外伝01-3மதுரை【Crazy for Meals Fase-2】First day:サワナポーン空港の宿からマドゥライ・初ミルスまで

[前日累計]
    /負債1103
[日計]
消費1800/収益2100
負債 300/
[本日累計]
    /負債 803

UL405(JL5704+AY(FINNAIR)6637+MJ(MIHIN LANKA)2405)725
To Colombo
via Hambantota

 コロンボでもauは繋がらない。──ケータイのメモ帳に書き溜める方式で,この文章は記録しておりますです。
 空港には観光客用のティーショップがちらほらある。手頃なお茶の小さいのを,旅行中用として1つだけ購入。
 空港だけで匂う限り,ですが…このスリランカの空気,どうもインドとも微妙かつ決定的に違う。明るく,ドス黒い混沌さが漂わないというか…。
 混沌さは黒くないんだけど,周りの人々の顔は,かつてなく真っ黒になってきた。ドラヴィダの中心に入りつつある──。
 12時5分,機内へ。マドゥライの情報はどうせほとんどない。開き直って道行きに任せよう。
 離陸。ポーク海峡をまたぐ。

▲ バイクの車列

 13時35分, マドゥライ着。
 イミグレの行列。4大都市ほどの長さはない。今回は意外にイミグレ運は良いようです。
 と思ったのも束の間。短い列だけど全然進まないぞ?
 植民地時代の文書主義とその逆行としての民族主義的排他性の牙城たるこの国は,イミグレの難易度としてはかなりのとこまで来てるかも?
 巡礼らしき一団がいるせいだろうか?飛行機の乗客の3人に1人は裸足という,なかなかにインド臭い国際便。典型的なパターンだけどわしの座席に座った巡礼の一人が「いいじゃないか」と動かないから早速一戦交える。
 インドだなあ…!!

 HOTEL GOWRマドゥライというところを当てにしてたんだけど,全然フル。他も,駅前の安宿は意外に満室が多い。幸いK.T.LODGEという中級宿に空室を見つける。即入居。
 16時。前回入り浸ったGEETHA CAFE VEG.の場所を忘れてたんで,駅前の店に入って初食。
Mealsではない何か 550(85Rs.)
 はっきり言ってボラレた…と言うより弄ばれたわけだけど,まあ150円です。
 ミルスをやってる店をかなり探したんだけど,どうしても見つからない。時間帯的なものらしい。後で確認できた駅前の人気店ですら4時まで。固定客のいる店はせいぜい3時位までみたい。ミルスは基本昼飯なわけだ。デリーや他の南インド料理屋が夜まで食わすのは観光客モードみたい。──挙げ句,バナナ20Rs.で100Rs.取ろうとしやがった。
 ただ,皆さん見てると大抵ミルスに近い内容をキチンと食べてる。どういう頼み方すればいいのか!?
わしも結局食べれた。旨い不味い以前にやはり感激がある。この手掴みの食い方には何かしら魔力のようなものがある。口でだけじゃなく全身全部で食ってる満足感というか。
 ちゃんとバナナの葉っぱがまず広げられる。手のひらで卓にパンパンと叩きつけて固定するのが皆さん共通の仕草。
 左上段に酸っぱ辛いトマト煮みたいなの,右上段に醗酵臭あるキャベツと芋のマッシュみたいなのが盛られる。
 そこへおもむろにライスがドンと山を成す。
 カリーが注がれ,右手が攪拌を開始する。第二関節までですくう作法を極力意識しつつ口へ運ぶ。
 ──美味い!
「サンバル!」と円筒形の鍋を持つ兄ちゃんが回って来る。インドの味噌汁と言われるこちらも,やはり独特の旨さ。これ何て言えばいいのか…日本の昔カレーにも似てるんだけど,ターメリックスープとも言える不思議な独自性。
 ボラレさえしなければかなりいい第一食でしたが。

