外伝11 獨 Dreamy visions during extended daytime hours.
ドイツ論

※参考にした他プログです。

[SWdesign|Design Future008ー外から観た日本 / 真逆の国、日本とドイツ]

日本の男性に美人とかわいい女性どちらがいいと尋ねれば9割がたかわいい女性と答えるだろう。残念ながらドイツには美人はいてもかわいい女性はほとんどいない。 
強引過ぎるかもしれませんがこの事実がドイツと日本の根本的な美意識の違いに繋がっていると思えてならないのです。ドイツの女性は概して独立心が強く、男性に媚びたりしない。男性女性にかかわらず個人の意識がとても高く、ここで女性に優しいデザインです、女性のためのデザインです、なんて言ったらぶっとばされる!?したがってドイツにはかっこいい商品はあってもかわいい商品はまずないのです。媚びたり、あまえたりする商品が許されないのです。ある意味とても厳しい国ですが一方、その精神がうそのない本質的な商品を生み出すのだと思います。
これまた強引かもしれませんがドイツにはモノがない。変な話ですが冗談ではありません。デパートやマーケットに行ってもなかなかほしいものは売っていないし、ほしいものを得るには時間がかかることが多いのです。商品の数もけして多くない。そう、まったく便利でない、不便な国なのです。しかしもちろんこんな感覚は私の日本での生活の比較から生じるものです。基本的に企画力に欠け今だサービスという概念が存在しない。店の店員はおかげでまったくやさしくないし、いつも怒っている?人をもてなす概念に欠け、エンターテイメントが苦てで楽しさやおもしろさに欠ける。ここまで言うとお世話になったドイツの方々に申し訳ないですがほとんど当たっていると思います。いったいどんな国なのかと思うかもしれませんが、こんな話の裏にはある意味が隠されているのです。
私はかつてミュンヘンに住んでいましたが、理屈抜きで美しい街、それはとても整然としたものですがそこにエレガンスを感じ取れる大人の街です。街を歩けば買い物をしているのは大人、日本のような
子供(若者)の為の商品はあまりない。夜、いかしたカフェやレストランに行っても大人しかいない。街には明らかに生活の為のルール、秩序があり大人と子供のための生活のきっちりとした境界線があるのです。コンサバといわれればコンサバですが、ここは大人の街、子供に媚びることはないのです。そしてなぜかドイツのおやじはかっこいい。たとえば東京は正反対。いろいろなものが混ざり合った街、おもしろくエンターテイメントに富んでいますが、けして大人のエレガントな街ではありません。
ドイツの社会はやさしさに欠けますが”うそがない。無駄がなく人々の生活がシンプルに構成されています。根底から言えばドイツの資本主義はアメリカや日本のそれとはいい意味でも悪い意味でも大きく質が異なっているのです。そしてこの社会環境と人々の生活の意識の差がデザインに大きく関わっています。日本とドイツのデザインを取り巻く環境はまるで正反対、”真逆”なのです。私にとってはもはやこのドイツのデザイン環境が私のスタンダードであり、くらしの基盤と成り得たものなのですが、こんな経験から日本や日本のデザインを観てみると、、、
日本人の特性、良くも悪くもとてもやさしい、そしてやさしいデザインに包まれています。メーカーは人にやさしいデザインと言い、誰にでもつかいやすいとユニバーサルデザインをエコデザインを訴えかけます。もちろん悪いことではありません、しかし言い換えれば誰にでもやさしいがゆえ、主張や緊張感に欠け、もの本来が持ちうる魅力に欠けます。日本にはモノがあり過ぎます、多すぎて消費者はモノの価値に麻痺している、それを知っていても競争社会の原理は悪化するばかり。プロダクトやメディアの感動はどんどん薄れ、デザインは違いを求めてオーバーヒートする、そして崩壊。デザインの質、クオリティーとはその社会そしてその社会の消費の質そのもの。デザインの本質的なねらいとは人の物理的な豊かさではなく、人の精神的な豊かさです。ということは日本にはもはや健全な
デザイン環境は存在しないのか?モノがあり過ぎるということはデザインの基本的な目的から逆行しているわけです。”Not doing anything is much better than doing too much” デザインであれ、何であれやり過ぎは今、最もやってはいけない行為と考えています。
2009.11.23|14:25|DESIGN FUTURE
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▲このページのトップへ和田智 | Satoshi Wada
Car Designer
Product Designer
SWdesign TOKYO代表
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1961年東京生まれ。武蔵野美術大学卒。1984年日産自動車入社。
[ドイツの食生活]
 ドイツの食べ物といえば、誰でも思いつくのはハム、ソーセージ、それからビールだろう。確かにその通り。
 
