうっすらと,けれどクッキリと伸び広がるんである。テノールの独唱が細く長く同音で響いてるような,繊細で素直な味覚の波紋。
独唱に聞こえて,よく耳を凝らすと複数者の唱和だって技法があるけど,どうもこの瓶も,名前通りラズベリーとリンゴの複合味。けど,この2つって,味わい分け出来ない程には似た味覚じゃないはずじゃろ!?それどころか,ちょっと想像する限りマッチしそうにない気すらするが――どちらとも違う味。
何でここまで,ぴったり融合した味覚になってるんだ?
紹介名は「PS234」となってたが…何のこっちゃ!?
グリニッチ通りとチャンバース通りの交差点北西の公園沿のグリマ。
5勝4敗。勝ち越しに転じました。
ここも雰囲気いい!門地の木陰にタムロってる感じが最高に生活感がある。
[購入品]
■Baby Green,Okura Total $2.45
■Seasonal almond Fruit Tartlette $2.00
Vegetable Tartlette $2.00
2番トレインで3日ぶりにブルックリンに帰ってきた。
車内には今,アフリカ系しかいなくなってる。この状況は久しぶりだな。アフリカ系度合いは,ハーレムよりこのブルックリン側の方が高いかも?
どーも…懐かしさがこみ上げて困る。
Grand Army Plazaで地上に出ると――
でかい!
スクエアの北側一帯に広がるここのグリマ,ユニオンスクエア以来の賑わいでした。それに広い空間で空気も爽やか。
[購入品]
■Goat milk cheese
plane $6.00
■Beef Steak Fruits Tomato $2.00/b
■Apple Cider $2.75
■Homemade Applebutter $5.00
■Classic carrot+apple+ginger to taste $4.00
トラウマを癒やしに,Park st.の288番地前へわざわざ行き,タバコを一服。吸い殻を道路に踏みにじって,地下鉄に戻る。マナーの悪い観光客である。
Atrantic駅。
Bが来ないんでとにかくQに乗ってマンハッタンへ。34st.でBに乗り換えて47-50Sts.Rockefeller str.。
名所で感動しないのはもう染み付いてしまったけど――まあ…いわゆるロックフェラー・センターだなあ。
迫る夕闇。ネオンが目立ち始めた五番街。
やっぱり観光客だらけの中,E54st.5ave.まで歩く。
ハローベルリンらしき屋台を見つけたが…確証のないまま,腹もへったしホットソーセージを購入。$3位。
ふーん…パンはともかくソーセージは絶品ですな。
混ざりけのない牛肉そのものがプウンと薫り立つ。ドイツ的だとは思うが…まあまあか?
疲れた!帰ろ。
5ave.からRトレイン乗車。34st.で降りてPENNへ。
夕暮れのタイムズスクウェア方向。車内,日本人多し。目一杯オシャレして「ニューヨークだぜオッカサン!」って気負いまくり。
彼らに背を向け,地下道でPENNへ入る。
電光表示に解説を見つけ愕然としたのは――
EWR:Designated Newark Intl airport stop
SEC:Stop at Secaus junction
つまり…SECは急行どころか止まる駅が多いし,EWRはこれが末尾に付く短い単語なら早いってことで…全然予想とちゃうやん!
さて今回乗る便は言えば,一番早い0653(pm)のstatusに「canceled」と表示。待合室にはえらい人混み。次の便に殺到しそうな勢いだけど,例によってホームが発表されないから,皆様顔をモニターに向けてます。
さあ。何が起こるのかな?
18時50分を過ぎた頃,電光表示に「9」の一字が灯るや否や…ワッと9番ホームへ人が流れ出す。けど入口が細いからそこで詰まって濁流にはならない。ホームに出て早足でガンガン追い抜いてたら,皆さん結構悠然と歩いてて,見れば追い抜き合戦してんのはアジア系ばっか。まして,どこかの世界最大人口国みたいにホームを走る奴なぞ皆無。
あー恥ずかしい!
ニューヨーカーの上に被さる管理網は間違いなく厳重だけど,彼らは主体的にその管理に参画してるって感覚みたい。
19時過ぎ,PENN発。
検札時の車掌の言葉が今日やっと聞き取れた。「3stop」。つまり何駅目だって教えてくれてはったのね。