外伝09♪~θ(^4^ )第四次香港+@
帰路×初日

▲香港では地下鉄の優先座席まで広告になってます。
 正直,福祉サービスには疑問がある漢族圏で,広告となるとここまで派手になる切り替えが笑えます。

[今期首]
引当 422/負債 422
[今期中]
0850栗品香(長途汽車[立占])
肉包+豆ジャン10元/300
1420大会堂美心皇宮
ポーレイ茶(ポット)
鼓汁蒸排骨
ゴマ付き月餅もどき
107元/400(700)
1900 香港[イ子]魚蛋粉
南乳猪手飯36
油菜17/550
2100セブンイレブン(尖沙[ロ且])
Dreyers French Style Creme Brulee 137
陳皮紅豆沙 165
[今期末]
消費1800/収益1552
    /損失 248
引当 670/負債 670

▲店名「原味家」のお店の標語らしい「原味家作無味精無鶏粉原味道」(原味家は味の素・チキンブイヨン不使用,元の味を提供します)

清[日軍]苑 涙を飲みし 朝ラッシュ
 7時半,1号線で7駅,広州東[立占]へ。
 昨日逃した清[日軍]苑(小北,亜州国際大飯店40階)へ…向かおうとしたんだけど…途中で挫折しました。
 現在8時25分,未だ珠江新城から乗った地下鉄内でもみくちゃ状態の真っ只中です。甘かった…。日曜日だと思って朝の広州のラッシュを考えてなかったんですが,こりゃあ…東京大阪並みやな。今から行っちゃうと,予約してる香港への国際列車に到底間に合いそうにない。
 要は,広州の交通システム効率の悪さが予想を上回ってました。──3号線は体育西路を一度終点にして階の違う列車に乗換えさせるし,線が違えば地下階同士を直接結ぶのではなく一度改札の階まで上げるもんだから,改札階は常に大混雑になるわけで…とか書いても体験しないとこの腹立ちは伝わらないかも。
 あと5号線や3号線のホームのものすごい深さと,手荷物預け場(10元!!)の手際悪さね。
 経済発展してさらにつくづく思い知ります。ここは漢族カフカワールド。他で味わえない不条理感,これこそが何か堪らない辛さでもあり面白みでもあるんですなあ,これが。
 楊[竹/其]で1号線に乗換えるのにすら一苦労。ほぼ1時間かけた挙げ句,結局,広州東[立占]に戻って来てます。あ~あ,なかなかに疲れたけど,なかなかに得難い体験でした。二度としたくないけど。

広州の 最後のメシも 庶民食
 廈門で「西北面館」というのがあちこちにあったけど,広州では「九毛九」という山西面館を何度かみかけた。地方発のチェーンの全国展開事例は,沙県だけじゃなくなってるみたいです。展開したての今は玉石混交だけど,何年か経って淘汰されるとそれなりの店が残るかも。
 8時50分,何とか帰り着いた足で,長途汽車[立占]なら何かあるかもと行ってみる。火車[立占]側は,チェーン店ばかりで真功夫か美心西餅くらいが関の山なので。
 選んだ店は栗品香。完全にキオスクだけど,客足と商品から勘で選択。
肉包+豆ジャン10元
 2つのビニール袋を抱えて急いで食い場所を探してたら「おーい,豆ジャンのストロー落ちちゃうよ!」とお姉ちゃんの注進。危ない危ない。
 こいつをさっき通った乗換路がちょっと外界に出た場所の喫煙ボックス脇で,食らう。
 どうも…予定してた高級ホテル最上階の飲茶とは,少しだけかけ離れた朝食になった気もする。気もするんだけど…これが美味かったんです!
 肉包とは言いながら,真ん中に,梅干しの倍くらいの醤油蒸しした肉(角煮とは違ったからXO醤か何かか?)塊が埋め込んである形で,周囲は単なる包子。
 この包子生地が,まず最高!何でもないのにふくよかで香りに満ちた味覚!
 中華って…蒸したての包子ほどの朝食はないのではないか?
 けども,もう一方の豆ジャンである。これまた素晴らしかった!砂糖や蜂蜜類の全く入らない味ながら,いやだからこそ大豆そのものの甘味がむおんっ!!と匂い立って止まるところを知らない。
「忘れ物でっせ!」みたいな感じで,今次の旅神は,この一食を,中国編の最後に食わすつもりだったらしい。イキな演出であるぞ。
 だけど結局…中国で飲茶できんかったなあ…。

