本伝07章[Step61]突然!?食卓革命四人組登場!!

 249日目 
▲54.4kg(半減+13.6kg)
▲4割到達

しちゃってよろしかったでしょうか?
 減量の主役は意志じゃなくカラダ──って何度となく書いたけど,こういう表現が理解しやすい気がする。
 つまり,わしらの身体は細胞の組織体でしょ?その組織に減量って大変革を起こそう!と決めてカロリー管理とかウォーキングとか企画してんのは,社長じゃなくて改革派の課長や部長の有志集団みたいな立場なわけ。
 今夜も会議室に集まるミドルの騎士たちは,社の将来を憂い語りまくってた!

西野企画副部長「我が銀行の改革もようやくここまできたな!」
片谷MOF担「分社化による職員半減計画ですね。肥大化した組織を分割して少数精鋭部隊を作り,競争力をアップさせる」
岩井企画副部長「当初は不可能と言われたけどさ」
杉原広報副部長「とにかく4割縮小まで来た。目標の半減まであと一息だ!」
西野「いや…喜んでばかりはいられない。組織規模の縮小は単なる過程だ」
片谷「そうですね。半減化した銀行が安定的に機能するとこまで行かないと」
岩井「ワシントンポスト調査では,減量の成功率は5%だけど,減量後の体重を維持できる確率も10%と低いからな」
杉原「忘れちゃいないさ!でもそれには…カロリー管理より一歩進んだ組織風土の改革が要るよな」
岩井「つまり,味覚そのもののブラッシュアップだな」
西野「おい…そんなことできんのか?人間の感覚なんて先天的なもんだろ?」
片谷「西野さんらしくないですね~!感覚を変えるのは難しくても,鋭敏にするのは訓練次第ですよ」
杉原「組織機能で言えば…良質の情報収集ルートの確保とその分析力をつけるってことか」
岩井「それによって裏社会──ジャンクフードとの決別が自然な形で実現できる…と」
西野「なるほど!…だけどそのために不可欠なツールを揃えないと」
岩井「そりゃ何のことだ?」
西野「──良質な味覚体験だよ」
片谷「つまり情報収集部門に成功体験を詰ませるわけですね?『美味い』ってのはこういう味だと」
西野「そうだ!感動的な味覚体験がなければ,どの情報が良質なのかそもそも判別する尺度がないし,どういう分析を加えるべきかも判断不能だ」
杉原「おい…減量の話してんだぞ」
西野「そのつもりだよ」
杉原「それじゃ最高のグルメライフだ!それじゃ財政的にもツライし,カロリー高くなるだろ」
片谷「杉原さ~ん!適度に美味いチェーン店の食事はともかく,私の接待の経験から言ってもね。本当に美味い食事って高価でもなければ高カロリーでもないんですよ」
杉原「そうなの?」
岩井「美味い食事って何百年と市場を勝ち抜いて残ってきてるからな。歴史に磨かれてきた食事が低価格な健康食でないはずがないよ」
西野「これまでの機構改革で社内の風通し──つまりウォーキングや半身浴による新陳代謝の改善も進んだから…」
杉原「これからはいよいよインターフェイスの質的改革ってわけか。本丸だ。容易くはないぞ」
岩井「だけどこれ抜きに減量の完成はない。成功率は0.5%ってのを忘れるな」西野「問題は──どうやるかだ」
杉原「どうって…情報部門に頑張ってもらうしかないんだろ」
片谷「いやそりゃマズい!全ての面で頑張らないのが今回の改革の大原則だったでしょ?」
杉原「カロリー管理や代謝促進はそうだったけど…味覚を鍛えるんだろ?」
岩井「お前は変わらないな…けれど,少しでも負担感が生まれたら組織の自発的で継続的な改革は困難になる。これは今後も同じだ」
杉原「やっぱり頑張んないのかよ!」
西野「なぜなら──改革をするのは我々ではないからだ。トップの号礼と大多数の社員が主役で,四人組は演出役──そんなこと分かってるだろ」
杉原「んだけどよ!街中に溢れてるジャンクフードの誘惑を断ち切るんだぞ?」
岩井「断ち切る必要はないんだ。社内にニーズがあるのにそれを抑圧するのは最悪の戦術だ」
杉原「それより美味いものがあることを知るだけでいい…とか言うんだろ」
西野「分かってるじゃないか」
杉原「日本の食事は主食偏重で濃過ぎるから,それより美味い食事はいくらでも見つかる──ってのはカロリー管理の段階で俺も十分理解したさ」
片谷「既に変化は始まってるんです!データでは昼飯の常連店が相当入れ替わってます」
杉原「今の舌に合った食事を再開拓だな」
西野「イチからだ。楽しいじゃないか!」

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・タイトル「半減 金融飽食列島」
・8月全国ロードショー
・先行上映8月15日

おまけ長崎路面電車の広告「ドアばさみに注意」
だからカニさん?でもって広告は普通!?