外伝14緬甸/လှုပ်ရှားမှု(movement)Mind you,none of these people we are talking about have done well out of joining the movement.{最終日}

[前日累計]
支出1500/収入1470
    /負債 30
[前日累計]
    /負債 518
§
1月1日(金)
0920 名も無き屋台(パノラマ裏道)
マトン,ワカサギのカリー 500
1135 YKKO Kyay Oh & BBQ House(MYANMAR CULTURE VALLEY)
Home made Kyay Oh
Espresso Double400
1420 名も無き魚屋台(23nd.Street)
燻製とジャコのカレー 500
1700 亜[土申]Ya Kun COFFEE & TOAST
Coffee O
Kaya Toast(1Slice)250
1750 Shwe Bali Yoghurt
700K,150
2130 定位置も無き屋台
コーン,ピーナッツ,リュウキュウ,ジャコ,赤青唐辛子,ナンプラーの和え物 150
[前日累計]
支出1500/収入1950
負債 450/
[前日累計]
    /負債 68
→1月2日(土)

▲名も無き屋台(パノラマ裏道)のマトン,ワカサギのカリー

 ミャンマー明けましておめでとうございます。
 元旦の早朝,最終宿パノラマホテルへ移動。おおっ,ゴージャスじゃ!
 そういう流れなので,初詣にシュエダゴンパゴダに向かってみることにします。おおおっ,ゴージャスじゃ!
 ならばその前に朝ご飯!シャン料理の店で…と目星つけてた店を探してみましたが──ない。ここではとおぼしき場所では工事中だったので,おそらく立ち退いたらしい。
 で,9時20分, パノラマ裏道の脇に開店してた名も無き屋台へ。──あんまりゴージャスじゃないが。
マトン,ワカサギのカリー 500
 マトンは,やはりこれミャンマー料理の真骨頂です。しかもここのは,シンプルにして奥深き緬甸スパイス使い。スパイスが角煮の奥に隠れる感じの慎ましい調味になってます。こういう端正なミャンマーものもおるんだなと刮目する一品でございました。
 ワカサギは姿揚げに近くカリーではなかった。けどこれが意外に良い!瀬戸内の雑魚の唐揚を思わせるカリカリのクリスピー感。しかしこの充実したジャリジャリ度は,どういう魚ならこうなるんだろう?
 最終日朝仁ふさわしいまとまったお味のお膳をいただきました。

 ゴージャスなのでタクった。10時,シュエダゴン着。
 無事,というかただの観光ですが,シュエダゴンパヤーで初詣。このミャンマー最大の観光資源がまた…やっばりブッ飛ばしてました。
 しかし,ここの参道の階段に並んでるものすごい数の土産物屋で,意外にも日本人向け土産が全く見つからん。諦めて11時20分,MYANMAR CULTURE VALLEYへ。
 シュエダゴンの西参道入口に作られた外国向け施設…かと思ったけど食事処だけは普通に利用されてる。この国って中産階級が既に相当いる,でも金の使い場所がない。そういうのが本当のところの感覚ではないでしょうか?

