外伝03-FASE8@deflag.utina
ナンクルナイサと思っているだけじゃナンクルならんよ!!

[単語帳]

ナンクルナイサ:(怠けていても)なんとかなる。

 がーん。
 朝,奥武山公園のレンタルバイク屋に行ってみたら,年始の休みで閉まってました。南部郊外の店を何軒か回る気でいたのにイッ!
 まあ,これが旅行ってもんだわな。急遽予定変更で,昨日フラれた「だいこんの花 小禄店」にロックオン。開店時間の11時半までの時間潰しに,佐野さんの本にあった奥武山公園内の「沖宮」って神社を探した。
 この神社,地図にはない。地図には護国神社しかないの。ないけれど,駅にも公園内にも護国神社よりデカい表示がある。
 かつての首里の最大の聖地で,現在でも巫女(のろ)の信仰を集める場所らしい。琉球処分以降,その威光を封じつつ利用する形で作られたのが護国神社と推測される。現代ウチナンチュの多くは護国神社に殺到してる。
 ごく一部のウチナンチュが,それでもパラパラと沖宮に参る。最も高台にあるその場所は,静かに那覇の街を見下ろしてる。

▲沖宮本殿

 11時半,「だいこんの花」前には既にライバルが7人待ち構えてる。やっぱかなりの人気店みたい。
 健康食彩レストラン「だいこんの花」。沖縄ローカル,地産地消を謳うチェーン店で,現在安謝・浦添・美里とこの小禄の4店が展開してる。
 沖縄には以前から大型バイキング店舗が多かったけど,こういう形態が出て来てるのに興味があり,食い意地プラスでどしても来てみたかったのね。昨日の「わたや菜」とかも完全にこのチェーンのパクリだし。
 ランチタイムのバイキング,大人1人1,500円。沖縄では食堂定食の3倍の値段設定。
 料理の種類は80種類を謳う。飲み物は豆乳とゴーヤとリンゴのミックスジュースを頂いた。おかずも野菜がメインの健康志向で,しかも一工夫こらしてある。さつまいものオレンジ煮が最高。初めて食べたくーぶいりちー(昆布炒め)もグッド。島野菜のオリオンビール漬けも他じゃ食えん。決め手は赤紫米のご飯とてびち。赤飯を黒紫にしたよな飯はしっかり雑穀味。てびちはこの旅行一番でした。
 ただ,ヨモギや山羊,牛汁や骨汁はない。てびちは「コラーゲンがお肌に…」とかで特に置いたと予想できる。
 違和感を感じた。
 まず,沖縄伝統食の叡智を生かすってスタンスがない。その意味では,ナイチの健康流行情報中毒の延長。
 も一つは,これがホントに「地産地消」かあ?ってこと。沖縄農業の裾野は糖業以外は意外に薄っぺら。ゴーヤですらシェアを減らし,今は全国生産の3割以下。つまり,近郊生産地を歴史的に抱えた京都とかと異なり,沖縄に地産地消なんて有り得ない。その前に砂糖きびのモノカルチャーを脱してマルチな農業振興の努力をすべきなの。気候的にはナイチより遥かに有利なのに。
 ウチナンチュに流行ってる健康食感覚って,ナイチャー以上に脆弱だな。食いまくっといて申し訳ないけど…それが冷静な感想。

▲ちなみに赤嶺駅は日本最南端の駅

 豊見城市の名嘉地までバスで足をのばす。ゆし豆腐が評判の「海洋食堂」狙いだったんだけど,閉まってた。逆向きの市内バスで引き返す。
 ついでに,小禄駅のジャスコに寄ってみる。昨日から営業してるのは確認済み。荷物が増えたんで衣類を小さく縛るための延長コードを購入したかったのね。(携帯やCDプレーヤー用に使えてロープにもなるから)
 2mコードは200円。物価が違うのか?
 通りがかった1階フードコートは家族連れで大賑わい。家で正月しないのか?ペッパーランチとか讃岐うどんはなまるとかにウチナンチュが佃煮にするほど群がっる中を,観光客のわしがテビチやふーちばーを血眼で追い掛けてるナイチャーのわしが通り抜けてく。
 本土復帰直後,沖縄には「ナイチャー娘の店」と称するスナックが大繁盛したんだって。
 ウチナンチュのしたたかさは,迎合主義って見方もできるんだろね。嫌・韓流で韓国人について言われてる「事大主義」に似た感覚。
 こーゆー議論は生産的じゃないから一度だけ書いとく。――地形が変わるほどの地上戦をこの島でだけやらかし,非戦闘員を主とする物凄い犠牲を出した挙げ句,貨幣経済が成立しないよな情勢を長期的に作ってしまったのは,もちろん軍国ヤマトンチュ。その子孫のわしには決して無責任に言い放てる立場じゃない。ないけども,いやないからこそ,原爆ドームを通勤ルートにしてる被爆者の孫としては,現実として弱点をチャンと考えたいわけなんで。そこんとこ誤解なきよう。

 同じ並びにJIMMY’Sがあったから覗く。客は順番待ち状態。エッと思ったのは,国際通り店とまるで陳列が違う。紅芋クッキーはない。
 チーズケーキが最も売れ筋って表示で,事実飛ぶように売れてく。――紅芋はナイチャー観光客用のアドバルーン商品らしい。もちろん美味いんだけど,JIMMY’Sにとっては観光土産の新市場開拓の商品なのね。
 精一杯ウチナンチュぶって,いそいそとチーズケーキのショートを購入。
 宿で休憩しつつ食す。チーズケーキは…なぜか普通?だけど,一緒に買ったビターチョコレートとジャーマンケーキは,大人の渋い甘味でなかなか上質。さすがJIMMY’S!
 ちなみに――土産は厳正な選考…ってゆうか連日のスイーツ食いの結果,以下の2つが選ばれました。JIMMY’Sの紅芋&シモン芋クッキー。アーンド!石垣島の塩ちんすこう!…惜しくも選に漏れたのは,ポルシェの紅芋ようかん。次までに頑張ってね!!

 ここだけは外せない!東町のジャッキーステーキハウスに再挑戦!…夕方4時ごろの普通一番空いてる時間なのに,何とか席が取れたって感じ。88とか他の店とは比べ難い人気だわ。
 テンダーロインステーキのM(200g)をオーダーする。もちろん血の滴るよなレアで。
 サラダとスープに続き肉塊を載せた鉄板とライスがやってくる。
 けれども結局,ライスは半分以上残した。ご飯が進まなかったわけじゃない。…肉の味に集中してたらご飯の存在を忘れてたのじゃ。
 口に入れると,まずはこの店特注らしいNo.1ソースやペッパー,その他お好みで加えたマスタードとかの芳香が広がる。さらに噛み進めると,それらが芳醇な肉汁にグラデーションで交代してく。…まあそこまではあるわな。
 けど,さらに噛み続けるとです。肉本来の凶暴なむせぶような味覚がこみ上げてくる。ナイチャーの好きな脂のふにゃふにゃ味じゃなく,赤味の,レバーなど内臓系の粗暴でまっすぐな味。
 ここまで連れてってくれるステーキに会ったことがなかった。ウチナンチュの肉文化ゆえか?それとも,今回中味汁などの内臓肉を味わってきた,わしの舌の変化?

 夕方は,開南の懐かしい店「いなか」にした。初回に食った宮古そば専門店です。
 ゆしどうふそばにチャレンジしてみる。宮古そばにおぼろ豆腐,これが結構抜群!


▲いつも気になってしまう奥武山公園脇の店。それを本土土産にする奴は大物だ!