▲茶に濁る池の向こうに如来様。
おおっ仏教観だなあ,とか感心しようかと思っても,これどう見たって単に整備不足だよなあ。
▲ふっふ,このイチゴはワシのものだ。誰にも分けてなどやるものか。
──とか,彼の邪悪な瞳と真っ赤な唇はそう物語っている。
▲はっは,地球は私のものだ!
──とか絶対思ってるおすまし顔だけど,この普通のオッサン顔から考えて,パッと目覚めて夢だった,トホホ・・・的な安っぽさがたまらない。
▲どうぞこのパイナップルをお受け取りください。その代わり息子の受験は…
──でなくてもどうも贈収賄めいた疑惑を臭わせる。この世渡り上手っぽい顔つきは。
▲お経,早く終わんないかなあ…
──とか間違いなく思ってる。この何にも考えてない,弛みきった表情筋は。
これが極楽編である。何か有り難いものを想像しておられたのなら申し訳ない。何かスッ惚けた非現実感に溢れた極楽観である。
ところがこれが地獄になると,俄然リアリティーを帯びる。→地獄編
この両者は別の塔になってて,簡素な回廊で結ばれてます。さすがに同じ建物には入れられなかったらしい,ビルマ人の発想でも。