外伝05O‥SEC_Range(“広州入”).Activate Category:サウスイーストコート編 Phaze:六日目

[前日日計]
支出1500/収入1650
負債 150/
[前日累計]
     /負債 126
§
→9月21日(水)
1523:龍林
炒雲南小瓜
紅焼肉
豬手650
1728[シンニョウ+尊]又蝦粉張六羊肉粉
羊肉粉500
1805現[火考]蛋[米ソ/王/心]
雪なんとか250
貴州百[ヨ/火]企業集団製薬股[イ分]有限公司 金感[月交]嚢2粒 [前日日計]
支出1500/収入1400
     /負債 100
[前日累計]
     /負債 226
§
→9月22日(木) 香港編

▲広州でお世話になった薬屋店頭

 8時20分潮州発広州行のバスチケットを手に待ってますが,バスが来ないなあ──と,突然来た。カガッと乗客が動く。車内に人影はないから他を発車したのでもあるまいに,すぐに発車となりました。どういう慌ただしさだ?8時26分。
 票(チケット)は132元。クッションフワフワ,日本の深夜バスと,台湾名物超豪華バスの間くらいの住居性。
 便所に「清勿大便喫煙」と貼り紙があって,そのうち謎を解明するとして──
 七天から客運中心までは結局歩いた。5分ほど宿の前のバス停で待っ
てみたがバスは姿を見せない。けれどこんなとこで外人らしきリュック姿がバスを待つのは目を引くらしく,タクやバイクタクがクラクション鳴らしてるのはまだよかったけども,「アイム・マレーシアン!キャナイヘルプユー?」とやたらニコニコした好好爺がわざわざやってきたのには閉口。怪しいオーラむんむん!
 諦めよう。早々に歩きに変更したわけである。
 歩きながら思う。そうだ,この空虚さはシンガというよりクアラルンプールだ,と思い至る。あの街の人口度,ぎこちない針小細工のような小綺麗さ,あの造りをどうやら繰り返そうとしてる。
 おそらく,広東と同じく,この市の実権は華僑が握ってしまってるんだろう。国や省のヴィジョンなんか関係なく都市計画を作った結果がこれで,それでおそらくそれなりに満足してると見える。
 そう言えば広州の小北なんかはちょっとコレに共通してます。

 8時40分,川を渡る。対岸に高い煙突2基を天空に向けた大規模建物。原発か?
 ここから対岸を見ると,川の上流まで高層ビルの林立が続いてるのが見てとれる。改めて,この汕頭は失敗して衰退しつつあるエリアという訳ではないのだと思い知る。
 ではなぜ,こんなヘンテコな街になってしまってるのか?
 答えはただ一つ。彼らはこれでいいと思ってる。こういう現代都市での暮らしを理想像として持ってるとしか思えない。

 9時24分。右手の山列の尾根に沿ってずうっと風力発電の白い鉄塔が続いてる。
 すごい数だ。もう2百は見たんじゃないか?
 ──独裁国家の利は,財政出動にメリハリがつくこと。それと,今の中国ではハッキリとした結果が求められ,結果が得られなければ即降格さるる。それはトップですら同じ。
 東アジア型独裁は厳しい生存環境では極めて有効に働く。この風車列だって,CO2税との都合上,国家プロジェクトとして一気に金を投じてるはず。
 ただ。そういう人為は置いておけば,窓外の風光は極めて艶やかになっていきました。明らかに南中国の色彩です。

 快晴。なれど風邪気味。
 結構ぐっすり眠ってしまって,この長時間のバス移動は割とすんなり終わろうとしてます。
 ほぼ14時に広州到着。
 流砂汽車站という場所で面食らうも火車站近くと判明。ああ,もう一時間早けりゃだけど,今日はもうさすがに飲茶は無理。
 同地鉄站から動き始める。
 14時20分。2路で3駅,公園前。1路で2駅,陳家祠。
 宿は前回と同じ7天連鎖酒店(広州陳家祠地鉄站二店)を取ってる。2泊先払い済み。 ──のつもりだったんだが,念のため予約確認メールのアクセスリンクを開いてみると別の場所が開く。
 ええっ?諦めかけたが,いや予約メールの住所はやはりあの七天の場所。迷った末に,知らない顔で見知った方の七天に行くとすんなり入れた。リンクアドレスの誤りだったらしい。う~ん,怖いなあ。
 で部屋へ。えっ?鍵が開かない!通りがかりの服務員のおばちゃんに開けてもらう。で,カウンターへも一度出向きまして,おばちゃんに習ったばかり「開不了」(鍵を回しても開かない)と苦情を呈する。するとカウンターの,もう馴染んでしまった丸顔真面目姉ちゃん(以下「あんパン嬢」という。)曰く「我忘覚了」(あ,鍵番号忘れてました)とニッコリ。──ニッコリすんなよ可愛いけど。
 さて出発。
 まず,2つ隣に見かけたクリーニング屋で聞き込み。営業時間は8時開店10時閉店 。よし使えるな!

