[今期首]/負債 238
[今期中]
0830
チャムチェンボクチュク200
1030 古宮参鶏湯(ゴグンサムゲタン)
サムゲタン500(700)
1340トック150(850)
1500OPS
カンパーニュ引当500/
セーグル引当250/
1510香港飯店0410
ボックンチャンポン550(1400)
1630 Icebean 150(1550)
1715 MAMI BURGER
マミバブバガ 250
1800 チキン(ソース和え)(釜山駅前)200
[今期計]
消費1800/収益2000
負債 200/
[今期末]/負債 38
温泉場の宿近くの銭湯に寝汗を流そう。
今朝は虚心亭ではなく宿対面の本物の銭湯にしてみた。昨夜の宿の風呂もスーパー銭湯もどきとしてなかなかだったけど,こういう生活感のあるとこもやはりいい。風情も面白いんだけど,湯自体もなかなかなんである。
ちなみにコリアンの入浴スタイルは…大抵単に全身浸かって茹だるだけ。半身浴や足浴とかのバリエーションを楽しむセンスはあまりないみたい。
サッパリしてから移動を開始。まず屋移り,釜山駅前まで…の前に,この温泉街への名残惜しさも手伝って一食入れてしまう。
チャムチェンボクチュク──昨日から気になってた小店。宿前の前の斜めに伸びる市場の真ん中。
カボチャと小豆とこれの3種の粥だけを売ってる。店名はハングルの崩し字で,ほぼ読めない。
オバチャンが何か訊いてきた。「スモールサイズ?」と訊いて来る。うんうんとか適当に対応してたら無事に出てきた。
薄く黄色い粥に赤,黒,茶,緑の粒が散る。隣にはピンクの大根冷や汁。見た目にも美しい2つの碗。
これが,美味い。
最初は物足りない気がしてた。具の味わいが米の味覚の層よりはるかに浅いところに香りとして複合してる。
逆に言えば米を調理しようという意思がない。広東粥とは全く違う発想の粥です。
代わりに効いてるのは香り。どうやってるのか分からないけど,黒:ホタテらしき貝をメインに,彩り鮮やかに,赤:人参,茶:椎茸,緑:生海苔が出汁にならずにそのフレーバーだけを溶け合わせて,米の香りの上で舞っている。そういう粥なんである。
それでこの香りが,そんなに高貴で技巧的なものじゃなく,非常にホッとする安らいだものになってる。特に海苔の磯臭い香りが効いてる気がしたけど,「複合味」としか言いようがない。
絶妙です。
あと,米自体も美味いんだと思います。意外な位に粘度が高い粥です。餅米にやや近い米だろう。
昨日のカルクッスと言い…こんな味覚が,この庶民臭い街のあちこちに,まだまだ発見していけるわけで。
市場を抜けた辺りでタバコ吹かしてたら,ここにも気になる店が。──ベタクイ・オセチタン?何それ?でも何か肉肉しくて美味そうなタンです。
とか後ろ髪引かれてたら,駅向かいのモール一階にも?──ハンウボシンタン?これも全く分からない。
10時過ぎ,釜山駅前。シンラモーテル入居。4万W。
う~ん。と,荷を降ろした宿を背に一考。
…釜山駅に来たら古宮サムゲタンかなあ。久しぶりに。
朝,まだ客も少ない店に入る。程なく出てくる極上サムゲタン。
持ち上げようとしたら,中身がドボンと汁に落下。この料理,意外に食い方に熟練を要すんである。あーあ,サムゲタン・マスターへの道は長いのう。
しかし,今はとにかくこの鶏さんです。
ああ~鶏肉がプニョプニョじゃあ~。
これ…鶏とは思えない高貴に軽やかな香り。薬臭さも脂に溶けて夢見心地になる高麗人参の匂い。これこそがサムゲタンである!
鶏の脂にコーティングされてるのか,米がいつもと全く違う歯触り。汁の中でも,いや口の中でさえもトロけない気がする。つまり,米が鶏さんの腹の中で独自にスイーツ化しとるんである。
これも日本の出汁や広東の底味で捉えたら,単に「味がしない」料理になる。香りで食わせる餅米料理。これこそが,サムゲタンである!
あ~あ,滋養が強壮じゃあ~!!
チャンシフ:もうすぐ?
という単語を頭に入れてから,釜山は北の方へ。
今日は機張という初めての町を目指すことにしてます。ターゲットは,この町の特産と聞くイワシの塩漬け。
最初,列車で入る計画でした。それもあって宿を駅前にしたんだけど,駅で訊けば,機張行きの列車は釜山駅じゃなく釜田駅から出るそうです。
あらら,では釜田駅まで移動するか…と地下鉄に乗る前に,一応バス乗り場をチェック。すると,どうやら1003番のバスが行くらしい。終点近くであんまり迷いもありそうもない。キジャン・シジャンというバス停はおそらく「機張市場」のことだろうから,ここで降りればいいんだろう。
12時ちょい前に乗車。結構満員。料金は,入口の読取機にハナロをかざすと払えた。
12時20分。いきなりうとうとしてしまった。目覚めて慌ててバス停を確認する。スヨンJCT?水営のことらしい。昨日の広安の橋も見えるから,まあ方向に間違いはないらしい。
潮の香が窓から流れ込む。
12時30分,海雲台ビーチを通る。少し渋滞。
このもう少し先からは未知のエリアになる。地下鉄ですら行ったことがない一帯。
12時40分,高層アパートの立ち並ぶ丘に上がる。4006番という道路らしい。ヤングン小学校(エレメンタリー・スクール)というバス停を通過。
OPSは,なぜかこの海雲台界隈には結構あるみたい。昨日のとは別のを2店も確認。
12時46分,短いけれど巨大なトンネルを通過。片側3車線。
ソンジョンというビーチに出た。ここで客のほとんどが下車し,あれだけいた客が3人になった。どんなとこやねん機張。
12時53分。ついに一本道になる。道路番号は23。ただし片側3車線と,インフラは整備されてる。
海東竜安寺を通過すると久しぶりの交差点を通りました。もう機張の街には入ってるらしい。バス停「機張ビーチ」通過。左手に「機張巴城」という漢字の標識を見る。
13時かっきり…いきなり左折?そこから何度も曲がってすっかり方角は分からんくなりました。
13時5分,市場着。市場が視認できたから躊躇なく下車。
まず鉄道駅へ。地図はないんだけど,古めかしい雰囲気の駅捨が見えたので道を訊くこともなくすんなり行き着けた。
釜田行きは日に18便ある。候補1315,1414,1540,1635から1414を選びチケットをゲット。
市場以外はムチャクチャに鄙びた街です。駅前の十字路に面した教会が唯一のランドマークか?
