外伝10 弗 弗the seventh day弗 Being drifted to NWK

▲Pastrie treatsのcruissant&espresso

 皆様,ブオン・ジョールノ!
 現在,Vandebllt Ave.のバールPastrie treatsで,基本に帰ってブリオッシュ&エスプレッソの朝食中。
cruissant(regulare)$2.50
espresso(12oz)$1.75
 …って書いて「そりゃフランスだろ?」と気づかれた方,いやあ流石です!
 トイレ借りるのが主目的だったんでそこまでは考えてなかった…。
 今日からSoffia innってホテルに入る。Park Place 288って住所しか頼りはない。朝7時過ぎにはバックパックをしょって宿を出発。地下鉄乗り継ぎもすんなりいって,目的の住所を探して,8時15分にはホテルを何とか探しあてた。
 スゴい高級感。木立と,文化財的な建物が並ぶ閑静な住宅街です。二階から入る形の石造りが多い。これドイツ風の建築か?
 288番地のナンバーがかかったアンティークな建築が,それらしいが…看板も何もなし。扉に鍵がかかってて,呼び鈴押しても反応なし。覗くかぎりゲスト向けの貼り紙とかあるから,宿っぽくはあるんだけど?――何度か押してたら,眠そうな妙齢の白人お姉様がパジャマ姿で階段を降りて来た。客らしい。一言,「Officer come at 10am」。中から鍵かけるらしいから,とりあえずバックパックを控え目な場所に置く。
 さて…10時まで時間潰しじゃ。――予約が入ってないって可能性は,早い時間に潰しといた方がいいだろし。
 で,Soffia innの対面のブロックに見つけたPastrie treatsで,今現在は朝カフェしておるわけです。
 9時を回ると,この店スゴい行列になってきた。そんな人気店だったんか?…確かにクロッサンは,フランス的なバターの効いた生地のむっちり感と,イタリア的な小麦臭&噛み応えと,両者が両立してる。バランス良く独自進化して生き継がれてる。
 この辺が,ニューヨークの味の凄みかもしれないって予感。
 このかなり満足度高いかったし,エスプレッソも本格的。どちらも,毎日頂けるちょうどいい心地よさを持ってました。こういう味を愛でるセンス,アメリカにあるんだな…って驚きは失礼だけど,少なし南部にはなかったように思う。
 じゃあ?食センスで見たら,アメリカではディープ・サウスよりニューヨークの方が勝ってたり?
 このパークプレイスってエリア,客層から見ても,街行く人のオーラも,金持ちが多そう。だけど人種はバラバラ。白人も各種お取り揃えだし,インド系もアラブ系も東アジア系も目につく。アフリカ系も,ユティカ辺りに比べてぐんと少ないけど,少なからず歩いてる。
 この店のすぐ西隣には,プラスチック容器の回収機械が3台ある。ニューヨークでゴミの仕分け的なものを見たのは初めて。
 東隣の角の空には,中国人経営らしいクリーニング店からシュンシュン立ち登る水蒸気。
 対面は,Iodia placeってレストラン。その並びにはThe Brooklun Pizza Factoryって感じ良さそな店もあるぞ?
 不思議なエリアです。4日ほどステイするには面白い居心地になりそうやね。

 しかし10時までは…時間が潰し切れまへんでした。
 軽くマンハッタンに入ってみることに。2番で2駅目,Atlantic ave.で4番に乗り換える。
 1駅目の駅名はBergen St.。ドイツ系が創始した街の臭い。
 マンハッタンに入り,Bowling Greenで下車。この駅で降りる観光客の大半は他の目的だと思うけど…スミマセン。私は,ここで木曜日にグリーンマーケットが開かれると聞いて来ただけなんです。
 結果的に今回訪れたグリマ中では一番小さい規模。地下鉄出口に5つ程テントが並んでるだけでしたが,こちらでのお買い上げは――
■Red Jacket Orchard
 Apple Cider $1
■隣の店名のないクッキー屋
 Add.:Meredith’s Brbad,Kingston,NY
 Oatmeal cookie $2
 そばに海辺の公園があった。そんなら,ベンチに座って海風をおかずに頂くとしよーじゃないですか。

