油煳干青∈外伝12∈辣∋壱月壱号之二 黄龍渓行∋糟酸麻蒜

▲亀!
 ムチャクチャ偉そげな面構えですけど,あんたは誰やねん!?
 黄龍渓のお寺だったと思う。

[元旦市外旅行記]
 7時10分雅安発成都新南門バスターミナル行きの高速バスにて,成雅高速を成都へ移動。
 霧の暗がりを切り裂いてパスは暴走します。
 せっかく新南門に着くんだから,そのまま成都郊外の黄龍渓を目指してみる気になってきた。恐らく荷物は預けるとこがあると思う。成都の宿もあんまり満室で締め出される心配はないはず。怖いのは元旦の放暇(お休み)客だが,今パス車内を見る限りあまりそんな雰囲気の方はおられないみたい。
 成都BT着。票の列に並んだら割とすんなり10時発の便が取れた。
 荷物もちゃんと預り場所が見つかった。5元。
 30分時間があったから新南門バスターミナル裏通りでちょっと[テヘン+少]手を朝飯に腹に入れてと。
 10時05分パス動く。
 昔懐かしい中国名物オンボロパスの名残を留める車体で,窓がちゃんと閉まらないらしくすきま風が冷たい。ただし座席のクッションはちゃんとしてるから不快感は薄い。
 客層は少なし半分は観光客みたい。元旦に来たのは誤ったか!?すぐ後ろの数人の一群が,さっきまで「師父!走不走?」(運転手さん!出るのか出ないのか?)とウルサかったが,発車後は今度は内輪で盛り上がって大口たたいてまして,エラい喧しさです。

▲黄龍渓の通りにて

 1時間で黄龍渓には着いた。
 着いたんだが…こりゃあ…完全無欠の観光地だがや!
 確かに古い家屋と迷路みたいな細く曲がりくねった道なり,川の合流点に面した船着場と見応えはあるし,水多く霧が似合ういい街なんだけど…こんだけの観光客が花輪のっけて民俗楽器らしき太鼓叩いてるとちょっと…中国人好みの観光地そのもので一気にゲンナリ…小一時間で帰路に着きました。
 中国では観光地に行くべからず。この大原則は経済発展後も健在と確認できたので,大変有意義な行程だったと言えよう。

▲黄龍渓の土産物屋の雑踏

 バスの運ちゃんが帰って来ないんですけど?
 黄龍渓のバスターミナル。チケット切る可愛いお姉ちゃんに尋ねると「大概[ロ乞]飯去」(きっと昼飯ね!!)とえらくニッコリ可愛い。可愛いんだけど,そこでニッコリされるだけってのも困るんだけど?
 仕方ないからタバコに火をつける。プワ~と吸ってたら,チョビ髭の警官がポケットに手を突っ込んだまんま歩いてきた。「不能吸煙」って怒られちゃって…何か古き悪き中国全開であります。
 30分ほど待った12時40分,やっとバスのエンジンがかかる。客6人。あの何百という観光客が飯食って帰路に着くのに巻き込まれると思うとゾッとしてたけど,うまくその前に乗り込めた雰囲気。丈夫そうなバスだから,行きより早いことを期待しましょう。
 車道脇は一面の農地。家は全部鉄骨コンクリートでがっちり。道路の状態も以前よりはかなりいいが,やはり日本じゃ有り得ない位揺れまくり。その上,なぜか車内テレビのスピーカー真下に座ってしまってて乗車環境は極めて悪い。
 今日は太陽が出る気配がない。どんより曇った元旦の空。
 雅安からの道ゆきと今,プログの更新と写真掲載をしてみた。全く問題なくアクセスできる。Wifiは,これらの近郊部も含めてかなり整備されてるようです。
 今,前方のテレビでアニメが始まりかけたけど,車掌のオバチャンが5分でブチ切って他のを流し始めました。面白くなかったのか?てゆーか,その選別を今やってていいのか?
 結局,福建の実写映画が流れてます,成都帰り道のバス車内。

▲寛巷子の通りにて

 1時,双流県から双華賂という3車線賂を滑走する。高速じゃないが相当なスピード出してます。
 左折。今度は4車線の道。地図を確認すると,まっすぐ成都の天府大道に続くらしい。交通量がすごい道路です。
 と思ったら,あらら?さらに左折?どう走ってるのか全く見当つかなくなったけど,道路状況はともかく,道路インフラの網はすごい大規模さです。そんで――このブロック内にドデカイ建築がニョキニョキ生えてきてる。どれも20階建てくらいのビルなんだけど…そんなに入る人と企業があるのか?…いやあるだろな,この国なら。
 実感。中国の西部開発ってのは,恐ろしい位の波動となって,大地の見渡す限りを覆い尽くそうとしてる。
 新世界環球中心というメッセ施設みたいな巨大建築の脇を抜ける。地鉄駅が出来かけてるみたいだが…さらに延長計画があるのか?
 バスは定刻に市内に入ったんだけど,何と直前でガソリンスタンドに入りました。乗客に荷物持たせて道路脇に全員降ろして,ゲート前の寒風の中に待たせて,である。後で行けよう…と震えながら皆さん愚痴ってます。システムがそうなってんのか,サービス感覚の問題なのか?それとも,単純にあの豪勢なバスターミナルにガソリン貯蔵庫を作り忘れたか?(最後のも,中国のユーザー軽視(無視?)感覚からすれば十分ありえそう…。)
 バスターミナルから下町の裏道を抜けて地下鉄駅へ移動。昨日迷わないようにと歩いた表の道の無機質ぶりと打って変わって,裏道は分かりにくいけど雑然とした生活臭に満ちてました。悪く言えば新興地区の貧民街というところか?
 再びドス明るい地下鉄構内に立つ。さてどっちへ行ってみる?

▲寛巷子のロック演奏会場