外伝11 獨 Now I blog and drink wine.
博多→広島

▲長嶋監督も う~んすばらしいですね!
上海南京東路,桃源郷マッサージにて。…いつから貼っとるコピーやねん。

 帰国翌日は,博多をうろついて広島へ帰りました。
 ドイツ紀行です――と銘打ちながら2日目からチェコに入った挙げ句,行き来の日本の食事情報を並べたてるのも,これはもう蛇足以外の何物でもない。
 何物でもないんだけど,一応記録したんで起こしときます。まあエンドロールみたいなもんとして,温かく見守って頂ければ…。

▲10時,福岡生鮮市場の大衆割烹 まさ味で何とかの煮魚定食。ジワッと来る味噌汁の旨さが記憶に残ってます。

 時間調整のつもりで舞鶴三丁目にふと見つけた「エスプレッソコーヒー プレーヌ」に入る。
 ご近所の仲良しオバチャンがマスターとだらだらしゃべってるよなオアシス的お店。この喫茶店空間,意外に日本的なもんだったんやなあ…。
 カプリチオ他計4種から選べる。お味は本格派ではないけど,お店の解釈でガラパゴス進化したらしい独自味。これはこれで…のなかなかのものでした。

▲博多の港三丁目の路地裏。いささか寂れた空気のこの界隈に,ふと見るとある二階屋が――

 博多で今回どうしても訪れたかったカフェ。
 わし的には,今のところ国内でピカイチのカフェ。ここと,長崎のdeco,京都のかもがわの3店が並び立ってます。
 港カフェ ブレス。赤坂から魚市場経由で歩くには少し遠いんですが,ここはこの港のひなびた風情と一緒に味わってこそという気がしてます。今回もトボトボと歩いてたどり着きます。
 世間は平日,いつもの二階カウンター席も余裕で確保。
ケーキセット 700円
ベイクドチーズケーキ
コーヒー(ホット)
 秋の日差しと港をまたぐハイウェイ橋の下に,時々に動くだけの港の作業場の向こうに,ぽわぽわと揺らめく呑気そうな海面。
 ちょっと他にないスットボケた空気が最高なカフェです。クオリティはまさに至高。
 ただこの手触りはやはり,ドイツのカフェと全く違う。良い意味でも悪い意味でもない。ドイツの,あの生活感から外れないスタイリッシュさは,日本なら唯一decoが匹敵するかもしれんが,本当に独自のものだったと思う。
 対して,日本のカフェのクオリティ――ブレスや「かもがわ」のそれは,また極度に日本的なセンスに貫かれてる。一種,石庭にも通ずるような,スタイリッシュでないからこそハイクォリティといったセンス。
「予約者特典として,チェコの代表的なビール『ピルスナーウルケル』900円を,半額の450円で提供させていただきます!」との表示が卓上にあり。してみると…ここ,自覚的にはヨーロッパのカフェを意識してる店なのかもしれない。
 いつかここの夜景も見に来たい。

▲博多 ブレス。お気に入りの二階カウンター席にて。

 その後,さらに西鉄で大橋のボンジュール食堂まで行ってる。港と大橋でランチタイムってのは,時間的にはかなりギリギリだったはずだが――日本のヨーロッパ飯をよほど確認したかったと見える。しかもデザート,飲み物付きのフルセット!
牛さがり肉のステーク
薩摩芋を使ったタルト
エスプレッソ
1155円
 けど考えてみたら…こういう肉肉しいものは今回の旅程中,フランクフルトのもも肉とベルリンのロールキャベツ位しか食わなかった。
 イタリアもそうだったけど――ヨーロッパの国の食の風土って,日本のステレオタイプとは想像以上に隔絶してることが多いみたい。
 日本との隔絶ってことじゃない。類似点という意味では,あれだけ多彩な文化の形がアジアにはあるわけで,そのいずれとも近しくないような文化なんて作れと言われても難しい。
 白人の食文化は,その程度まで根本的に隔絶したものじゃない。
 いやむしろ,根本的に通い合うセンスすらある。ヨーロッパ食に野菜(ハーブ)を使うことで他を凌駕したイタリアンしかり,意外にも食材の味わいを追求してる地のアメリカ食しかり,そして今回のドイツのブロートの端正な味覚しかり。
 つまり――西洋食vs東洋食は現実には対立項じゃない。おそらくわしらの目の前に存在してる対立項は,唯一,現代食vs伝統食なんだと思う…というのが,4度目のヨーロッパを終えた現在の感覚なんであります。

▲「blot」表示のタンクローリー。パンの「ブロート」とは綴りも違いそうだけど,そのまま調べたら「(インクなどの)よごれ,しみ。転じて〔名声などの〕きず,汚点,汚名」――傷心のタンクローリーか?
以上,おまけ中のおまけでした。

§SixWord:いまはブログを書き,ワインを飲む。