《第十次{48}釜山・南海岸》オレンマネ・デジクッパブの日/温泉＆鴎＆夜デジ

[再掲]Bakery Guide to Busan
チュング：Baekgudang
ドング：
ヤンチェグ：Lee Heung Yong Bakery
チング：Daltodang,Bakers,Menani,Heewa Bakery
スヨング：Artisan Boulangerie Painpainpain,Monsieur Vincent
ヘウンデグ：Feather Croissant

18時半：虚心に落ちる湯に洗え

不覚!!パン屋へ行き損ねてる！
　18時を回り，地下鉄の１号で南浦から北へ向かい，中央道を通り過ぎた段で気付きました。
　温泉場 온천장 に到着したのは1827。帰り道，まだパン買えるかなあ……。
　この町もまた変化は激しい。Cafe Benee消滅！でもモクチョンが出来てる！──と色々引っ掛かってたら，あの斜め道を忘れてしまってました。
　1929，虚心亭(スーパー銭湯)退出。空いててなかなか良かった。やはり一度は入りたいもんですな。身体に湯が合ってるのだと思うけど，ようやく調子は戻りました。

▲1937 斜め道の入口

行きにたどり損ねた斜め道を急ぐ。
　道は健在でした。住所表示としては，Oncheonjang-ro 117beon-gil 오천장로117번길 らしい。
　ホテルノンシン東の斜め道からまっすぐ。IZAKAYA묘코즈나の向かいから入ります。ただこの道は──

19時40分：温泉場117路

▲1943 Oncheonjang-ro 117beon-gil 오천장로117번길 はこんな道

基本，こんな暗～い道です。なかなか初手では入りにくい。
　駅へちょっと直線で行けるだけでそんなにメリットはないので，通らない方がいいです。不穏な路地のマニアの方以外は。
　出口は駅裏のJOURSの交差点南西角です。

▲1942 Oncheonjang-ro 117beon-gil 오천장로117번길 も時々こんな感じに

１948，温泉場ホームから１号に乗車，南へ折り返す。──ホントに開いてるのか？日本で夜８時まで開いてるパン屋ってねえだろ？──とは思いつつ，諦め切れずに中央洞へ。
　駅番号では127→112への移動，つまり15駅になります。かなり差はあるけど１駅区画はほぼ２分，と覚えておけばいいみたい。……とすると30分後？開いてねーだろ？

20時半：夜飛ぶカモメ

▲2030 ベックダンのカモメさん

２017，中央洞に下車して地上へ上がると……げげっ!!開いとるじゃないか！
──あまりここがベスト！と言うファンっていないみたいです。日本語で「ベックダン」と検索したら，自分のサイトがヒットしました。かろうじてヒットした英語サイトには「Business Hours Mon-Sat：08:00 – 22:00 Sun：09:00 – 17:00」とある。夜10時までパン売るな！
2022 백구당 Baekgudang ベックダン
オペラ370

▲2039釜山駅地下街。あの道一杯の商品，夜にはこうやって押し込むらしい。

調子に乗ってきた！隣の釜山駅に折り返してさらにチャレンジしてみることに。地下のショッピングセンターの一番北，７番出口地上に出てみます。
　夜遅くまでやってる店，としてネットでヒットしたんですけど……おおっ，ホントにやっとるがな。
2048(Jungang-daero 231beon-gil)대건명가돼지국밥 デセン 名家デジクッパブ
돼지국밥400

▲夜のデジクッパブ

その有難い情報提供者には悪いけど……店名「대건」テゲンは「大田」ではないと思う。検索すると「人の名前」のほか，北朝鮮の鉄道路線名がヒットした。
※wiki/テゴン線
「朝鮮民主主義人民共和国平安南道順川市にある新蓮浦駅から北倉郡にある鳳倉駅までを結ぶ鉄道路線である。」
URL：https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%B3%E7%B7%9A

21時：かつてないデジクッパブ

▲2105クッパブの水面には濃い脂の層が……

来た途端に分かりました。
　違う！これは，違うぞ！
　これまで口にした他のどのデジよりも白濁が濃い。いや，デジ以外でもこんなんは知らない。つまり，コラーゲン満タンなんである。
　飲むと，けれど不可思議にも全然くどみがない。軽快な脂，とでもいうんだろうか。身の浮くような絶妙さです。何らかのバランスがピタリと取れてる。
　凄まじいまでの完成度。

新しい味覚ではなさそうです。伝統通り，素麺も付く。先に入れておいてしばらく肉を食べた後に口にすると，麺にコラーゲンが染み込んで，これは……何て言えばいいのか戸惑うような，独特の麺が成立してます。
　肉はとにかくシンプルに旨い。技巧じみたものがない木訥さ，茹で豚そのものとして旨い肉。薬味を組み合わせたけど，これはアミ塩辛が一番合う。
　クッパブも戸惑いました。米粒が，米でなくなるような変化を見せます。胡椒や味噌ではなく，これも適度なアミ塩辛を摘まむのが一番合う。あまり変化させず，素直に食べたほうが旨い碗です。
　これがホントに北朝鮮の味だとすれば……いやそこの憶測はややリスキーに過ぎる。素直に，他で食べれないデジクッパブです，ということに留めておきます。
　朝鮮はまだまだまだ深い。

▲2146PIFF通りの屋台群……って奥の店は何て店名なのだ？

22時：チャガルチ到着

さてやっとこさ，チャガルチに帰ってきました。勝手知ったる，というよりノスタルジーに泣きたくなるようなPIFF広場を，じんわりと歩きます。
　グランドモーテルへの路地をたどりつつ，ふと気付く。この小さなモーテル街の南北ライン，不思議なZ字に折れてるぞ？

▲2148同屋台群。最近さらに，道の真ん中にビニールハウスを設けた店が増えました。

壁を見ると，二段の石積の上に煉瓦が露出してます。もちろん継ぎ剥ぎで全面が古いわけじゃない。ただどうも煉瓦の層が最も古いように見えます。
　壁は東西ライン。とするとこの２～３段の石積は，やはり東西方向に連なっているのではないか。とすると，その石積みで高くなった場所が観光客の通りなのか？
　福岡の唐人町で見た，車道とその北の商店街の段差に似てます。僅かな段だけど，物語るところは大きい，そういう手触りがします。

▲2156カップルとやや風俗っぽい店，なのに白風船にはアジュマのほんわか笑顔

明日はとうとう帰国日になる。
　安っぽくも快適な韓国のモーテル部屋でぬくぬくしながらベックダンのケーキに舌鼓を打って人ごころが付くと，朝鮮人参を買い忘れとることを思い出しました。明日も早くからの活動になりそうです。

▲ベックダンのケーキ(オペラ)