▲Bowling GreenグリマのApple CiderとOatmeal cookie

 やっぱ…すげーよ,ニューヨークのリンゴ!
 このオーチャードのジュース,実は割とキオスクとかでも売ってるメジャーな品だと後で分かってきたけど…クドさがネットリ追い掛けてくるっていうか,ネットリ感的には日本で死滅しかかってる「ネクター」に似てるけど,それが添加物による人工味じゃない。ちゃんと…どころか凄まじいまでに芳醇でピュアな果物の味わいがある。
 それで――この安さだ!80円やぞ!?コーヒーとか炭酸飲料より安いやん!
 アメリカンクッキーとその類いの物凄い懐の深さ。これははサウス以来思い知りつつあるところ。このグリマのも…オートミールの純粋な穀物味,甘味,つぶつぶ感と…やっぱりたまらんねコレ!
 朝から朦朧とふやけ顔でベンチに呆けるわしの左手の波止場から,フェリーが次々と出てく。さっきから見てりゃ,どいつもこいつも沈みそなほど客を満載やんか?何かあったんかいな?
 フェリーの進行方向を見ると,人型の大きな物体がある。モビルスーツならギャンに似た青銅じみた色。けど,片手を挙手してる。目を凝らすとその手には,アイスクリームみたいなものが握られて…?
 なあんだ,あの女性像やね。かつてウルトラクイズで有名だった女神様。
 さあて!食ったし10時近いし――帰るかね。

 神をぞんざいに扱うと,必ず報いがございますようで。
 ましてそれが仮にも一国の建国理念の象徴だったりすると,こりゃどーもイカンようで。
 Park plazaに戻りまして,ホテルのトップの部屋まで階段を登りまして,メガネのオーナーに「本日からお世話になりますジャップでございます」と申さば,オーナー氏,パソコンかたかた致し給い,即ちクールに一句読めり。
「予約?入ってないよ?」
 ひっ!?ひいいい~!!
 こりゃ真っ青!
 すかさず近くのネカフェで,ニューオーリンズにてゲットせるhotmailの予約メールをプリント致し,なぜかネカフェのアフリカ系お姉様にべらぼうに値引き頂きて,オーナー氏に再び掛け合うまで致せども,事態は変化ござらぬで候。
 どーも,予約メールと思ってたのは,予約を依頼したメールであって,オーナー氏から受け入れOKのサインが出ないとダメって仕組みと覚ゆる也。
 地下室の予備ベットや今泊まってる日本人を探したりしてくれたから,ジャップ嫌いとか一目見て気に入らんからブーとかじゃなさそうに候。
 後は――パークプレイスの高級住宅街に一人途方に暮れるバックパック抱えた宿無しが,風に吹かれてヒラヒラリン…って悲しい情景と相成ってしまったのでございます。
 皆さん,ニューヨークのホテルは日本で予約入れてリコンファームしてから行きましょうね。あっ,当たり前?
 さて…どーしましょかね?
 とりあえず,笑ってみるか!ははは…。

▲Prospect Perk CafeのHot Panini TuscaniniとEspresso

 Prospect Perk Cafe
Hot Panini Tuscanini $7.45
Espresso $1.75j
 って,こんなもん食ってる場合じゃないんだけど,もーどうでもいーし。疲れてるからかパニーニがムチャクチャ美味いし。エスプレッソもなかなかいーし。
 さっき,再び同じネカフェへ行って,日本語ATOCは入ってないから,Hotel.comってWebで星一つの条件で検索してみたら,ニューアーク空港そばに$60の,おそらくモーテル的なとこが何とか見つかりました。Econo lodheって,何か怪しげで安っぽい名前。
 ネカフェのカウンターのお姉様,また半分以下の時間に値下げしてくれて,何か妖しげにウインクとかしてきて,これは明らかに東洋系が好みなのかどーか,とにかく誘われてるっぽいけど,ちょっとそんな場合でもないんで退散退散。
 とか何とか,もーグチャグチャな状況。ははは…こりゃあ,かなりヤケクソになってきたぞ!
 アムトラック(アメリカの鉄道)で30分強だろ?決まり決まり!アムトラックまだ乗ったことないけど,決まりだ決まり!4泊入力して,とにかく向かっちゃえ!行っちゃえ行っちゃえ!
 ぐんぐんハイパー化するヤケクソ感の流れに身をまかせ,とにかく一番近いアムトラック駅の近くらしき,地下鉄ワールドトレードセンター駅まで行くことに。
 えっ?ワールドトレード…!?
 地下鉄で向かいながら気づいたけど,さっき調べたとこではここのはずだけど…ここって確か,何か歴史的大事件が起こったとこだったような記憶が…。
 そんな地下鉄駅,降りれるんか?
 Fulton St.で地上に上がったら,西側でスゴい大規模な工事をやってた。まあそこはそれ,ワールドトレードセンターだから…しかしそれじゃ鉄道の駅なんか生きてないやろ?
「PATH」って目的の駅名表示に沿ってくと,まさにさっきの大工事の真下に鉄道駅が生きてました。新しさから言って…突貫工事で復旧したってことだろな。ビルも駅も敢えて同じに復旧しちまうとこが――アメリカンの威信なんやろな。
 プライドのない国,例えば日本なら,この手の破壊は「好機」と捉えて新たな構想で整備をやり直すだろ?広島で,原爆ドームを元の広島県産業奨励館に立て直してやる!みたいな発想は聞いたことがない。
 チケットは,地下鉄1週間ただ乗りカードは使えなかった。別に作って乗車する。
 14時ジャスト,パス駅発。
 このNWK(ニューアーク空港)行に関する限り車内の感じは,ブルックリンより危険は薄い雰囲気。まあ空港線だからね。
 JournalSquareってとこで列車は地上に出た。かなりの客が乗ってきて席が埋まる。乗り換え駅なのか?全く分からん。ニューアーク空港なんて,細野さんの「りざべーしょんぷりーず」で夜のヘリコプターリムジンで覚えてるだけだもんな。鉄道マップ,手に入れなきゃな。
 街並みは閑静。緑も多い…ってより,そのうち自然の川とか森とかが増えてきたぞ。マンハッタンから20分で?
 とは言え,ケータイのアンテナもばっちし立ってるから,インフラが酷いとは思えんし…。
 ニューヨークってまだそんなに拡大の潜在キャパを持ってんのか?日本の町とは,全然違いそうだ。

