しちゃったんである。勝手だけどね‥。
昨年までわしのカレー首都は松山。市駅地下のデリーの野菜の甘さが染み出たカレー,湊町のライオンの渋みと香りのカレー,本店は金沢らしいけど大街道のゴーゴーカレーのコッテリ感。
1店なら,上野デリーの東京,難波自由軒の大阪なんかもある。広島なら横川に「インドのとなり」って名店有。けど,複数が徒歩圏内にあるのは松山だけだったのね。
しかあし!博多を歩くと片手じゃ足りないスペシャルカレーが姿を現したのじゃ!
…ええ~?また博多?何か偏ってない?
まあ…ひいき目は否定しないにしてだ!一回行ってみて!本格的に現地チックなカレーを博多っ子がちゃんと受け入れてる,この町の凄さが分かりまっせ!
ちなみに,政府統計では博多に南アジア系の在住者が特に多いわけじゃない。千人程度。関東諸県並みです。そういう味覚を受け入れてる博多っ子のスタンスの違いとしか考えられん。それともわしが知らんだけで関東にもこの位の味の店あんの?
そりゃそうと──美味いカレーとダイエットと何か関係あんの?
社長さん流石に目の付けどころがよろしい!言いたいのはさ。デブ食の代名詞みたいになってる日本風──正確には英印料理の流れのカレーとは違い,現地系の元々のカレーはこれだけ満足できて600kcal以下位のスーパー減量食!ってお話。
実は,今回のインド行きの主な理由はコレ。出発まで3週間を切ったんで,ちょっと課題整理しときたいんである。
博多カレーのチャンピオンは,今のところ大名のエベレストキッチン。僅差で薬院六つ角のミランってとこ。
ただ,この2店のカレーは完全に別ジャンル。ミランはインド料理の薬膳系だけど,エベレストは生粋のネパール料理。例えばミランのパンはタンドールで焼き上げたフカフカのナンで,エベレストのはザラザラ粉っぽいツゥラゲン(油で揚げたシェルパゲンも選べる)。
日本でカレーっつったら1種類ってイメージ。
南アジアでのカレーは「おかず」ってほどの語感の広いカテゴリー。通常肉は使わないから,ベジタブルカレーを総称して特にサブジーと呼ぶ。「普通のおかず」って語感ね。
だから博多のカレーっても現地系のはあっちとこっちのとで全然別モノ。
インド本国系ならやはりミラン!シンプルなヴェジ系の味がたまらない!あと,ここのラッシーは狭い厨房でどうやって作るのか,とんでもない荒さとコクです。
インド料理でもイスラムがかったカルカッタ系ならアクロス福岡北のスラジと高砂のシャクティ(系列店有)。わしがこれまで食った最高のカレーはラワールピンディの市場で出会ったマトンカリーだけど,あの肉汁とスパイスのハーモニー路線。
スリランカ系なら天神西通りのツナハバと警固交差点のヌワラエリア。これも甲乙つけがたい。シャバシャバでキーンと暴力的な辛さが衝撃的。
これがエベレストキッチンのネパール料理になると少しインド料理と一線を画する。中華丼崩れや豆カレー崩れの面白いカレーが多い。ゲンも雑穀の粒っぽさが残って舌に心地よい。
タイ料理の店もかなりあるけど,やはり大名のガムランディー。小さくて簡素な作りの店だけど,素材重視の最高の味。
これらの店が全て西鉄薬院駅から徒歩10分圏内にあるんだな!こんなとこが他にあるなら教えて!
好みと一応減量中って遠慮からあまり行かないけど,当然アジア系だけじゃない。スウェーデンとかスペインの専門店もあるみたい。どこもランチが狙い目だけど,ディナー向きの渋い店もあるよ。ヌワラエリアなんか,古い図書館で食事してるみたいで凄いくつろぎ感だったッス。
インドには紀元前に1億の人間がいた。
インドは中国中原やヨーロッパ黒土地帯のよな豊かな土地では決してない。紀元前の農業水準でそこにそれだけの人間が生きていけたのは食文化の優越によると言われる(世界菜食紀行より)。
豊かな社会の食文化は高脂質・高精製タンパク・低ミネラルの肥満リスクに満ちる。このペリエの法則を崩せる思想性を紀元前から持つ土地がインドです。
今回の減量でそのことに気付いて思った──既に滞在日数150日を越えたこの国だけど,大事な側面を見逃してんとちゃう?
だから六度目のインドへ還る。