外伝09♪~θ(^7^ )第二日日_百万HK$の夜景に中途半端に酔う@第7次香港

[前日日計]
支出1500/収入1500
     /負債
[前日累計]
     /負債 576
§
4月30日(土)
0715陸羽茶室
ポーレイ茶
皮付き肉蒲鉾の蒸し物
肉ビスケット250
1500潮食坊
マンゴー(芒果)200
1550[口客][イ十]米爾咖喱屋
咖喱牛[月南](乾餅)550
1610[土申]記士多
黒餅
馬来[米ソ/王/心]200
1630紅焼芋粉
酸辣搾…芋粗粉河(麻辣)200(1400)
1715聖安[女那]餅屋(金鐘)
香滑全蛋瑞士巻250
[前日日計]
支出1500/収入1650
     /負債 150
[前日累計]
     /負債 426
§

 昨夜はなさすべもなく眠りこけた。
 3月このかたのお疲れが意識しないとこでオリになって貯まってたと見える。なかなかアクロバティックだったからね,あれは。
 さあ早上好,香港!
 とりあえず飲茶だろうな。中還へ。全湾線に揺られている7時。
 本日はわけあって香港七回中でも最高級の豪遊日となります。やれやれ。
 つり革を握り目を閉じる痩せ気味の男の左腕一杯に唐草の紋紋。
 目の前にスキンヘッドの白人。両手はカートを握りしめ,両眼は天を睨み付ける。

▲陸羽茶室のポーレイ茶,皮付き肉蒲鉾の蒸し物

 陸羽茶室へ。7時15分。
ポーレイ茶
皮付き肉蒲鉾の蒸し物
肉ビスケット250
 肉蒲鉾は何度目かになると記憶する。何度食べてもこれは素晴らしかった。
 改めて言っときましょう。この「素晴らしい」というランクは,ニッポンの和風中華に比べて,じゃない。その尺度なら,そこらの食堂のものでも十分に「素晴らしい」。そうじゃなくて,日本で暮らしてるとその旨さを理解できなくなってる程の高みなのです。
 肉蒲鉾と呼んでるように,この品は最初は「あれ?蒲鉾だよな?蒲鉾だけど…えらく肉肉しい味だな?」といったヘンテコ感から始まる。
 しかし味わうにつれ,「蒲鉾プラス肉にしてはその間の切れ目がないよな?」と気付かされる。そう,この品の凄さは,蒲鉾と肉にも,先味と後味にも全く切れ目がないどころか,一枚の帯のように一元的に織り成されてることにある。
 そして舌がやっと追い付けてきた最後に理解できるのは,この味覚の後味の想像を絶する円さ。全く角がない。だから蒲鉾と理解されてたのだけれど,ここに至って,これをどう作るのか推測さえ出来ないことに気付かされる。そしてやっとこの品が本当に異次元の物体だと理解出来る。
 そんな構造の味覚です。これはもう,素晴らしい!

(画像重複につきカット)▲陸羽茶室の肉ビスケット

 肉ビスケットは,中心部にぎつしりと叉焼の詰まったビスケット。
 もうこの取り合わせ自体には,驚きはしなくなった。街中でも時々売られてる形式です。
 驚異的なのは──これも,日本の味覚常識を振り払ってからでないとピンと来ないんですが──叉焼とビスケットの相互補完関係のサバサバしたところ。
 一見,日本でもビスケットと叉焼を買ってくれば出来そうに思える。ビスケットは小麦主体で甘めを抑えてあり,叉焼は甘めで滷味をコントロールしてありますが,それなりに普通です。
 ただそのうちに気付くのは,この両者がどんな割合で混ざっても成立する旨さだということ。
 ビスケットが8割でも,粉粉しいビスケット質の奥行的な香りとして叉焼が作用する。逆に叉焼が8割であってもビスケットの小麦香がいわば滷味の一種として位置付くことができる。
 ビスケットに詰まった叉焼は食べる時には不均一になる。つまりこれがどんな割合であっても味覚が完成されているという奇妙な構造物が,いか様にしてなのか形作られてるんである。
 この構想のありえなさ。市松紋様のような不気味な…完成されてることを一見気付かせない完成度は,一体どう…そして何を狙って設計されてるんだろう?

▲陸羽の肉ビスケット どアップ

 永合成の釜飯屋が無くなってるらしい!ショックだがこの辺りの開発スピードから考えたらやむを得ぬところか?
 10時,エスカレーター脇のマッサージ。ついでに足裏を削ってもらう。かなり皮付きになってたようで歩き心地が全く変わってきた。
 そうこうしてると昼が近づいてきた。旺角へとって返して宿をチェックアウト。中還中腹へ。
 具体的には──Bishop Lei。International House ビショップ レイ インターナショナル ホテル 4。住所はRobinson Road, Mid-Levels, Hong Kong, 中環羅便臣道4號, 半山區, (香港)。
 大陸中国のメーデー連休(労働節連休)の旅行熱はさらに加熱化の一途を辿っているらしい。中流階級の購買力アップということだろけども,わしにとっての目下の問題は──全然宿が取れない!ネットでホントに部屋がないんである。昨夜必死で探して,明日には逆行で大陸入りすることにして漸く確保したのが,バカ高いけどこのホテルだったという経緯です。
 香港島のこの「Mid-Levels」というエリアをわしは未だ知らない。迷いこみかけた(正確には迷って行ってるうちに訳が分からなくなったまま小一時間さ迷った)ことしかない。中還とどう行き来すればいいんだろ?
 それに加えて──ついに見てしまうのか?百万ドル?(そしてそのドルは香港ドル?マレーシアドル?)

