▲AceOne四万十にがり豆腐のはりまや市場ジェノベーゼペースト載せ
▲はりまや市場きびなごフィレのサラダ
うーん…。
最近の高知,着くや否や販売店で買い込む傾向顕著也。
日曜市でもかなり大満足できることに気付いてしまったっつーか。はりまや市場でまず目覚めちゃって,今や恒例のジェノベーゼときびなごフィレを満喫。加えて,定宿化しつつあるスーパーホテルそばのAceOneって量販店でも,厳選すればかなりいい食材がゲット可って分かってきた。
今回のにがり豆腐も…高知の田舎豆腐って沖縄豆腐に似てて食い応え抜群な上に,にがりがガツンと効いてて。
そう言えば最近は,豆腐に醤油をかけることがめったにない。豆腐ってもっと遥かに自由に食って美味い食材。ジェノベーゼとかサラダ感覚で食うと凄まじく華やかな一品に変貌すんの!
▲はりまや市場 さつまいもアイス こりゃめった
晩秋。芋の季節がまた巡ってきました!
これは季節感的には大ハズレなんすけど──はりまや市場のアイス。
最高!
何度でも繰り返すけど,芋はスイーツ使いも絶品!バニラ並みの甘味の深さをそのまま生かしたら…こんな形でも凄い味が出せるんやね。
他にもこの店,カボチャとか米とか,手当たり次第にアイスにしたのを置いてる。この創造性は日本的に希有だし,この食材アプローチはイタリアにもない。
▲11月日曜市の野菜屋店頭は芋だらけ
芋!
芋じゃ!
凄まじい量の芋が連なる店頭が続く。それも多彩に続く。薩摩芋,赤目芋,田芋と種類も多様だし,秋口の初物時分と違って,素の芋だけじゃなく東山を初めふかし芋,芋餅と日持ちする加工品の季節に入ったから?同じ東山でも色も固さも多様だし。
とにかく我が日曜市の原点,東山じゃ!!
先月は探し回ってやっと見つかる程度だったのが,今月は選ぶのに困るほどズラズラ!
4丁目南の水田さん(234番)と1丁目北のお名前の分からん店(25番)で購入。
吾川郡いの町から出店の水田さんとこのは,薄くて黄色い。これが意外に硬くてガチガチ。25番さんのはドス黒々。これが意外に柔らかく粘る。それぞれパックで300円と200円。
どちらも広島に持ち帰って,ご飯代わり。高知に残ってるらしい朝飯に焼き芋食う感覚を知ってから,わし的にはもうこれ奇異でもなんでもない。芋は主食です。それも最高に美味な──。
▲11月日曜市にて今一度の東山(25番さん)
▲ついでに芋繋がりで──鹿児島市天文館フィスティバロの唐芋ケーキ6種詰合せ
高知のストレートな芋味より,変化球をきかせた繊細で複雑で物凄く多彩な唐芋のスイーツ
芋と言えば,5丁目北の西村さん(434番)とこでも
むかご 400円
を買いました。
袋入りの数珠玉みたいなお馴染みの格好。
味の方は粗塩炒りを体験済みではあった。コリコリした食感,底知れない小芋味の深み。
でも日曜市のはさすがに!その上を行くクオリティでした。七色の芋味…って何のこっちゃ分からんけど,とにかく芋の味覚の複雑さ,歯応えプラスのほのかな粘り…凄いの一言!
