最近すっかりお気に入りに登録されちゃった,はりまや市場。
今回は野菜をガバッと購入してみました。
▲ゆうきの里 ゆすはら サニーレタス 150円
▲渡辺則夫 モロヘイヤ 100円
宿について野菜をバラかして盛りましてから,おもむろにリュックから取り出しましたるは。
Mazzetti L’ORIGINALE Aceto Balsamico di Modena──いわゆるバルサミコ酢。
なんせ初イタリア直前,すっかり頭がイタリアンなもんで。先週からこのバルサミコにハマっちゃってまして(てゆーか全く知らんかった…)わざわざ持参で高知野菜を頂きましょう!っちゅー企画なわけ。
旨い!
…旨いけど?この深み…農業王国・高知の野菜が美味なのはまあ当然やけど?こんな?味覚の?野菜だったんか?
芳ばしいエグみとでも言うか…どうも酢や香油で適度にピュアに味付けすると,野菜の野菜らしさが引き出されるらしい。サラダの主役は野菜…当たり前っちゃ当たり前なんだけど,ハッキリ実感させられたのは初めてでした。
恐らく…これまでワシ,サラダを「タレ」で食ってたんやな。それは,ホントに旨い野菜にも変な混ぜモノなしのピュアなタレにも出会ってなかったってことなんだろな。
(後日談:この後,イタリアンサラダに驚喜する時期に入ることになったんだけど,野菜をそのままでもバリバリいっちゃう味覚生活は,やはりこの頃からでした。)
ちなみに。世界三大酢なるものがあるんだって。イタリアで葡萄から作られるこのバルサミコ酢,酢豚なんかに使われる中国鎮江の香酢。
そんであと一つは──えっ?日本!鹿児島その他の醸造所で造られる黒酢なんだって!
黒酢は香酢と似た玄米や大麦の酢だけど,香酢は籾殻やふすまとかの雑穀成分が多いほか,本場の鎮江ではもち米使用。さらに発酵方法が,黒酢が壺内で液体状態で進に対して,香酢は固形物状態で進める。…と東シナ海沿岸は世界的な酢の開発先進地らしい。
後日談としては,この高知のゆず酢にもハマりました。
▲日下 ダンケの茶パン,いちぢくパン等
今回初めて,日下の市場にも出っ張ってみました。
小さな体育館並みの広さに,出荷ケースにそのまんま入った農産物から加工品からズラリと並んでます。
なるほど。日曜市のある土佐人の食感覚からすれば,当然追手筋に週一だけじゃなくて日常的に市場がなきゃおかしいわけで。
日曜市での会話から,市内には日曜以外に金曜市とかもあるらしい。
今回は実力拝見しただけ。当然周囲には旨い店もあり,芋ケンピの芋屋金次郎,カルボナーラのわのわとか。芋屋金次郎にはスイーツ館もあったんで,最早芋スイーツジャンキーなわしは,無意識のうちに購入。
これが震える美味さ!地味で実直だけど重低音の甘味。それをシンプルにデニッシュにした芋パイは,流石は主力商品,安定感ある絶品スイーツ。
だけど…芋プラス栗って想像できる?あるいは芋プラス林檎って?スゴいんよ!甘味の低音がダブルで響く味覚空間。
こーゆー創造力を,京都ならいざしらず,失礼ながら片田舎の高知が持ってるって凄まじさ。
熊本のこっぱ餅とか同じ高知の東山みたいな伝統モノとは違い,鹿児島の唐芋スイーツと同じ系列の完全に新しい味覚。ただ唐芋ほど華やかな味わいじゃなく,木訥な甘味だけど,それがこんなポップな衣服を纏ってる。
そう言えば,最近芋ケンピの塩味も人気ですよね。
▲日下 芋屋金次郎の芋モンブラン,芋パイ,芋とりんごのタルト
ダンケのパンも美味でした。正統派ハードパン。
にしても日下ってホントの田舎町。この規模でも,正常な食感覚がある土地にはこれだけの豊さが形成しうる──。
市内に戻って,帯屋町のノンナでパスタのランチに。本格派なのに家庭的な味,地方のイタリアンの典型店です。
しかしまあ…当面はイタリアンから抜けれそにないっす。
▲ノンナ メインのパッパルデッレ
土曜に既に食い過ぎじゃ!