 宿がどこもフルだったのは,インドの祝日だったかららしい。K.T.LODGEも理想的な宿というわけじゃなく,ボイルドウォーターがないからコロンボ空港で買った紅茶が飲めん。
 あとベッドの状態から心配なのは南京虫。スプレー殺虫剤を買って吹き付けることにした。50Rs.ほど。
 さらに日曜日というのもあってATMが見つからない。やっと駅前に見つけ出す。JCBも可。インドのATMには必ず個室でちゃんと…警備員が一人ついてる。ていうか他の国にそんな人付けてるとこ見たことないけど。

▲SRI KRISHNA SWEETSの ミタイ各種

 17時。SRI KRISHNA SWEETSという店に入る。店名のはPRIVATE LIMITEDが付される。住所は71West Tower St.。
ミタイ各種300
 西門通りのかなりキチンとした店ながら客足が絶えない店。数個を購入。おばあちゃんが威厳ある態度でパッケージしてくれる。
 ミタイで100Rs.使ったのは初めてでしたが──。
 宿で食うと,確かにこれまでで一番の旨さ。
 黒饅頭みたいなのは,ややジューシーな黒砂糖めいた滋味深い甘味の中にかすかに刺激的なアクセントがある。
 黄色のは芋と豆だと思うけど,自然な甘味の後ろから鋭角的な別の甘さが立ち上がってくる。
 白のはココナッツの皮で覆われた杏のような果実でした。昨日のタイの味と比べると面白いんだけど,ココナッツと杏のそれぞれ優しくも官能的なあの甘味が,それだけでは収まらない別の甘味に突き上げられてます。これはミントかシナモンかのような固形物みたい。
 最初「刺激的な甘さ」と捉えてたこの甘味は,単に激甘ということじゃなくて,こういう刺激物を加えて「甘味」と味覚させることで実現されてるらしいのです。これ──何かの発想に似てるでしょ?
 カリーのスパイスブレンドの発想です。この発想法自体が,他文化のスイーツにないものだからこそ,インドでだけ未だにミタイが確固たる強さで存続してる。

▲道端のカレー汁

 17時半,屋台にて。
何かカレーに似た汁200
 ミルスを諦めて食った道端の一食でしたが,これまたグレイト!
 豆煎餅や野菜を持った上にカレーソースをかけたサラダみたいなものです。ソースはサンバルに近くカリーもどき。
 感覚的にはカレー茶漬けみたいな出来上がりです。サンバルのヌルリとした味わいが各種具材にものすごくマッチしてる逸品。皆さん立ち食いそば屋感覚で群がり食ってます。

▲これを道端で食す親子の背中
 立ち食いそば屋とは言っても,カウンターもないホントの立ち食いですが。

 18時半。宿前の店へ明日以降の偵察のつもりで入ると…あれ?この風情,このスタイルは?
HOTEL GOWRI GAKGGA VEG.
Meals 550(70Rs.)
 そう!夢にまで見た(見てないけど今日一杯探してた)あのマドゥライのミタイ…の店の支店だったんであります。
 2階の専用フロアへ案内される。無人だったので給仕から特訓を受けてる体になりました。──これも前回と同じ。親切というより,厳しく茶道の作法とかを習ってる感じです。
 しかし…専用フロアを設けるだけあって味は最高!高いけど,調味料も揚げた豆,アチャールが付き,これもそれぞれかなり美味い!
 ここで完全に腹一杯になったんですが,カリーそのものが非常に具だくさんで人参やナスが本当にいい味に仕上がってます。いかん,手が止まらんぞ!
 こういうカリーって…南印以外で出会ったことあったかなあ?
 サンバルのターメリックの味わいの確かさ,ダヒーの滑らかな舌触り,もう食えんと思いつつ右手が動いてしまう。あと,豆煎餅の味の確かさにも驚いた。カリーと一緒に口に含むとあんなに旨味につながるもんだったかなあ?
 何だかんだ言って,この店まで発見できたマドゥライ初日──かなり強運だったとぞ覚ゆる?
▲数字がドカンと書かれる看板。何のことやら…ですが,昔みたいな「目立てばいい!」広告じゃなく本気でメッセージを送るタイプになりました。