暗い暗い路地が見える
野良犬さえも臆病がって
どこへ続く道かはしらぬ
行ってみようおのれの足で
生まれてきたんだ 何故かは言わぬ
生きねばならない とやかく言うな
はいつくばって そして踏みにじられて
だけどおのれの証を 生きてる証を
確かめてみたいから
裏切りなどと悔やむな 命
優しさなどとおごるな 暮らし
言葉が嫌でわらさえつかむ
みじめが嫌なら語るな 人を
愛するだけではもの足りぬだろう
愛されたいとは言わないけれど
むきだしの心 それに許せない瞳
そんな乱れた足音を 歩んでいる事を
責めるなどできるかい
太陽に背を向けて走れ
風に向かって逃げるもいいさ
今を今と感じるならば
光も闇も狂おしい程だ
戦えるだけで 全てを燃やせ負け犬になったら 路地へともぐり込め
消え入るような そんな生き方もある
それも自分の何かだ 見えない何かだ
確かめて見るがいい
暗い暗い路地が見える
野良犬さえも臆病がって
どこへ続く道かはしらぬ
行ってみようおのれの足で
[吉田拓郎]