本伝後記11《5ケ月半経過》ワシは…生き延びることが出来たのか?

2009-02-28 09:14
[《5ケ月半経過》ワシは…生き延びることが出来たのか?]

 半減後165日目。体質68.2kg,体脂肪率15.4%。
 よ…よーやくこの数字が出せました!ほぼ半減体重で体脂肪率15%以上。どうやら冬を越せそーな希望がルルルああ希望がそこにルルル(フォルテッシモ)
 気候が暖かくなってきたのと体脂肪の増と,どっちがどのくらい作用してんのか分からんけど,とにかく2月までのよに体の芯から凍える感覚は失せてきました。
 半年近く延々続いた風邪の諸症状も,かなり改善されました。イソジンで喉うがいと鼻うがいを日に2回,あと歯磨きを徹底したのが効いたっぽい。ちなみに,イソジンだけじゃなく,うがいの後は必ず水道水で再度うがいして薬液を洗い流し,長期に粘膜を刺激するのは避けた方がいいみたい。水道水の塩素って皮膚一般にかなりキク。歯磨き→イソジン→水道水の順ね。
 突然話は飛躍するけど――井上靖の小説,「おろしや国酔夢潭」。江戸末期に樺太に漂流した大国屋光太夫とその一行が,大陸横断してサンペテロブルクで女王に拝謁してやっと許可を貰って帰国したら,鎖国の禁を破ったって理由で死ぬまで幽閉されました…って最悪にヒドいお話だけど。彼らが初めてのロシアの冬を死に物狂いで乗り越える描写が圧倒的。そして何人もの凍死者を出しながら,春を迎えた一行の茫然たる安堵感!
 むひょ~!!分かる!分かるぜ光太夫よう,その歓喜がよう!こんな目出度い春はねーよ!!

 てなわけで,何とか春が迎えられそな気配がギンギンに漂ってきたとこで――結局,どこにも参考書の無かった大減量後のケアについてまとめておこーじゃないか!
 …こんなん書いといて「それが,彼の最後の文章となった。翌日,ケータイを握ったまま冷たくなった姿が発見されたのである(合掌。チーン)」とかって…爆笑ネタじゃん?だから…今までは書く自信が全く無かったさあ…

 そんじゃまず,アフター以前に目標体重への到達段階のことから。
 再確認ながら…月平均▲6kgっちゅーのは,やっぱ免停レベルのスピード違反。通説の月▲1kgは安全過ぎとしても(わしの場合5年かかるし…),感覚的には半速程度の▲3kg辺りが実質の制限速度って気がしますな。
 ただ,こーゆーのは勢いでもあるし,何年もやっとられるか!って性格的なもんもある。わしも性急な人間だから…現実的には,せめて,もーちょいブレーキを早めに踏んでれば柔らかい着陸が出来たと反省してる。
 時期は,目標体重到達がハッキリした段階,全行程の9割を過ぎた辺りだろか?わしの場合7kg手前位,75kgライン突破の時期になる。着陸後に振幅した体重のマックス値に近いから妥当なライン。
 方法は――この辺りで,カロリー管理のラインをやや戻すんでしょね。わしの場合だと,何とか停止モードに入れた2100kcalと,アクセル一杯の1500kcalの中間ランク,1800kcal辺りか?
 ただし,それが何kcalかは個性があるから…推奨するのは,行程の9割ラインを越えたら,5%以下のレンジでカロリーを戻すこと。
 わしのレンジは5%だったわけだけど,栄養環境の変化として,カラダへの衝撃度はこれがギリギリだと感じました。最も激しい場合で,レンジを5%上げると体重は一時的に5kg増加した。これを繰り返すのは,やっぱカラダには激し過ぎます。