10時前 広州東[立占] 後にして
 至紅[石勘][立占](九龍),T813次9車039号。窓外に流れる広州。
 終(つい)の街。──そんな言葉をメモってます。
 10時50分,常平着。ここは見た目,普通の中国の田舎町みたい。客もいなけりゃアパートもボロく低層。何でここに止めたんだろう?
 ただチラリとホテル群が見えたから,何らかの開発計画でもある街なのかもしれない。──帰国後に見たパシフィック・リムで,中国製の巨大ロボ・イエーガーがここで作られた設定だったな。
 香港に入る。一時,深緑に覆われた半島入口の南国模様が雨で霞み始めた。
 12時05分,九龍紅[石勘]着。

香港や ああ香港や 香港や
 検疫が割と厳しい。わしの前後でも狙い撃ちで2人連れてかれてた。
 12時15分,イミグレ行列の人となる。
 リュックを回収する。既に中味は一杯。紙媒体の資料類とボロになった衣類を捨てないと,あと少し買うであろう茶葉類を収納できんかな。
 ところでこの駅,そのうち行くだろと思ってたけど,そう言えば初めてです。ここからどう移動すりゃいいんだろ?
 てゆーか,どこへ向かう?今夜の宿にまだ迷ってますけど…佐敦か,尖沙[ロ且]か,旺角か?
 移動方法を先に決めた。先に目に入ってきた西鉄線。12時39分発の屯門行き…ああ,美[浮-シ]より西の方では乗ったこのラインか。
 移動しながら宿も決める。最終日の朝の早さを考えたら,宿は尖沙[ロ且]かな?せめても美麗都にはしとこう。けど,今回は宿で冒険はしないことにしましょう。
 13時15分,尖沙[ロ且]の美麗都大厦へ。一番お世話になってきた美麗賓館が空いてたんで入る。3号電[木弟]6楼32号入居。前回(第三次)類似の窓なし部屋で,床面積の半分以上がベッド。開水(沸騰した水)は区画内共用で常備,冷蔵庫付き。
 ところで,列車内で覗いた臨席の新聞紙面にも踊ってた文字が,この宿のフロントの新聞にもあった。曰く──36年振りの巨大台風が迫る香港の街へ。フロントのオヤジに聴くと,今夜が最高潮になるらしい。
 一応,傘とウィンドブレーカーを持ってっとこか。

▲大会堂美心皇宮の飲茶

飲茶でしょ? 香港入れば 飲茶だろ?
 13時50分,飲茶タイムとしてはギリギリです。[サ/全]湾線で中還へ向かう。
 まだ行ったことのなかった大会堂美心皇宮。やや迷ったが,いつもぶらつく下町風情のエリアからはかなり外れた海際すぐの場所。日本で言う3階の大フロア。英国の数え方で2階と情報を持ってたんで,日本の2階の同じマキシム名の普通のレストランに入りかけた。
 席についた時には14時20分になってました。15時までが飲茶タイムらしいんで,急いでご注文。
 えーと?ポーレイ茶(ポット)と,あととりあえず鼓汁蒸排骨の皿を取る。
 小龍に入っちゃおるがスペアリブ。ああベタやんけ,しくじったか!と思いきや?
 普通に街食堂で出る排骨とは…まるで違う。皿に脂がコッテリたっぷり出とる割に,意外な位に脂気がない。そのために,ただ炙れば野生味になる排骨が,非常にふくよかで優しい味わいに転換されてる。
 おそらく蒸す前に軽く清湯もしてあるのでは?
 肉そのものの緩い味に合わせて,効かせてある唐辛子もごく僅か。けれど,これも四川本場の考え方の通り,唐辛子の香りだけを醸してるんだろう。ただ,もう一味コクが効かせてあって…これは何だ?
 漢字名通りなら,蒸してある…つまり脂を落としてピュアな肉味にしてる。さらに鼓汁…ああこの黒い粒,これブラックビーンズか?これが淡いコクになってるようだけど?
 しかし,このきっちりした鼓汁の味付けと,排骨を蒸す工程,この2つをどう両立させてるんだろ?
 もう一皿,ゴマ付き月餅もどきを取る。
 外生地は細かい粒の,皮っぽくないパイ状。
 これの中に入ってるアンが…非常に滑らかで淡麗かつコクのある甘味。
 何だこれ?
 それだけを食べて面食らった。肉まんの具?…あれ?このパターン,記憶があるけど?
 一度目は蓮香か陸羽の一品。バランスに驚いた。二度目は今回,貴陽行きの機内食の鶏肉包。
 しかし今回のは,本当にパイのアンになっててミートパイの中華化が完璧になされてる。
 アンの肉にはどうやってるのか野生味もトゲトゲしさも完全に削がれてる。
 一方でパイ生地も,少しでも皮っぽければ単なるミートパイになって中華あんでは合わないだろうに,粉になって肉味と一瞬で化学反応を起こしてしまう。
 全般…なかなかいいぞ,ここマキシム!カジュアルな良さというか,陸羽や蓮華にない弾け方をしてます。こういう飲茶もまた香港なんですな。

