本伝03STEP23:減量中にスイーツ食うな!

 112日目 
▲28.0kg(100+8.0kg)
▲20%突破

と全国5千2百万人(適当)のダイエットマニアの方々に殴り殺されそう…
 実はここだけの話(だからHPだって)──先日,シュークリーム3個とプリン2個を昼食にしてしまいました…
教官A「何イイ!貴様ァ,減量中じゃっちゅうことを分かっちょらんのかァ!」
教官B「そんなことで体重半減できるかあ!甘いんじゃあ!」
 ハイ…と~ても甘くて美味しかったです…♪

教官A「先生怒らないから,最初から正直に話せ」
台「はい…それは週末旅行で岩国に行ったときのことです。いつもの習慣で地元のタウン誌を買うと…」
教官B「買うと?」
台「そのタウン誌の特集が『魅惑のシュークリーム』と題し山口全域のシュークリームを紹介してて…」
教官A「岩国の店も載ってたのか!」
台「ホテルから1kmちょっとの場所に…『ルマン』という本格的欧州菓子屋が…」
教官B「どんなシュークリームだ?」
台「僕は昔からシュークリームには目がなくて…『ルマン』のは…天然バニラビーンズ入りの甘さ控えめカスタードクリームを,ダイスアーモンドをまぶしたクリスピーなシューが包みこんでて…」
教官A「(ごくん)」
台「岩国基地まで歩いた帰りに迷った挙げ句お店を探し当てたのですが…お店には開店直後なのにもう何人も客が来てて…プリンも美味しそうだったのでどちらも買っちゃったんです…」
教官B「馬ッ鹿もーん!だからって合計5つは食い過ぎじゃろが!」
台「はい…ゲップが出るほど食べました…ほっぺ落ちそうでした」
教官B「貴様ァ!わしが根性入れちゃる!歯をくいしばれ!」
台「…さっき怒らないって…」
教官A「待ってください。…台君,正直に答えたまえ」
台「…はい」
教官A「店は岩国駅からどっちの方角だ?」
教官B「先生!」

 教官には内緒にしてほしいのですが…実は,減量中のスイーツづくしは2回目。台湾ではやってしまった。台北に永康街という地元で有名なグルメストリートがあるんだけど,ここの「氷館」というパフェ屋さん。
 この時食べたのは「芋頭紅大豆牛[女及]氷」。かき氷にタロ芋と小豆を載せてミルクをかけたもので,砂糖じゃないズシリとくる甘味がスンバラシイ。
 しかし,あれはやや低カロなアジアンスイーツの話。今度の「ルマン」は,誰もが警告音を発する正真正銘のケーキ屋さん。大丈夫か?
 ここでよく考えてみてほしい。なんで減量中はスイーツ食べちゃいけないの?
 もちろん1500kcalの上限内でよ。「脂肪や糖分は摂るな」というのは,それらが結果的に摂取カロリーを高め易いからでしょ?上限内で管理してれば減量に支障ないじゃん?
 いや,それどころかプラスじゃない?肉をできるだけ摂るようにしてると既に書いたけど,糖分だって必須の栄養素。
 柴田さんの本では,脂肪が摂取カロリーの25%を切ると,45%以上の場合と同様に死亡率が上昇するとのデータが紹介されてる。ちなみに,現代日本人の総カロリーに対する脂肪の比はちょうど25%。平均以上の比率で脂肪を摂らないと,死にやすくなるわけです。
 本土の日本人より長生きしてる沖縄人やハワイの日系人,男性の長寿世界一の香港は,どれも動物性タンパク質と脂肪の摂取量が日本人以上。つまり,肉を食ってる。
 死亡率と減量が関係するかって?そりゃ死にかけて痩せるダイエットってのもあり得るけど,少なくとも大規模減量はカラダにパワーが維持されないとできるわけがない。
 さて今度は糖分。栄養としては,脳の唯一の栄養源。脳へ入る手前に血液脳関門という関所があって,ブドウ糖とアルコールしかフリーパスできないんだそうだ。
 ブドウ糖は,自分が脳に入るだけじゃなく,トリプトファンなどの必須アミノ酸を脳に運ぶ役目もある。トリプトファンはカツオや肉に多く含まれ,脳によってセロトニンに変化する。これは,喜びや快楽をもたらすドパーミン,恐れや驚きをもたらすノルアドレナリンをコントロールし,要は精神を安定させる神経伝達物質なんだって。
 ブドウ糖は米や小麦にも含まれるけど,一番効率的に摂取できるのは砂糖。つまり,肉と砂糖のセットは精神を安定させるわけ。
 岡田斗司夫さんの『デブ』(いつまでもデブと思うなよ)が今回の減量の原案なんだけど,あの中に「75日目の体質変化」というのが出てくる。強烈な落ち込みや無気力に襲われ,コンビニの菓子棚の前で「もう一生食べられないんじゃないか」と涙ぐむとある。
 スリルのあることは大好きだ。いつこれが来るのか,ワクワクで待ってたのに…いつまでだってもアナタは来ない。Oh,MyBabyあなたはいつも(繰返)
 けどセロトニンの知識でふと,ある仮説を思い付いた。岡田さんは1500kcalの中身にあまり気を配ってなかった。要するに,肉や糖分の不足でセロトニンの欠如その他の精神的ダメージを受け,減量の焦燥感と連動したうつ状態になったってことじゃないの?
 確かにそれは,減量の速度に直接影響はない問題。だけど痩せる方は生身の人間なわけで,精神的ダメージというのは挫折とリバウンドなしに減量を続けるためにはかなり大きなリスク。

 食べ物の効用には,エネルギーとしての第一次機能のほかに,「美味い!」「腹一杯!」という満足感を得る第二次機能,微量栄養素など機能面のニーズを満たす第三次機能があるという。
 アメリカ式の栄養管理では一つ目を重視し,わしの方法も基本はコレだ。三つ目もいわゆる健康食は大体コレに着目してる。けど,一番当たり前な二つ目,つまり「快楽としての食」に真面目に向き合う視点は結構ないものみたいだ。
 要はこの3つの効用,どれもををきっちりコントロールすべきってこと。
 食べ物の効用を最大化するってことは,要するに「食いごたえ」を最大化するってことで,カロリーを管理した食べ物でも満足感が出るということになる。そういう意味で,健全な減量は食という行為を大切にすることと重なる。
 ごちゃごちゃ言ったけど──単純なことです。美味いものを食いましょう。そして思い切り美味に酔いしれましょう。
 減量中だから美食をあきらめるのは大きな間違い。
 むしろ逆でしょう!!安易な美味の仮面をかぶったジャンクフードの肥満志向システムをかいくぐることが,すなわち減量という知能戦。そのバトルフィールドで,個人が持つ最大の武器は己の舌。減量中だからこそ,最もこだわるべきなのが,本当の意味での美食なのです!

 シュークリーム
 170kcal×3個
 プリン 90kcal×2個
 計790kcal
 これが,ルマンの一件で使ったカロリー数。ちょっといい昼飯食った程度のカロリー。
 わしも不思議に感じて他のスイーツのカロリーを当たってみた。すると,カロリーの馬鹿高いのは要するにパン生地部分だと分かった。ケーキやパイは1切れで350kcalは出る。
 甘ったるいパンで太るなんて馬鹿らしいと思いませんか?

おまけ上海南京西路のエッグタルト
頬もトロケル絶妙な甘味!