外伝09♪~θ(^5^ )第五次香港
最後天(復)

▲ビルの谷間をゆく その1

[前期繰越]
/負債 342

0745蓮香楼
ポーレイ茶
馬来カオ
馬来饅頭300
1045楽心[ン水]室
三文治餐([ロ寸][ロ寸]蛋,[女乃]茶)250
2300帰着の宴1000

[今期計]
費用1800/収益1600
/負債 200
[今期累計]
/負債 542

帰国路や今次もリュックは茶葉だらけ
 昨夜はぶっ倒れてそれっきりになるほど疲れてた。太股がギシギシ音を立てとる。
 昨夜の三思堂のニ種類の茶葉がトドメになって,かなりの荷物量。わしは行商かと思うほど。
 パッキングを何とか済ませた。全く,リュックというものはこの量がよく入るもんだと感心する。
 身体も荷物もありったけ。かくあるべき帰国の状況です。
 まあ,とにかく蓮香楼。残り時間は3時間強。

▲蓮香楼のポーレイ茶と馬来カオ

 7時45分,蓮香楼。
 この時間にのこのこ来るのはやはり失敗。既に場内は座る席もほぼなく,おしゃべりの喧騒の渦がごうごうと逆巻いてます。ただしこの時間ならワゴンは頻繁に巡ってる。運よく席にありつくや,目当てのワゴンがやってきた。
ポーレイ茶
馬来カオ
馬来饅頭300
 ここのところハマってる馬来カオに決める。
 馬来カオ。黒糖の甘味はほんのりと味わえるが,後はその豊潤な香が中華饅トウのホクホクの小麦香と一緒になって香り立つばかり。
 馬来饅頭。百合か何かの種と小倉あんが素晴らしいアクセント です。
 やはり素晴らしい。黒糖の香に酔いしれつつ,残り少ない香港の熱い空気の中へ,再び。

▲蓮香楼のポーレイ茶と馬来饅頭

 時間がなくなった。既に10時45分。銅鑼湾の盛り場に見つけてた楽心[ン水]室という店に飛び込む羽目に。
三文治餐([ロ寸][ロ寸]蛋,[女乃]茶)250
 壁の写真を見るとモノクロの街頭の交番台に立つ軍服めいたポリス。前世紀初頭よりは前の創始らしい。
 [女乃]茶の紅茶は酸味,渋味なく落ち着いた重量感。ミルクも重く静謐な乳臭さ。全体として派手さのない非常に腰の据わった[女乃]茶になってる。
 サンドイッチは…このパターン,あれ?どこかで食べた記憶が…?
 スクランブルエッグに全く塩や胡椒の味付けがないんである!食パン(焼いてもないし,バターを塗ってるわけでもない!)にこのタダの卵炒め…まあ単なる失敗と言えばそれまでです。
 はい終わり。

▲楽心[ン水]室
三文治餐([ロ寸][ロ寸]蛋,[女乃]茶)

 …みたいなことを,この店は明らかに初めてだから,どっかで類似の味に出くわして,悔しがった記憶がある。確か…あれは湾仔の[ン水]室です。
 これは…実は単に失敗じゃないんじゃないか?
 卵の地味に食パンの麦香そのもの。このシンプルな取り合わせは,菜包の感覚に近い。つまり,インドや四川中華の刺激味も,洋食の濃味も,和食の旨味も,台湾の滷味も全く無視。それらの下にある広東の滋味。ここにのみ,卵の重く甘い地味と食パンそのものの麦香がスッと立っている。ただそれだけの味。
 そういう味覚の有り様を普通に味覚しうる,それが,まさに広東だったんじゃないか?

 実感はしてたけど,完全に出遅れた
 11時10分。 HK-Hortelカウンター脇から荷物をピックアップ。
 11時15分。 地下鉄銅鑼湾駅プラットフォーム。
 11時35分。 エアポートエクスプレス香港[立占]から乗車。なかなか驚異的な早業だけど,現時点で離陸2時間前丁度。ギリギリだぞ?
 墓だらけ丘を過ぎ,ナウシカ駅(青き衣)へ。スケキヨの入江を右手に屯門対岸に入る。
 何度目になるんだろう?これから何度わしはこの至極の街を訪ねるのだろう?そしてその度に,この街はどんな変貌を見せてくれるのだろう?

▲ビルの谷間をゆく その2