▲YKKO Kyay Oh & BBQ HouseのEspresso Double

 11時35分,結局予定通りにYKKO Kyay Oh & BBQ Houseというこの施設内の飯屋に入る。
Home made Kyay Oh
Espresso Double400
 まず来たエスプレッソはかなり本格的。日本レベルなら十分通じるけど,韓国ほどは使いこまれてない手応えか。
 チェーン店と聞くがサービスはかなり完璧。外国人から緬甸大家族,青少年カップルまで多彩な客層を難なくこなす。ただ…やや品出しは遅いか?
 とひとしきり待って出てきたのがチェーオー。まだ食べ残してたミャンマー飯です。
 まあ麺です。麺なんだけど,これは何の麺だ?ビーフンなのかきしめんなのか,故意に二種入れてるのか,はてまた不揃いの麺というだけなのか…とにかく麺自体がバラバラの規格でゴタゴタっと一緒に入ってる。食感の変化って意味ではなかなか面白いんだけど,成功してるのか失敗しとるのか判断しかねる。
 さらに具まではちゃめちゃ。豚モツが出てきたかと思えば肉団子が現れる。で,やっばり,そーゆー複合味が面白いと言えないこともないけど,ごった煮で統一感がないと言えばそうとも言う。
 まあこれが成功だという前提で言えば──そうだとすれば,これは完全に福建の塗り重ね方式の味わいです。つまり,語義的にもそのとおりですが,ちゃんぽん。長崎のは麺まで不揃いじゃないですが,そういう意味ではもっとジャミングしたちゃんぽん。
 おそらくこのジャミングするという行為にかけては,このミャンマーって文化は得意中の得意だろうと思う。
 あれ?そうなると…10年後のミャンマーにはいろんな生活面に不可思議でブッ飛んだ文物がするっと創造されていく可能性がありそうです。それは韓国や台湾みたいなバイタリティを帯びてではなくて,スロバキアで触れたような望洋たる狂気みたいなものでこの土地は,今まさに創造の歯車を回し始めたのかもしれない。

▲YKKO Kyay Oh & BBQ HouseのHome made Kyay Oh

 14時20分。名も無き魚屋台を再訪。次に来るときのために書き留めよう。23rd.Streetです。
燻製とジャコのカレー 500
 何でだ?店に顔を覚えられてしまってた。外人の来客はそれなりに珍しくて,昨夜話題にされてしまったとか?
 贔屓目に言っても汚い店だけど,婆さんと,なぜか孫ほどの若い衆ばかりが3人。どの人当たりも非常に柔らかく,すごく居心地がいい。店は汚いけど。
 ジャコは昨日と同じ。でも今日の皿は,イギイギしさに絡まる緬甸カレー独自のねっとり味が…日本に持って帰るってより,素材的には十分自分で作れそうなのに…どうやったらこの絡まりが作れるんだろう?
 そして,一口食べて指が止まったのが燻製。
 一口で分かる感動味。スゴい!──タラかニシンだろうか?サケのトバにも似てるけど…赤身が醸すベーコンのような香気が,噛むと同時にむせるように口内に広がる。それだけなら素材の味だけど,これと緬甸カレーのまったり感が素晴らしくコラボする。このコラボを実現させるためには,相応のコントロールを両方に施す必要があると思うんだけど,それをどうやってやってるのか見当もつかない。
 それから昨日は書き忘れてました。付いてくるスープがまた素晴らしい!沖縄の魚汁にそっくりで,具のほとんどが骨だから魚の骨汁という感じの製法でしょう。調味料はヌクマムが僅かに効いてるくらいで,和食で出ても全く違和感無し。
 ミャンマー人はやはり足繁く通ってるみたいですが,外人が寄る界隈じゃない。よくこの店に目をつけたものだ。己の眼力に感嘆する一店でした。