 さて本論の着陸後です。
 まずは目標体重着陸から,その後半年経過しようとしてる現在まで,体重と体脂肪率の推移を紹介してみまひょ。
半減後経
過日数 体重 体脂肪率
10日目 70.8kg 10.1%
20日目 69.4kg 12.1%
30日目 71.4kg 11.9%
40日目 69.0kg 9.9%
50日目 65.6kg 13.4%
60日目 66.8kg 13.4%
70日目 71.8kg 9.4%
80日目 67.9kg 10.3%
90日目 72.0kg 13.6%
100日目 68.0kg 12.4%
110日目 73.0kg 12.3%
120日目 67.0kg 12.7%
130日目 73.6kg 15.2%
140日目 69.8kg 13.4%
150日目 73.8kg 14.8%
160日目 70.8kg 14.0%
170日目 69.6kg 13.4%
 変哲のない数字が並んでるようで,実は激しい記録なのじゃ…
 体脂肪率は順調に上昇し続けたわけじゃない。途中何度も失速してる。特に40日目や70日目辺り。これは役所仕事が珍しく忙しくて,朝3時帰りが続いた時期です。
 ちょうどそれが,秋から冬への季節の移行期に重なった。この変化は,単に寒さが続く冬よりも,減量後のカラダにはモノごっついコタえました…って数字なわけ,体脂肪率ヒトケタなんてオリンピック選手みたいな数字はッ!!

 だから,同じ道を走る方々への教訓は3つ。
 その1。とにかくカラダを過保護にしましょう。大減量後のカラダはガラスのよーに脆い!そして脆い以上に不安定!!
 産業医は安静期間は1年と言ったけど――不調を感じたら過剰に休息すべし!
 そもそも,不調や快調を感じる脳のセンサー自体,まだほとんど機能し始めてない状態なわけでね。最悪,本当にヤバい体調の時にヤバさを感じとれずに…ある朝ポックリ天国へひとっ飛び~!!サヨナラ~!!――な~んてことになっちゃいかねません。
 その2。代謝促進と食感改善のベクトルを維持しましょう。
 減量の最大の財産であるそれらを,この時期に体調崩したり,あるいは逆に体調を過信することで無くさないようにするってこと。単に惜しいってだけじゃなくて,それが恐らく一番カラダにダメージがデカい。高速回転してるコマを突然止めようとしたら,どこへ弾け飛んでくか分からんでしょ?
 風邪や多忙で半身浴ができなかったり,不摂生をした時,てきめんに体重か体脂肪がガタガタに落ちました。減量中はモウけた気にもなったけど,安定期には恐怖以外の何物でもないッス…
 半身浴とウォーキングと五本指ソックス,加えて控えてたマッサージと酢の飲用まで,全てのツールを総動員でした。絶対止めたら怖いよ!!
 その3。痩せたカラダの弱点を知的に補いましょう。
 体脂肪の減少のデメリットは医学的にハッキリしてる。感染症への抵抗力と耐寒機能の低下。
 けどこれらには,現代人は対処する武器を既に備えてる。――前者に医薬品,後者には衣服です。
 だからとにかく,症状が出たら素早く薬を飲む。長引くことが多いから漢方がベター。ウコンやマカ,朝鮮人参などのサプリメントとか養命酒や薬草茶などのいわゆる精の付くものも。
 衣服は馬鹿みたいに厚着。下着の重ね着,2枚靴下,2枚セーター…3桁時代の倍は服を着てた。その他,発熱するスパッツとかあらゆるウォーマーで武装した。光太夫にもあげたいくらいだわ。

 さて。これらの難しさに決定的に拍車をかけるのは――減量後のカラダがいかにリスキーか?ってことが,周囲の誰にも理解されない点。
 減量体重の維持の成功率は1割。その最大の理由は,これです。
 周囲が悪いわけじゃない。そりゃそーじゃん!減量成功率5%×減量体重維持率10%=0.5%だよ?減量経験者が周囲の半分だとしても,400人に1人しか理解者はいない。何度も嘆いてるよにそんな書籍も情報もないから,経験者以外はまあ理解できないのは当たり前。
 だから。以上3点の注意は,周囲がどんな目で見ようと自力で何とかするしかない。自分が生き延びるために。
 それは――減量そのものより,はるかに孤独な作業です。