久米の泡盛コーヒーのカフェから久茂地三丁目まで歩く。
目的の店,豚々茶舗は裏道の何の変哲もない住宅街の1階に入居してました。テイクアウト専門。
購入品。
あぐーまん
ピリ辛ミミガーまん
最近えらく騒がれてる豚まん屋。確かに旨い。旨いけど,あぐー豚ってのが生きてるようには感じられん。漢人が多くでも南方系中心の沖縄ではマントウの類いは珍しいんだと思う。地の利を生かすなら小龍包や広東餃の沖縄版を作っていくことになるんだろけど…形態はコンビニ肉まんと同じ。
沖縄の肉味覚センスを発揮する戦略にせよ,肉質で押す戦術にせよ,中華小[ロ乞]には合わない。素材の旨みを引き出す思想は中華にはないからです。二次加工した食材が中華の主役で,一次の食材を代えるだけじゃ抜本的には味の出力に変化は起きない。
と考えたら,沖縄の位置って微妙。和食やアメリカ食に代表される一次食材重視の食文化と,中華やヨーロッパに底流する二次食材主体のそれとの,沖縄食は中間点にある。
そんなギリギリのバランスの上にあるのが,食だけじゃなく沖縄のちゃんぷる文化なんだと感じる。
そこに――その危うさに無性に感じる愛おしさと,それをギリギリで保ち続けるバランス感覚の底知れなさへの敬意。そんなのが,他人は知れず,わしのウチナーホリックなんちゃうかな…と今更ながら自覚したりしたんであります。
「前回も正月だったですね」
国際通りの足ツボマッサージ屋,Dr.Footで
言われてちょいビックリした。種明かしは毎回書く申告書だったりしたけど。
しかしここの足裏,ホントに痛い!あんまり足裏で痛いと感じたことないわしだけど,歩き過ぎなのか,ここのだけは真剣に痛い!かなりの本格派と見るべきか,それとも痛いから逆に有名なだけか?
那覇発のこのDr.Foot系列店,なぜか東京ではえらくウケてるみたい。沖縄発って東京で一種のブランド化しつつあるのか?それともこれも,ポスト消費社会を視野に入れたウチナンチュのしたたかな戦略の勝利?(→公式HP)
すぐお隣,チャーリー多幸寿那覇店。
沖縄のタコスと言えば…って言わずと知れた最メジャー店。
Aセット 780円
(タコス3つ,ビーフ・チキン・ツナ各1つ)
実は――3時頃に一度覗いてみたら満席近い盛況だったんで,逆に期待を高めてDr.Footにビバーグして時間調整した形だったんである。
4時近い今の時間は,今度は異様にガラガラで――肩すかし食らった気分でぽつんと待つ。
この極端さは…あッ!!観光客か!?
と予感した同じ瞬間にタコスが来た。味については…あんま書くことがない。まあ,タコスだな。
タコスの経験値が高けりゃビーフ・チキン・ツナなんて配列を見て気付いてもおかしくない。いかなる意味でも本場モノじゃないし,沖縄の味でも有り得ない。バイトらしき女の子が「観光客にでも喰わしとけ」と投げつけた味…ってゆーと言い過ぎだけど…。
今の時点で振り返ったらよく分かる。観光客が食わされてる沖縄って,海面にたゆたう泡みたいなもんだったんかも?
