本伝後記20[2年経過]:総論-3

2010-07-30 08:04
[[2年経過:総論-3]
My Daily Bread now]

 半減後2年経ってます。
 体重は維持してます。そりゃ,もう怖いほどに!
 何か,自分の感覚的には三桁時代より数倍満腹してる。無茶苦茶食ってるんですけど…一時期悩んだ便秘もほぼ直ったほどだから,客観的にもかなりの量を食ってるんですけど,なぜか体重がすぐに半減ラインに戻ってきちゃう。
 よくこの倍を維持できてたもんだ。今はそっちの方が不思議でたまりまへん。
 じゃあ現時点,わしが何をどう食ってんのか?ざっと書いてみときます。

[MS→WP移行時破損]
▲基町屋上の空

 週末の休みの日は後回しで,まずは平日。
 朝はドルチェとコーヒー。
 三桁超人時代には,抜くことが多かった朝めし。
 減量時代の豆乳+野菜ジュースを経て,今は完全にイタリア化しちゃいました。
 ベストはブリオッシュ(クロワッサン)+エスプレッソ。
 と言っても,広島で早朝もやってるパン屋やエスプレッソバーなんてない。大抵VIE DE FRANCEの甘~いパンとフレンチ・エスプレッソ,もしくはサンマルコのバターデニッシュとブラックコーヒー。そごうのDONQはイートインがないし,広島の名物パン屋AROFTのカフェは朝やってない。朝から開いててコーヒーとパンが水準以上って店,広島クラスの街じゃなかなか少ないんで。
 パンは1個だけ。それを一口噛み締めてはコーヒーを啜り,ゆっくりと味わって食う。新聞や雑誌は読まない。それどころか,他の何も考えない。大体10分位はかけるけど,時間を忘れて味覚にひたすら意識を集中する。
 朝の勤行とか座禅とかヨガとかラジオ体操とか曙光を拝むとか――そんな感じで,食事であると同時に,欠かせない生活の儀式になってきた。
 朝一番の「食禅」です。これ,いかなる行為よりリラックス効果がある。癒やしってより,集中力を目覚めさせる効果有。今や仕事前の大切な助走になってます。
 精神療法の一つ,皮膚のある一点に意識を集中させるとか,ローソクの灯一点を注視するとかににてる。ただ,少なしわしは根がエピキュリアンだし,快くなけりゃ自然に続かないと思うから,集中すれば集中するほど舌の快感が増す「食禅」が一番気に入ってる。
 だから,集中して忘我の境地ってわけじゃない。他の思考や感覚を電源オフにしてるからこそ,頭の中では「美味い!」「歯応え絶妙!」「返り味最高!」とか阿鼻叫喚状態。ストイックなだけで何が面白いよ?
 でも――と突っ込む向きはあるでしょ?
 …ダイエットでスイーツはあかんやろ?
 そこである!わし,何度となく余分三兄弟の名誉回復運動を展開してますが――最後まで繰り返します。三兄弟,特に糖分は長期的にダイエットの最強の味方!
 ちなみにサンマルコのお気に入りパンは,目下断然バターデニッシュ。1個400kcalはあるはず。
 余分三兄弟が味覚を刺激するのは,それが生理的に美味と登録されてるから。本当の美味さが分かるようになるってのが,減量の最終的な意味なのに,それを遠ざけてどーする?
 自分の味覚の中で最も開発されたのは,この甘味だと思う。朝はほぼ毎日,土日のグルメ旅行では毎回3つはケーキ系食ってる。
 余分三兄弟は,遠ざけるべからず。むしろ本気で味わうべき。本気で美味い甘味を味わうなら,量は少しで十分満足する。
 寝る前にスイーツ食うと太るとか言われるよね。なら朝,少なめに食えばいーわけで。

[MS→WP移行時破損]
▲俳句甲子園帰路,広島港の夕空

 昼はメイン。
 場所と時間が許す限り,最高の味覚を狙う。
 平日は職場界隈,わしの場合は広島の中の棚界隈が主。
 定番は,魚料理が得手の和食屋2軒(なな川,はまもと),肉が得手の家庭料理屋(おそらかん),広東中華(東風),台湾中華(本州一),ネパール料理(Lals),朝鮮料理(オンドルバン)ってとこに落ち着いとります。
 かなりのレベルが食える。一般に,広島はそんなに美味い街じゃないけど,それでも昼飯に困らん程度にはある。
 ここに挙げた店は,そこそこは知られてるけど,そんなに行列が出来るよなとこじゃない。ホントに美味い店は,世間評的には一流の下辺り。
 これは他の街でも共通する。
 なぜか――最近感じるのは,ホントの美味は誰にでも分かりやすい味じゃないってこと。店の側もそーゆー迎合をしてないから最高ランクなわけ。
 例えば,魚が有名ななな川の亭主は「うちで一番自慢は千代田※の米」と言い放つ。わしもここのご飯と漬け物,それに汁を食いに行ってるようなもの。
※広島県北部,現安芸高田市
 それとも一つ。超有名になってしまった味は,それが仮に本物であっても,堕落しないで立ち続けるのは至難。2号店を出したら終わったと言っていい。
 大量生産のシステムでは,繊細なコントロールは失われる。
 こじんまりと経営してる街の定食屋に,本物はある。だからこそ,本物はどんな小さな街にもある。土地の食文化を体現して暖簾を掲げ続けてる。
 けど,やっぱ商売だから…いい深度で経営を継続するのは非常に難しい時代。

