Range(元朗・屏朗).Activate Category:香港シン一次(06-2) Phaze:洗杯

献句
ろとろと胃の腑に落ちて普洱茶
✺✺✺✺✺✺

【本句】ぽぽぽぽと口に入れたるプチトマト 〔立教池袋A〕(略)
※※(再掲)飲茶でお茶を選ぶ:開茶(ホイ・チャ)または開位(ホイ・ワイ)最初に茶を選ぶ・注文する
 飲茶で食器を洗う:洗杯(サイプイ)

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ESPRESSO ALCEMYでアメリカーノ

1115川龍街南端。右折東行。
MINA Hotel。荃湾西站の表示が出た。
ESPRESSO ALCEMYという店が目につき休むことに。美式珈琲(小)33HK$。
うーん。ネスカフェだなこりゃ。
ただ──ここのWifiパスが「良い珈琲で良い一日を」という意味になってました。
さて行くかね!
「NINA CUBE」

の前にトイレへ。
NINA CUBEという日本のワーキングスペースの無人版のボックス。日本の一人カラオケボックスと同じ仕組みでした。一人になれるシチュエーションの稀な香港では、日本以上にニーズはあるのかもしれません。
この横にPacificCoffee、上に無印良品(年末開業したて)。
MINA1-2の渡り廊下から──おそらく北を見てる。

そこから迷ってる間にドンキも見つけました。
荃湾ドンキ

ドンキホーテは2024.1現在香港に三店舗(→驚安の殿堂 ドン・キホーテ/香港)。その一つが荃湾というのは……それほど荃湾って重要視されてるんてしょうか?
荃湾西站ホーム

やっと西站。香港では見たこともないデカい構内です。何でこんなに大きくしたんでしょう?
でもまあ丁度よい時間になりました。1216、屯門行きで二駅。

元朗駅前の老人ホーム

車内に「殘疾僱員生産能力評估 Productivity assessment for employees with disabilities」という広告。法定最低工資の政府広告(労工處)で「法定最低工資適用殘疾僱員」と謳ってある。香港の障害者行政もそういうところにきたのか。
元朗下車。1225。
番号札とマイダン

1246大榮華酒楼に着くと「輪候號碼38」と書かれた紙を渡される。順番待ちです。少し早すぎたかね。
運営の仕方によっては相席──と思ったら5分で座れました。失礼しました。ここのウェイター陣の老舗ゆえの老練さ、かつての蓮香並みですから。

1251大榮華酒楼
ソーメイ
榮華白蓮蓉飽
× 鼓汁蒸魚雲
✖ 家郷炒米粉
雙丸米線 250
一度は鼓汁蒸魚雲を頼んだんだけど「売完了!」と✖を……あらら、家郷炒米粉も✖が!「米線」と漢字が違うのが気になったけど頼みました。──もちろんいつもの通り「米線」のみならず「雙丸」も何のことやらですけど。双つの丸って何?
今度は注文が通ったらしい。相席の老夫婦(大陸人らしい)がメニュー選択の大激論中、ワシの✖事案もちゃっかり参考にしつつなかなか妥結に至らないようです。
ここのザワザワ感のさざ波はやっぱ好い。

大榮華酒楼の雙丸米線

雙丸米線の正体

雙丸米線のスープ

雙丸は魚かまぼこ2種類、米線はビーフンスープという意味でした。想像とはかなり違っておりまして──。
ただ、これは広州で食べたんだっけ?白団子の方は日本のかまぼこの味を深くした感じですけど、黒の方は──日本にない独特の美味さ!おそらくジャコめいた何か変な魚を使ってます……と言っても予想になってないな。松山辺りのじゃこ天をもっとジャリジャリにしたような旨味なのです。
団子をちびりと齧ってビーフンを啜る。団子用らしいソースも付いてきたから時折浸す。これを繰り返すと、お茶うけにビシッとハマるのです。
この団子3×2とビーフンの間にレタスの結構厚い層があります。これも彩だけではない。野菜の滋味を蕩かせてるようです。つまり段々深みを増して──。
最後の段階で、団子とレタスから出た自然な旨味が融けたスープ。これは素晴らしかった。でもこんなスープの発想って──中華にあるものでしょうか?艇仔粥を連想させます。これこそ実は広東独特の料理のコンセプトなのでは?というような夢想を描いたのでした。