▲エコロッジ隣のドライブインで買ったナッツたっぷりのパイ

 途中でニュージャージー・トランジット(NJT)って会社の路線に乗り換えてNWK着。
 このNWKも馬鹿でかい空港で,空港内トレインで結ばれてた。ホテルまですぐだから歩いて行けると思ってたんだが,空港周囲はハイウェイだらけで,歩ける状況じゃないのが一目で分かった。
 じゃあ…どーやって行けばいーんだ?仕方ないから駅員のアフリカ系でっぷり姉様に聞いてみる。
 P4ってゲートにホテルの送迎バス専用の発着場所があるそうだ。行くと,確かにひっきりなしに送迎バスが来てる。
 待つ。
 喉カラカラになってきた。コンビニも自販機もないから何も買えない。さっき隣に座った白人のガキが,ホテルのバスに乗り込んでく。ジュースを忘れていったんで,飲みくさしだったけど,ヤケクソ感と渇きで思わず手を出し一気飲みして,証拠物件は素早くゴミ箱へ。
 30分経過。我がエコノロッジの送迎バスだけは来ない。
 施設内にホテル専用電話を見つけ,電話してみる。たまたまホテルからの利用者がいない時間だったらしく「電話してくれたら10分で行くのに」とのこと。あ,祖ですか…。
 ほどなく送迎のミニバンに乗り,エコノロッジ着。2階建てのロの字型の簡素なホテルで,まるでドライブインみたいな…いやまさにドライブインで,ロの字の中のスペースは乗用車がいっぱい停めてある。
 ミニバンから見たところ,周囲に賑わい無し。デリはおろかコンビニも皆無。ハイウェイを2本隔ててなぜかブンイレブンがあるけど…使えねえ。
 今回のネット予約は入ってた。禁煙部屋が取れてしまってて,戸口のすぐ脇に灰皿のある部屋に変えてもらったり色々あったが…。
 部屋には,ほぼベットしかない。付属してるのは小さなデスク,テレビ,別室に狭いトイレとシャワー。
 ロの字の内側に向けてデカい窓。常に閉めとかないと危険なんでカーテンを引けない。ヘッドライトを付けた車が入ると,閃光がパアッとカーテンを燃やしてとってもエキサイティング。
 何よりセキュリティ的には…ドアも頑丈そうじゃないし,窓割って来られたら――その時はファイティングしかないよな。
 とか何とかはあんまり考える余裕もなし。とにかく腹減った!
 ホテル付属のドライブインで前・後掲のパン類を購入する。アトランタのホテルみたいな「結構美味い?」をちょっと期待したが,間ッ違いなく,掛け値なしに,本格的にクソ不味い!しかも砂糖と油まみれの超高カロリーのパイ類だ!けども,疲れた脳はこーゆーのを欲しがってるらしく,テレビのチャンネルを気紛れに回しながら,このエネルギー食をムッシャムシャと詰め込む。…うーん,こりゃまさに,アメリカのオタクでぶの図だがや。
 食ったらドッと疲れが襲ってきた。
 明日,ここからどうマンハッタンに行くかすら分からなかったけど…そんなん知るか!早々とベットに倒れこみ,ドロドロな熟睡のブラックホールに落下してったんでした。

▲同じくドライブインのどろどろパイ