Webのキャッチは──「本物指向でやっています。高知を知ってもらい良かったと思っていただける品物をより安価でできるような,そして新鮮なもの,そういった商品です。」
どーいった商品じゃ!!と突っ込む必要は,一口食えばありえない。いー品です。
この機会にむかごの復習──漢字表記は零余子。種子とは異なる植物の栄養繁殖器官。葉の腋や花序に形成,植物から地面に落ちた後,これが発根して新たな植物体に成長する。
種類としては,葉から球根みたいに変質する鱗芽(オニユリなど)と,茎が肥大化して芋状になる肉芽(ヤマノイモなど)がある。どちらも根茎の形になる点で,地上で生まれる不定芽と異なる。
むかごをもつ植物の代表は,オニユリ,ヤマノイモ,ノビル,ムカゴイラクサ,シュウカイドウ,ムカゴトラノオ,ムカゴネコノメ,ムカゴユキノシタ,カラスビシャク,タマブキ。
栽培に利用されるのは主にヤマノイモなので,日本では単に「むかご」と言えばヤマノイモのむかごを指す。灰色で球形から楕円形,表面に少数の突起があり,葉腋に出来る。
食べ方は,そのまま塩でゆでたり煎たりの他,米と炊き込むなど。零余子飯(むかごめし)は晩秋・生活の季語。
さてそろそろ芋を離れまして──428番,5丁目北開店の日比さんのお店で頂いたのは
かつおめし 250円
かつおを混ぜた飯ってだけかと思ってました。ライス代わりに買ってみただけだったんだけど…。
炊き込みご飯らしい。醤油は淡くしか効いてない。ご飯粒に染み込みまくってるのは──かつおから出た出汁。味覚の複雑さから言って,炊き汁にもかつお節中心の出汁を使ってるかも。
米を噛み締めた後の甘味が,かつお出汁の力を借りて素朴に力強い。新奇な味じゃない,親しみ深い,ちょっと醤油のきいたかつお味ってだけなんだど…輪郭クッキリって感じの魚出汁。混ぜこんだかつおの身が同じアプローチのインパクトになってて…実にいい!ダイレクトにいい!
日比さんは市内の宇津野から。市街地から北西,山間部に入ったあたりで海とは反対側。主要な販売品は生姜,きゅうり,なす,ほうれん草,小松菜など野菜です。かつおめしのついでに買ったこれも美味!
ちゃーてかす漬け 100円
こりゃ…ここだけで生野菜と漬け物とかつおめしの健全な朝飯が買えゆうで。
ってのはともかく…ここの販売品,宇津野って土地の古い食生活の代表格が並んだ感がある。直接かつおの捕れない山里での加工食として,このかつおめしは重宝されてきたんだと思われます。少し海側の城周辺ではたたき。素材の流通にやや不便な風土で,美味への独創は生まれてくんでしょう。
とまで結論づけていーのかどーか知らんけど,この日曜市って食民俗の生きた博物館みたく楽しむことができるんかもしれません。
▲かつおめし(かつおの炊き込みご飯)
5丁目南の島本さん(378番)とこで
おいしい酢かぶ 200円
ってダンボールの表示発見。
…なんか分かりやすう。百円玉2つ渡してみたら。
漬け物を巻き込んだビニール袋にセロテープ貼りながら,おばちゃん異様にあたふた。「あーもー…寒いとのりがひっつかんき」
「…ゆっくりやって下さい」
お味は,お人柄通りに分かりやすく穏やかで安らげる素の野菜味。微かにきいた柚がいい。おばちゃんアリガトね!
▲かぶのゆず味漬け物
娘の遠足で弁当箱にぬたを詰めたら,キャラ弁の友達に混じってプウンと臭うぬたを食うはめになった娘が大激怒──って話がサイバラの毎日母さんにあった。
そんなこと連想しながら390番,5丁目北開店の永野さんとこで
にんにくのぬた 150円
干し柿 200円
を買いました。
「コレ,今の季節しかできんのよ」お代を受け取りながらおばちゃん。
え?柿はともかく…「にくにくも?」
「葉っぱは今しかないんよ」
あ…瓶詰めのドロドロした液体を見る。真緑。そうか,葉っぱから作るんか?
▲にんにくのぬた
にんにくの葉を使うのは,高知の食文化独特の風習らしい。あんま有名じゃないけど。
高知の古い料理では鯨の煮食いなどすき焼き系の青味(薬味として)のほか,この味噌ぬたがある。
青い葉っぱが主。根っこの部分,つまり結球した通常のにんにくイモ部は付いてない。にんにくイモから発芽した葉っぱ部分のみ。
時期としては,調べたとこでも冬時期が旬,とゆーかこの時期しかホントにないみたい。
これがいわゆる葉にんにくと同じかどうかは自信がないけど…普通の玉にんにくとして収穫する場合,株全体で葉っぱの3分の2以上が黄色く変色したところが適期だけど,葉にんにくなら葉っぱの数が5~6枚,草丈が30㎝以上,茎長が15㎝以上になったところで若どりするそうです。つまり収穫時期の違い。
あ,干し柿も買ってたんだ!
これ…マジでとろけた。
何なんだこの旨さ!?
粘るよなマッタリ感,あっさりしてるのに舌に絡みついて離れてかない不可思議な甘味,そして他で全く味覚したことのなかったのが──クッキリと脳裏に刻まれる渋い野菜味!