さて本番,今月も高知での日曜の朝。
195番,3丁目北の大崎さんの店。からしの葉佃煮を購入したとこですが,山菜や漬物,梅漬けも売っておられるんで今回は──
かぼちゃのくき 100円
を購入。まるっきり初体験でしたが,素朴な野菜味で良かったッス。
もちろんバルサミコ酢でいただきました。日曜市で買うと100円でもう丼山盛りほどの量!
店番229,4丁目南のOKパーキング前,松木さんとこ。販売品は野菜,切り花中心ですが,餅や赤飯,饅頭とかの主食系も置いとられるんで,
赤飯くり入り 200円
を今回は購入してみた。京都での食体験上も,栗の味には最近興味が出てきてまして。
──最高!
金次郎と同じく,小豆と栗のダブルスでビシビシきまる…ってだけじゃないみたいで,どーも餅米そのものが甘く香るんでトリプル攻撃になってるっぽい。つまりこれはもう主食のオコメってゆーよりも,複雑な甘味がジャミングする最高のスイーツなわけで。
しかもコレ…恐らく伝統的な甘味だと思う。日本人は何でこんな美味いスイーツ,歴史に捨ててきちゃってるんだろ。
▲栗入り赤飯
5丁目北,393番の川淵さんとこでも
むし芋 100円
を購入。
これは朝飯代わりみたいな感覚で売られてる。通勤時にサラリーマンが駅前で買うコッペパン的な使い方。
主食としての芋。江戸時代の飢饉とかでの救済食としてばっかり語られるけど,日常食として親しまれた存在だった頃または土地があったんだと思いつつ…深い甘味を宿すホクホクを頂きました。
旨ッ!旨ッ!
そーだ,サツマイモの新ものの収穫は初夏から中秋まで。今の時期はそのまま食うのが一番旨い!
川渕さんとこは減農薬野菜のほか,この焼き芋が主力商品。単純に旨いお芋です。
▲ふかし芋(9月)
こんなに芋が旨いなら…とついに買ってみました。ここを知らなきゃモグリでしょ?って行列店。
4丁目南,大平さんの芋天屋。店番245番。
秒速単位で次から次へ芋天が渡されてく様は,それ自体が職人芸。よく揚がりが追いつくもんです。
表示上はメニューは多く,イカ天,ゴボウ天,野菜天なんかも売ってるけど,出て行く品の9割は芋天,つまりサツマイモの天ぷら。
そんなに旨いのか?と半減前に一度食ったけど,ふーん…って感じでした。でも,その頃の味覚経験があてにならんことはよく身に染みてますので。
芋天 110円
すりみ野菜入り天ぷら 110円
と最小単位で購入したけど…。
ああッ大失敗!5個セットを袋売りしてるから,皆さんこちらを買いましょう!
326番,5丁目南に開店の西野さん。販売品は鉢花中心な中で?
この葉野菜は…?
「大根菜です」とにこやかにおばちゃん。「おいしーですよ」
ってことで1束100円を購入。
柔らかい味なのにピリリと辛味のアクセント。──いい野菜だ。
やはりバルサミコ酢で頂きましたが,地味な辛みと酢の酸味が面白い効果。
かぼちゃのくきにしてもこの大根葉にしても,こーゆーのに出会うとつくづく身近なスーパー野菜の貧困さを思い知るわけです。
▲大根菜
店番342,5丁目南の伊野部さんの店で,以前から気になってたコレを購入。
秋うこん 400円
いっぱい中に出てるから,たくさん並んでたこの店でついに手をだしてしまったんだけど…?
どー食うんだ?
沢庵の着色料にしてはあんまりたくさん並び過ぎてる。何か食い方が,しかもメジャーにあるはず?高知では,なぜか必ず春モノと秋モノが区別されて売られてる。そのくらいなんだから!
で,色々調べでこんなことにしてみました。──たらのターメリックスープ。
たらを適量,塩を振って置く。たらでなくても白身魚なら何でもいいし,チキンでもいい。他の材料は適当なスープ系の野菜。ただトマトがあるといいアクセントになる。
調味料は塩胡椒位。ワインがあれば面白い。コンソメを追加すると,味は落ち着くけど素朴な味覚が濁る。特に魚や肉が入るなら無い方がいいかも。
作り方も何もない。鍋に野菜入れて好みでチョイ炒めて,後はうこんもその他調味料も魚も入れたくって煮込むだけ。カレーの要領だけど,小麦が入ってないから焦げ付きの心配もない。最後に塩胡椒で味を整える。
これだけのことで…スゴいスープが出来上がる!しかもこれが,カレーでも洋風スープでもない味覚!
