わしの減量スタンスを箇条書きしてみました。
目録
7つのビジョン
[食欲に身を委ねてく減量法]
① 万人が太れる時代
万人が太れる食事を享受できる史上初の時代に,わしらは生きてる。妙なダイエットで悪循環を繰り返すより,朗らかにメタボライフを謳歌すべし!痩せるのはそれに飽きた後で十分。食生活の肥満リスクを評価して自分に合った対応をすれば,カラダは近代以前の自然状態に戻り,勝手に痩せ初めます。
② ダイエットは気楽に楽しく
ダイエットを頑張るのはストレスに繋がりカラダが痩せようとする邪魔になるだけ。減量はカラダが行うのであり意思は脇役。意志の側に出来るのはカロリー管理で肥満リスクを緩和するなど後方支援のみ。カラダとのコミットの基本姿勢は気楽さと快楽主義で。
③ 心地好く食う
ホントに心地好く食うことを貪欲に工夫すれば減量の確度は高まる。メディアに惑わされず,自分のカラダの欲求,特に食欲に忠実に食生活を自前で工夫する。クレバーな食生活が習慣になれば美味と満腹は想像できないほど増します。
④ 運動はリスク回避のために
運動や血行改善法では,健康にはなっても痩せません。しかし,減量は作為的に飢えるという危険な行為。そのリスクの回避法としては有効です。ただし,一生続ける覚悟の方法と強度でなければリバウンドの元。
⑤ 食の安全を求める権利はない
緑の革命後の工業化社会で当面生かしてもらうなら,そこで提供される食に完全な安全を求める権利はありません。現代人は,工業製品を摂る地球史上初の新生物。現代食文化を避けえないリスクとして受容した上でその直撃を避けうるだけの頭と舌を持ちましょう。
⑥ この文明は賢くはない
栄養学その他の健康法は原則疑いましょう。ましてメディアや業界の情報はほぼ誇張。特殊な食事は避け,食文化に実証された普通の食事を。全ての人にオプティマル(普遍的)な食事を創造できるほど,まだこの文明は賢くはない。
⑦ 食の感性を頼りに
食生活を大事に。まず時間と手間を投資しましょう。減量中は食の感性をヴァージョンアップする最大のチャンス。そして,そこで培ったシステムに惑わされない確かな食の感性こそ目標体重維持の最強にして唯一のツール。
7つのスキル
[リスク対応の体得手順]
① 目標体重とカロリーの設計
BMI(体重÷身長の2乗)25以上となる目標体重を決め,その体重での基礎代謝量かっきりにカロリー摂取の水準を置きましょう。
② 500kcalメニューの開発
1食500~400kcalで自分が満足できるメニューを見つけるか開発しましょう。数が多いほどベター。
※カロリー管理上リスクの高い食品・食材
a)油・砂糖を使う料理
b)米・麦とその粉食
c)肉・果物・乳製品
d)とろみを出す添加物
③ 冒険的に食べる
設定カロリー内で生活できるようになったら,固定メニューを繰り返さないように,さらに冒険的に食生活してみましょう。固定メニューで一生暮らすには現代人の周囲にはあまりに多品目の食事が溢れている。設定カロリーに胃と脳をチューニングすることが長期安定減量の絶対条件。
④ 750kcal/日以下を可能に
抑えようと思えば1日750kcal以下にできるように。宴会などで羽目を外して飲食しても前後で清算できます。
⑤ 減量後続けれる食生活の再設計
カロリー管理に余裕が出たら,自分の嗜好に合わせて肉・米・油など精のつく食事を増やし,一生続けても十分に満足できる自分の食生活を構築しましょう。低カロリーなだけで満足できない食事はいつか止めざるをえません。そして,その途端にリバウンドします。
⑥ 自分が求める食生活を発見
ゴールとすべきは,多品目の食材を質・量とも満足できる自分だけの食生活。理想の食事は一つではないし,完全な減量食もない。誰かか薦める食事ではなく自分のカラダが本当に求める食事を自分で工夫して見つけることだけが,リバウンドのない長期的な理想体重維持を保証します。
⑦ 舌を武器に変える
食べ物の味を味わい尽くしましょう。周りが呆れるくらいよく噛み,味覚を研ぎ澄ましましょう。本当に美味い食べ物を「美味い!」と感じとれる舌こそ,人間を太らせるシステムをかいくぐる最大の武器。
基本戦術検討編一覧
STEP11 「ダルマさんが転んだ!」大作戦
19kg段階──気付かれずにそ~と痩せよう!ダイエット遊記2基本戦術
STEP21 3桁クラブ脱走作戦
3桁超人界から2桁凡人界への高くて厚い壁を越えろ!公開取締役会編
STEP31 2桁か…何もかも…皆懐かしい
2桁復帰記念講演…じゃないけど折り返し点通過!
STEP35 ダイエットを飛び超えろ↑↑
パラダイム変更──食生活革命メソッドとしてのカロリー管理
STEP45 時間がないアナタの食卓
忙しくても痩せれるか!?ジャパニーズビジネスマン究極の課題に挑む!
STEP51 第4ステージ開幕!
舞台は既に第4ステージへ!大規模減量段階論。
STEP57 食卓十牛図
減量完成への10ステップ☆第1部:食生活の内省からカロリー管理の完成まで
STEP58 続・食卓十牛図
減量完成への10ステップ☆第2部:カロリー管理が不要になり食生活を満喫できるまで
STEP81 決戦!体重半減要砦!
要砦攻防戦も最後の山場!最後の抵抗を見せるレプチン軍団VS相変わらずいい加減な中尉連隊!
STEP88 半減要砦 最後の戦い
半減要砦陥落間近!その時減量法はどうなったか?ラストスパート実況編
STEP94 GOOOOOOOAL!
Oが6つの感動!体重半減成功!!(でもちょっといー加減??)
STEP96 勝利宣言小論1:カロリー管理編
減量体系その1:現代食文化の肥満リスクに対しての武装──カロリー管理
STEP97 勝利宣言小論2:代謝促進編
減量体系その2:減量という人工的な飢えの危険に対する安全策──代謝促進
STEP98 勝利宣言小論3:食感育成編
減量体系その3:リバウンドのない安定着陸のための武装──食感育成
STEP99 そこの中尉!止まりなさいッ!
半減地点をオーバーラン!さあどう止める?本屋に1冊もない「減量列車の止め方」緊急対策編
STEP100 奇跡論──出来ないのはやろうとしないから
フラット化したこの時代は奇跡の起こせる時代!努力なんか要らない,ただ時代の風に乗るが吉。
主な参考文献
□山本隆「『おいしい』となぜ食べすぎるのか 味と体のふしぎな関係」PHP新書,2004
脳科学のやさしい本。食べる感性と満腹感の科学的常識が単なる「我慢の減量」を超えさせてくれます。
□丸元淑生「何を食べるべきか──栄養学は警告する」講談社+α文庫,1999
栄養学の王道本。変な健康本を百冊読むよりずっと本質に近づける。ペリセの研究やマクガバン委員会報告など黙殺された正論を紹介。
□任開津典生「『飢餓』と『飽食』 食料問題の十二章」講談社選書,1994
人口爆発,環境汚染,緑の革命,南北格差など現代の食の大状況を農業経済学の立場から。「肥満」の場所が理解できる。
□森枝卓士「アジア菜食紀行」講談社現代新書,1998
世界のベジタリアン文化を追ったルポ。食文化の重厚な重みに触れられる。インドの巨大人口が維持される知恵や僧侶の食事心得「典座教訓」など紹介事例多数