本伝後記10《インテルメッツオ2》減量開始後500日経過

2009-02-21 10:14
[《インテルメッツオ2》減量開始後500日経過]

 え~500日目を迎えましたこの佳き日を迎えまして,謹んでたりする気はさらさらございませんで,さらに大胆に戦略をカマしたろかいワレー!…って感じでございます。
 半減達成とその後の体内調整も大体落ち着いてきた。減量の地獄巡りは一通り通り抜けたかな?って現段階で,否応なく最後の課題に直面せざるを得なくなっちゃいました。
 最後の課題――わしはなぜ,こうもスムーズに大減量できたの?
 これはゴーマンに言ってんじゃありまへんえ。減量日記じゃ,気負いと自己暗示上,割と確信的に書いてますけど…正味分からんのじゃ。

 食に関わる勉強と体験を重ねれば重ねれるほどに,この一番身近なはずの疑問はより大きくなってます。
 先に断っとくけど――この章でも,その答えは書けません。解法を探す戦略の整理だけです。
 途中,「別に分からんくていいか」って達観した時期もある。…どーせ太る痩せるのメカニズムは分からんっちゃろ?何読んでもレプチン君セラトニン君にメラトニン君が入り乱れた難しー物語ってだけで,要は何にも分かってないっちゃろ?まあその辺は好きにやっちゃって。わしは自分が痩せれりゃそれでいいし。
 まあ…基本的には今もそーゆースタンスに違いはない。ないっちゃけど…最近思えてきた。一般人が平易に理解できる,ごく当たり前の答えがあるんじゃないか?それなら自分なりの答えを得たいって欲が出てきたわけさあ。
 ホルモンとかタン塩とかの脳科学知見のレベルで解き明かすには,間違いなくわしは力不足。大学入り直して世界トップクラスの研究者になっても解けるかどーかって全人類的な難問。だけど――それしか解法はないんだろか?
 例えば,メラトニンやセラトニンが適度に発せられるのは,要は早寝早起き朝御飯の「ちゃんと規則正しい生活」らしい。メラトニンが出やすい時間帯とか色々御託はあるみたいだけど,そんな事意ったらシエスタをタップリ取って夜更かしするラテン系やら夕食しか食わんラマダンのムスリムはなぜ滅びないの?
 答えのある場所は,恐らく単純な生活リズムのレベル。でも,これほど絶対的に後天的なものはない。確かにホルモンやらカロリーやらリンパやらは登場人物ではあるけど,唯一の主人公じゃない。そして,そのストーリーも無数にあってどれもが完全な失敗じゃない。機械的な,あるいは化学反応めいた,それこそ「ウフッ…バナナ食べたら痩せるワヨ!」的なボタン一つで唯一の結果ってもんじゃない。
 好い生活の形は,無数にはないかもしれないけど,かなり沢山ある。けれど,それらは何か,共通のパターンを持ってる。その中心に仏が在るのじゃなく,そのパターン全体の構造が仏であるような何か――。
 まあ…そんなイメージなんスけど。やっぱ言葉にすりゃ訳分かんねーよな!

 兎にも角にもじゃ!
 そーゆー好ましいパターンに,わしが「減量
としてやってきたことが,たまたま重なったんだと予想するわけ。
 カロリー管理と代謝促進と食感育成。どれも抜本的に生活を変える戦略じゃなく,局所的な戦術に過ぎない。短期の減量やそのフォローにやってただけだし,それで半減プロジェクトのアプローチとしては十分でした。なのに――
 それらをやってるうちに,範疇に収まらないよな地殻変動が起こってしまってる。ここまでは予期してなかった。全くの偶然です。
 一体,何が何を起こそうとしてんだ?
 例えば。パンが妙に美味い。長崎のマルコポーロと広島は三良坂の麦麦のパンを食べてからです。日本風のしっとりフワフワの菓子パンには興味がなくなった代わりに,あの2軒の,いわゆるハードパンに酔いしれ始めてる。
 ここに至ってようやく理解でき始めました。これは,単に新しい味覚が生まれてるだけじゃない。――ハードパンは,ヨーロッパの食事用のパン。そして,最近ハマってきた食材を思い起こすと…豆腐,赤飯,芋,大根,かぶら。
 基本食材ばかりなんだ。どこかの文化のいつかの時代,食生活の基盤になってる食事ばっか。そういう,「ちゃんとした生活」に吸引されてってるみたいなのよ。


▲長崎・中通り商店街のマルコポーロ


▲長崎市街から峠を越えた港町・茂木のオロン。墓場の対面。

 長崎には食文化のレベルで惹かれてるわけじゃない。名物のトルコライスなんかはモロにメタボ食だし,どーしても食う気にならん。きっぱん料理も格別美味いとは思えない。ただ,工夫した斬新な料理を出そうってスタンスが随所に溢れてて楽しい。


▲トルコライスとスペシャルランチ。

 食生活以外に。電気を消して寝るよになった。これまでは逆に,明かりがないと眠れなかったんだけど,あれは無呼吸の関係でどーせ熟睡出来なかったからなんだろか?闇の中での深い睡眠を初めて知り,好むようになってきた。
 朝日が昇る時間に自然に目が醒めるよになった。ごく最近まで朝にとことん弱くて,携帯アラームの3段階波状攻撃をセットしても,3段目で何とか覚醒してたわしがです。目覚ましなしでも7時に,休日は5時にでも起きれる!
 集中力がすごく濃くなった。はかどる時には凄いスピードで事務をさばいてる。ショートカット・キーを指が勝手に使いまくってるのに驚く。
 そのせいか,勤務時間内の労働で十分心地よく疲れる。残業なんかやってらんないから定時に帰っちゃう。結果,日常が非常に規則正しくなってきてる。
 ありきたりの生活の好ましさが分かる体質になったってだけなんだろか?――けど何となく…それだけじゃない気がしてる。
 少なし…これはもう,食感が尖ってきたのだけに原因する現象じゃない。
 一体…何が何を変えつつあるんだろ?