目録
神波「随分と都合のいい解釈ですね。私には全く分かりません。まあ、
分かるとしたら、あなたの未来です。
」
五代亜佐美「何が分かるんですか?」
神波「好きな人ができたけど、収入がないから結婚できない。こんなはずじゃなかった。
家柄がいい人と結婚したけど、子どもができない。こんなはずじゃなかった。
子どもが生まれたらまた思うんですよ。思ったような子どもに育たない。こんなはすじゃなかった……って。
でもいいじゃないですか。五条さん夫婦はとってもお似合いの夫婦なんで。」
五代「お似合い?」
神波「はい。売れない画家とは結婚できない……とか、子どもは産まないといけない……とか、夫の言う通りにしなきゃいけない……とか、五条家の人間はどうたらこうたら……とか、お二人とも
誰が決めたかも分からない常識
に従うのがお好きなようなので!」
五条「……」
神波「この度はお話を頂き誠にありがとうございました。よかったらご夫婦で裁判を見届けて下さい。」
五代「行くわけないでしょ。」
神波「失礼します。(立ち去るが振り返り)
お幸せに!
」〔モンスター第3話「幸せの形」〕
神波「
それ相応のこと
ってなんてすか?」
山下「結局金だろう。そもそもてきるだけたくさんの金を払わせるのが弁護士の仕事だろう」
神波「分かりました。だったらいくらもらえたら満足するんですか?百万ですか?五百万ですか?一千万ですか?」
山下「だから多ければ多いほどいいってことだよ。」
神波「三千万ですか?五千万ですか?一読ですか?いくらですか?」
山下「だからあればあるほど豊かな人生になる」
神波「
あればあるほど豊かな人生になる。
」
里田・清川「当たり前だろ」
神波「お金なんていくらあっても足りないんじゃないですか?どこで満足するんですか?
満足なんてできないんじゃないんですか?
」
山下「そんなことないよ。いくらでもあったほうがいいたろ。」
神波「では、あなたにとっての豊かさって何ですか?」
山下「え?」
神波「毒を垂れ流すのと引き換えに便利で効率的な製品を作ることですか?
その製品で多大な利益を得ることですか?」 (視線の先に帝東電機社長)
神波「犯罪で資金を作ることですか?
居場所を失った人たちに自分の居場所はここしかないと思い込ませることですか?」
健康を害してまで賃金を得、自分の居場所はここしかないと思い込まされ、未来を閉ざすことですか?
自分たちの価値観とは違う人間を排除することですか?
物事を自分の都合のいいように見たり信じたりすることですか?
自分の信念で動かず世の中の空気に動かされることですか?」
山下「そんな話はしない。俺たちは幸せになりたいだけなんだから」
神波「では。あなたにとって幸せってなんですか?」
武内「幸せ……」
山下「幸せは幸せだよ」
神波「本当は
何が幸せか分かってないんじゃないんですか?
自分にとっての幸せは豊かさが分からなかったらどうやって生きていくのかなんて決められないんじゃないんですか?一体なんのために生きているんですか?」
(略)
杉浦「あのさ。神波先生にとっての幸せって何?」
神波「フフフッ!」(走る)
杉浦「えええっ!」
〔モンスター第11話「求める者たちへ」〕