外伝01-1ಬೆಂಗಳೂರು 【6日目】カルナータカを後にして

 14時半,ブリゲイド・ロードのおなじみネットカフェ。
 マイソールには,日本語ATOKはおろか,ネットカフェそのものが見つかりませんでした。やはり,このITインフラ水準はベンガルールに特異なもので、インド一般はまだまだそこまで行ってないのか?他のBig6(インド六大都市),つまり明日からのハイデラバードと最終2日間のチェンナイでも探してみます。
 それにしても何でまたベンガルール?って言うと,今日18:20発の夜行寝台でハイデラバード(以下ハイデラという。)入りするから。
 それに加えて,ハイデラ-チェンナイの足のキープのためっス。ハイデラはここからかなり北方,単純に言うとインドのど真ん中辺り。チェンナイに帰る足を用意しとかないと怖いし,バスを3種(豪華・一般・ツアー)と今日列車に乗るから,初めてだけど国内フライトも利用してみたい!ってことでフライトチケットの手配をついでにしたかったのね。けど,航空会社が見つからん。仕方なくブリゲイド・ロードの旅行会社でさっき21日朝のe-チケットをゲット。
 ちなみに航空会社は,予定と異なりキングフィッシャーに。酒飲みの方は聞いたことある?そう,ビール会社ですわな。
 大丈夫かあ?という気が半分。・・・ロイヤル・ネパールの6時間遅延を経験して,酷い航空会社はホントに酷いってのは身に染みてます。
 けど,経済発展で中流階層が激増中の今のインドじゃ,少し前の中国と同じで航空業界は超過当競争中。かつて不動だったエア・インディア+インディアン・エアラインズ(将来は統合予定)の地位を脅かすジェット・エアラインズ,それに追従するのがこのキングフィッシャーって構図らしいっス。いわば注目の新興勢力。客層とともに,これは見たい!って好奇心は抑えられんかったですわ。片道84US$とかなり安い…のもまた少~し不安感を増幅させるんだけど・・・
 ま,なるようになるであろう。昨日のバスツアーで神経麻痺しちまったい。ハイデラはイスラムの町だし,インシャ・アッラー(神の御心のままに)ってもんだ!ほほほほほ・・・
【以上現地アップ分】

 今朝も昨日と同じ5時30分起床。──日本国内の旅行でもその傾向はあるけど,アジアの旅行中は日の出の時間に自然と目が覚めてしまう。国内での仕事の日はあんだけ寝坊なのに。
 ただ,この宿では訳がある。午前中,しかも6時以降しか湯が出ないから!
 当然湯船はない。湯をバケツに入れ,この1年続けた半身浴代わりの足湯をしたいって優雅な理由。
 朝しか湯が出んのは,それ以外は水のシャワーで十分って感覚みたい。ただ北インドと違い,朝晩はこの内陸部は冷え込む。行きのキャセイ航空でゲットした毛布が重宝してる(盗むなよ!)。
 バケツはかなりデカいのが必ずある。大きな爆弾投下した後の爆撃後の手動流しに必須だから。(左手手動ウォシュレット用のマグカップ大のコップも必ずセット)

 7時半,マイソール発ベンガルール行きのバス発車。24時間体制で10~15分間隔で出てる。8時現在その車内で携帯打ってます。
 今度は85Rsの一般バスに乗った。ちょい設備は落ちるし途中数ヶ所止まるけど,スピードもクッションもそう変わらん。かえってこっちの方が空いてて快適じゃん!新幹線のグリーン車の「階級」的な感覚か?けど値段は3倍だぞ?

 今日でカルナータカ州を出る。
 今夜は寝台列車でハイデラバードへ。Big6(インド6大都市)中まだ行ってない最後の都市です。なお,ハイデラバードからチェンナイへは飛行機に乗って客層を見たい。今日チケットが取れたらの話だけど。

 さて,今車窓を流れるカルナータカの農村風景。マイソール郊外にはすぐ農地が広がる。昨日は田植えをする姿も見た(二期作だろう)。
 以前のインドの農村の景観は,正直とてもわしには住めんな…っていう感じ。それがむしろ感動的だった。縦穴式住居そのものの家屋,水路もほ場も全く整ってない水田,全裸で駆け回る泥まみれの子ども。
 少なくともマイソール郊外からベンガルールまでの農村は,完全にそれとは別の段階にある。縦穴式は1回しか見てない。夜も最低限の街灯はある。ほ場も整備され,耕作機器も多数見かける。
 昨日の夕暮れ,水田に立つサリーの女が大声で喋ってた。右耳に携帯電話を当てている。
 こういう農村ならわしは住める。そう思える位の状況まで来てる。それどころか──質素さに趣が感じられる位ッス。

 11時にベンガルール帰着。バススタンドで1日振りのミルスを食う。…やっぱこれだね!右手のスプーンにも大分習熟したぞ!
 (さっき書いたよに)ハイデラバード発チェンナイ便のチケットをゲット。
 さっき,マックでサラダ・バーガーを食ってみた。カルダモン(タイで言うバクチー)が入ってて日本では受けない味だけど,アジア的には美味い。
 ふと気付いて客席を見回す。…やはりそうだ!皆さん両手で召し上がってる!バーガー食いながら飲み物飲むには両手を使わざるを得ない。つまり禁断の左手でバーガーを握ってるの!ここでも食生活の変化が静かに進行してる。

 17時,少し早いけどベンガルール・シティ駅の2番線で待機中。──バックパックを預けたバススタンドでタバコ吸ってたら,警官が走って来て罰金500Rsを要求され「ワタシ外人!分カリマセ~ン!」とかトボケて逃げてきたからとは…口が避けても言えない。
 しかし…凄いぜ!待合室には列車番号・列車名・プラットフォーム番号の電光表示があるから迷いよーがねえ!プラットフォームでもコーチごとに電光表示。既に目的の列車は見つけ駅員に口頭確認済。乗客リストが入口に貼り出されるから,一応乗車前に確認するために待機中。けど全く不安感無し!
 この感動分かる?──昔のインドで,最大3時間は時間が前後し,気紛れにプラットフォームが変更になる列車を追って走り回ってた暗い過去を持つツーリストの…所詮ぼやきッス…
 17時半乗客リスト張り出し。18時20分定刻ジャストに発車。し…信じられん!こんなんインドの列車じゃねえ!
 怒りが沸騰したのはさっき行ったトイレじゃ!インディアンとウェスタンの2つ個室があるのは昔と同じだけど,壊れてないしちゃんと綺麗!鍵もガッチリ掛かる!もう許さん!責任者を出せ!

 市内北側には相当数,10階建以上の住宅らしい建築がポツポツ見えた。半分は建設中。
 しかしこの距離は──同じ町の別エリアと言うより隣町感覚でしょ?ブリゲイド・ロードを含め,新階層はインフラが限界に達した市内を見捨てて新しい町を作ってく?そういうシナリオもこの町は持ってるのかも?
 このシナリオだとMGロードやブリゲイド・ロードは,将来は東京圏なら将来浅草や上野のよなノスタルジックな町に過ぎなくなる。そして,世界のフラット化が普遍化する近未来に出現する新宿がこの辺りなのかも?
 やはり,今回のベンガルールは初回の訪問に過ぎん。定期的に通って,この町の激変を追っていきたい思いです。

 20時に車内食のヒリヤーニを食う。これ自体もカレーチャーハンとして美味いのに,ちょっとかける白いカレーがまたたまらん。
 この寝台車,設備は申し分ないんだけど個人用のライトがない。20時半にコーチのライトが消されると,もう寝るしかない。
 完全熟睡。