外伝01-1ಬೆಂಗಳೂರು 【9日目】スペンサープラザ(その1)

 や…やっと見つけた日本語ATOKカフェ!しかもオーナーが自分で切り替えまでやってくれた!さすがスペンサープラザ!
 昨日までおりましたハイデラバードでは,結局日本語カフェ無。…まあ,外人見る度に「チャイナ!」って大騒ぎになる位だから,要は日本人ユーザーがいないんやろな。
 さて,ここはチェンナイ最大のショッピングモール,スペンサープラザの2階。入居店舗400以上!!
 ここには10年前位に一度来た。「インドにもこんなところが?!」とおったまげたけど,その時とは比較にならない拡大振り!5倍は拡張されてる。隣のビルと接続もしたみたい。
 入り口の警備も薄くなってるし,外でたむろする妙な客引きの数も少ない。それだけ生活水準が上がって普通の人々が普通に入れる施設になってきたわけ。
 けど。昨日「フラ世界」で知って愕然としたのは,ここがインドのアキレス腱ってこと。これだけ拡大しても最上階は10年前と同じ3階までしかない!そう言えばベンガルールでも最も高い百貨店が4階まで。
 なぜか?──電力供給の不安定さです。
 昔ほど一晩中停電ってことはないけど,今回のインドでも2~3日に1度は5~10分程の小停電がある。
 この状態じゃ,高層ビルに常時不可欠なエレベーターとエスカレーターが安定的に機能しない。スペンサープラザには建物としては既に7階位まである。けどこの条件じゃ…3階以上の階に誰が入居希望する?
 社会インフラの未整備。インドもまだまだ致命的な傷を負ってる。中国が共産独裁って傷を癒しきれてないように。
 21世紀のトップランナーたちのそれらの傷は,日本のそれより恐らく根深いでしょう。言い換えれば,「日本なんてもう脱落者さ!」って勝負降りるのは,現実的にはまだまだ軟弱な思考だってこと。老いた先輩方がこれだけ痛みに耐えて走ってんのに,そりゃ失礼にもほどがありまっしゃろ?
【以上現地アップ分】

 さて時間は戻るけど,今朝はまだハイデラバードにおりました。さっき飛行機でチェンナイにインしたばっか。
 6時半,エアホートバス車内。18人乗りミニバンに客2人,も一人は白服帽子の完全イスラム風オヤジ。1人120Rsとバカ高。
 この4月開港のラジブ・ガンディー空港の情報はなかった。歩き方にもウェブのアドレスのみ。宿や旅行社で聞き込むと,4本のリムジン路線有。ナンパリ付近なら「シティ・カレッジ」って場所が近い。
 そこまでは分かってたから,1日目に行ってみたのね。
 つってもそりゃどこだ?歩き方にも市販の地図にもない。もらったパンフの図からしてチャールミナールの西辺りらしい。とにかくリクシャを捕まえて言ってみると「?そりゃどこだ?」…ってわしが聞きてーよ!
 宿の女将に「通じないよ~!ヒンディー語で紙に書いてくれよ~」と泣きすがる。するといかにもしっかり者っぽい女将はおかしそうに「アンタの発音が悪いのさ!」書いてはくれたけど「CityCollege」と単なる英語。何で通じない?するとその場で「PleaseAfterMe!」と授業開始。繰り返し複唱を強要される。泣きながら20回程繰り返してたら渋々合格に。「すぃてぃこりっじ」が正しいみたい…って平仮名で書いてちゃダメじゃん!
 けど特訓の甲斐あって今度はリクシャに通じた。やっぱ悪いのはわしの発音だったわけ。
 教訓は1つ!英語だけはちゃんと勉強しろ!フラットな世界での共同作業で英語は今よりもっと常識的ツールになる。海外で毎回発気するんだけど今度ばかりは思い知る。さっきポッターの最終巻を購入。絶対英語で完読してやる!

 ただし,空港への道の,これはまだ入口でした。
 シティ・カレッジの交差点には,50人程の人混みがあるだけ。1時間待ってみた。1分に1本ペースでバスが来てみんな少しずつ飛び乗ってく。完全停車はしないどころか,ほとんど全速力で走ってやっと乗れる感じ。
 わしもあれをやんの?ひええ…出来ねえよ~!
 この1時間に「ShanshabadAirport」って表示のバスが2つ通過した。やはり止まらないんで,とてもじゃないが飛び乗れないけど…けど,昨日のゴールコンダの要領で「何とかして乗ったる!どーしてもダメなら宿に帰ってタクシーじゃ!」と息巻いて,長くなったけど今朝は6時に宿を出たんであります。ちなみに離陸は9時50分。
 さてやって来ました運命のシティ・カレッジ前。早朝なんで人も数人しかいない。一応尋ねると爺さんが「空港ならあっちだ!」と東を指差す。少し行って振り返ると爺さん「もっと向こう!」って身振り。さらに向こうへ。これを繰り返してかれこれ300mも離れた頃,後ろから「空港か?」と声がかかる。イカついオヤジが「あのバンだぞ?走れ!」って言う。訳分からんままさらに東へ走ると,ミニバンとチケットオフィスが…ちゃんとあるじゃん!一昨日見たバスより小綺麗なバス。
 結局6時半に無事発車。7時にはラジブ・ガンディー空港に着いちゃった!チェックイン・カウンターの知的っぽい姉さん「アンタが1人目よ」…そりゃそーだわな…ほとんど3時間前だもん!
 こんな感じで…インドのシステムはまだまだ安心しては利用しにくい。けど,そこを何とか生き抜いてる人情はある。そうやって実際彼らは生き抜いてる。

 ハイデラの南郊外はほとんど手付かずの野原。建設中のビル群も多数。道はかなり整備された2車線。ハイデラがさらに発展するなら新都心になるのがこの辺?
 最新式の空港は,それでも広島空港位の規模。福岡空港よりは断然小さい。客数がまだまだその程度みたい。
 この旅行中にデリーでテロがあった影響か,セキュリティーはかなり厳しい。ライターを全部取り上げられる。
 けど,金はかかるがかなり快適な環境。コーラの自動販売機を始めて見た。感動の余り買うと1缶25Rsとバカ高!エスプレッソもかなりのが飲めたけどダブルで80Rsと日本並み。
 朝飯は「IdlyVadaCombo」を食う。110Rsとこれもバカ高。
 Vadaはドーナツもどき。イドゥリー(蒸しパン)とドーナツ各2つにカレーと例の白い練り物が付く。
 時間があるんで舌に集中してゆっくり食う──イドゥリーをカレーに溶かす感じで食べるとチャパティやライスにない新食感。それと,白いのの正体は…分かった!豆だ!微かに豆乳の味覚。要は中華の朝食の定番「豆しょう」の南インド版なわけ。
 キング・フィッシャーのサービスはかなりちゃんとしてた。出発時間はもちろん定刻だったし,座席も綺麗。200mlのミネラルウォーター以外の機内サービスは有料だけど,離着陸とも安定してました。ビール会社の副業とはとても…いや失礼しやした!

 チェンナイに着きミルスを2食たて続けに食う。やはりここチェンナイから南のマドゥライにかけてが本場らしい。

【続く】