外伝03-FASE34-@deflag.utina2610
ちゅにくるさってんねんだりしが,ちゅにくるちえねんだらん

(他人(チュ)に殺(クル)さってん寝んだりしが,他人に殺ちえ寝んだらん)
[和訳]他人に痛めつけられても寝ることはできるが,他人を痛めつけては寝ることができない

▲夜中の沖縄そば屋

⊆うちなーぐち辞典/沖縄の諺

「この沖縄という島で,僕はなにをしてきたのだろうか。」
新書 沖縄読本(下川裕治+仲村清司 著・編:講談社現代新書,2011)
「沖縄ブームの落とし前をつけなきゃいけないんじゃないですか」

仲村清治+宮台真司「これが沖縄の生きる道」亜紀書房,2014
「日本から見れば『沖縄が自滅』していく道もありありと見えてしまうのである。
 日本が半世紀かけてたどってきた道を,沖縄はいま,その何倍ものスピードで突き進んでいる。おそらくあと十数年もすれば那覇の人は故郷(パトリ)を失ってしまうだろう。
 つまるところ,宮台さんが路地裏の先で見たシーンこそ,沖縄がなりふりかまわずやっていこうとしている生き写しの風景だったのである。」
「〈希望ベース〉で自立できる未来構想を切り拓けるか,それとも,〈恨みベース〉で日本に隷属し続ける『一地方』に成り下がってしまうのか,そのことが試される時期が来ている。
 沖縄の置かれた状況は,ことほどさようにきわどい。」

「腐れヤマトの暗躍断とう」
昨年2013年の琉球新報記事の表題
辺野古問題の国会議員

 一体,何回目の渡沖になるんでしょうか?
 下山さんじゃないけど,ここでわしは一体何をして来たんでしょうか?
 この島の空気を吸った途端に共振を始める,チムグクルの底の何者かが在ります。
 少なくとも,その何者かが,この邦の大地を歩む度に少しずつ,本当に少しずつ実体化し,ある臨界点で再びの共振に猛烈に飢えさせるわけで。
 つくづく不可思議な島です。

[前期繰越]
    /負債 903

10月31日(金)
1045 ドトール
チョコバナナミルクレープ 250
アメリカン
1930 空港食堂
ちゃんぽん 550
2030大衆食堂むつみ
てびち汁 600
明治 紅いもタルトアイス150
まんまるちんすこう工房 まんまるちんすこう 粟国島の塩味150
[今期累計]
消費1800/収入1700
    /負債 100
[前期累計]
    /負債1003

▲空港食堂のちゃんぽん

11月1日(土)
1930 空港食堂
ちゃんぽん 550

 異様だ!異様に美味い!
 ラストの客だったらしいこの食堂,入ったのは初めてだったんですが。
 食器をセルフで返す安食堂です。この第一食目のちゃんぽんも,まさに野菜炒めのぶっかけ飯,ただそれだけと言えばそれだけ。
 しかし…美味い!紛れもなく美味い!
 カツオ出汁が野菜と一緒くたになってご飯に染み込んでる。違いと言えばカマボコが入ってる位。それもまあそれだけだし,いかにも安っぽいんだが…。
 おそらく,出汁が違うとかだけでなくて,中華風に最後にカツオ出汁で煮炒めるとか工程の差が出てるんだと思う。
 それと。これも意外に感激した,つきだしの汁のソーセージの煮汁みたいに感じた旨味。この肉の油脂の生かし方が,ちゃんぽんの方にも微妙なところでアクセントになってると思う。
「ケースのライト消して!!」と聞こえた後,厨房のおばちゃんたちがおもむろにスバを啜り上げ始めました。
ゆいレールの駅ごとのメロディーが懐かしく耳に響きます。
 第何次になるのか,もう忘れてしまいましたけど…とにかくFASE34序章。開幕させて頂きまする。