▲龍林の炒雲南小瓜,紅焼肉,豬手

 とりあえず飯だ!この半端な時間に龍津路で飯なら…今はここしか考えらんない。
 15時23分,龍林。
炒雲南小瓜
紅焼肉
豬手650
 結果的に店内ガラガラ,今までで一番落ち着けました。この位の時間が一番空いてるみたい。
 汁のとこでカンについでもらいたいんだけど今回も失敗しました。どれを頼めば汁が来るんだろう?
 炒雲南小瓜。
 これ前にも食った気がするけど,前にも劣らず美味い。爽やかに青臭い瓜味,程よいコリコリした歯触り,その後を追いかけてくる清湯とニンニクの香り。
 これらが波のように押し寄せて箸を止めさせない。シンブルな味なのに後をひく,不思議な冷菜です。
 紅焼肉。
 名前程よい肉肉しくもなく,唐辛子辛くもない。豚肉の三枚肉,特に脂身の多い部位がインゲン豆のような豆のさやと一緒にピリ辛炒めにしてある。辛みもだけどそれ以前に漢方味が込み上げてくる。この臭みがよく煮込まれた脂身に染み透ってる。
 最初,何の肉かと訝しんだほどの変化ぶりです。豚肉の脂味が,和食では考えられないほどに引き出されてる。
 豬手。
 沖縄のテビチにハマって長いけれど,これは衝撃でした。──沖縄並みかそれ以上です。
 直接的な味わいとしてだけでもスゴいんですが,それに加えて,こちらには煮込みに加えて控え目な漢方スパイスがじんわりと効いてる。しかも,そのいずれもが嫌味を感じさせない。
 特に…この爪の回りのコラーゲン!この部位の旨味ときたら,思わずニンマリと笑みがこぼれるほどで,空いてる時間で良かったな。

 15時59分。1路で終点広州東站へ。
 23日14時発の便が取れた。これで全行程の泊地が決まった。あと4泊は広州2泊と香港2泊となる。ということは──広州飲茶は明日一杯楽しめる。
 風邪…っぽい症状がどんどん酷くなってきた。肩の痛みに加えてコレは──かなり辛いぞ。
 万事休す。明日からに投資しよう。本日は食べるだけ食べて早めに寝るべし。
 で,その前に風邪薬を手に入れないといけないんだが。陳家祠で手には入るかなあ?和光城市にはあるような気がするが…。

▲[シンニョウ+尊]又※蝦粉張六羊肉粉の羊肉粉
後日談:この時はまだ貴州省遵义(遵義:→GM.の地名を認知してなかったんだろうか……。迂闊でした。

 まずエネルギー充填から着手することにした。
 陳家祠東の十字路から「あ,速8があるじゃん」と見てたら,並んだ辺りに大きな看板を見つけてしまった。──「羊肉粉」
 広東で食べるもんじゃないよな,と分かっちゃいるけど,昨日のパオモの大ヒットが効いてた。あえて広州で,というのが大当たりってこともあるかも?それにエネルギーとしてのクオリティを優先すべきでは?──とかもう気力ないもんだから理屈も何もなく17時28分入店。
 [シンニョウ+尊]又蝦子張六羊肉粉。
羊肉粉500
 客もこの時間にほぼ満席!こ,これは良ーんでないかい?血が…俺の血液が羊を呼ぶ!呼んでいるぞーい!(イッちゃってますからご容赦を)
 来た。来たぞ。メエ~!(それは山羊だけど昇天してますから)
 うほほっ!
 辛い!
 濃ゆい!
 ニンニクがガツン!
 羊脂が爆裂!
 頭ぶっとんでてこれだけしか記録してませんが…エネルギー充填としては成功だった…のか?普通の意味ではあんま体に良さそうなもんじゃありません。
 あれやね。風邪の時に次郎食べるみたいなもんやね(わしだけか?)。

 このフラフラゆえに見つけたのが,龍林から龍津路を東へ進んだ辺り。
 ほう?この界隈も割と落ち着いててえーやん。龍林から西の暗い猥雑さが,なぜか東には薄くて明るい気がしました(ラリってるから頼りにならんが)。
 でその街区に,これまたえらく漢人的な薬屋を見つけます。普段なら恐れをなすところですが,ブッ飛んでるツーリストに怖いものなどありません。
「感冒的薬,給我」と思いっきり悲しそうな表情をカウンターに突き出すと,その効力あってかごく冷静そうなお兄さん「症状ゼンマ様?」(どんな症状ですか)。鼻水と微熱がと雰囲気で語る(のが通じたかどうかはともかく)と指し示されたのがコレ。

▲風邪薬「金感[月交]嚢」

 おおっ!これだよコレ!これならバッチリだ!
 何も根拠はありゃしませんけどもう治ったような気になって龍津路をガンガン戻って七天を過ぎて市場を抜けて…って,おいおいどこまで行ってんだ?寝ろよ?
 大丈夫大丈夫,何せ金感●●だもんよ!
 という,どこかを通り抜けてしまった心地でいつものカステラを買い求めたんでした。18時過ぎ,現[火考]蛋[米ソ/王/心]。

▲現[火考]蛋[米ソ/王/心]の雪なんとか

 箱を初めてもらったかもしれない。
 この箱の表示によると,この店,沙園店,中六店,東[日戈/元]南店とここ龍津中店の4店のチェーン。と書き留めたのはいいが他の3ヶ所がどこか知らねーや。ははははは…。
 フワフワのシコシコ感がここにしかない味。やはり食べるまで忘れてますね。
 …との記録を最後に,この日の記述は途絶えております。サウスイーストコーストのゴールとともに倒れこんだみたいでカッコいい!とかきっと思ったんでしょーな,脳煮えちゃってたから。