タイコン※の 雨宿りする 嵐前
 ところでこのマキシム,建物が大小2棟に分かれてまして,他の人通りもかなりある。さらに降り始めた雨を避けようとしてか,タイ人があちこちにゴザを敷いて座りこんでました。これがまた,なぜかムチャクチャ多くて,何か歩道橋下で踊る奴までいる(美里だけかと思ってた)。
 飲茶のような社交場には大抵人の流れが出来てるから,普通は,それを読めばたどり着けるもんなんだ。けど,このタイ人たちのどやどやでどうも追いきれず,危うく諦めて帰るとこだったのでしたが…食後はもっとヒドくなってました。
 雨はともかく,風が完全に台風モードになったからでしょう。この人混みを避けると風雨に曝されることになり,結局,九龍サイドへ帰れた頃には16時が近づいてきてました。
 旺角へ立ち寄る。大分,垢抜けてきた気がする。けど,荒天下でうろうろするにはツラい街だなあ。傘をさすとろくに歩けません。
 しかしまあそれよりも,この旺角でも変化を感じとれた。タイ人だけじゃないみたい。九龍側にはチャドル姿が増えた!マレーシア系っぽいのか?車両内に7人座ってるのも見かけた。外国人受入の垣根が何か変わったんだろか?
 17時,油麻地へも足を運ぶと?あの定食屋が潰れてた!香港の1年半の時の長さよ!──なかなかないんだよな。30元位で一人の定食をゆっくり食わせてくれるとこ。
 心配になって尖沙[ロ且]の陳記へ行くと…ここも銀何とかという店に変わってしまってました。迷い込んだ振りで確認すると,階段を降りて右に折れる間取りは同じながら…瞑目する。折れ口の仏壇がない。そして出て来た給仕のイラついた言葉。「もう湯面しかないがOK?」…いえ結構です。間違いなく経営者が変わってる。
 これは…中国マネーによる買収が進んだ影響なのか?
 悪い予感。何か地盤沈下のような動きが,この両2年ほどの香港で起こってる気がするんだけど?例えば,チャイナマネーが香港中心部を投資ターゲットにして組織的に動き始めた…とか?

▲香港[イ子]魚蛋粉の南乳猪手飯&油菜

消えゆくか? 美味い香港 定食屋
 香港[イ子]魚蛋粉に急遽目標変更。
 香港エリアのみだけど9店舗展開の店らしい。以前の店の少し北。
南乳猪手飯36HK$
 腐乳の使用を期待したんだけど,あまり味に変化はないように思えた。何より,豚足(猪手)みたいな強い食材では,腐乳の説得力は死んじゃうような気もする。
 ただ,使ってないのかと言えば…多少のマイルド感,それと豚足の味覚に与えられた柔らかみ,そういう微妙なとこには確かに変化が生じてるかも。腐乳ってこういう使い方が本来なのか?
 あと,昆布みたい海藻を使ってるみたいだけど,ライスの上のそれはかなり固い。
 うーん,まあ及第点という位だけど,そんなに丁寧に作られた印象はないかなあ。
 腐乳はスーパーでもどこでも売ってんだけど,臭豆腐の瓶の記憶(部屋で空けたら緑色の煙が出て3日位臭いが消えなかった)があるからちょっとビビって買えてません。
 ついでに頼んだ油菜(17HK$)が来た。──一昨日から今朝までが炭水化物まみれだったからだろか,ムチャクチャにウマかったりした。
 単なるレタスみたいだけど,メニュー名には一応,例の「郊外野菜」名を冠してる。上湯で湯がいてXO醤を添えただけに見えるけども,これが結構難しいという話も聞く。帰国後試してみようか?

▲「Drayer’s」のアイスクリーム。最近タイや香港で気づいたけど,この類のローカルメーカーのアイスは他にない旨さに仕上がってるのがあります。

手練かな 台風仕様 尖沙[ロ且]
 通りの店々は,全て窓にガムテープでバッテンを貼って補強した上で,夜9時にはバンバン閉めて行っとります。
 これは…10時前の尖沙[ロ且]とはとても思えない光景です。夜が輝かない希有な香港風景が現出しております。
 宿のオッサンは「明天就好了」と軽く言ってるけど──列車が止まるとか街が破壊されてるとかは大丈夫なんだろか?テレビニュースは36年振りの巨大台風とか何かスゴいこと言ってるみたいですけど?
 そんな通りで見かけた雑誌「@Work1」の予告見出し。
Bridge with Giants
―China&india―
 この獰猛なパワーの巨魁,中国が,こちらはまた独自の発展を続けるインドと絡まるうねりになっていく時代,これは凄まじい状況が生まれていくんじゃないだろか?