「決定的打撃を受けた連邦にいかほどの戦力が残っていようとももはやそれは××である。
敢えて言おう。カスであると!」とギレン・ザビは全国民に宣したが…あの「カス」は敢えて言ったからどうなんだ?と昔から疑問である。
さて所変わって沖縄県であるが,新都心は沖縄のニッポンである。
復帰したCoccoも嘆いてるわけだけど,わしにはそれだけにも見えない。内地にカブレた振りをしながら,実は堂々と咀嚼して元を取ってる,そんな新しい沖縄のタフの形に見える…のはナイチャーの視点なんでしょか?
3日目朝はそんな天久新都心のモーニングから始めました。Tida Cafe。
スープセット 600円
一軒家。沖縄らしからぬ,けれど新都心らしいオシャレな店です。
トーストセットだとそれなりにガッツリしたモーニングだったみたいだけど,スープセットはスープこそ小壷に入って多量だけど炭水化物はパンケーキ一切れ。
まあ旨い。旨いけど完全に内地のモーニングですな。名の割に沖縄っぽさはない。
新都心の新都心たる由縁めいた一食からスタートいたしまして──さあ次行ってみよう。
オハコルテというスイーツ屋がちょっと調子づいてると聞くので,松尾店へ寄ってみた。
県庁脇の坂を上がりかけたエリアはちょっとオシャレスポットになってきてる。この中にあるムチャクチャ上品&高級そうな店です。
地下に降りてお茶を…と思ってたら,なぜか複数のトンカチの音がする。何かの習いモノ教室やってるらしく,お茶でくつろげそうにない。やっぱテイクアウトにしようかね。
濃厚なチーズのタルト283円
かぼちゃと洋なしのタルト451円
タルトサンドグランベリー210円
宿で食すると,かなり良かったけど,かなり内地的。沖縄っぽい不味さがない。──最近思うけど,何か美味さより,地域に根差した「不味さ」の方に楽しみを感じちゃうようになってきてるよなあ。
来てから知ったけど,実は春節です。
老舗はかなり締まってます。心配になって「あやぐ食堂」へ電話してみたら,ここは老舗だけどやってるそうなので──。
肌感覚ですが,何か,沖縄全体が吹っ切れたように躍動し始めた印象がある。ゆいレールからそれを確認したくなったのも一つある。
壺屋から終点・首里まで乗車してみよう。
牧志。
新しいビルがあちこちに生えてきた。牧志からとまりん辺りの再開発地区が中心みたい。牧志の東にもダイワホテルが建ってました。
安里。
陽光。ウィークリーマンションがやけに目立つ。
おもろまち。
丘の上にダイワネットと…何やら円柱型の大施設。以前は空き地だらけだった天久の逆方向の空き地が,今まさに建設ラッシュで見違えるよう。
古島。
天久の北側に広がる住宅地,既に本格的な密度になってきてる。怪異もなんのそのである。
市立病院前へ右折して傾斜を登る。
松島小学校界隈はコンクリートの怪物みたいなレトロみたいな異様な景観になってきました。
儀保。
このあたりはやっぱり閑静な傾斜地のまんま。いや…ポツポツと新しいマンションが混じってきたか?どうも屋根や建築法が工夫してあるらしくそれほど目立たないが。
終点・首里。海が煙って見える。この辺りにも新建築が目立つ。
なるほど,やっぱり全然違ってきてる。止まってた資本の流れが堰を切ったような奔流になって,新しい那覇が孵化していく気配あり。
あやぐ食堂。こことも永~いお付き合いになります。
Bランチ 730円
そう言えばAとCは経験あるけど,Bは食ったことなかったな。それと洋食系を一食は頂たいな,と…。
来た。これは──韓国料理的にお膳マップが必要ですな。
┌ プレート ┐
① ② ③
⑧ ④ ⑤
⑥⑦
└ ┘
⑨ ⑩ ⑪
①沢庵
②サウザンサラダ
③マカロニサラダ
~容赦なくどぎついマヨネーズ味
④天ぷら4つ(白身魚,人参,唐辛子,青身魚)
~これがBの特徴らしいが…軽くサクサクというナイチャー好みの歯応えとは異次元。ボッタリと厚い衣で,ほとんどドーナツじみてる。でも熱いとバカみたいに旨い!ウチナー天ぷらここにあり!
⑤トンカツ
~ビッグ以来の感動的なむせかえる肉味。衣はかりかり。何もかもが和食のトンカツと異次元。何でこの味が内地にはないんだろ?
⑥チーズのせサラミ
~いつも思うが…このちっちゃな半切れが…これが死ぬほど旨い。ポンと口に入れてから,ああっ,ちょっとずつ食べるべきだった~と後悔する。
⑦ポーク卵
⑧ウインナー2本
~何かコレだけは普通。不味いわけじゃないんだが…。
以下は膳の外。乗り切らんのだろな。
⑨天ぷらつゆ
⑩ご飯
⑪そば
やはりスゴい!ヤケクソとしか思えない多彩さと多量さ!沖縄にハマった最初のスイッチは,ルビーとここのAランチだったよなあ。
健在!揺るぐことを知らない!