 美栄橋着が8時前で,ジュンク堂が開いてたんで,沖縄本を物色する。
 絶句した。
 11月16日,つまりあと半月で沖縄県知事選という今日,ジュンク堂の売行トップ5のうち4つを沖縄ナショナリズム本が占めてた。
 第一位の仲村清司+宮台真司「これが沖縄の生きる道」(亜紀書房,2014.10.8)を購入したけど,沖縄独立国憲法草稿が載ってる本まであるぞ?
 表の歴史上でも,この邦は正念場を迎えようとしてる。少なくとも,ウチナンチュはかなり明瞭な陰影でそう自覚してる。そう感じました。ナイチャーの目に映るより遥かに強烈に。
 この時一緒に選んだ「おばあタイムズ」をレジに持ってくと「これは見本なので」とダッシュで取り替えに走り,汗だくでレジを済ませたお姉さんが印象的でした。つーか,見本本は見分けろよな,わし!
 サンキョウに入居。いつものように「前にも泊まったので」といくら言っても宿の入退(カードの使い方にちょっと癖がある)の説明を止めようとしないオジイ,こちらはいつもの通りに印象的。つーか,疲れてんだからもういーよ,説明は。
 …という状況を気の毒そうに見守ってるカウンターのお姉様もまた印象的。つーか,見守ってないで止めてくれよ!
 ――と心で叫んでたら10分近くなったオジイの説明の最後頃になって「前に泊まられてるんですよね」とやんわり助け舟。つーか,遅せーよ!つーか,オジイ,それでも説明止めねえのかよ!

 国際通り。三越脇の通りの角にはA&Wが出来てました。ちなみに沖映側にはバーガーキングが。どんどん資本に食い荒らされてってます。
 しかしこの店は健在。

▲むつみのてびち汁

2030大衆食堂むつみ
てびち汁 600(1400)
 沖縄名物大人お子様ランチ「スペシャル」(他店のアルファベットランチ)を頼むつもりで訪れたんだけど,席に座った途端になぜか目が惹き付けられた「てびち汁ね」と注文してました。注文してすぐ「あれ?でもここのてびちって2回くらい『しまった!』な思い出が!?」と気付きます。
 しかし…!?
 舌というのは常に基準点を持ってます。てびちで言えば,これまでは嶺吉食堂のてびちが基準点でした。那覇港のあの名店が閉店(食べログに曰く「都市計画立退きの為,H25年12月26日(木)が営業最終日」)し,最初にここのてびちを食すれば――。
 いい!
 嶺吉のてびちドドーン型(何じゃそりゃ?)じゃなくあくまで「てびち汁」。てびちそのもののトロトロ度も捨てたもんじゃないけども,コラーゲン熟熟の汁が…これ牛汁や山羊汁に使ってあるような何かの中華スパイスでなんだろか,実にうまくコントロールされてるんですね。
この汁にたっぷり入ってる野菜,これが以前のわしにはお気に召さなかったと見受けられます(自分だけど)。でもこの汁に浸かった人参,昆布,蓮根…最高だぞ?さらに最高峰に達しとるのは島豆腐。湯豆腐的な感覚なんだけど,ムチャクチャにスーパーな美味だぞ?
 確か以前この店の常連とオヤジの話を盗み聞いた所では,そもそもこの店が今の安定度を保ってるのはこのてびち汁ゆえだと言ってた。恐らくは沖縄で慶事に供せられてたてびち汁って,こういうもんだったんだと思います。
 店は満席。半分はナイチャーみたいだから何とか撮る気になりはしたけど,写真もそこそこ恥ずかったほど。ただシマンチュを含めて頼んでるのは「スペシャル」「ポーク卵」。このてびちがある店で,です。――以前既に載せた「中味汁」「フーチキナー」などの絶品もあるのに,です。
 沖縄の食は,目に見える形で旋回しようとしているみたいです。
 長寿県が肥満県に転じたからと言って,それは決して「崩壊」を意味するものではないと見てます。文化の展開途上で,一面から光を当てれば醜悪な影が落ちるということは,むしろ当然。
 問題は,その旋回が最終的にどの方向へ落ち着くかということです。もちろん,その可能性の中には「崩壊」も含まれます。
 そして,それが食のステージだけの状況を意味しないことはかなり自明のこと。
 この邦は,ここ数年で本当に正念場を迎えようとしてる。そんな気がしてなりません。

▲明治 紅いもタルトアイス150

まんまるちんすこう工房 まんまるちんすこう 粟国島の塩味150

 明日からの三連休を当て込んだ観光客に混じって(てゆーかわしも確実に含まれますけど)歩く国際通りのファミマで買ったこの2品がまた,いずれも場外ホームラン!
 紅いもタルトアイス…芋とアイスの相性は高知で体験済だったけど紅いもの円やかな甘さってこんなにバニラにぴったり寄り添えるのか!!
まんまるちんすこう…雪塩ちんすこうほど塩に頼ってなくて,塩とちんすこう本体がいずれも声を失ってないこのバランス感覚!
「まんまるカフェ」(南城市知念安座真)のお菓子が増長してコンビニに置かれてるらしい
▲まんまるちんすこう