▲前章から引き続きましてNYCユニオンスクウェアのグリーンマーケット(以下「グリマ」と略す)の人参売り
同じ「Carrot」表示でも種類が各種あるのが,一目でわかると思います。
食材に対する真剣さを測る際,この尺度は,例えば日本のスーパーでも使える。「薩摩芋」と表示してある店より「なると金時」とある方が明らかに真面目。偽装度や管理も推して知るべし。
願わくば,食育上,学校給食のメニューもこうであってほしい。「北広島町産黄金茸と広島市産水菜の炒め物」とか。
単なる「人参」なんて食材は,この世にないのじゃ!
▲購入物。手前がこの日かかえて歩いたレインボーキャロット。
これは人参の種別ではなく,各種のセットという程の名称みたい。確かに…新鮮なだけあって,5種類それぞれが,それぞれ違う香気と甘味を湛えてるんである!!
先ほどの尺度で言えば,「世界一メシのまずい国」の食感覚は,通常赤い人参一種類しか置いてない「世界に冠たる日本食」の国より遥かに卓越してる。
この論理矛盾!これこそが,この後のアメリカ滞在のメインテーマになりました。
人参売りの店名はPaffenroth gardens。住所は94-95little york rd.,warwick,NYとなってた。ニューヨーク州でこれが採れてるの?
Rainbow carrot $1.75
ちなみに奥手のジャムはBecket,Massachusetts Berkshire BerriesのRhubarb Jam($4)。まあまあだったけど,やはり瑞々しい。
▲ラズベリーとメスクラン(レタスミックス)
Windfall farmsという店で。
Rassubelly $5
Mesclum $3
ラズベリーは,日本でいつもは少量のヨーグルトに混ぜて食うことが多い。今回もと思ってたけど,一口食ってもったいなくて…そのまんまパンと食った。果肉の香りが物凄いの!アメリカの食い物,大体そのままが一番!
Mesclumは,その場では野菜の品種かと思って買ったけど,サラダ用のレタスのミックス版ってとこらしい。北イタリアの言い方。グリーンカール,コスレタス,ロメイン,ルッコラ,エンタイプ,オーク,クレス,マスタードグリーン,トレビスとかの混合で,水菜が混ざることもあるみたい。
味は良かった。日本のサラダと一味も二味も違う。いわゆるイタリアンサラダで,これもドレッシング的なもの全く無しで食える。野菜独特のエグミがホントに多様に押し寄せる。
▲キャロットクッキーとグランベリー・ウォルナッツ・パイ
店名だと思ってメモってしまったのは「Ingredients Rhubarb,Sugar,Pectin」だったけど,これは無論,単なる生産スタンスでした。だから店名分からんのじゃが…。
Carrot raisin cookies $2.75
Granberry walnut square $2.25
クッキー系がパンとして美味いのは,サウスだけじゃないらしい。北部にも田舎には,こんなクッキーがまだあるわけだ!
パイもクッキーも,小麦粉の地味,果実の香りたっぷし!それを殺さずに複合させるのが,この国の料理で,その威力が最も発揮されてる分野が,おそらくクッキーやパイ,ケーキ類。
ホットケーキにも共通するが,二次加工や時間をかけた調理じゃなく,原料の小麦からダイレクトに料理する発想が,この農業王国の食文化のパターンみたい。
▲njCheeseのハンドメイド・チーズ
住所は「LongValley,NJ」となってた。この後のグリマ巡りで最も多く目にした産地表示が,このNJ,つまりニュージャージー州です。京都に対する周辺農業地帯みたいな関係系が,アメリカには現代も働いてるようです。
Handmade cheese $4.50
凄かった…。ここまでミルク臭を露出させたチーズって初めてでしたわ。
ヨーロッパの,カビやスパイスで元が何か想像できなくしたことによるまろやかな独特味とは,全然別発想なんよ。