本伝02章Step17.マニアック・ウォーキング


 past91days
 Weight:113.0kg
 (△23.0kg)

みたいな感じで,何かに取り憑かれたみたく歩き回ってる今日この頃です。
 朝の通勤で30分歩く。昼休みの食後はタバコとエスプレッソの時間だったのに,つい30分は歩いてしまう。夕方の帰路は,やはり30分かけて歩くけど,最近は故意に回り道することが増えてきたほど。
 前にも書いたけど,わしにとって歩くことは神聖な行為なんで,歩数計では計らない。けど,おおざっぱに1秒で2歩として計算すると,90分なら1万歩をちょっと越える。──減量の知識用にウォーキングの本も何冊かかじったけど,1万歩はそれなりにいわゆるエクササイズになるみたい。
 けど,歩くこと自体が減量にはつながることは決してない。これは,栄養学よりは成熟度の高いスポーツ医学上確実な事実。
 わしの減量法はあくまでカロリー管理。ただ,痩せる時に体を壊さないようにする方法,つまり減量のアフターケアの方法としては,歩くことは有効だと思ってます。
 ただしわしの宗教観(?)では,歩くことは減量とは比較できないほどの巨大な行為なのよ。
 以下,歩くことについて3つの仮説を書いてみます。──繰り返すけど,この行為はわしの宗教なので,全然根拠ないッス。一種のファンタジーだと思って聞いてね。

 まず,減量と歩くことをセットでやるなら,始める時期は夏を避けるべき。
 厳密な戦略としては,目標体重に到達する予想時期が夏になるように逆算してやった方が成功率は高まると思う。
 実は,これまでちょっと失敗したかなと思ってたのが,この減量開始の季節。わしは10月に始めたわけだけど──夏は細胞が活性化してて痩せやすい。何より,わしのように季節が冬に向かう中で減量すると,デブ時代に経験しなかった寒さを味わう羽目になる。冬にわざわざ肉布団を脱ぎ捨てるわけだもん。
 しかし,減量マラソン全体の戦略としては,これでよかったのかなと思い始めてます。
 デブは汗かきが多い。分厚い肉布団をまとってる上に,運動不足になりがちだから運動した時の衝撃度は一般人の比じゃないのじゃ。120kgを越える超人になると,さらに体温の恒常性の機能が損なわれるのだろう,運動の衝撃が尾を引く。汗がいつまでも引かず,脱水症状になり,ひどい時には体を壊しちゃう。
 減量に合わせて歩くのを夏に始めると,体への負担が大き過ぎると思う。減量で過大な負担をかけてる状態で,そんな衝撃を加えるのは,自殺行為とはいかなくても,継続できなくなってしばらくリタイアしてるうちにハイ,リバウンドというコースが目に見えてます。
 一定量の減量を済ませると,体が軽くて歩きたくてたまらなくなる。今のわしがまさにそう。肉布団も薄くなり,恒常性の機能も回復してくるから汗も疲労も引きやすくなってる。その状態を見極めながら,ゆっくり歩く量を増やしていく。
 減量完成期には,恐らく減量スピードが衰えるだろう。その段階で,細胞が活性化した夏にマックスのレベルで歩く。これが,減量の最後の詰めとしてベストな──言い換えればリバウンドを押さえ込むベストなシナリオだと思うわけですが,さッ皆様いかがお感じになりますでしょーか?

 次の仮説。歩くことで足ツボが刺激されるのは,減量のアフターケアとしてすごく有効!?
 120kg辺りの超人ラインを切り,歩くことでウォーキング・ハイを再び味わえるようになってから,その感覚が何かに似ていることと感じた。──足ツボマッサージの気持ちよさと酷似してるんです!
 繰り返すけど,短期的には大減量ほど体に悪いことはない。まして体重半減なんて,ほとんどトランスフォーメーションだぎゃあ(なぜか名古屋弁)。
 具体的に言うとですね。肥満体の場合,腹肉を支えるために背骨のラインが後ろに反れてるらしい。それに,直立という重力に逆らった姿勢を地球生命体の中で唯一採用してるホモ・サピエンスにとって,腹肉が豊富なのは動かない体勢なら最も安定した状態の一つでしょ?
 わしの場合,ウェストが3ヶ月で15cm位落ちた(落ちたっても,まだ100cm超えてるけど…)現在,今まで味わったことのない腰痛という症状を自覚するよになった。──さっき触れた事からすりゃ当然だよね!重心が急速に後方に移動した上,背骨の基底部のクッション(腹肉)が取り去れたら,背骨と腰骨にかつてなかったほど重力が集中するってわけ。──そういえば,韓国で経費ケチって柱などの数を減らして建てた百貨店が崩壊したけど,あんな感じの危機にさらされてるわけです。
 このリスクをカバーする方法は?
 足裏には体の全ての部分に相当するツボがある…とマッサージ師は言う。歩くことでそれを常時刺激してやるのは,体への声援にはなるんじゃないの?
 足ツボの効用を信じないとしてもよ。歩く時には自然に重心の取れた状態にならざるを得ない。運動し過ぎると体の不安定さを助長する恐れもあるから,ほどほどにやるべきなのは言うまでもない。けども,体に「新しい重心はここだよ」と覚えこませるにはこれ以上の方法はないと思うんだけど,さッ皆様いかがお感じになりましたでしょうか?

 最後の仮説。いろんな道を歩くことが,減量期の体の不安定さを解消するのに効果的じやないかってこと。
 一般的に,運動は体に悪い。通常の状態なら体に適度な負担で抵抗力がアップって事はあるかもしれんけど,減量でトランスフォーメーション中にそんな危険を,少なくともわしは冒したねえよ。
 どのダイエット本読んでも「運動は痩せやすい体を作る」と口を揃えるけど,10kg程度の小減量ならともかく,大減量と平行してやるなんて怖いことはわしにはできない。
 けど,あえて許容できる運動があるとしたら,それは歩くことだと思うのね。
 栄養学の「体に良い食事」の百家争鳴状態から「何にも分かっちゃいないんだ」て話を前に書いたけど,一つ理解できたことがある。そしてこれは,恐らく産業社会以後の多くの社会現象に通じるテーゼ。
 ピュアなもんは毒!って事。
 逆に言えば──混ざりっけの多い混沌としたものが自然であり,リアルであり,その意味で真実だ!ってことです。
 肉はタンパク質が多いから体を頑強にする!そう戦後の栄養学は主張したけど,安価なバラ肉ばかり食べれば肥満体が製造される。廃棄される部位が持つ栄養素が不足するからです。
 米食は日本人のエネルギー源だ!そう農業界は主張するけど,流通に便利な白米ばかり食べりゃ杯芽部分の持つミネラルが摂取できず副食の増加を招き肥満体を製造する。
 同じことだ。スポーツは,どこかの筋肉に偏った負担をかける。スポーツジムでウォーキングマシンを使ってもそれに違いはないと思う。
 じゃあ何が信じられるの?食事については,伝統食を挙げた。運動については,人間が有史以来ずっと続けてきた一番自然な運動──つまり歩くことだと思うのね。
 普通に街を歩けば,足が踏むものはコンクリだけじゃない。土も草地もある。階段も坂道もある。そーゆー混ざりっけだらけの運動って通常のスポーツにあります?
 ミネラルなどの微量栄養素と同じで,これこそが微妙ながら決定的な違いと感じるんだけど,さッ皆様どうお感じになりますでしょうか?

おまけ博多近郷の二日市市ころしのカレー