[MS→WP移行時破損]
▲萩の河口と空

 晩飯は,サラダとパンがメジャーになった。
 サラダは自炊ってほどじゃない。品によって軽く焼くか塩茹でする位で,あとは単に野菜をドレッシングで和える。
 野菜の種類と味の豊さ…知らなかった分を取り返す勢いで,ボール一杯食ってます。
 食材は,最近増えてる直売型の市場が駅前に出来たから,この辺りで買えばトレトレのが手に入る。
 普通のスーパーでは,品は玉石混交と思って選ぶ。「石」でも売れるなら,そりゃ「玉」を置くのは損でしょ?だけど日本の消費者も賢くなってるから,「石」ばかりって店は少ない。産地表示の有無や賞味期間切れの品の配置で,スタンスのいい店は簡単に見分けられる。
 さて,ドレッシングも既製のを使うなんて馬鹿馬鹿しくなった。ビネガーは,バルサミコから黒酢,ゆず酢まで幅が広い。辛味も,室戸深海塩からコチュジャン,ヌクマムと幾らも選択肢がある。オイルは,バルサミコかごま油,さらに流行りのラー油まで使える。――このバリエーションの広さ!混ぜ方でも変わるけど,ピシッとキマるとスゴいのが仕上がる。不味くてもドレッシングでフォローしてたら面白い味が出来ることも。興奮するイベントです。
 パンは昼間か帰りに購入。広島でもパンならスゴいのがある。
 平和公園南のバッカライ・アイン。ドイツパン専門。ライ麦パンが最高で,少し置いて酸っぱさが増した辺りはなおグレードアップ。
 府中町駅前が本店,去年基町近くに支店を出したドリアン。フランス系。ガチガチの固いパンが他の追従を許さない。
 鷹野橋,サロン・ド・房州(ボワリエール)。パケットがさりげなく,毎日食べれる絶妙さ。
 にしても?
 夕食にパンはないだろ?ご飯だろ?――って気は,わし自身するんだけど――でも,これが意外としっくりきて不足感がない。考えてみりゃ,白人は夕食もパン食ってんだから。京都で覚えちゃって,漬け物とでも十分合う。中でも沢庵は意外にピッタンコ!――食事パンが主だからか?
 ご飯も好きなんだが…美味いご飯をテイクアウトできる店がない。パン屋のように「こだわりの店」がない。バリエーションも乏しい。この辺り,米食文化の硬直を感じる。
 自分でちゃんと炊くことを覚えるべきか?よく出来た炊飯器の購入を本気考え始めてる。

[MS→WP移行時破損]
▲防府高架下からの空

 三食食った後,実はまだワンステージ。
 半身浴中に飲むお茶,500ml。
 帰宅後すぐ,旅行先で買い込んだ茶を煎れる。煎茶,茎茶(白折),焙じ茶など緑茶系から,高山烏龍,プーアル,碁石,紅茶とかの発酵茶,さらにビワ,ハブ,月桃まで。同じ緑茶でも,四万十や安芸,八女,知覧,最近は小野の茶に惚れ込んでる。
 けど茶葉の質以上に大事にしてるのは,淹れ方。珈琲も同じだが…岡山のカメリアで習った事前の蒸しと煎じの時間をコントロールすると,同じ茶葉が信じらんない力を,しかも多彩に放つ。
 最近は旅行にも茶漉しを携帯する。
 この茶道楽には副作用が出ます。今は自販機のペットのお茶がどーしても飲めん。あんな薬臭い液体…。

 これが土日の遠征になると,選択肢が広がり過ぎて収集つかない。
 近場のスペシャルだけでも,倉敷のCanale(伊),岡山のカメリア(印),防府の[口奥]快餐(中),松山の菜温(中)とはまさく(和)。
 朝も食う。街角の喫茶店のモーニングとか名物パン屋のイートイン。地域によってはそばやうどん。ステレオタイプなだけに土地の味覚レベルが確認できる。
 夜も困らなくなった。スーパーを楽しんだ収穫を賞味するのが習慣に。あれば地場モノの直売所。土地の食が一番見渡せる。
 食えるだけ食う。胃袋の収納量には限りがあるから,不味いものは食わん。
 美味いのだけ好きなだけ食って…それでリバウンドはない。かなり歩き周るし,最近は駅前とかで借りた自転車で相当の距離を爆走するからだけど――。
 も一つ,美味いものの質が完全に変わったことが大きい。カロリーが低いって前に,薄口で地産地消系の味覚が好みになってるとゆーのが本質的変化だと思う。巷説言われるカロリーや調味料の濃さってよりも――素材自体に味覚のフォーカスが移ってる。
 カロリーで言えば肉や揚げ物も避けてないし,調味料も香油や醤油や唐辛子はむしろ多用する。ただ,量は適度になった。
 どの食材もそれなりに好きになった。最高級品もB級も美味い。何でも食べれるよゐこ状態で,食材そのものを味わいたい。そうすると,いずれにせよ,どうしても種類の多い野菜や魚の方が面白い。調味料も,素材と上手くハモるのは繊細で複雑な,つまり薄味のものになる。
 何で…こんな都合のいい事になる?
 ってより,つまり――以前の食感覚がスゴく都合が悪かったってだけなんだろな。