▲何かオシャレになってきた「あやぐ」の玄関口。中は前のまんまの大衆食堂ってとこがテーゲーで沖縄らしい。
帰路にて。
儀保。
緩い傾斜地,傾きは5度ほどか?施工主泣かせだなあ。
市立病院前。看板によるとこの病院は地方独立行政法人らしい。施設は古そうだから,法施行後の衣替えでしょう。大変だろな。
古島。
この緩斜面はとにかく住み易そうな住居地です。
おもろまち。
DFSの観光客は少なくなってきたか?けれどかなりの乗客が乗ってくる。賑わいは本物になりつつある。
安里。
ここから北の首里城へ伸びる斜面,ここは昔のままみたい。開発の難しそうな道ごちゃごちゃのエリアだからな。近い将来,ガバッと区画整理されるような気がする。
牧志。
下車客半数程度。
車内広告に気づいたが──何じゃそりゃ?「ウチナーンチュだって癒されたいんだ!宮古島」
美栄橋。
むしろこの辺りに赤レンガの屋根が多く残ってる気がするのは気のせいか?
バイクのあるうちに行っとこう。
天久,ル・パティシエ・ジョーギ。アルファベット名「Le・Pattisier・Jyo-gi」は何語なんだ?
(今やっと調べて分かった。オーナーの名前「平安名常儀」(へんなじょうぎ)さんだからだって。→つまりこのヘンな人が?)
ピラミッド
マスカルポーネ
シブスト
計970円
商品名も…どこの路線か分からないぞ。
何ともヘンなゴージャスさ,溢れかえってる客と,とにかくお祭り気分なお店です。
お味の方は──けれど,なかなかに渋い!フワフワの生地にごく滑らかなクリーム。いずれも素材の元味が発揮された上品で繊細な味わいでした。特にシブストは素晴らしかった。
これは,違う。内地もどきと言うのとも違う。
内地の細やかなセンスを容れつつ病的でない。沖縄の大胆な味覚を残しつつ荒くない。──それらを咀嚼して融合した,いわば第三世代のスイーツもまた生まれてる。
驚く事じゃない。それこそ沖縄のお家芸ですから。
近い将来,タコライスやポークたまごに匹敵するような新・沖縄スイーツが登場するような予感がある。
▲安里てんぷら屋の天ぷら。写真で見ると……ひどくみすぼらしい。でも旨いんだよなコレが。
黄昏深まるむつみ橋通りを歩いてたら,手が出てしまった。あやぐの天ぷらがえらい美味かったし,アチコーコーだったし,何よりコレを軒先で売ってたお店が小さくてものすごい雰囲気良かったんで──。
うむくじ 65円
いんげん 40円
いか天 40円
値段もコレどーなっとんじゃろ?こんな価格,内地じゃスーパーでだってないど?
宿にて食せば,やはり衣がほとんどパンケーキ状態。インドのパコラも衣は厚いけど,あれは悪い油で低温でグチグチ揚げてガチガチになってる。沖縄のはブヨブヨ。和食の天ぷらの一部にあるフワフワさとも遠い。わざとやってるとしか思えない柔らかさ。これは,衣じゃなく揚げパンと見るべきなんじゃないか!?つまり,野菜アンパンとか魚肉アンパンみたいなものとも取れるわけです。
さて,インゲンとイカはそれでいいよ?問題は「うむくじ」です。──このお店は一応商品名を掲げてました。手書きだけど,確かにそう読めた。
誰なんだアンタ?
さっきの「アンパン」感覚で一番美味しく頂けたのは,実はこいつでした。プニュブニュな食感,芋っぽい淡く太い味わい,それと…この独特な香り。食感はタピオカなのに,味はガッツリとタピオカとは似ても似つかない。何の芋だ?それに芋ってこんなタピオカみたいな食感になるのか!?
実はその日は,「まあ美味いんだからいーか!」とそのまま食べちゃいました。謎が解明されたのは記録を整理しとる今さっき。
■レポ:うむくじ
[材料]さつまいも,紅芋
[用法]保存食。芋が主食だった時代に,年を通して食べれるよう開発されたと推定
[製法]さつまいもをすり,でんぷんを取り出して(紅芋を混ぜ)乾燥させて瓶に保存
[語源]「芋くず」がなまったもの
[料理]うむくじぷっとぅるー:うむくじを使ったお好み焼きみたいなもの
というわけで,次のターゲットは「うむくじぷっとぅるー」。お神籤で太る,と覚えとこう。
▲ねこカフェのねこまんま(の看板)
どう解釈したもんでしょうか!?ねこカフェに連れて来られる猫のためのエサなのか,連れて来る,または連れて来なくても人間の食べれる「ねこまんま」なのか…?
なお,最後に一言。
しつこくて恐縮ですが,冒頭の「カス」発言問題に戻るが…漫画「ガンダム・オリジン」では,この「カス」発言にジオン兵士がドッと沸き立つ様が描かれる。
コロニーで暮らすと笑いのセンスもニュータイプ化するのだろうか。将来宇宙に住む(のか!?)時が心配でならない。