もっともウチナンチュからすれば,それで何が悪いサア~ってとこか?こんだけ戦後ニッポンの負債を負わせた上に,何の後ろめたさも記憶喪失で闊歩するナイチャー観光客に,何の義理があって自分たちのはらわたまで晒さんといかんのよ?彼らが欲する「南国沖縄」を見せとけば内地のマネーは落としてくれるんだから。
沖縄県の年間観光収入約38百億円(平成21年度の観光収入について(平成22年7月22日公表))。沖縄県民総生産3兆6876億円中1割以上(平成20年度県民経済計算(平成22年12月17日公表))。
▲夜の国際通り
沖映通り交差点辺り,名護そばの入ってる怪しいビル
前回から,すっかり入り浸ってる桜坂市民劇場。
昨日は「息もできない」を見た。今日は見逃してたアニメ「Red Line」を堪能。
今日の1本も沖縄を連想させた。――原色ドギツイ太線の,スピード感に満ちた画像,ハチャメチャなストーリー展開にハードなキャラが縦横無尽に暴れ回る。後腐れのない暴走感。
近未来の何でもありレース<REDLINE>がロボワールド星で開催。そもそも開催に猛反対して攻撃を宣言してる軍事国家惑星でゲリラ開催するってムチャクチャな企画。ここに主人公“すごく優しい男”JP(何がすごく優しいのかはほぼ説明なし)が出場し,とびきりの破壊力とリスクを持ったエンジン「TRZエアマスター四連式」を駆って疾走するとゆーお話。
CGが当たり前になった現在にあって,あえて手書きセルにこだわったアニメーション。製作期間7年,作画枚数10万枚,コンピューターでは計算できない「歪み」と「誤差」が心地よく視覚を魅了する。
▲夜の沖映通りの街路樹。正月にもまだイルミネーションやってます。
夜の国際通りをぶらついてるうち,久しぶりに御菓子御殿に入ってみたくなった。
読谷紅いも菓子本舗 御菓子御殿,国際通りむつみ橋店。
読谷が本店で,外支店に恩納店,国際通り松尾店,那覇空港店がある店。実質,読谷のアンテナショップになってる。
今も紅芋タルトが売れ筋らしい,ってゆーかもうこれはアンテナショップでも有名な品ですよね。あえて選んだのは
紅芋ようかん
紅山芋ナントウ
の2品。
!!
ナントウも!…もとい,何とも言えない複雑にまとわりつく芋甘さ!しかも…ナントウも香ばしいこの香りは何じゃあ~?
看板商品のタルト,実は「まあこんなもんか…」って受け取りしてたんだが,御菓子御殿の実力って,こーゆーおそらく以前からあったであろう品の方が持ってんのかもしれん。
なお,何と!…じゃなくてナントウとは(しつこくてスミマセン),本来は沖縄正月の縁起もの。現在はこのシーズンの定番おやつ扱い。
味噌やフィファチ(沖縄胡椒。別名ヒハツ)等の香辛料を効かせた甘辛い味付けの餅。上にゴマやピーナッツを加え,ご覧の通りサンニン(月桃)の葉に載せて蒸すことが多い。平和通りの「やまやのナントウ餅」が有名。昔は日が経って硬くなったのを非常食として食ってたらしい。
なお,製造元は㈱ポルシェ。1986年に読谷村の村おこし事業へ参加した際,生産を開始した紅いもタルトで世に出て以来,沖縄県内のみならず,日本全国で通用する菓子会社として躍進中。
1979年6月 創業
1986年 紅いも菓子(紅いもタルト)生産開始
1990年8月 法人登記
1992年 子会社「有限会社ポルシェ食品」設立
1999年9月 株式会社お菓子のポルシェに社名を変更
2001年6月21日 恩納村に「御菓子御殿」を開店
2004年7月16日 ISO9001・HACCP認証
2005年7月23日 御菓子御殿読谷本店開店
2007年7月 紅イモ菓子類似品訴訟で那覇地方裁判所に訴訟請求
2008年8月6日 紅イモ菓子類似品訴訟で那覇地方裁判所がポルシェ側の請求を棄却
2008年8月15日 全国菓子大博覧会で名誉総裁賞を文化部門受賞
2009年2月19日 読谷村楚辺に新たな大型加工場を建設すると発表
2009年3月29日 国際通り松尾店開店
で,この松尾店が,わしが以前から馴染んでた店だった…って流れらしい。前回訪沖時は開店直後だったわけだ。
まさに沖縄的な軌跡じゃーないか,御菓子御殿!素晴らしい!本店に「礼拝」したくなってきた!
…って興奮のうちに更けていった沖縄最終夜だったんである。