うこんのストレートな味わいって…こんな深くてシブいもんだったの?普通のうこんよりどれくらい上質かは分かっちゃいないわけだけど,少なしこれまでうこんにこの味覚を感じたことない。──微かにドライな苦さを含むこの淡くてガッチリ来る旨味…。
思えばカレーに唐辛子が入るのは,当然新大陸発見後。それまでの何千年,インド人だってこうやって,うこんの味覚を純粋に味わってたんじゃない?
いずれにしてもこのうこんの美味さを覚えてから,普通のカレーの味わい方自体も変わってきた気がします。
ただこのターメリックスープは,高知のおばあちゃんの味じゃあないだろう!?土佐人の伝統的な食い方が,何かあると思われるんだけど?
5丁目南,加藤さん。店番359。以下HP記載ママの情報。
販売品種:梅,赤飯,あん餅,山菜おこわ,おはぎ。
キャッチコピー:「自家生産米を原料として昔なつかしい杵つきの食味を追求しています。あんこも国産大納言を使用しています。また梅も6月には自家梅園で丹精込めて栽培したものを出します。国産にこだわり安心してお買い求め下さい。」
店の紹介:「自宅は鏡川上流域に位置しており周辺は自然動植物園の趣があります。その環境で農産物を生産し加工して日曜市へ出荷しています。」
どうです?
これぞ高知日曜市って感じの涎の出そうなお店!ここで購入しましたのは「鏡村産」と誇り高く表示してあった
新栗大福 1個100円
梅大福 1個100円
高知では大抵スイーツに手を出してるけど,今回は特に甘味にまみれた気がする。栗プラス小豆,梅プラス小豆です!それも米,梅と自信200%の食材で。
どんなに旨かったか想像できます?
▲新栗大福,梅大福
時々店番表示が隠れてることがある日曜市。あれは…ひょっとして時には闇で出てる店もあんだろか?どうも読めない部分があるらしい。
5丁目南のこの店も店番出てないとこだったけど,378番の島本さんの店の隣でした。
みょうが甘酢漬け 150円
きゃべつ漬け 300円
を購入したけど,378番島本さんの販売品種が季節の野菜,みょうが甘酢漬,たまねぎ苗となってるから──隣が店を休んだから,ちょっと出っ張らしてくださいや…って感じなんでしょう。
それはともかく,みょうが甘酢漬けときゃべつ漬け。「よく漬かってます」とわざわざ表示。こーゆー蛇足な表示も日曜市の楽しみです。
「みょうが入れといたげましょか?」おばちゃん,買う人みんなに言ってる。「煮物とか使えますけど」
「はあ」とうっかり答えてしまったら…容赦なし!どばどばどばどばどば!漬け物の分量の倍くらいの分量じゃないか!
泣く泣く広島まで担いで帰ったけど…日曜市おばちゃんのサービスを舐めたら(別に舐めてはいないけど)こーゆーエラい目にあうわけで…。
その他,2丁目北の127番,種田さんとこでも
ゴーヤ佃煮 200円
を買いました。
漬け物は美味さでもバリエーションでも京都に負けてない,ってより勝る高知!しかしこのゴーヤは…創造性でも勝ってる感じやね。
これがやっぱし旨いのは…しかも店によって全く味わいが違うのは,各家のぬか床が大切に守られてるからなんでしょう。
実りの秋。初生みかんが出てるようです。ゆずもはしりみたい。来月が楽しみ!
▲日曜市の軒先風景
イタリア直前の今回は,もう一軒イタリアンを回ってみました。
川を渡った北新田町。電車通りからも少し歩くし,住宅街の真ん中で「えッこんなとこ?」みたいな場所。
ただ,かなり客足はある。期待して入ると。
うーん…ちっとも本格派じゃないな。
でも?何か妙に旨い。アラビアータを頼んだけど,イタリア的じゃないのに唐辛子が絶妙に馴染んだソース,パスタ・フレスカって感じとは遠いのに独自の丁度いいモッチリ感のスパゲティ。
サラダやドルチェも日本的なのに,日常感覚で美味なんよ。
思えばあれが,イタリア後しばらくして気づいた,日本カスタマイズのイタリアンの味覚に初めて出会った一食だったわけでした。
▲スパゲティハウス マッキーのアラビアータ
▲同 自家製チーズケーキ