本伝01章ステップ1 そろそろ縮小してみますか…



2007-11-23 16:36

とか迂闊に思いたってしまったのは,忘れもしない船の中。
 スッゴく迂闊な開幕でした。
 クッパづくしの黄金の日々を過ごした韓国からの帰り道。釜山港を発ったビートル号がもうすぐ博多に着くよって頃のことであったのさ。
 4泊5日のこの旅の道中で何気に購入しただけの本を,暇に任せて手に取ってました。『いつまでもデブと思うなよ』──後に結構メジャーになるこの本も,当時はまだまだ書店に並んだばかりだったはず。
 こんな忌まわしい書名の物体をよく手に取ったもんだ。
 ここだけの話(HPだけど),割と大威張りで言っちゃうと,旅行直前の職場の定検におけるわしのウェイトは136kg。俗に言う「目指せ!! 1/7トン!!」状態である。
 1/7トンてのは143kgちょっと。もうちょい頑張りゃ,戦国武将なら誰もが一度は夢見たこの栄冠を…もう我が手に掴んだも同然じゃわい,のう鶴姫よカッカッカッ…
 しかし!麗しの鶴姫の憂いをよそに,遠く玄界灘を行く若武者は(38歳だけど),とっても安直にこんな大望を思い抱いてしまったのであります。
 「このカラダも来るとこまで来たって感じだし…そろそろ縮小を考えてみるかナ…体重半減とか」

▲鹿児島>街路樹の紅葉

 言っとくけど,ダイエットの焦りは全然なかったのよ。
 それどころか!この時もそうだったけど休みともなりゃ各地にB級グルメ旅行──ラーメンとかカレーとか──に余念がない日々の連打。
 徳島ラーメンと名古屋の味噌カツ,松山市地下のデリーカレーが食えるなら,減量して健康になったり鶴姫とお付き合いすることなんてアドリア海に霞んで消える夕日のようなはかなささ,ふっ。(見たことないけど)。
 加えて,わしには「痩せたくなりゃ痩せるわい!」って妙な自信があった。
 10kg以上の減量経験は3回あったの。
 一度目は,大学の夏休みに初めて出かけた海外旅行。インド50日の自由旅行。初日から生水がんがん飲んでたら,当たり前だけど3日目から液体状の便しか出なくなる。この時の記録△15kg。
 性懲りもなく翌年行った2回目のインドでは,カシミールでイスラム側の暴動に巻き込まれたのと,西部の砂漠がきつかったのとで△10kg。
 3回目も海外がらみ。パキスタンでA型肝炎ウィルスを召し上がり,帰国後入院。退院までに△20kg。
 って全部成り行きだけどね…どうしても痩せたきゃ,半年くらいインドで大衆と同じ暮らしをすりゃいいだけのこと。
 てな偏屈独身貴族(ラーメン食ってるけど)が,博多へ向かう船の中,あることに気付いたのでありました。
 『デブ』(前掲書。書いた方ごめん!)曰く,痩せる方法は世間にいくらでもある。難しいのはリバウンドしないことで,それは知恵の勝負だ。──なるほどね!わし自身,過去4回の減量の度にあれよあれよという間にリバウンドしてきたけど,一生続けれる方法じゃないと痩せた状態を維持できる訳ないわな…ダイエットって行為を何となく拒絶してたのは,アメリカナイズされた外食文化と延々とブラウン管に登場する新健康法のスパイラルを何とも安易に感じたからだが,消費社会のそんな罠を,精神主義ではなくて知恵で乗り切るってのはちょいスリルあるゲームなんじゃない?
 帰りついた広島駅からアパートに向かう途中,バックバックを担いだままスーパーに立ち寄った。手頃な体脂肪計付きヘルスメーターとA5サイズのメモ帳を購入。
 部屋に帰って,食品のカロリーのデータを多く持ってそうなHPをいくつかチョイス。
 事前準備はこれだけ。追加投資するのは知恵だけのつもり。だって黒板五郎さん(北の国からのお父さんね)も言ってたっしょ。「てめえの知恵」だけが最後は頼り。

▲大阪阿波座の営業時間表示「17時半ごろから夜頑張れるまで」

 この文章は,ダイエットの励みに書いてる訳じゃない。そんなに意気込みはないので…
 実は,この日から1ヵ月半たった現時点の記録,△15kg。
 グルメ旅行も続けてるし,つらい思いは全くしてない。それどころか,その過程で実にいろんな発見があった。こいつは当初思った以上の知的アドベンチャーなんである。
 あまりにも楽しくて,かつ新たな発見がガンガンにあるもんだから,こりゃあ備忘録として記録に留めとかなきゃ勿体無いね…と考えた次第なのであります。目的地はウェイトの半減なので,旅はまだまだ楽しめるはずである。
 ストイックなダイエット修行中の方には大変申し訳ございません。だけど,本当に楽しい「旅行」なもんだから仕方ない。平に平にお許し頂きまして…
 さして決意もない,成り行きまかせの超・快楽主義的減量記の始まりどえ~す!!

おまけ
蘇州・平江路カフェ彼岸より