 かのホテルへは中環からタクシーにしました。だって全く見当がつかん。
 タクから必死に道を覚えようとしてみましたが…とても無理。だってハイウェイを登って降りてぐるっと回って,そこをどう歩いたらいいのか想像すらできない。
 とにかくホテルにチェックイン。予想通りに最高の部屋とアメニティと眺めです。わしが香港の安宿でうなされてる間にこんなとこで夢を見てる異民族が跳梁しておったのか?ゆ・・・許せん!!叩き斬ってやる!!!
 という夢のリッチな天上界ステイは夜に取っておくとして,とりあえず下界に降臨する術をみつけなければなりません。ホテル前にはバス停があったので,しばしあれこれの標記を確認する。
 銅鑼湾というバス停に止まる路線を使うのが一番楽そう。23,23B(下車のみ(只供)),56,56Aが行く。中還行きもあるけれど,12と12Mだけだし,かなり大回りするようです。
 そうこうしてるうちに?あれに見えるは23番ではないか?何か待ってたみんなが乗りこむし,まあ良い加減なのぢゃないかな,と乗車。
 あんまりバスの経験はないのですが…とりあえず乗車口の機械にオクトパスを当てる。ピコッ。音がしたからいいのかな?
 動き出した車窓は壮観の一言。やはり登って降りて旋回しながら,おおむね高度を下げていく。花園道という道に入ったらしい。歩いてる人もかなりいる。アルベルト道。聖ジョン教会。金鐘駅前で下車。どうやらこの対面を逆方向の23番も走ってるようですので…つまり同じ番号で帰って来れると思われます。

深水や 掠れ笑顔に時過ぐる
 旺角の潮食坊というスイーツ屋を狙ってみました。15時。
マンゴー(芒果)200→写真
 芒果糯米というのが旨い!とは前から聞いてたんで,その有名なとこへ行ってみたんですが──どうもピンと来ない。ねっとりフルーツの甘さと穀物のガッチリした甘さのコラボって構造なんだと思うけど…これはやはり東南アジアのものであって香港の味ではないのでは?何より広東の繊細さ,例えば糯米の滋味とかはマンゴーと合わせちゃうと掠れるだけなのでは?

 再び九竜側へ。15時25分。
 最近さらに増殖中のカレー[月南]飯を食べたくなった。歓タンも一つ覚えなのでまた深水ポへ出向く。この街には,どうも何かと入り浸っちゃうなあ。ここはわしにとって,段々B級グルメの聖地になりつつあるなあ。
▲カシミールカレー

 16時10分。[土申]記士多。
黒餅
馬来[米ソ/王/心]200
 良かった!ここはまだあった!
 香港の良心…と言ってもいい印象を,勝手にですけど持ってる小店です。餠の遠慮ない低発酵の臭みもまた記憶に違わぬ美味。
 さて,なぜかこの日は,次に入ったパキスタン人のご家族がやってるカシミールカレーのことを詳述してない。
 大層満足したことは記憶にあるんだけど,ここは何と言っても(フライパンで焼いたチャパティもどき以外は)本格的過ぎる。こんな店がぽろりとあるとこは香港的なんだけど,味は全然広東ではありません。ここは自分的に封印しといた方が宜しいのかもです。
 それと,おそらく失念した訳はおそらく,次に入ったお店の衝撃からだったのではないかと。

▲紅焼芋粉の酸辣搾…芋粗粉河

 16時半に紅焼芋粉酸辣搾…芋粗粉河という店に,何気に入ってしまったのでした。
芋粗粉河200
 辛い!これは本当に,洒落にならないほど辛い!
 調子に乗って麻辣を頼んだのが運の尽き …というか心根は喜んでましたが…そのうちカッと胃の腑に火がついてそれどころじゃなくなりました。
 か…辛い。息が止まるほど辛い。
 でもこの芋粉の河,透明なのにもたもたした味わいがかなりいいです。大抵の味ならこれだけの麻辣に置いていかれるものでしょうが,このもたもたぶりがなぜかかえって麻辣と良い相性になってるとこも不思議です。「四川特…磨芋粉」という言い方でそれなりに知られてるようです。
 にしても,もう少し情けってものはないのか?辛過ぎるわ!

 18時前。銅鑼湾から23番で帰路につく。花園道を登る。
 17時43分,民愛中心?おいおい,ここは下山時には通らなかった道だぞ?
 慌ててGoogleマップを凝視しまして,勘を頼りに下車。さて?どうすればいい?
 堅道(これ,以前迷った時の道じゃないか?確か…)の一本下の道らしい。なぜか都会にあるまじき山道のようなのが目に入る。この道しか,堅道のある上側へ続くのは見当たらない。
 歩いて登る。これが…香港公園の最上部で凄い坂道…かつモロに原生林!同じように宿をネット予約したものか,スーツケースを抱えて歩いて上がってきた家族は死にそうになってた。
 堅道に出たらしい。しかし?宿は見えてる。けど,ここから宿までは歩道と車道とハイウェイが混ざった凄いエリア…。高速もどきのハイウェイを歩いて横断するスリルはなかなかのものでした。スゴい場所です。
 地元の住民はどうやって上がって来てるんだろ?
 まあそれだけの高さに登っただけあって,香港100万ドルの夜景が──見られる気もしてたんだけどね。ミッドレベルだからね。まあシンガポールドル位かね?という夜景でした。
 すっかり自信を失った。明日はタクるかな…。