市場の方はと言えば…これはコワい。カニだらけである。ずらりと並んだ水槽に気味の悪くなるほどカニが詰まって蠢いてて,時には,というよりあちこちで水槽から脱走しとる。食堂も死ぬほどあるけど…わしはカニだけは嫌いなんである。コワい以外の感情は持てない。
その一方で,目標のミョルチチョッカルがない。てゆーか,どれだ?塩漬け類は相当売られてるんだけど,ミョルチはほんのわずからしい。売れてるからなのか観光客用なのか?
けどよ~。それ以上の問題はその容量のデカさで──はっきり言って,小型バケツ並み。食えるのか?って前に,日本に持ち込めるのか?魚介は正式には絶好ダメだろけど,この大きさを隠せるのか?隠せても臭わないのか?
帰りがけ,最後の店で半分サイズの小さいのを見つけて地団駄踏んだけど…購入したのは8千Wのデカいやつ…あーあどうしましょう?
ダイソーで入れ替え用の小瓶を購入してみたが…結局入らなかった…。
なおこのミョルチチョッカル,エキスだけの瓶詰めも売ってる。単価はこっちの方が高い。1リットルほどの瓶が1万Wだって?調味料に使うんだと思うけど──さて,本来はここが最大の問題だったんだけど──どう使えばいいんだろ?
列車が遅れてます。
日本の田舎町のそれに極似したプラットフォーム。焦りながらもどこか落ち着く空気を感じつつ。──反面,ここが植民地(正確には連合帝国)だったことを思い出させます。
12時25分にやっと来たのは4両編成車。手元のチケットに書いてある座席指定の13号車なんて…当然にないんですけど?どうなっとんのか理解不能でしたが,結局立ち席になる。
14時35分,ビーチ沿いを走る。海雲台じゃない,こじんまりしたビーチ。水平線がキレイな拉致の海。
そこを過ぎると崖上を走る。残照を帯び始めた海が絶景。霞む広安大橋を望見。
列車が海雲台に止まったので,発作的に飛び降りる。地下鉄で寝て帰ろうか。けど待てよ,その前に…。
香港飯店。
何か韓国中華と言いながらこの香港飯店しか行ってないんですが,とにかくボックンチャンポンを頼んだ。
今度こそ…訳が分からない。
何をどうしたらこうなる!?
この店の麺は,水っぽいミルミョンめいた麺です。これがおそらく[舌甘]麺醤,少なくともそれを主体にして炒められてる。通常,炒麺する麺は小麦粉主体で,麦の焦げ香を出すんだろうけど,こちらの場合,ミルミョンを無理やり炒めてしまったようなムニュムニュの焼け縮れ方。焼きビーフンともチャプチェともまた違うんである。
これがさらに,妙に甘ったるい不気味なソースに絡まってる。
※後日談 春醤(チュンジャン)というカラメルが入った黒い味噌。中国の醤とは基本的に関係ないものらしい。
具材は確かにチャンポンだけど,味覚的にはチャジャンミョンを間違えて炒めてしまいました…という状態に近い。
ミルミョンみたいな米の割合が高いものを炒めること自体に無理があるし,しかもただ甘いだけの醤で炒めるなんて…。「春雨甘炒め」とでも言うべきこんな料理は,おそらく中国にも韓国にもない。世界的に存在しないような劇的に創造的な間違いです。
なんでこんなことになってしまったんだろう?
ただこの品,この店の看板料理の一つだし,ネットでも「香港飯店のメニューではイチ押し」みたいに書いてる人がいた。決して店が血迷って作った…んだろうけど…だけに終わってない一品なんであります。
フュージョンにもほどがある。ここまで来ると,もう別の料理体系です。
帰り道に,釜山大学に立ち寄ってみた。
この界隈はホント,来る度に味を増してます。町の味わいもですが,言葉通りの味も…。
まずはこのアイスビーンを食ってみる。
ヨーグルトはかつてのレッドマンゴを彷彿とさせます。他も美味い!何で韓国でこんなに!?
ジェラートを唄っているけど,イタリアとは全く通じない。ドイツのきらきらミルク味でもない。この酸味の微妙さは…なるほど発酵文化ゆえの酸味使いの鋭さということだろうか!?
街は四方に拡大してた。前は寂しかった路地にもどしどしシャレた店,シャレたつもりの店,変わり種店,全く訳の分からん店が増殖し,独特の空気で通りを覆う。
元々目指してたパダッなど発見できない!この町の面白さにはそんじょそこらの変わり種は埋没してしまう!
今度の車内売り子は洋服のチャック付き収納具。スーツをクリーニングに出したら付いて来るアレですが…流石に買う奴いないみたい。
(続き)