外伝03-FASE40@deflag.utina2709#
砂糖ぬ甘さとぅコーレーグスぬ辛さ取れー何すが

※ 砂糖ぬ甘さとぅ コーレーグスぬ辛さ 取れー何すが
読み方
サーターヌアマサトゥ コーレーグスヌカラサ トゥレーヌースガ
解説
【訳】砂糖から甘さ 唐辛子から辛さをとったら何がある
砂糖の甘さ、唐辛子の辛さのように、人間にも一人一人個性があり、それは尊重されるべき大切なものである。という事を述べています。
[今期累計]
支出1650/収入1720
負債 70/
[今期累計]
    /負債 76
§
9月28日(月)
0900 A&W国際通り牧志店
メルティライト250*0.8=200
ルートビア
1100 はつみ食堂
ゆし豆腐 400
1150えんがん
魚汁 550
1700識名そば
骨汁定食550
[今期累計]
支出1650/収入1700
負債 50/
[今期累計]
    /負債 26
§
→9月29日(火)

▲はつみ食堂のゆし豆腐

 11時。パイプライン通りを通る度に気になってたボロボロ食堂に向かう。前回結構マニアックな人気のある店と聞き,歯ぎしりして見送った店です。
 はつみ食堂。
ゆし豆腐 400
 中に入ってもやっぱりボロボロ。グランドよりはやや小綺麗だけど,あんまりデートには向かない。
 しかしポツリポツリと客が来る。ジャージ姿とかで,明らかにそこらから歩いて来ました的なおっちゃんがむっつりと座り込む。
 パイプライン通りはこの類の店がポツポツと残ってるようです。味というより,まあほっとできる店ですね。

▲えんがんの魚汁

 11時50分。えんがん。
魚汁 550
 疲れでダラダラになってきてしまってますが,とにかく今回もここに来た。
 料理の発達してるとこでは食材の名前が多彩になる。例えばイタリアの市場の野菜の種類は日本のスーパーの数倍に及ぶ。その日本ではスーパーでも魚の種類だけは多く,それは中国の市場へ行くとよく分かる。
 そこへ来て「魚」である。これを「貝汁」とか「ふぐちり」とかのように区分しないのは,簡単に言えばウチナンチュが魚にやかましくないからである。
 そう,どうもウチナンチュは魚介にあまり興味を示していないらしい。これだけ豊富な海産物に囲まれて,それほど魚介料理は多様化してないのである。
 もったいない。
 と言って終わっても,それほど世間話としてはいーんだけど,この「魚汁」という感覚は明らかに「牛汁」とか「山羊汁」の亜流です。つまりは肉の代わりに魚を,おそらくは肉を入れたいけどないから,高いから魚で代用した,それが魚汁だったんだと思う。
 でもそういう,代用品で何とか美味く食さんという工夫は大抵美味を生み出す原動力です。
 沖縄の魚汁は旨い。
 そういう旨さでは,ここえんがんの魚汁はとんでもなく旨い。

▲識名そばの骨汁定食

 17時ちょうと,南へ一路バイクを駆って識名そば。
骨汁定食550
 魚汁と同じく,明らかに貧民の苦労から編み出されたこの骨汁という料理は,狭い沖縄でも中部にしか普通にはない。
 この識名そばの骨汁は,だから何か安直な雰囲気がある。どど~ん!という迫力の割に,出汁やエグミは乏しくて大人しい味です。
 ただ観光客向けなのかと言えば,どうもそうではないらしい。ぱらりぱらりと那覇ンチュも入る。位置的にも日常の使い勝手のいい店なんでしょう。
 そこで考えてしまうのは──那覇ンチュの舌には,この中部の味覚はどう捉えられてるのか?ということです。
 那覇は洗練されてる。やや不快かもしれない言い方で言い替えれば,那覇ンチュの味覚は内地崩れしてる。沖縄チャンポンや沖縄カレーは,いくら沖縄が付いても内地とのチャンプルー。それはそれで面白いんだけど。
「本来の沖縄は」なんて言葉には実態がない。ただそれでも,沖縄発のこの骨汁のようなものも那覇ナイズされていく。沖縄の咀嚼力は発祥の内外を問わない。そこにあるものは全て噛み下していく。
 その旺盛な食欲のようなものに圧倒される思いで,骨汁の半端さが逆に味わい深かった一食でありました。

▲「和生菓子ふちゃぎ 紅芋」
 これだけ堂々と「和菓子」宣言されると,するっと見逃しそうになる。

[ミニレポ]ふちゃぎ
漢字表記:吹上餅
製法:餅粉に水を加え、こねて蒸したものに、塩茹でした小豆をまぶしつけたもの。
形態:小判型もしくは俵型
類似:北陸地方でささげ餅と呼ばれるものと同種
食法:旧暦の8月15日(十五夜)に、豊作を祈願してヒヌカン(火の神)と仏壇、神棚に供えた後に食べる縁起物

 まだまだ知らんもんがあるもんだ。
 個人的には南九州にある「しぐれ」を思い出した。ふちゃぎほど,何というか,ぐちゃぐちゃな外観ではないけど味は似てると思う。餅とぐちゃまぜ,塩ゆで以外には小豆本来の味しかない,という辺りが味覚的な特徴か?
 この松原屋という,公設市場のもう一つ奥にある菓子屋さん,全く庶民的なんだけどそれなりにブランド力はあるみたいで,ぽつぽつと客足が絶えることがない。品揃えも充実してるしサービルもよい。

▲松原屋製菓の「ふちゃぎ」