まず笑ろうてみよ@ことばぐすい

こころが騒ぐたびに、眠れもせず、食物も口へ入らぬというのでは、草の者として十分のはたらきはできぬ。
・・・中略・・・
「危難に遭遇したときは、まず、笑ろうてみよ」
・・・中略・・・
死ぬる覚悟がをさだめたとき、・・・中略・・・笑えるわけのものではないが、ともかく、むりに笑ってみる。
すると、その笑いが、おもわぬちからをよび起こしてくれる。むりに笑った笑いが、
「なんの、ここで倒れてなるものか」
という不敵の笑いに変わってくる。
ともかくも、まず、些細な動作を肉体に起こしてみて、そのことによって、我が精神を操作せよというのだ。
(もうだめだ)
とか
(これで終わりだ)
とかの、絶望と悲嘆の情緒へ落ちこむ前に、まず笑ってみる。すると、笑ったという行為は、ふしぎに人間のこころへ反応してくれるものなのだ。
[池波正太郎「真田太平記」]

元気を出せ!
最近のキミは少し
気弱になりすぎているぞ

今野社長に
怒鳴られたくらいが何だ
サラリーマンなら
誰だってしょっちゅう
怒鳴られるんだ

そんなこといちいち気に病んでたら
組織の中ではやってゆけない
風に向かって踏んばって立つのも
ひとつの生き方なら
風にふかれてひょうひょうと生きるのも
もうひとつの選択肢だ

私はどちらかというと
後者の方に
近いかもしれない

リラックスしろ

力を抜いて あまり深刻にならず
気楽に仕事をこなしてゆけ
今のキミにはそれが必要だ

弘兼憲史[部長島耕作6]講談社,2002