大榮華酒楼の榮華白蓮蓉飽──の画像をなぜか無くしました。

榮華白蓮蓉飽の餡 どアップ

こちらは狙い通り。というか、既に売りにしてる味覚ですから、ベタと言えばベタです。
ちょっと調べて見ると、半端ながら次のような記述がヒットしますから──
「○○広式大月餅 蓮蓉○○ (170g/個)
蓮の実餡をまろやかな甘露煮にし、特製の白餡に練り込みました。
(略)
原材料名白いんげん豆、砂糖、小麦粉、はすの実シロップ漬け(砂糖、はすの実、還元水飴)、糖蜜(砂糖、ハチミツ、パイン、レモン)、(略)」
 つまり蓮は、シロップ漬けにして餡専用に加工したもののようです。さらに黄色いのはやはり鶏卵の黄身らしく──
「榮華月餅 香港のお土産 蛋黃白蓮蓉月餅 6個 中秋 …
香り柔らかな白蓮ペーストに、上質な卵黄を合わせ、甘く香ばしい味わいに仕上げました。」
 お釈迦様の悟りを想わせる蓮と何か生々しい卵、という点でもどうもマッチしないんてすけど──実際素晴らしいマリアージュを見せるから困ったものです。
月餅の餡としても名高い蓮蓉

麥麗敏(大師姐)(略)至於翠享邨的冬薑紅蓮蓉月,則帶點蓮蓉皮蛋酥的影子(略)大師姐也這樣說:「冰皮根本不是月餅,只是mochi。奶黃月就是西式皮、西式食譜,其實是西餅,只有蓮蓉月才是真正粵式月餅。實際的考慮,如果要帶給海外親友,還是蓮蓉月耐存易擕,這是先天的優勢。」〔月餅口味流行復古 古法蓮蓉純正回歸 — 明周文化〕

さらにここに書かれてないことが一つ。この逸品がマントウであることです。中華圏では当たり前みたいですけどこのマントウの旨味は、なかなか日本人の食生活にないもので……大栄華の「定番」の深淵を味わえるマントウです。ワシ的には是非お勧めしたい。

大栄華を退去

1409。元朗安寧路を西行。この道の突き当りの先にあるはず。

1413北に緑地のある辺り

1413安寧路西側の直線を望む

1414露店の向こうにビル二本

1416川を渡る。右手に朗屏駅。
右手に六角柱のマンションと教会元朗堂。
朗屏駅付近の果物屋前にて

1423安寧路が左に湾曲。右手の屏會街へ。だんだらS字道。
屏會街の路地から

wellcomeの東側を抜けてMTR高架下──
車道を挟んで突如村が現れる。

片側三車線の道の向こうに突如として村っぽい風情。鳳池村とゲートがある。
水路の向こうに村ゲートと天后宮

手前からの道は媽廟路。あ、ゲート手前の宮か。
1435鳳池村天后宮。

村ゲート

まず村のゲートの対聯から。
右「錦◯河山親仁善隣自古衣冠尊禹甸」
左「文明教化民胞圴興至今◯夏頌壳天」
時々その先から人が出てくるけどこの先に集落があるんでしょうか?ゲート自体は2001年建造と刻印あり。
村ゲートから天后を向く

1442右手下の天后へ。
右手前に金爐。「聚寶爐」と銘あり。
金爐

鳳池村天后宮というのは通称らしい。プレートには「屏山郷鯉魚山天后宮」と題してある。

鯉魚山天后宮建於一六八四年(略)屬兩進三開間佈局。建築結構為中式斜屋頂(略)屋脊兩端配有「博古」圖案作簡單装飾(略)〔案内板〕

香炉から本殿

入口対聯は各七文字
右「福建莆田居首位」
左「港九新界最靈神」
右手小穴の祠

本堂入って右手に小穴の祠。ミカン2つと酒の供物。神名はないけれど拝まれてる。

その横に太鼓と鐘。いずれも古くはないけれど常用されている感じ。
左手にも同じ構造があるけれど塞がれてる。
本殿右手は金花夫人。左手は土地龍神。
──ここで管理人の爺さんから「写真を撮るな」と禁止命令。振り返るとゴッツいガタイのお兄ちゃんとオバハンが立ってる。うーん、ちょっと勝てそうもないので、手書きメモに転ずる。
左手別屋は観音。ここへの入口、つまり村のゲート方向に「[ノ/田]子」と書かれた廟がはめ込んであります。おそらく広東語の独自漢字でしょう。
右手別屋は知らない神様で肌色長髭。「李淳風仙師(大壬仙師)」と銘があり左隣にいかつい武将像が一人。