 フランスでもそうだったけど、昼食が一番ごちそうで、バーベキューとか、肉料理、ミートソーススパゲッティなどをパパが作ってくれた。共働きだからか、パパの方が料理がうまいのか、とにかくパパが料理係らしい。
  朝食、夕食は、カフェやミルヒ(ミルク)、オレンジジュースなどの飲み物、何種類かのパン、ハムやペースト、チーズなど、いろんなものをテーブルにのせておいて好きなものをいただく。はっきりいって、冷蔵庫から出してはいできあがり、である。とってもシンプル(^^;)
 ドイツでバサー(水)というと、炭酸水が出てくる。私もYouもふつうの水がほしいのにこれには閉口で、のどが渇いた時にはしかたなくオレンジジュースを飲んでいた。
 
 夕食は簡単だけど、そのあとはお酒を飲みながら遅くまでおしゃべりをする。家にはワインやいろいろな国のお酒があって、テラスでパパやママとおしゃべりしながら「トリンケン」(飲むこと)するのがとても楽しかった。   
 食事の時間に関しては、日本のように朝昼晩をきちんと食べるという感じではなく、お腹がすいていなかったらごはんどきになっても食べないし、お腹がすいたら中途半端な時間に昼食や夕食を食べたりする。昼食がりんごだけだったり、夕食が果物とヨーグルトだけだったり、食生活というものにこだわりがないようだった。
 私の日本人的発想では、三食規則正しく食べ、1日30品目を目指し、バランスの取れた食生活を、という理想のイメージが強く、そうできていないと罪悪感を感じてしまうのだけど、ドイツのような食生活も、ある意味合理的というか、なあんだこれでいいんだと思った。もちろん日本人の食生活の方が私は好きだけど、決して自分が苦しくなるほどそれにこだわる必要はなく、時にはドイツのようにいい加減(ごめんなさい(^^;)でもいいのよね、と気が楽になった。
 
 日本みたいに、朝からご飯におかずにみそ汁、昼も調理したものや色とりどりのお弁当、夕ご飯も何品も並ぶ、なんていうのは、ドイツ人にしてみれば考えられない世界かもしれない。
 そりゃあ、日本の方が食生活は豊かだしおいしくていいんだけど、それだけ作るのはやはり負担だから、できないからといって罪悪感を感じることもないのだと思った。
  驚異的なのは、野菜をほとんど食べないこと。トマトがいくつか置いてあるくらいで、ほとんど食べない。冷蔵庫には日本のように野菜室があるけれど、野菜が入っているのを見たことはなく、ジュースだとかが入っている。  だからといってスーパーに行くと野菜を売っていないわけではないので家庭によるのかなとも思うけれど、ほかのホストファミリーでもほとんど野菜は食べなかったと言っていた。
 勝手に理由を考えてみると、ドイツは寒い国なので、寒いときには野菜の収穫も望めず、昔は貯蔵もできず、あまり野菜を食べることができなかったのではないだろうか。メインの食材が豚だから、レバーだとかの内臓を食べることによって、ビタミンも補給でき、野菜を食べなくてもよい体質になっているのではないかと思う。 日本人の食生活では野菜なしではビタミン不足になってしまうので、野菜を必要とする日本人は野菜を食べることが好きなんじゃないだろうか。
 
 ドイツ人の食生活は日本人にはどうも合わないけれど、ドイツ人はそれでいい体質なのだろう。しかし、食生活のせいなのか、はたまたビールをたくさん飲むからなのかどうか?ドイツ人の大人は「ビール腹」だ。子どもたちはどの子もみんなスマートで理想的なスタイルなのに、大人になると誰もかれもビール腹で、若い女性までがなんとなくお腹のあたりにボリュームが…。
 ところで、ステイした家では、食器洗い機におまかせだったので食器洗いをすることはなかったのだけど、サンクスパーティの時にみんなで食器を洗う機会があった。
 ドイツ人は食器を洗剤液につけておき、汚れが落ちたら水でゆすがずにすぐふきんでふくのである。噂には聞いていたけれど、本当なんだ~と目が点になった。
 日本人としては、お皿に洗剤が残っていると嫌なので、水できれいにゆすがないと我慢できないと思う。しかし、ドイツでは昔から水が貴重で、水を大切にするので、食器をゆすぐなんてもったいないことはしないのだ。水が豊かな日本との大きな違いかな。
§SixWord:長い昼に見る幻のような夢