降参。これをいきなり理解するにはわしの舌はまだ未熟過ぎる。
もう旬を過ぎてるから来年になっちゃうけど…もうちょっと柿食い慣れてからまた挑戦させてもらいます。
▲干し柿
2丁目北開店の植田さん(128番)は八百屋さん。
路地のきゅうり 200円
ってダンボールの看板表示。何かソソルんで百円玉2つ渡してみた。
「これ路地のやけんね甘いがよ」とおばーちゃん。「持ってきたらみんなが買うてくれるがよ!で今日はこれが最後」とホントに嬉しそに語る。
なるほど日曜市って…マーケットである以前に,農家(しかも市街近郊)の高齢者の生きがいみたいなもんになってんのかもしれん。元気な高齢者が健全な食感覚を支える。
この構造,結構高知の食経済の根っ子かも?
舌を軽く痺れさせる渋さと甘酸っぱさの中間音。
今や…すっかりフリークです──ゆず皮の甘煮。
36番,1丁目南の岡本さんとこ…って何回書いてんでしょーか?
販売品種のWeb情報では文旦,東山芋餅の次にゆず皮の甘煮が来てます。そんで田舎寿司,田舎饅頭と来るから──要するに田舎系デザート勢ぞろいの感がある。柚子の皮の甘煮と100%文旦ジュースは,季節限定なんだって。
例の50年程前から日曜市に出店してるお家。
▲ゆず皮の甘煮
3丁目北の188番のお店でかぶの新漬とキャベツの漬け物を各100円で。
4丁目北の麻岡さん(275番)とこで「きずフルーツトマト」表示のを250円で。
漬け物っつっても…こりゃほとんどサラダ的な新鮮さでピッチピチ!フルーツトマトと一緒に食っても違和感ないどころか,トマトとピクルスの感覚で相性ばっちし。
もしこいつらをトッピングしてパケットに挟んだら?…高知の食い物とパン食の意外なマッチングに,何となくイメージが及び始めてます。
▲キャベツの漬け物
お馴染み5丁目北の吉本のあわせしょうが。
ただ,わしら高知県外人には大変分かりにくい。でも…生姜だろ?
だもんで,通りかかってもやはり手をつけにくい。けど…生姜だろ?
って状況で,実は未体験でした。ただこの日は,寒くなってきたからちょいヌクいもんでも…ってノリで100円玉を渡してみただけ。
あわせしょうが 100円
「あったかいのでええ?」と確認される。もちろん!…夏場は冷たいのも飲ますんやね。
頂いた紙コップを街角でチビリ。
あ!…凄!
普通は鋭い苦味に隠れる香気が,鼻孔一杯に広がる良質の生姜。この香気がそれ以上ないほど生かされ尽くされた上質で引き締まった甘味。朝の一撃には最高じゃん!
Web情報では──「あわせしょうが」は土佐生姜100%を使って無添加,生絞り,釜炊き,手作りで造っています。飲料用として料理用として貴方の好みにあわせてお使いいただけます。
なるほど,瓶詰めも売ってたから生姜焼きとか作ったら凄いな。香気を殺さない辛さならカレーとかも面白い?
にしても生姜かあ…この身近な食材,こんな底知れない旨さだとは。
「ほしか」って何?
1丁目南桑尾さん(9番)とこで買ったパックの
ほしかとあんこの炊いたん 200円
ホクホクで独特の淡い複雑な甘味。旨かったのに何なんか分からん。
Webで検索すると──ほしか【干し鰯/乾し鰯】とは,脂をしぼったイワシを乾して作った肥料…って違うだろ?
長崎県松浦市のほしか保育園子育て支援センター?和歌山県田辺市のほしかや陶器店?…違ーう!
柚子を丸ごと使ったお菓子,星加のゆべし,愛媛県西条銘菓…食べ物ではあるけど違う。
あ,これ?──高知でほしかとは干し芋のこと。芋を乾燥させて粉状にして,ほしか餅を作ります。干し芋のようなお餅でねっちりして美味しい。
つまり干芋の粉食らしい。チベットやアフリカに残る粉食形式,日本にもあったんやね!
てことは,わしの食ったんは──小豆と干芋の粉を炊いたもの?砂糖の甘味を借りずに,この2つの複雑な甘さをダイレクトに味わうブレンドスイーツだったわけ。
…そりゃあ,旨いわな!
にしても,また芋!
なお,東山の名は「山で採れた干菓子(ひがし)」だから。…京都由来かと思ってた。
▲あずきとほしかの炊いたん