左右の別屋にはいずれも小さな像を納める場所が壁を埋めてます。媽祖アゲを思わせますから何かの実用に供されてる。墓碑ではなさそうです。
建物そのものはそれほど古くはない。ここはどうやら村で実用されている宗教建築で、現在も真剣な呪術装置たりえていると感じられたのです。

樹下の土地公祠

門と宮の間のガジュマルらしき樹木の根元には土地公の廟がありました。この前にあったであろう川からの侵入を防御する呪術装置、だったのでしょうか?
媽横路標識

帰りがけに気づいたけど、媽廟路に直交する道は媽横路でした。
1519帰ろう。
もう少し屏朗を徘徊するつもりだったけど、再び?三度?膀胱が咆哮し始めました。幸い西鐵線の大きな駅内にはまずトイレはある。だもんで改札をくぐってしまったのでした。
1538屏朗から帰路──のつもりが逆に乗ってた。天水圍から逆へ。この香港北縁の山々はかなり高い。

西鐵線というのは尖東より先にもずっと続いてる。16駅もある。終点の烏渓沙ってどこだ?ああ、西貢の北側か。

天水圍駅ホームにて。「烏渓沙」行き表示

車内で進行方向を見てると相当に下ってます。天水圍から屯門までは低い丘陵地帯なのでしょう。
大陸から溢れた陸民が打ち上げられるように、この北側海浜に取り付いた。上水などの状況を思うと今もそうなのではないでしょうか。
荃湾西手前のトンネルは時間を測るとかっきり4分。この西站そのものもトンネルの中なのです。となるとこの空間の用途は限られてきます。おそらくここはシェルター的な空間です。けれど台湾とは違って大陸中国領だから……どこの攻撃を意識したものでしょう?
高架道の町・荃湾

荃湾には高架道がかなり長く取られてるようです。C3から出て西側を歩いてみます。
海之戀商場?恥ずかしくなりそうなモールを通って……大壩街に出れました。ここだけちょっと普通の町ですけど途切れてる。稲坊という店は荃湾廣場6F入居の高い店でした。削除。
沙咀道を東行。1633。
川龍街。獺祭を並べてる酒屋???

CITYWALK前の高架下から夕日を見る。

思えば、今回の長い香港滞在も折り返し地点です。結果的にネイザンロードの安宿を泊まり歩いたわけで、マハラジャを筆頭になかなか酷い暮らしです。とは言え九龍の大多数の住民はこういうビル暮らしをしてるわけで、香港人の生活感に密着するためには必須の旅行スタイルと言えよう。旅行してるだけで既に九龍香港人の生活感覚からは逸脱してるとも言えるし、まして毎朝飲茶してるのは……とその辺りは誠意の問題である。誠なれ唯誠なれ誠なれ、である。

どうも昼時じゃないと蒸魚は見つからないようです。二品で30HK$の弁当屋があったので魚と茄子を詰めてもらう。魚は高いらしく40HK$になったけど。

さてついにシルカにチェックインです。口コミ通り、どんな酷い部屋なんでしょう。
エレベーターで指定の16Fに降りフロアに出る。おお、まるでホテルではないか。静かだし部屋の感覚もある。でも口コミを読むと……。
ドアを開ける。ベッドは狭いけど、テレビに冷蔵庫、ポットに……金庫?バスルームはトイレと仕切られてる。こっ、これはっ……。
まるでホテルではないか!

安宿・シルカのお部屋

まあ、あれだ。考えてみれば、我々は旅行者なのであって、日本を離れたからにはリッチに暮らすのも一興である。ちょっとホテル暮らししたって神罰は当たるまい。
大体、安宿に泊まって庶民の生活に近づこうなんてのはバックパッカー特有の自己満足である。所詮は観光客なんだから、ストイックにならずにもっと旅行を楽しむべきなのである。
いやあ、この部屋で5泊。まるでマハラジャ暮らしじゃのう、わははは。

PacificCoffeeに出向く。ここのWifiパスワードは毎日変えてるらしい。
流石に韓国系、ホンモノのアメリカーノです。

Pacificのアメリカーノ。おばちゃん、驚かしてスミマセン。

駅前歩道橋が夜はライトアップされるとは知らなかった。

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