▲名も無き魚屋台(23nd.Street)の燻製とジャコのカレー

 17時。アウンサンマーケット前の亜[土申]Ya Kun COFFEE & TOASTに試しに入っとく。
Coffee O
Kaya Toast(1Slice)250
 迷ったが…18時30分のスターウォーズ(3D!!)の映画チケットを買ってしまってました。それまでの間をここで過ごすことに。
 久しぶりでしたが,やはりここのはいい!
 カヤとバターとトーストの軽快にして絶妙なバランスは生きてる。カヤはあくまでアクセントを与える名脇役,バターも主役ながら極めて控え目で,真の主役たるこのカスカスで粉っぽいカリカリのトーストが…。
※ちなみにヤンゴンのYa Kunは計4店舗(亜[土申]メニューリストより)。Yangon Outlegs:FMI Center|Yangon intl.Airport|Junction Square|Hledan Center。──って外資系で一番展開してるんじゃないだろか?そういえばホテルでもシンガポール系を複数見た。国家間の関係が良いのかも?
 しかし何より,ここのロケーション!
 通りの向かいにはKFC,下にはすぐミカンで満載の屋台群を見下ろしながらのCoffee O…。緬甸の過去と現代が交差する風景です。
 ここって…10年後にどうなってるのか…!?
 そう問うた途端にその問がギラギラと生々しさを帯びていきました。そこで──同じ志向で,先ほどスーレーパヤー北ワンブロックの歩道橋の真ん中から,真南北のフォトを撮りました。北にはHITACHIのネオンを挟んで東西が大工場中。
 この5枚の定位置写真を10年後の自分へのビックリ箱にしようと企みました。
 初回の緬甸で数人でこの辺りをうろついて,「寂しい首都だなあ」「社会主義チックですよね」とボヤいた記憶がある。既にそんな空気は微塵もない。以前の光景と「あっ,ここがあの角なのか!?」と時々無理矢理突合できる程度にしか一致点がなくなってます。
 でもいまのとこ──さっき名鉄の中古バスの入口の「バスカード使えます」を撮ってたら,わざわざ立ち止まって「何してんだこの外人?」みたいなヒョウげた顔を向ける娘さん。とりあえず今のところ,緬甸人のたおやかさはまんま健全なのでした。
 そんな風に考えてたら,やはりここは再訪せねば!と思い立ち,ガッガッと歩いて17時50分。親父に確認したら,やはりそんなに遅くまでは空けてなくて,スターウォーズ前が最後のチャンスでした!良かった良かった!
Shwe Bali Yoghurt
700K,150
 うめ~。やっばりうめ~。

▲もうワンショット,名も無き魚屋台(23nd.Street)の燻製とジャコのカレー

 Shae Saling Cinema Hallのチケットは2000K。この夜選んだその隣のNay Pyi Taw Cinema Hallのスターウォーズのチケットは3000K。どうやら席によっては2000K,4000Kのチケットがあるらしい。
 生活感覚からしたら高めの設定ですが一般人が払えない額じゃない。てことはあんまりこーゆー娯楽に金使う感性が普及してないのかもしれない。
 スターウォーズの観客には少なからず外人が含まれてました。サクラタワーを含むこの目抜き通りは,今のところ外人の色が濃い目の小金持ちエリアみたいです。
 映画中の盛り上がりもインドみたいな独特の熱もなく,まあおっかなビックリ見てるという雰囲気ですね。
 それだけに──この国がハジケ出したら,それは面白いウェーブになってく気がするんですが,無性に。

 復活のハンソロがすぐ死んじゃった後は,名残惜しくて夜のヤンゴンをどこということなく歩き回ってました。
 21時半。やはり定位置すら無き屋台にて。
コーン,ピーナッツ,リュウキュウ,ジャコ,赤青唐辛子,ナンプラーの和え物 150→写真
 何てゆーんだこれ?しかしこれは…辛いもの好きかジャコラーかのいずれも大興奮の逸品!生憎わしはどっちもなので,シュエダゴンの神(ブッダだけど)の賜りものかと思った!
 唐辛子がビビッと効いてて,しかも赤青二重奏。ムチャクチャ辛いのに,これはどうなってるんだか…素材の自然な甘味が複雑にこみ上げてくる…たまらない!コーン,ピーナッツ,リュウキュウ(刺身の細切れをニョクマムに漬け込んでるらしい)…そして辛味はジャコの粉々しさが緩衝しつつ受け止める!
 これら,ほとんどが日本にもある素材で,どうして緬甸でこんな構成ができるのか?
 名前も知らんが…凄い!凄いの一言!
※ あえて言えば,インドで売ってる豆とか何とか,とにかく駄菓子めいた細切れをグチャグチャに混ぜて唐辛子で和えた…あれも名前知らんけど,あれに似てる。でもリュウキュウを入れるってのは…やっばりミャンマー独自の何かなのか?
 この逸品の発見でもって,最後まで奇奇怪怪にミャンマーの歩きは幕となったのでした。